※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
Hi, 鶏人|Keijin here.
In the 2014 encyclopedia, the common blue skate (scientific name: Dipturus batis) was listed as “CR: Critically Endangered.” This was due to a dramatic population drop caused by overfishing and bycatch in bottom trawls and gillnets, made even worse by their slow growth and the long time it takes them to reach reproductive age.
And looking at the IUCN Red List as of 2026, that evaluation hasn’t changed since 2014—they are still rated as “CR: Critically Endangered.”
In recent years, fishing, keeping them on board, and landing them have been banned in many EU and UK waters. Measures are also moving forward to ensure that bycaught skates are quickly returned to the sea. While we’re seeing some signs of recovery in certain areas like Scotland, with improved sighting numbers and survey catch rates, the population across their entire distribution range is still shrinking. Sadly, deaths from bycatch are still happening.
I feel like the common blue skate is still in a situation where, “even with protection underway, they are still swimming through a crisis.”
This is a quick 5-minute read. I hope you’ll stick with it to the end.
こんにちは、鶏人|Keijinです。
コモンガンギエイ(学名:Dipturus batis)は、2014年の図鑑では、漁業による乱獲や底びき網・刺し網での混獲によって個体数が劇的に減少し、成長が遅く、繁殖できるまでに長い年月を要することなどから「CR:深刻な危機」と評価されていました。
そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「CR:深刻な危機」のままでした。
近年は、EUや英国の多くの海域で漁獲・船上保持・水揚げが禁止され、混獲した個体を速やかに海へ戻す措置も進められています。スコットランドなど一部の海域では、確認数や調査時の捕獲率に回復の兆しも見られますが、分布域全体では依然として減少傾向にあり、混獲による死亡も続いています。
コモンガンギエイは今も、「守られ始めても、危機を泳ぎ続ける」状態なのだと思います。
この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2021年評価(2024年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Dipturus batis)
コモンガンギエイは今も深刻な危機|2014年から2026年までCRが続く理由
⬇︎コモンガンギエイの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和名 | コモンガンギエイ |
| 補足 | 2014年の図鑑で使われている和名を採用。IUCNページを自動翻訳した「コモンブルースケート」は英名の機械的なカタカナ表記であり、標準和名とは限らない |
| 英名 | Common Blue Skate |
| 別英名 | Blue Skate、Grey Skate、Blue-grey Skate |
| 旧英名 | Common Skate。ただし現在の Common Skate は、Dipturus batis と Dipturus intermedius を合わせた「common skate complex」を指す場合がある |
| 学名 | Dipturus batis |
| 学名表記 | Dipturus batis (Linnaeus, 1758) |
| 原記載名 | Raja batis Linnaeus, 1758 |
| シノニム | Raja batis、Dipturus flossada、Raja flossada など |
| 分類 | 軟骨魚綱・板鰓亜綱・ガンギエイ目・ガンギエイ科・Dipturus属 |
| 科 | Rajidae、ガンギエイ科 |
| 属 | Dipturus |
| 属の基準種 | Dipturus batis はDipturus属の基準となる種 |
| 分類上の重要点 | かつて Common Skate Dipturus batis とされた魚には、現在の Common Blue Skate と Flapper Skate の2種が含まれていた |
| 現在の近縁種 | Flapper Skate、学名 Dipturus intermedius |
| 2種への整理 | 2009~2010年ごろの遺伝学・形態学研究により、従来の Common Skate が少なくとも2種からなることが示された |
| 旧記録の注意 | 2010年以前に Dipturus batis または Common Skate と記録された情報の多くは、D. batis と D. intermedius のどちらか判別できない |
| IUCNレッドリスト | CR:深刻な危機 |
| IUCN評価基準 | A2bcd |
| 最新評価の扱い | 現行評価は2024年に公表された2021年評価の修正版。評価日は2021年4月2日 |
| 個体数傾向 | 長期的には大幅な減少。IUCNは過去3世代、約60年間に80%を超える個体数減少が起きたと推定している |
| 近年の傾向 | 北東大西洋の一部では、科学調査による漁獲率や出現頻度に増加の兆候がみられる |
| 現状の解釈 | 一部海域で回復の兆候はあるが、過去の分布域の多くで消失・希少化したままであり、CR評価を変更できる段階ではない |
| CITES | 掲載されていない |
| CMS | 掲載されていない |
| OSPAR | Threatened and/or Declining Species、脅威・減少種として掲載 |
| 分布する海洋 | 北東大西洋 |
| 現在の主要分布域 | ウェスタン・アプローチ、ケルト海、ロッコール海台、アイスランド周辺、イギリス諸島西方・北方の沖合 |
| イギリス周辺 | アイルランド西方、イギリス南西部沖、スコットランド西方・北方、ロッコール周辺など |
| フラッパースケートとの分布差 | Common Blue Skate は比較的南方・沖合に多く、Flapper Skate はスコットランドなど比較的北方の沿岸域で優勢になる傾向がある |
| 分布が重なる海域 | ケルト海からスコットランド北西部にかけて、両種の分布が重なる |
| 南限 | ビスケー湾北部付近まで確認されるが、南方の分布限界は十分に解明されていない |
| 地中海での扱い | 古い資料では地中海まで分布するとされたが、分類の混乱や他のDipturus属との誤同定があり、現在のD. batisとしての分布は不確実 |
| バルト海での状況 | かつてカテガット海峡周辺などで確認されたが、現在はバルト海地域で地域絶滅と評価されている |
| 日本での分布 | 日本近海には自然分布しない |
| 生息環境 | 大陸棚から大陸斜面上部の海底付近 |
| 水深 | 主に30~600m。まれに約1,000mまで記録される |
| よく見られる水深 | 大陸棚上の約200m以浅から、その外縁部にかけて多い |
| 底質 | 砂底、泥底などの軟らかい海底を利用するほか、砂礫、礫、岩場でも確認される |
| 環境の特徴 | 比較的安定した水温の沖合環境と関連が強い |
| 生活場所 | 海底付近で暮らす底生性・底層性の魚 |
| 体型 | 胸びれが大きく広がった、扁平な菱形の体盤を持つ |
| 吻 | 長く尖り、頭部前方が三角形状に突き出す |
| 体盤の前縁 | 吻から胸びれ先端にかけての前縁が内側へ湾曲する |
| 尾 | 細長い尾を持ち、尾の先端近くに小さな背びれが2基並ぶ |
| 体色 | 背面は灰色、オリーブ灰色、褐色などで、淡色の斑点や模様が入る |
| 翼状部の模様 | 胸びれ部分に淡い斑点や、淡色の輪で囲まれた暗い円形模様が現れることがある |
| 腹面 | 灰色から青灰色。成長段階によって色調や模様が異なる |
| 眼 | Common Blue Skate は黄色味のある淡い虹彩を持つ傾向があり、Flapper Skateとの識別材料の一つになる |
| 棘 | 尾の正中線上におおむね12~31本の棘が並ぶ |
| 幼魚の皮膚 | 幼魚では体盤の背面・腹面が比較的滑らか |
| 成魚の皮膚 | 成長すると頭部や体盤前縁などに小さな皮歯・棘が増える |
| 歯列 | 約40~56列の歯を持つとされる |
| 現在の種としての最大体長 | 種を分けた研究で確認された最大体長は約143.2cm |
| 最大体重の観察例 | 内臓除去重量で約15.2kgの記録がある |
| 雄の成熟体長 | 全長約115cmで半数が成熟すると推定される |
| 雌の成熟体長 | 全長約123cmで半数が成熟すると推定される |
| 成熟年齢 | 約11歳で半数が成熟すると推定される |
| 孵化時の大きさ | 全長約21cm |
| 成長の特徴 | 成長が遅く、性成熟まで長い年月を要する |
| 寿命 | 数十年生きる長寿の魚と考えられるが、古い寿命記録には2種が混在している可能性がある |
| 活動 | 海底で休息・移動しながら餌を探す。必要に応じて海底から離れ、中層の魚を捕らえることもある |
| 食性 | 肉食性 |
| 幼魚の主な餌 | エビ類などの小型甲殻類、その他の底生無脊椎動物 |
| 大型個体の主な餌 | カニ類、硬骨魚類、頭足類、ほかのエイ類など |
| 成長に伴う食性変化 | 小型個体は小型甲殻類を多く食べ、成長すると魚類など大型の獲物の割合が増える |
| 生態系での位置 | 海底生態系の中・上位捕食者、メソプレデターとして機能する |
| 繁殖方法 | 卵生 |
| 交尾 | 雄と雌が抱き合うような姿勢で交尾する |
| 産卵 | 雌は大型の卵殻を海底へ産み落とす |
| 産卵時期 | 春から夏に産卵する記録がある |
| 産卵頻度 | 成熟雌は年単位で卵殻を産むと考えられている |
| 卵殻の形 | 四隅に角状の突起を持つ、長方形に近い大型の卵殻 |
| 卵殻の全長 | 角を含めて約19~24cm。平均的には約21cm |
| 卵殻本体の長さ | 角を除いて約13~15cm |
| 卵殻の幅 | おおむね6~8cm |
| 卵殻の表面 | 繊維状の物質に覆われ、海底の砂泥や海藻などに絡みやすい |
| 産卵場所 | 砂泥底などが利用される。場所を限定した産卵・育成場が存在すると考えられている |
| 育成場 | 幼魚が集中する離散的なナーサリーグラウンドの存在が報告されている |
| 親による保護 | 産卵後に親が卵や幼魚を守る行動は確認されていない |
| 繁殖上の弱点 | 成熟が遅く、産卵数が限られ、個体群の回復速度が非常に遅い |
| 最大の脅威 | 漁業による過剰死亡 |
| 歴史的な漁獲 | かつては食用魚として直接漁獲され、Common Skateの名称で水揚げされていた |
| 現在の漁業被害 | 底引き網、刺し網、その他の底魚漁業で混獲される |
| 卵・幼魚への影響 | 移動式底漁具は卵殻や幼魚を巻き込み、産卵・育成場所を攪乱する可能性がある |
| 大型化の不利 | 体が大きいため漁具にかかりやすく、混獲後の取り扱いにも時間がかかる |
| 誤同定の問題 | Flapper Skate、Norwegian Skate、Longnosed Skateなどとの誤同定があり、漁獲・分布データの精度を低下させる |
| 規制逃れの懸念 | 禁止種を別種として報告・水揚げする誤報告が発生する可能性がある |
| EU・英国の規制 | 多くの北東大西洋水域で漁獲・保持・水揚げ・積み替えが禁止されている |
| 混獲時の対応 | 捕獲された場合は、可能な限り速やかに、傷つけず海へ戻すことが求められる |
| 保護地域 | Common Skateの名称で、スコットランドのLoch Sunart to the Sound of Jura海洋保護区の保全対象となっている |
| 保全活動 | 漁獲禁止、混獲削減、科学調査、種判別技術の改善、標識調査、産卵・育成場の特定と保護 |
| 回復の可能性 | 漁獲圧の低下後、一部調査海域で出現率・漁獲率の増加が確認されており、保護措置が機能する可能性を示している |
| 回復上の課題 | もとの個体数が極端に減っていること、成熟が遅いこと、混獲が続くこと、種別データが不足していること |
| 人への危険性 | 毒棘を持つアカエイ類とは異なり、人に積極的な危害を加える魚ではない |
出典
- IUCN Red List:Dipturus batis, Common Blue Skate
https://www.iucnredlist.org/species/203364219/256580832 - NatureScot:Sharks and Skates of Scotland Report – Common blue skate
https://www.nature.scot/doc/sharks-and-skates-scotland-report-common-blue-skate-dipturus-batis - OSPAR:Status Assessment 2021 – Common skate
https://oap.ospar.org/en/versions/1744-en-1-0-1-common-skate/ - FishBase:Dipturus batis, Blue skate
https://fishbase.se/summary/Dipturus-batis
評価日2021年・2024年公表:コモンガンギエイ「CR:深刻な危機」
コモンガンギエイはかつて、大西洋北東部ではもっともありふれたエイであり、商業漁獲量のかなりの部分を占めていたが、とくにブリテン諸島周辺部では近年、劇的な減少をたどった。これはこの種をねらった漁業や、混獲の影響によるものである。コモンガンギエイの寿命の長さと成長の遅さは、この種が乱獲に耐える能力をほとんど持たないことを示している。この種は、おそらく世界でもっとも絶滅が危惧されている海産魚である。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

確認したところ、2014年の図鑑と2026年現在では、IUCNカテゴリーそのものは「CR:深刻な危機」のままです。ただし、その間に分類学上の整理が進み、図鑑の「コモンガンギエイ」には、現在は別種とされる大型のフラッパースケートの情報がかなり含まれていた可能性があります。
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| 和名・英名 | コモンガンギエイ。英名は Common Skate と記載。 | IUCNでの英名は Common Blue Skate。学名は Dipturus batis。日本語では引き続き「コモンガンギエイ」とされる場合があるが、分類上は「コモンガンギエイ類」ではなく、より小型の Common Blue Skate を指す。 |
| 分類上の重要な変更 | Dipturus batis を、全長2mを超える大型の「コモンガンギエイ」として扱っている。 | かつて Dipturus batis と呼ばれた魚は、遺伝学的研究によって2種からなることが判明した。現在は、比較的小型の Common Blue Skate が Dipturus batis、大型の Flapper Skate が Dipturus intermedius とされる。2010年以前の記録の多くは両種を区別できず、「common skate complex」として扱う必要がある。 |
| 図鑑の「全長2m」という記述 | 小さい個体でも全長2mに成長し、ヨーロッパのエイの中で最大種と記載。 | 現在の Dipturus batis は、確認された最大級でも全長約143cm、内臓除去重量約15kgとされる。2mを超える大型個体や「ヨーロッパ最大」という特徴は、主として別種となった Dipturus intermedius に該当する。したがって、図鑑の大きさの説明は現在の D. batis だけには適用できない。 |
| IUCNカテゴリー | CR:絶滅危惧IA類。 | CR:深刻な危機のまま。現在表示されている評価は、2021年4月2日に実施され、2021年評価の修正版として2024年に公表された評価である。判定基準は A2bcd。2026年時点のIUCNサイトに掲載されているが、2026年に新しく再評価されたという意味ではない。 |
| CR判定の根拠 | 商業漁業と混獲による劇的な減少、分布域の縮小、長寿・成長の遅さから、乱獲にほとんど耐えられないと説明。 | 過去3世代、約60年間に、漁獲圧と分布域の縮小によって個体数が80%を超えて減少した疑いがあると判断されている。長期的な減少規模が極めて大きいため、近年一部で改善傾向があってもCRは維持されている。 |
| 個体群の長期傾向 | 大西洋北東部、とくにブリテン諸島周辺で劇的に減少したと記載。 | IUCNの世界評価では、個体群動向は現在も「減少」とされる。かつての生息域の一部では、現在も非常に少ないか、地域的に消失した状態にある。北海などでは、個体群は依然として枯渇状態と考えられている。 |
| 近年の回復兆候 | 回復傾向についての記載はなく、減少の深刻さが中心。 | スコットランドおよび大西洋北東部の一部では、漁業から独立した調査で、捕獲率や確認地点の増加といった前向きな兆候が確認されている。NatureScotは地域的な動向を「増加」としている。ただし、これは局地的・近年の変化であり、世界全体が回復したことを意味しない。 |
| 現在の主な分布 | 大西洋北東部および地中海に生息すると記載。図鑑の地図も旧来の広い分布を示している。 | 主な残存域は大西洋北東部の沖合で、ウェスタン・アプローチ、ケルト海、ロッコール海台、アイスランド周辺など。ケルト海から英仏海峡、北海南部方向への拡大を示す記録もある。一方、南側の分布限界やイベリア半島沖での存在には不確実性が残る。過去の広い分布記録には D. intermedius が含まれている可能性が高い。 |
| 生息環境 | 海底に生息する大型の海産魚として説明。 | 大陸棚、大陸斜面上部、沖合の海山や堆などの海底付近に生息する。主な水深は約30~600mで、約1,000m付近まで確認される場合もある。比較的安定した沖合環境との結びつきが強い。 |
| 成熟と繁殖 | 寿命が長く、成長が遅いため、乱獲への耐性が低いと記載。 | 雄は全長約115cm、雌は約123cmで半数が成熟し、成熟年齢は約11歳と推定される。雌は長さ約20~25cmの大きな卵殻を産む。成熟が遅く、繁殖力が低く、個体数の回復には長期間を要するという基本的な評価は変わっていない。 |
| 主要な脅威 | 対象漁業と混獲が劇的減少の原因と記載。とくにトロール漁具による成体や卵の捕獲を問題視。 | 現在も最大の脅威は底びき網、刺し網などによる混獲である。成体だけでなく、海底に産み付けられた卵や幼魚も移動式漁具の影響を受ける。海底攪乱による産卵・育成環境の劣化や、種の誤同定も保全上の問題となっている。 |
| 対象漁業の現在 | 北海と地中海で漁業を禁止し、より一般的な規制が有益だろうと記載。 | EUでは2009年以降、コモンガンギエイ複合群を原則として漁獲・船上保持・積み替え・水揚げできない「禁止種」として扱っている。2026年のEU規則でも、Dipturus batis 複合群は対象海域で禁止種に指定されている。誤って捕獲した場合は、可能な限り速やかに傷つけず放流することが求められる。 |
| ICESの漁獲勧告 | 種別の詳細な資源評価や漁獲量勧告については記載されていない。 | ケルト海などでは、2025~2028年の勧告水揚げ量は0トン。正確な混獲量や放流後死亡率を算出できず、独立した個体数評価も行えない「データカテゴリー6」の状態である。禁止措置があっても、混獲そのものがなくなったわけではない。 |
| 個体数の把握 | 「劇的に減少」とされるが、具体的な成熟個体数は示されていない。 | 現在も世界全体の成熟個体数を示す信頼できる推定値はない。過去の漁獲記録では D. batis、D. intermedius、ノルウェースケート、ロングノーズドスケートなどの誤同定があり、種別の資源量推定を困難にしている。 |
| 放流後の生存 | 捕獲を防ぐため、トロール漁禁止区域が必要と記載。 | トロールで捕獲されても生きた状態で放流すれば生存する個体がいることは確認されている。しかし、種別・漁具別の放流後生存率は十分に分かっていない。禁止種指定の効果を正確に評価するには、混獲数、損傷状態、放流後死亡率の継続調査が必要である。 |
| 保護区域と保全策 | 北海・地中海での漁業禁止、一般的な漁業規制、トロール禁止区域が必要と提案。 | EU・英国海域での漁獲・水揚げ禁止に加え、スコットランドの「ロッホ・サンアートからジュラ海峡海洋保護区」などで保全対象となっている。漁具改良、混獲回避、産卵場・育成場の空間的保護、種別記録と遺伝子による同定が今後の重点課題である。 |
| 「世界でもっとも絶滅が危惧されている海産魚」という記述 | 「おそらく世界でもっとも絶滅が危惧されている海産魚」と表現。 | 現在も世界で最も危機的な海産魚の一つであることは間違いない。ただし、IUCNはCR種の中に公式な順位を付けていないため、「世界でもっとも」と一種だけを断定することはできない。 |
| 2014年との総合比較 | 漁業と混獲によって極端に減少し、絶滅寸前にある巨大なエイとして紹介されていた。 | CRの危機は解消されていない。一方、漁獲禁止後に一部海域で回復の兆候が現れている。ただし、分布域全体の回復、成熟個体数、混獲死亡数はいまだ不明である。さらに、2014年の「2mを超える巨大種」という姿は、現在の D. batis と D. intermedius の情報が混在したものとして読み直す必要がある。 |
今回の比較で最も重要なのは、「2014年も2026年もCRだから何も変わっていない」という単純な状態ではないことです。
漁獲禁止によって一部海域では明らかに前向きな兆候が現れています。しかし、過去約60年間に80%を超えて減少した可能性があるという長期的損失は大きく、かつての分布域全体に戻ったわけではありません。また、分類の整理によって、2014年の図鑑にある「全長2mを超えるヨーロッパ最大のエイ」という説明は、現在の Common Blue Skate ではなく、主として Flapper Skate の特徴だったことも分かってきました。
出典
- IUCNレッドリスト|Common Blue Skate(Dipturus batis)
https://www.iucnredlist.org/species/203364219/256580832 - NatureScot|Common Blue Skateの個体群・分布・生態・保護状況
https://www.nature.scot/doc/sharks-and-skates-scotland-report-common-blue-skate-dipturus-batis - OSPAR|Common Skate複合群の現状評価
https://oap.ospar.org/en/versions/1744-en-1-0-1-common-skate/ - ICES|ケルト海などにおけるCommon Skate複合群の2025~2028年漁獲勧告
https://ices-library.figshare.com/articles/report/Common_skate_complex_blue_skate_Dipturus_batis_and_flapper_skate_Dipturus_intermedius_in_Subarea_6_and_divisions_7_a_c_and_7_e_k_Celtic_Seas_and_western_English_Channel_/25019510 - EUR-Lex|2026年EU漁獲機会規則・禁止種指定(EU規則2026/249)
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=OJ:L_202600249
コモンガンギエイ(Dipturus batis)は、2014年から2026年現在までIUCNでCR(深刻な危機)のままです。漁獲禁止や保護措置により、スコットランドなど一部海域では確認数の増加といった回復の兆しも見られますが、過去約60年間に80%以上減少した可能性があり、全体としては依然減少傾向にあります。最大の脅威は底びき網や刺し網による混獲で、成熟が遅く繁殖力も低いため回復には長い時間が必要です。また、分類研究の進展により、図鑑にある「全長2mを超える最大級のエイ」という特徴は、現在では別種のフラッパースケートの情報が混在していたと考えられています。
⬇︎コモンガンギエイの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
分類上の注意
Common Blue Skate(Dipturus batis)は、かつて単一種と考えられていた「Common Skate(コモンスケート)」が再検討された結果、Flapper Skate(Dipturus intermedius)と分けて扱われるようになった種です。そのため、古い資料の Dipturus batis や「common skate」は、現在の2種を合わせた「common skate complex」を指している場合があります。2024年改訂版IUCN評価では、D. batis はCR:深刻な危機とされています。(ナチュアスコット)
現在の英国・EUの漁業管理では、D. batis と D. intermedius を含むコモンスケート複合群について、対象海域での漁獲、船上保持、積み替え、陸揚げが禁止され、偶発的に捕獲した場合は傷つけず速やかに放流することが基本です。しかし、ICESは2023年だけでも複合群の報告投棄量が718トンに達したとし、国によっては投棄量を報告していないため、実際の混獲死亡量は十分に把握できていないとしています。(ICES Library)
| 保護活動の種類 | 具体的な内容 | 実施・提案状況 | 重要度 | 注意点・課題 |
|---|---|---|---|---|
| 漁獲禁止種への指定 | Common Blue Skate を意図的に狙って漁獲しない | 英国・EUで実施中 | 最重要 | 禁止区域は法令・海域によって異なるため、各国の最新規則確認が必要 |
| 船上保持の禁止 | 混獲個体を船内に残さず海へ戻す | 英国・EUで実施中 | 最重要 | 調査目的などの例外を除き、販売や持ち帰りは認められない |
| 陸揚げ禁止 | 港に持ち帰って市場へ流通させることを禁止する | 2009年以降EUで実施 | 最重要 | 種の誤同定や別種名での申告が課題 |
| 積み替え禁止 | 海上で別の船へ移す行為を禁止する | 実施中 | 高い | 違法流通を防ぐため、船舶間の移動も規制対象 |
| 販売・商業利用の防止 | 禁止種として漁獲された個体を商品化しない | 実施中 | 最重要 | 「skate」「ray wings」など種不明表示では混入を発見しにくい |
| 速やかな放流 | 偶発的に捕獲した個体を、可能な限り早く海へ戻す | 法的義務・実施中 | 最重要 | 船上滞在時間が長いほど、窒息、圧迫、外傷、ストレスが増える |
| 無傷での放流 | 尾、翼、頭部、えらを傷つけないよう慎重に扱う | 法的義務・推奨 | 最重要 | 「放した」という事実だけでなく、放流後に生存できる状態で戻すことが重要 |
| 投棄記録 | 混獲して放流した個体数・重量・場所を記録する | EUで義務化 | 最重要 | 未報告国や未報告漁業があり、実際の死亡量は不明 |
| 種別漁獲報告 | Common Blue Skate と Flapper Skate を区別して報告する | 強化が必要 | 最重要 | 現場での識別が難しく、複合群として報告されることが多い |
| 漁業監視員の配置 | オブザーバーが漁船に乗り、混獲・放流・死亡状況を記録する | 一部実施・拡充必要 | 高い | 自己申告だけでは、混獲量や扱い方を正確に把握しにくい |
| 電子監視 | 船上カメラ、位置情報、漁具情報を使って混獲を検証する | 導入・検討段階 | 高い | 広い海域を監視するには有効だが、費用・個人情報・運用体制が課題 |
| 漁船位置監視 | VMSやAISにより、保護区域・混獲多発域での操業を確認する | 実施・強化必要 | 高い | 小型船や機器を切った船を把握できない場合がある |
| 混獲ホットスポットの特定 | 混獲が集中する海域・水深・季節を特定する | 研究・管理上必要 | 最重要 | Common Blue Skate は沖合・大陸棚縁辺に多い可能性があり、沿岸中心の調査だけでは不足 |
| 混獲多発域の回避 | 漁業者が直近の混獲情報を共有し、危険海域を避ける | 推奨・制度化が必要 | 高い | 時間的・空間的に変化する分布へ柔軟に対応する必要がある |
| 移動ルール | 混獲が続いた場合、漁船を一定距離移動させる | 導入候補 | 高い | 運用基準、対象漁具、移動距離を科学的に決める必要がある |
| 季節的禁漁 | 繁殖・産卵・集合時期に特定海域の漁業を制限する | 生態情報確立後に検討 | 高い | Common Blue Skate の繁殖時期・繁殖場所に関する情報が不足 |
| 恒久的漁業制限区域 | 重要な生息地では底引き網や刺し網などを恒久的に制限する | 推奨 | 最重要 | 重要海域を正しく特定する調査が前提 |
| 海洋保護区の設定 | 成魚・幼魚・卵が集中する場所を海洋保護区へ指定する | 複合群で一部実施 | 高い | 現在の英国の主要保護区は主に Flapper Skate を根拠としており、D. batis への直接効果は別途検証が必要 |
| 海洋保護区の実効管理 | 保護区内で有害漁具を規制し、監視・取締りを行う | 実施・強化必要 | 最重要 | 保護区を指定しただけでは、混獲や海底攪乱は止まらない |
| 生息域全体の管理 | 保護区の外側も含め、回遊・分散範囲全体を管理する | 必要 | 高い | 移動能力があるため、小さな保護区だけでは全生活史を守れない |
| 大陸棚縁辺の保護 | Common Blue Skate の重要域となりうる沖合の棚縁・斜面を重点調査・保護する | 必要 | 高い | 沿岸性の Flapper Skate とは分布傾向が異なる可能性がある |
| 底引き網漁の削減 | 混獲が多い海域で底引き網の操業回数・範囲を減らす | 推奨・一部規制 | 最重要 | 成魚・幼魚だけでなく卵や産卵基盤も影響を受ける |
| トロールのティックラーチェーン除去 | 海底を刺激する鎖を外し、エイ類の網への追い込みを減らす | 実証・推奨 | 高い | サメ・エイ類の混獲を減らしつつ、対象漁獲への影響を抑えられる可能性がある |
| トロール速度の見直し | 捕獲・圧迫・衝突を減らせる速度や曳網条件を研究する | 研究・検討必要 | 中〜高 | 本種に特化した効果検証は不足 |
| 曳網時間の短縮 | 網の中で圧迫される時間を短くし、生存放流率を高める | 推奨・研究必要 | 高い | 長時間曳網では、他の漁獲物に押し潰される危険が増す |
| 漁獲物重量の抑制 | 一度に大量の漁獲物を網に入れず、圧迫死を減らす | 推奨 | 中〜高 | 大型のエイでも、網内で魚や底生物に圧迫される |
| 選択漁具の開発 | Common Blue Skate が網に入りにくい網口・脱出口・グリッドを研究する | 研究段階 | 高い | 体形や遊泳行動を考慮した専用技術が必要 |
| 底刺し網の回避 | 重要海域で刺し網・絡み網・三枚網の設置を避ける | 推奨 | 最重要 | 大型の翼や尾が網に絡み、窒息・外傷につながる |
| 刺し網の浸漬時間短縮 | 網を海中に放置する時間を短くする | 推奨・研究必要 | 高い | 早期回収により、生存した状態で発見できる可能性が高まる |
| 放置漁具の回収 | ゴーストネット、失われたロープ、釣り具を除去する | 必要 | 高い | 操業していない漁具でも、長期間にわたりエイ類を捕獲する |
| 底延縄の管理 | 混獲海域で使用を制限し、鉤数・餌・浸漬時間を調整する | 推奨・研究必要 | 高い | 針による口腔・内臓損傷と長時間拘束が問題 |
| 針の改良 | 外しやすく損傷の少ない針を検討する | 推奨 | 中〜高 | 本種に対する針形状別の効果は十分検証されていない |
| 釣り糸の切断判断 | 深く飲み込まれた針を無理に外さず、必要に応じて糸を切る | 推奨 | 中〜高 | 無理な除去による内臓損傷を避ける必要がある |
| リフティングタープの使用 | 大型個体を幅広い布や網で支え、海へ戻す | 推奨 | 高い | 体重を一部分だけで支えず、翼や内臓への負担を減らせる |
| 尾をロープで縛らない | 尾だけを吊り上げたり、ロープを強く巻いたりしない | 強く推奨 | 最重要 | 血流障害、尾の損傷、切断につながる |
| えら穴へ手を入れない | えら・噴水孔・眼を持って移動させない | 推奨 | 最重要 | 呼吸器官や感覚器を直接傷つける危険がある |
| 翼端だけで持ち上げない | 胸びれの先端のみを持って吊り上げない | 推奨 | 高い | 大型個体では自重による組織損傷が起こる |
| ギャフの不使用 | 鉤状器具を体へ刺して引き上げない | 推奨 | 最重要 | 出血、臓器損傷、感染を引き起こす |
| 船上時間の最小化 | 写真、計測、標識装着を迅速に済ませる | 推奨 | 最重要 | エイ類は空気中では正常に呼吸できない |
| 体を湿らせる | 船上に上げた場合は皮膚とえらを乾燥させない | 推奨 | 高い | 粘液層の損傷は感染や浸透圧調節への影響につながる |
| 直接計量を避ける | 吊り下げ式の秤を使わず、体長・体盤幅から重量を推定する | 推奨 | 高い | 吊り下げによる体内損傷を防ぐ |
| 放流方向の配慮 | 頭部を水流へ向け、正常に泳げることを確認して放す | 推奨 | 高い | 弱った個体をそのまま落とすと、海底へ沈んで死亡する可能性がある |
| 放流後生存率の調査 | 標識・加速度計・衛星タグなどで放流後の生存を調べる | 研究が必要 | 最重要 | 投棄量だけでは、実際の漁業死亡率を判断できない |
| 漁法別の生存率調査 | トロール、刺し網、延縄、釣りごとに死亡率を測定する | 研究が必要 | 最重要 | 漁法・水深・気温・曳網時間により生存率が異なる |
| レクリエーション漁業の持ち帰り禁止 | 遊漁で釣れた個体も持ち帰らず放流する | 実施・推奨 | 最重要 | 商業漁業だけでなく遊漁も保護対象 |
| バーブレスフック | 返しのない針を使い、取り外し時間と損傷を減らす | 推奨 | 高い | 主に大型スケート類向けの英国指針に基づく |
| 適切な針サイズ | 小さすぎる針や深く飲み込みやすい仕掛けを避ける | 推奨 | 中〜高 | 種・サイズに合った仕掛けが必要 |
| 船内への引き上げ回避 | 大型個体は可能な限り水中で針を外す | 推奨 | 高い | 小型船では安全確保と個体保護の両面で重要 |
| 繁殖地での遊漁制限 | 産卵場所や繁殖集合地では対象釣りを避ける | 推奨 | 高い | 捕獲ストレスや未成熟卵の排出を防ぐ |
| 卵殻調査 | 海岸に漂着した卵殻を記録し、産卵海域を推定する | 市民科学・研究で実施 | 中〜高 | 卵殻だけでは種同定が難しい場合がある |
| 海底の卵調査 | ROV、潜水調査、水中カメラで生きた卵と産卵場所を確認する | 必要 | 最重要 | Common Blue Skate の重要産卵場は十分に分かっていない |
| 産卵基盤の保護 | 卵が付着・滞留する岩礁、礫、海底地形を守る | 発見後に必要 | 最重要 | 大型スケート類の卵は孵化まで長期間かかり、漁具や海底工事に弱い |
| 幼魚成育場の特定 | 若い個体が利用する水深・海底環境を調べる | 必要 | 最重要 | 幼魚の生存率が回復速度を左右する |
| 摂餌場の特定 | 成魚・幼魚の主要な採餌海域を特定する | 必要 | 高い | OSPARは繁殖場、成育場、摂餌場に関する情報不足を指摘 |
| 生息地マッピング | 漁業記録、調査船、タグ、地形・水温情報を統合して分布図を作る | 実施・強化必要 | 高い | 古い記録には2種が混在している可能性がある |
| 科学調査船による監視 | 標準化された底引き調査などで出現率を長期比較する | 実施中 | 高い | 捕獲数が少なく、通常の資源評価を行えない海域がある |
| 種別資源評価 | D. batis 単独の資源量・死亡率・加入量を推定する | 未確立・必要 | 最重要 | ICESは信頼できる漁獲データが不足し、正式な資源評価ができていない |
| 遺伝子検査 | 組織・粘液などを使い、Blue Skate と Flapper Skate を識別する | 実施・拡充必要 | 最重要 | 外見だけでは識別が難しい個体がある |
| DNAバーコーディング | 市場・水揚げ・調査標本の種名を確認する | 必要 | 高い | 誤表示や別種としての流通を発見できる |
| 識別ガイドの普及 | 漁業者、港湾職員、監視員、研究者へ識別資料を配布する | 必要 | 高い | Dipturus 属の複数種が混同されやすい |
| 写真記録 | 背面・腹面・吻・尾・斑紋を一定形式で撮影する | 推奨 | 中〜高 | 放流前の記録から種判定や個体識別を補助できる |
| 標識放流 | 個体にタグを付け、移動・成長・再捕獲を調べる | 実施・必要 | 高い | 標識装着による負担を最小限にする必要がある |
| 音響・衛星追跡 | 移動範囲、季節移動、深度利用、滞在性を調べる | 研究・拡充必要 | 高い | 保護区の場所と大きさを決める基礎になる |
| 個体識別データベース | 写真、標識番号、捕獲場所、サイズを統合管理する | 必要 | 中〜高 | 長寿種では再捕獲情報が個体群動態の把握に役立つ |
| 市場での正確な表示 | 「skate」ではなく種名・漁獲海域・漁法を表示する | 必要 | 高い | 種不明の商品は、禁止種の混入や持続可能性を確認できない |
| 水産物トレーサビリティ | 漁船から市場・小売まで流通履歴を追跡する | 必要 | 高い | 種名の付け替えや違法陸揚げの防止に有効 |
| 種不明スケート製品の回避 | 消費者・事業者が「ray/skate wings」だけの表示商品を避ける | 推奨 | 中〜高 | 需要側から正確な表示を促す効果がある |
| 違法陸揚げの取締り | 港、市場、加工施設で禁止種の混入を検査する | 実施・強化必要 | 高い | Common Blue Skate が他の大型スケートとして申告される可能性がある |
| OSPAR掲載 | 北東大西洋の脅威・減少種として国際的に扱う | 実施中 | 高い | 現在は複合群としての記載が残り、2種を別々に扱うことが推奨されている |
| 種別OSPAR評価 | D. batis と D. intermedius を分けて評価・掲載する | OSPARが推奨 | 高い | 分布・脅威・必要な空間管理が異なる可能性がある |
| 国内生物多様性制度への掲載 | 英国各地域の優先種・保護対象として扱う | 一部実施 | 高い | 法制度上、旧名や複合群名が残っている場合がある |
| 北アイルランドでの法的保護 | Wildlife Order の対象として捕獲・殺傷等を規制する | 実施中 | 高い | 法令上の D. batis が旧複合群概念を含む可能性に注意 |
| スコットランドの保護命令 | サメ・スケート・エイ類の対象種として漁獲・陸揚げを規制する | 実施中 | 高い | 主に国内規則と漁業規則を組み合わせて保護 |
| 漁業管理計画への統合 | 底魚、エビ、アンコウなどの漁業計画に混獲対策を組み込む | 進行中 | 高い | 対象魚種だけでなく、付随する絶滅危惧種への影響を管理する必要がある |
| 国際共同管理 | 英国、EU加盟国、ノルウェーなどが漁獲・放流データを共有する | 実施・強化必要 | 最重要 | 個体群は国境を越えるため、一国だけの規制では不十分 |
| 漁業者参加型研究 | 漁業者が捕獲場所、写真、標識、放流情報を研究者へ提供する | 実施・拡充必要 | 高い | 商業漁業からの情報は沖合分布の把握に重要 |
| 地域知識の活用 | 漁業者が経験してきた出現場所・季節変化を調査へ組み込む | 必要 | 中〜高 | 科学調査の少ない海域を補えるが、標準化と検証が必要 |
| 市民科学 | 卵殻、釣獲、写真、漂着記録を収集する | 実施可能 | 中 | 種同定と位置情報管理を専門家が確認する必要がある |
| 教育・普及啓発 | 漁業者、遊漁者、消費者へ絶滅危機と放流方法を伝える | 実施・強化必要 | 高い | 「Common」という英名が、個体数が多いという誤解を招くことがある |
| 回復状況の検証 | 漁獲禁止後の調査捕獲率・分布・幼魚加入を確認する | 実施中 | 最重要 | 一部海域で改善兆候はあるが、旧分布域の多くでは依然まれ、または不在 |
| 長期的な漁獲禁止の維持 | 短期的な増加兆候だけで商業漁業を再開しない | 必要 | 最重要 | 成長が遅く成熟も遅いため、個体群回復には長期間を要する |
| 予防原則の適用 | 資源量が不明でも、減少リスクが高い場合は保護を継続する | 必要 | 最重要 | データ不足を漁業再開の理由にしないことが重要 |
| 複合群データの再解析 | 過去の D. batis 記録を標本・地域・遺伝情報から再検討する | 必要 | 高い | 歴史的分布と減少率を現在の2種へ正しく割り振る必要がある |
| 保全効果の定量評価 | 禁止、放流、MPA、漁具改良が死亡率をどれだけ下げたか測る | 必要 | 最重要 | 対策の有無ではなく、個体群回復への実効性で評価する必要がある |
注意点
Loch Sunart to the Sound of Jura MPA、Red Rocks and Longay MPA、卵保護、タープによる放流方法などの詳細な英国資料は、主として Flapper Skate を対象に作られています。ただし、NatureScotは、漁業に関する助言の多くは Common Blue Skate にも当てはまる可能性が高いと明記しています。したがって、表では共通して適用できる混獲削減策として掲載しましたが、D. batis 固有の産卵場や沿岸保護区がすでに確立している、という意味ではありません。(ナチュアスコット)
また、現在の最大の問題は、陸揚げ禁止後も底引き網・底刺し網などによる混獲が続いていること、放流後の生存率が十分に分かっていないこと、種の誤同定によって、D. batis単独の資源評価ができないことです。OSPARは、繁殖場、幼魚成育場、摂餌場、投棄量、投棄後生存率、沖合での地理的分布を主要な情報不足として挙げています。(OSPAR)
出典
- IUCN Red List|Common Blue Skate(Dipturus batis)
https://www.iucnredlist.org/species/203364219/256580832 - ICES|Common skate complex: fishing opportunities, catch and effort advice
https://ices-library.figshare.com/ndownloader/files/49603776 - OSPAR|Common skate:最新状況評価・脅威・保全措置
https://oap.ospar.org/en/versions/1744-en-1-0-1-common-skate/ - 英国政府|2026年英国水域の外国漁船免許条件・禁止種一覧
https://assets.publishing.service.gov.uk/media/6a4255145b6406df58c13f37/UK_Foreign_Vessel_Licence__EU_Vessels__Var_6_20260701_Conditions.pdf - NatureScot|コモンスケート複合群の混獲・漁具・放流・生息地管理指針
https://www.nature.scot/doc/consultation-proposal-designate-red-rocks-and-longay-marine-protected-area
最後に
Questioner: So, it looks like back when that 2009~2010 encyclopedia came out, people thought Dipturus batis and Dipturus intermedius were the exact same species. But as genetic research moved forward, it turned out they’re actually different, right?
Me: Exactly. Thanks to DNA analysis tech, I feel like we’re seeing a lot more cases like this these days.
Questioner: I checked the IUCN Red List for both, and they really do live in almost the same areas. And sadly, they’re both listed as CR. But hey, looking at the distribution map, their habitat is right in the waters of Northern Europe, just above Western Europe—the area that’s been getting hit by that massive heatwave since around last month. I know commercial fishing and bycatch are the main issues, but you’ve got to wonder how this heatwave is affecting them too, right?
Me: True, those waters off France and the Netherlands have seen temperatures skyrocket lately because of the heat domes and heatwaves. Let me look into that.
質問者:2009~2010年ころはDipturus batisとDipturus intermediusが同じ種だったって思われてたんだけど、遺伝学的研究が進んで実は違ったんだよってことみたいだね。
私:そのようですね。DNA解析技術のおかげで近年このような例が多くなったと感じます。
質問者:両方のIUCNレッドリストを確認したんだけどほんと同じようなところに分布しているし、残念なことに共にCRなんだよね。そこでさ、分布図を見ると先月あたりから熱波が問題になっている西ヨーロッパの上の北ヨーロッパの海域じゃないですか。問題は、商業漁業と混獲なんだろうけど、この熱波も気になるよね。
私:ヒートドームや熱波の影響で気温が急上昇しているフランスやオランダの海域ですからね。調べてみます。
卵(卵鞘)を直撃する、海底の高水温
ガンギエイの仲間は、通称「人魚の財布(Mermaid’s purse)」と呼ばれる頑丈な卵鞘を海底に産みつけます。卵鞘は胚を外敵や物理的な衝撃から守りますが、中にいる胚は高水温から逃げることができません。
ふ化前に熱ストレスを受けるリスク:卵鞘内での発生には長い時間がかかります。海洋熱波が海面付近だけでなく海底まで及び、適温を超えた状態が続けば、胚の代謝が過度に高まり、発生不良や死亡につながる可能性があります。「干からびる」というより、卵鞘の中で高水温に耐えきれなくなる状態です。
早すぎるふ化と小型化:近縁のスモールアイドスケートを用いた実験では、水温が高いほど発生期間が短くなり、実験範囲では通常より3.5〜7%小さな状態でふ化しました。小さく生まれたことが直ちに野生での死亡を意味するわけではありませんが、捕食や餌不足などに耐える余力を小さくする可能性があります。コモンガンギエイで同じ影響がどの程度起こるかは、今後の調査が必要です。
高水温と低酸素状態のダブルパンチ
海水は温度が上がるほど酸素を溶かし込みにくくなります。その一方で、変温動物である魚は高水温になると代謝が上がり、より多くの酸素を必要とします。つまり海洋熱波は、「必要な酸素は増えるのに、利用できる酸素は減る」という厳しい環境を生み出します。
大型種が抱える負担:フラッパースケートのような大型種では、長期間にわたる高水温と低酸素が、呼吸、移動、摂餌、繁殖に使える生理的な余力を削るおそれがあります。ただし、体が大きいという理由だけで、低酸素に最も弱いと決めることはできません。水温への適応範囲や生息水深、活動量なども影響します。
逃げた先も安全とは限らない:冷涼で酸素の多い水域を求めて分布や生息水深が変われば、漁業との重なり方も変化します。別のサメ類では、低酸素によって利用できる水深が狭まり、漁具との遭遇リスクが高まる「生息空間の圧縮」が確認されています。コモンガンギエイで同じ現象が実証されたわけではありませんが、底びき網や刺し網による混獲が続く海域では、移動先が新たな危険地帯になる可能性があります。
エサの変化が、繁殖の余力を奪う
コモンガンギエイは、エビ類、カニ類、底生魚など、海底付近に暮らす多様な生物を食べています。特定の一種類だけに依存する捕食者ではないため、ひとつの餌が減っただけで直ちに餌不足になるとは限りません。
それでも、海洋熱波によって複数の甲殻類や底生魚が同時に減少したり、より冷たい海域へ移動したりすれば、餌を探す距離や消費エネルギーが増えていきます。成熟が遅く、個体数の回復にも長い時間を必要とするガンギエイ類にとって、繁殖に回せるエネルギーの減少は無視できません。
ただし、熱波による餌不足が繁殖を「完全に停止させる」とまでは断定できません。現在の評価では、餌の減少や生息環境の変化は潜在的な脅威であり、依然として底びき網や刺し網による漁獲・混獲の方が、はるかに大きな直接的脅威とされています。海洋熱波は漁業に代わる原因ではなく、すでに弱っている個体群へさらに重なる負荷として捉える必要があります。
出典
- 高水温による発生期間の短縮と、ふ化時の小型化に関する研究:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31049955/
- 低酸素によるサメ類の生息空間の圧縮と、漁業リスクの上昇に関する研究:https://elifesciences.org/articles/62508
- OSPARによるコモンガンギエイ類の脅威・食性・保全状況の評価:https://oap.ospar.org/fr/versions/1744-en-1-0-1-common-skate/
Questioner: So it might not be an immediate, direct hit. But what if—just what if—these skates hatch smaller because of the warmer waters and can’t fully grow? We could be looking at a massive population crash in just a few years.
Me: Exactly. And on top of that, if we just keep up our current fishing practices, the number of adult skates is going to keep dropping, too.
Questioner: Fast forward a few decades… and yeah, the worst-case scenario really could happen.
Me: To make sure we don’t look back decades from now and regret that we could’ve done something back then, maybe the first step is to stop treating this as just some distant issue in a faraway country, and start seeing it as our own problem.
Thank you for taking these five minutes out of your day.
I truly hope that those five minutes will somehow reach the common blue skates.
鶏人|Keijin
質問者:直接の影響がすぐに出てくるってわけじゃなさそうだけど、もしかしてもしかすると、小さく生まれてしまった卵が海水温の上昇でふ化後も大きくなれなかったりしたら数十年後には劇的に数が減っちゃうかもしれないってことだね。
私:そして、このままの漁業のやり方を進めていれば、親であるコモンガンギエイの数も減ることになりますからね。
質問者:数十年後には……。もしかすると、もしかするってことだね。
私:数十年後に、あの時、何かできたはずだと後悔しないため、まずはこの事実を、遠い国の出来事ではなく、自分ごととして考えた方がいいかもしれませんね。
貴重な5分間を、ありがとうございました。
コモンガンギエイに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin
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