11年後のレッドリスト|アブラツノザメ:荒波の下、影のように生き延びた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アブラツノザメ:荒波の下、影のように生き延びた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

アブラツノザメ(Squalus acanthias)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】と記載されていました。

2020年、IUCNレッドリストで【VU:危急】と評価されました。

つまり、2014年から2020年にかけて、アブラツノザメは

「荒波の下、影のように生き延びた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアブラツノザメの最新評価は2020年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/91209505/124551959

⬇︎アブラツノザメの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|アブラツノザメ(Spiny Dogfish)
項目情報
和名アブラツノザメ(油角鮫)
英名Spiny Dogfish / Spurdog / Mud Shark
学名Squalus acanthias
分類軟骨魚類・ツノザメ目・ツノザメ科
分布世界中の温帯〜冷水域(北太平洋、北大西洋、日本海、オホーツク海など)
主な生息環境沿岸から外洋の海底付近(水深20〜800m)、大陸棚周辺
体長平均約80〜120cm(最大160cm程度)
体重約3〜9kg(個体差あり)
寿命約30〜70年(非常に成長が遅い)

特徴

  • 名前の由来:「アブラ」は体に脂肪分が多いこと、「ツノ」は背びれの前にある棘(とげ)=角のような構造に由来します。
  • 棘の武器:背びれの前方にある硬い毒棘で敵を威嚇・防御します(人間にも刺さることがあります)。
  • 目が澄んでいる:瞳が丸く澄んでいて、「美しい目をもつサメ」と称されることもあります。
  • 肉質:日本では「ドンコ」や「サガンボ」とも呼ばれ、練り製品(かまぼこなど)や煮つけに利用されます。

生態と行動

  • 冷たい海を好む:温帯〜寒冷な水域を好み、深海と浅海を季節によって行き来することもあります。
  • 群れで行動:比較的大きな群れを作って行動するサメで、特に若い個体同士が集団を形成します。
  • 繁殖:胎生で、妊娠期間は18〜24か月と非常に長く、1回に2〜20匹ほどの子を産みます。
  • 成長が遅い:成熟までに10年以上かかる個体もおり、乱獲の影響を非常に受けやすい。

2014年絶滅危惧種:アブラツノザメ【VU:危急】

持続可能でない漁業による圧迫や個体数の急速な減少などについて、数十年にわたって警告されてきたにもかかわらず、この種に関しては保全、管理の取り組みがほとんど行われていない。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

地域2014年以降の動向管理措置現在の評価・傾向備考
ヨーロッパ(北東大西洋)最も深刻な減少から劇的に改善EUが2011年に漁業を実質的に禁止(TAC=0)2023年には商業漁業再開が可能な水準まで回復管理措置が成功した代表例
北米(北西大西洋)管理の進展により資源が回復傾向アメリカ・カナダで漁獲枠(TAC)を設定「過剰漁獲状態ではなく、資源増加中」と評価地域的に安定・改善傾向
地中海・黒海など一部地域では依然として資源が枯渇不十分な管理・高い漁獲圧回復は限定的地域格差が大きい
日本近海漁獲量は1950年代ピークから大幅減少後、横ばい禁漁など明確な規制情報は確認されず資源状況は不明確欧米に比べて管理体制が弱い
グローバル(全世界)地域的な改善はあるが全体では減少傾向各国で管理措置導入進行中IUCN 2020年:VU(危急種)過去50年(3世代)で個体数減少

2014年に「ほとんど行われていない」とされた状況は、その後大きく変化した。

とくに北東大西洋(ヨーロッパ)では、禁漁措置という強力な対策によって資源が回復し、2023年には漁業再開が許可されるまでになった。北米でも同様に管理措置が機能している。

ただし、世界全体で見れば依然として「危急種(VU)」であり、地域によっては保全が追いついていない場所もある。

「取り組みは進んだが、世界全体での課題は残る」これが現在の正確な状況である。

⬇︎アブラツノザメの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
漁獲規制資源量の減少を防ぐため、漁獲枠やサイズ制限、禁漁期間の設定
混獲防止他魚種を狙う漁具での混獲を減らすため、漁法や漁具の改善を推進
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際取引には許可が必要
保護区の設定繁殖や成長に重要な海域を海洋保護区として指定し、漁業活動を制限
市民・地域参加漁業者・地域住民と協力した資源管理や海洋保全活動の実施
研究とモニタリング個体数・成長速度・繁殖状況の調査、回遊経路の追跡、資源動向のモニタリング

主な取り組み

  • 漁獲規制:漁獲量やサイズに制限を設け、資源の減少を防ぐ
  • 混獲防止:漁具や漁法を改良して誤捕獲を減らす
  • 国際保護条約:CITES附属書Ⅱで国際取引を規制
  • 保護区指定:繁殖・成長に重要な海域を海洋保護区に設定
  • 地域協働:漁業者と連携して資源管理や保全活動を実施
  • 生態調査:個体数や回遊経路を科学的にモニタリング

最後に

これを読んで、どう感じましたか?

「持続可能じゃないってことは、いつか終わりが来るってことだよね。なのに人間って、化石燃料のときもそうだけど、“無くなる”ってわかってても使い続けちゃうんだよな。」

……ほんと、それなんですよね。

ちょっと話がそれそうですけど、このあたり、もう少し調べてみます。


要因・理論名概要具体的なメカニズム・心理該当例・応用
1共有地の悲劇(コモンズの悲劇)1968年に生物学者ギャレット・ハーディンが提唱。共有資源(牧草地・漁場・大気など)が、個人の利益追求により枯渇・荒廃する現象。個人の合理性:目先の利益を求めて獲りすぎる。
ルールの不在:誰も制限しないため、我慢した人だけが損。
全体の不合理:結果的に全員が損をする。
アブラツノザメの乱獲、化石燃料による大気汚染など。
2人間の心理的バイアス「わかっていてもやめられない」行動の背後にある人間の脳の傾向。現在バイアス:将来の利益よりも今の利益を優先。
正常性バイアス:問題を過小評価して「自分は大丈夫」と思い込む。
「将来の持続可能な漁業」より「今日の収入」を選ぶ、気候変動の軽視など。
3社会的ジレンマとサンクコスト(埋没費用)個人ではなく社会全体の構造的問題。協力すれば全体が良くなるが、個人は損をする状況。集団行動のジレンマ:他国が動かないなら自国も動かない。
サンクコスト:過去の投資を惜しみ、損だとわかってもやめられない。
各国の温暖化対策の遅れ、化石燃料依存の継続など。

「人って、わかっていてもつい目の前の利益を優先しちゃうんだよね。」

ほんと、そうなんです。

だからこそ、「みんながやってるから大丈夫」じゃなくて、「自分はこう思うからやらない」っていう選択をできるかどうか。

10年後、100年後の世界を思い浮かべながら、ときには“切り捨てる勇気”を持つことが大切だと思います。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

アブラツノザメに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、アブラツノザメたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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