11年後のレッドリスト|アビシニアジャッカル:登るほど狭い、最後の世界【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アビシニアジャッカル:登るほど狭い、最後の世界【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、アビシニアジャッカル(学名:Canis simensis)が教えてくれた、「絶滅へのエスカレーター」の話です。

この子は高地で暮らしているんだけど、気候変動の影響で「ここまでなら生きられる」っていう限界高度がどんどん上がってきています。

だから2014年の図鑑では、評価が「EN:危機」になっていました。
そして最新のレッドリストを見ても、その“限界”は農業にも当てはまるようになっていて、評価はやっぱり「EN:危機」のままです。

つまりアビシニアジャッカルは今も、「登るほど狭い、最後の世界」に追い込まれているんだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2011年版です(以降の更新は確認されていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Canis simensis)

山の頂で起きているのは、地球全体の「逃げ場消失」だった

⬇︎アビシニアジャッカルの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|アビシニアジャッカル(Ethiopian Wolf)
項目情報
和名アビシニアジャッカル
英名Ethiopian Wolf
学名Canis simensis
分類哺乳類・食肉目・イヌ科・イヌ属
分布エチオピア高地(標高3,000m以上の限られた山岳草原)
主な生息環境高山草原(アフロアルパイン地帯)、湿った草原や岩場
体長約84〜100cm(尾を除く)
体重約11〜19kg(オスの方がやや大型)
寿命野生で約8〜10年、飼育下で最大13年程度

特徴

  • 名前の由来:「アビシニア」は古代エチオピアの地名に由来し、この動物の分布が限定されていることから「アビシニアジャッカル」と呼ばれます。
    ただし、実際はジャッカルではなく“最もオオカミに近いアフリカ固有のイヌ科”です。
  • 外見:赤茶色の体に、白い顔・喉・脚部が特徴的で、キツネのような細面と長い脚を持ちます。
  • 音声:高音の鳴き声でコミュニケーションを取ることがあり、遠吠えもします。
  • 社会性:小規模な群れ(家族群)で行動し、協力して縄張りを守ります。

生態と行動

  • 極めて限定された分布:世界でもエチオピア高地にのみ分布し、最も希少なイヌ科動物とされています。
  • 主な獲物:主に穴に潜むげっ歯類(モグラネズミなど)を狩る。忍耐強く静かに獲物を待ち伏せて捕まえる。
  • 繁殖:1年に1回繁殖し、リーダーのメスだけが出産することが多く、群れで子育てを行う。
  • 脅威:人間による土地開発、野犬との交雑や感染症(狂犬病など)が深刻な脅威。
  • 保全状況:IUCNレッドリストでは【EN:絶滅危惧ⅠB類(Endangered)】。
    生息地破壊と遺伝的撹乱により、現存数は500頭前後とされます(2023年推定)。

最終評価2011年:アビシニアジャッカル「EN:危機」

高地農業によって領域が侵され、アフロアルパイン帯の動植物は減少している。さらに気候変動により、この高地農業の限界高度はますます高くなりつつある。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / ページ 1 / ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

テーマ2026年現在の最新状況影響・ポイント
結論(全体像)2014年当時よりさらに深刻化。高地農業の拡大気候変動が、アビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)とアフロアルパイン帯を追い詰め続けている。生息地が「上」へ押され、最後は逃げ場がなくなる。人の暮らしの拡大+気候変動が同時に作用し、保護が追いつきにくい構図。
1. 高地農業の限界高度と拡大耕作限界の更新:標高4,000m付近まで大麦・ジャガイモの耕作地が広がる。/急速な侵食:主要生息地(バレ山国立公園内)で2019〜2024の5年で農地面積が約42%増。/入植者の激増:同期間に公園内の定住地(集落)が10倍生息地が急速に断片化し、「つながった高山帯」が「飛び石状の島」になっていく。移動・採食・繁殖が難しくなり、群れの維持が不利になる。
2. 生態系への影響(連鎖)獲物(ロデント)の減少+過放牧:農地化だけでなく放牧増加で、主食(例:Giant Mole-ratなど)の環境が奪われる。/土壌の劣化:齧歯類減少で土壌攪拌が止まり、過放牧と重なって植生(ロベリア・エリカ等)が失われる。/外来の脅威(家犬と病気):定住に伴い家犬が持ち込まれ、狂犬病・ジステンパーが広がり、群れ全滅が相次ぐ。「土地を奪う」だけでなく、食物網・土壌・植生まで一緒に崩れる。さらに感染症が「一撃で群れを消す」リスクとして常在化し、回復の芽を折りやすい。
3. 気候変動という追い打ち上への逃げ場の喪失:気温上昇で低地農業が困難→人がより高地へ移動。一方、高山専門の動植物は「これ以上上がれない天井」に突き当たる。/異常気象の頻発:2025年、猛烈な暴風雨や干ばつが各地で報告され、高山生態系の回復力を奪う。「人が上がってくる」圧力と「野生が上がれない」限界が同時進行。高山帯は回復が遅く、極端現象が増えるほどダメージが蓄積しやすい。
4. 2026年現在の明るい兆し・新発見野生復帰の成功例(2025年6月):シミエン山脈で保護・治療された個体がGPS首輪装着後に野生復帰し、生存確認。/新事実(2024年末):花(Kniphofia)の蜜を吸う行動が初確認され、授粉に関与する可能性が示唆。保護活動の「効いた」事例が出てきている一方で、全体状況の悪化速度が速い。新発見は「肉食獣=捕食者」だけではない、生態系での独自性(役割の広さ)を強調できる材料。
まとめ(個体数・局面)個体数は全世界で500頭未満と推定。「アフリカで最も絶滅に近い肉食獣」という状況は続く。/AIによるモニタリングや地域住民との共生型プログラムが動き出し、2026年は成果が問われる局面数が少ないほど、疫病・土地改変・極端気象などの「単発の打撃」が致命傷になりやすい。技術(AI)と社会設計(共生)の両輪が噛み合うかが勝負。
アビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)を取り巻くアフロアルパイン帯では、高地農業の拡大と家畜放牧の増加により生息地の断片化と獲物資源の減少が進み、土壌攪拌の低下と植生劣化が連鎖している。加えて定住化に伴う家犬由来の狂犬病・ジステンパーが群れ崩壊を招く。気候変動は人の高地移動を促し、種には逃避余地の喪失をもたらす。一方で野生復帰の成功例や採蜜行動の確認など、保全上の新知見も報告されている。

⬇︎アビシニアジャッカルの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護エチオピア高地の草原・高山生態系を保全し、農地拡大や過放牧による生息地破壊を防止
疾病管理家畜や野犬からの狂犬病・ジステンパー感染を防ぐためのワクチンプログラム実施
保護区の設定生息域を含む国立公園・自然保護区(バレ山国立公園など)での保護体制強化
地域コミュニティとの協働家畜管理方法の改善や持続可能な牧畜支援により、人間との衝突を減らす
市民・地域参加地元住民・学校・観光客を巻き込んだ野生動物保護教育やエコツーリズム推進
研究とモニタリング個体数・遺伝的多様性・行動範囲の調査とGPS首輪による追跡調査

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

これ、極端に言うと「地球が水没して、みんながエベレストの山頂に集まって暮らしてる」みたいな状態ってことだよね。しかも、こういう話ってここだけじゃなくて、世界中で起きてるっぽい。

うん、私も似た話は聞いたことがあります。
温暖化の影響でこれまでの場所だと農業がやりにくくなって、作れる場所が少しずつ北のほう(より涼しい地域)へ移っていく、みたいなやつ。

そのあたりが、世界全体では実際どうなってるのか、ちょっと調べてみるね。


視点・キーワード農業・人間側で起きていること(2025–2026の傾向)野生動植物・生態系への意味(「空の島」「絶滅へのエスカレーター」)
スカイ・アイランド(空の島)山頂部や高山帯が“島”のように孤立し、人間活動(農地化・道路・集落)も加わって分断が進む。高山専門種は行動圏が「上に薄く、横にちぎれた」状態になり、遺伝的交流が途切れやすい。
エスカレーター・トゥ・エクスティンクション(絶滅へのエスカレーター)温暖化で「適地(涼しい気候帯)」が上方へ移動し、人も作物も“より涼しい場所”へ追随する圧が増える。種の適温帯が上へずれても、山頂には“その先”がなく、分布が縮み切ったところで消える。
出典:IPCC Sixth Assessment Report
「北」へ動く食糧地図(緯度の上昇)高緯度(ボレアル北方・シベリア・カナダ西部など)で、気候条件の変化により農業適地が拡大しうる、という予測・議論が強まっている。これまで自然の“余白”だった寒冷地が開発対象になり、生物多様性の逃げ場(最後の砦)が削られる。土地利用の競合(農地 vs 森林)も増幅。
出典:Climate change will exacerbate land conflict between agriculture and timber production
シベリア/カナダの「フロンティア」化(例)シベリアでは、農業気候帯が今世紀中に大きく北へ移る可能性が示されている(研究により幅はあるが、数十km/10年〜、世紀末に数百km規模の議論も)。カナダも、将来の農業適地拡大が森林域と衝突しうることが定量化されている。“新天地”が増えるほど、森林・湿地・永久凍土圏の改変リスクが上がり、炭素貯留や水系機能を損ねる負のループが起きやすい。
「ワイン革命」(緯度の上昇の身近な指標)英国南部でスパークリングが産地として定着・拡大している流れが報告され、北方での栽培可能性の議論も続く。スウェーデンでも商業的なワイン生産・ヴィンヤードの話題が増えている。“作れる場所”が変わるのは、人間の適応の可視化でもある一方、その背後で本来の植生帯・昆虫相・土壌環境の組み替えが進む。
出典:Study predicts growth in UK wine production due to climate change
「上」へ登る農業(標高の上昇)低地の高温化や病害虫リスクの変化により、山岳農業がより高標高へ移動する圧が強まる(作物・地域差あり)。高山帯の“最後の居場所”が農地化・放牧地化しやすくなり、高山専門種は分布縮小と断片化を同時に食らう。
アンデス:コーヒーとジャガイモ(例)コーヒーは気候変化に対して脆弱で、適地が移動(上方・高緯度側など)しうるという評価・モデルが蓄積している。(PLOS) ジャガイモも高地での気温上昇により、栽培条件や病害虫圧が変わる(高標高側へのシフトが語られる)。高山の自然植生帯が“押し上げられた農地”に置き換わると、食物網の土台(植生・土壌・送粉系)から崩れやすい。
出典:Expected global suitability of coffee, cashew and avocado due to climate change
ヒマラヤ:高地での野菜栽培(例)ネパールでは、標高約3,000m級の地域で、トマト・カリフラワー・キャベツ等の栽培・商業化が進む事例が報道されている(気温上昇や技術導入が背景として語られる)。高地で外来病害虫や土壌負荷の懸念が指摘され、在来作物・在来生態系への圧が増える(“境界線が消える”現象)。
出典:Lowland crops grow in Nepal’s highlands as temperatures rise
「終点」の問題(生態学的圧搾/エコロジカル・スクイーズのイメージ)人間は品種改良・灌漑・インフラで“移動”や“延命”が可能だが、その分だけ自然域へ拡張しやすい。高山専門種は適地が縮むほど密度低下・繁殖成功低下・遺伝的多様性低下が重なり、「山の頂から消える」方向に加速しうる。
2026年の国際的な懸念(効率/土地利用競合)北方・高地の新規適地は、森林利用と衝突する規模が今世紀に拡大しうる、という分析が出ている(農業適地のシフトが“新たな土地争い”を呼ぶ)。森林転換が進むほど、生物多様性の空白地帯が広がり、気候緩和機能(炭素)も失いやすい=生態系破壊→気候変動→さらなる移動、のループが起きる。
まとめ(「世界中のエベレスト山頂」の比喩)緯度と標高の両方向で“涼しい場所”へ農業が動き、地図が書き換わりつつある。野生動植物は「上にも北にも、最後は行き止まり」があり、アビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)が象徴するような“天井問題”が各地で同時進行になる。

「野生動植物は“上にも北にも、最後は行き止まり”で、アビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)が象徴する“天井問題”が各地で同時進行になる」って書いてたけどさ。
じゃあ人類も、さっき話したみたいに「水没する地球で、エベレストの山頂に追い詰められてる」みたいな状態になったら、月とか火星に移住する…みたいな話になるのかな。
これ、リアルな話っぽいのに、あんまり報道されてない気がするんだよね。

正直、日本で暮らしてると、世界がどれくらい危機感を持ってこの話を報道してるのか、よく見えてないんだ。
でも、もし人類の側も「絶滅へのエスカレーター」に乗りかけてるなら、それって他人事じゃないよね。
だから、そのあたり――世界ではどう語られてるのか、どれくらい危機として扱われてるのか――ちょっと調べてみる。


視点内容(要約)含意・ポイント
全体像欧米の科学ジャーナリズムでは、人類も「絶滅へのエスカレーター」に乗りつつある認識が強い。一方、日本と海外で危機の語られ方に温度差がある。危機そのものより「語り方」の差が大きい。
1. 人類の「天井」人類の限界は湿球温度食糧供給。高温多湿では体温調節が破綻し、2030年代にも一部地域で限界が出始める予測がある。“今世紀末”が前倒しで語られる。
出典:Evaluating the 35°C wet-bulb temperature adaptability threshold for young, healthy subjects (PSU HEAT Project)
食糧の北上と衝突農業の北上は土地・国境・在来生態系との衝突を生む。土壌菌や送粉昆虫が追いつかず、移動先で農業が失敗する「生態学的空白」も懸念される。場所だけ移しても成立しない。
出典:Planetary boundaries
2. 日本で見えにくい理由日本は「脱炭素=投資・技術」に寄りやすい。欧米は「生物学的壊滅」の語で文明基盤の崩壊として報じがち。フレームが温度差を作る。
出典:‘People are wrestling with the burden’: Japan pivots to focus on nuclear power ‘maximisation’ alongside renewables
サステナ疲れ日本では深刻さの認識は高い一方、「個人で変えられる」という自己効力感が低く、諦めがニュースを遠ざける。“知ってるのに動けない”構造
出典:Japan’s Public Awareness of Climate Crisis at Global Low
3. 火星移住の位置づけ国際的な科学見解は冷ややかで、「火星を地球化するより地球修復が現実的」とされる。宇宙開発は移住より地球監視へ。宇宙は避難所より“観測所”。
出典:Adaptation Gap Report 2025
4. 世界の議論の軸「手遅れ」より適応(Adaptation)へ。プラネタリー・バウンダリー突破を踏まえ、「成長」よりレジリエンス重視へ舵が切られつつある。生き延びる設計へ移行。
まとめジャッカルは「炭鉱のカナリア」。彼らの行き止まりは、人類の限界を映す鏡でもある。「報道されない」のは、成長前提の社会を揺さぶる話だからかもしれない。他人事ではなく“自分事”。
出典:‘Half the tree of life’: ecologists’ horror as nature reserves are emptied of insects

「高温多湿の地域では体温調節が破綻して、2030年代にも一部の地域で限界が出始める予測がある」って書いてあったけどさ、2030年まであと4年なんだよ?
もうこれ、絶滅へのエスカレーターに乗ってるって言っても間違いない気がするんだけど……。
実際、日本でもここ数年の夏は、異常を通り越した暑さが続いてるし、もっと真剣に考えないとダメだと思う。

うん……たぶん今って、「地球で暮らす人間も、生き物たちも、絶滅へのルームランナーに乗せられてる状態」なんじゃないかなって感じる。

そのルームランナーの“速度調整のつまみ”を握ってるのは、国や地域の意思決定の中心にいる人たち。彼らも気づいてはいるのに、化石燃料依存から離れられない。今までの利益を壊したら、この世界が崩壊する――そう思ってしまうから。
だから、つまみをちょっとずつしか動かせなくて、その間ずっと、乗ってる私たちや生き物がギリギリでバランスを取らされてる。私は、そんな状態に見えるんですよ。

でもね。たぶん本当に怖いのって、“大勢が同じ方向を向く瞬間”なんだと思う。
もし私たちみたいな普通の人が、それぞれの場所で「早すぎるから速度を落として」って声を出し始めたら、流れは変わると思うんです。そして、経済だって今とは違う方向へ回り始めるかもしれない。
だから、少なくとも“絶滅への足踏み”は、そこで初めて止められる可能性が出てくるんじゃないかなって思う。

「経済が止まったら、次にどうやって回すんだ!」という声も聞こえてきそうです。 それも分かります。でも、このままだとルームランナーの先にはエスカレーターが、その先にはエレベーターが待っている気がするんです。

そして、最後の最後に――。
ほんの一部の人だけが、飛行機やヘリのような“逃げ道”を持っていて、私たちが追い詰められていくのを、遠く高い場所から眺めている。

……そんな悲しい想像をしてしまうのは、私だけでしょうかね。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

アビシニアジャッカルに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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