11年後のレッドリスト|スラウェシシーラカンス:触れられない命は、海の底でまだ灯っている【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|スラウェシシーラカンス:触れられない命は、海の底でまだ灯っている【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

スラウェシシーラカンス(Latimeria menadoensis)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2008年、IUCNレッドリストで、【VU:危急】と評価されました。

つまり、2008年から、スラウェシシーラカンスは

「触れられない命は、海の底でまだ灯っている」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるスラウェシシーラカンスの最新評価は2008年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/135484/4129545

スラウェシシーラカンス研究は「生きた観察」の時代へ

⬇︎スラウェシシーラカンスの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|スラウェシシーラカンス(Sulawesi Coelacanth)
項目情報
和名スラウェシシーラカンス
英名Sulawesi Coelacanth
学名Latimeria menadoensis
分類魚類・シーラカンス目・シーラカンス科
分布インドネシア・スラウェシ島周辺の深海(主に北部海域)
主な生息環境海底の岩場・海中洞窟・約150〜300m以深の暗い深海
体長約80〜140cm前後
体重約30〜50kg前後
寿命推定60年以上と言われる

特徴

  • シーラカンスは「生きた化石」と呼ばれ、約4億年前から形態がほとんど変わらないとされる。
  • 胸びれ・腹びれが脚のように動き、まるで四足歩行の祖先を思わせる独特の泳ぎ方をする。
  • 鱗は硬く、装甲のように厚い「コスモイド鱗」と呼ばれる特殊な構造を持つ。
  • 目が暗い海でも光を利用できるように大きく発達している。
  • 深海魚であるため、強い水圧下に適応しており、急激に浅い場所へ持ち上げられると生存できない。

生態と行動

  • 夜行性:夜に獲物を求めてゆっくりと移動する。
  • 食性:主に小型魚類・頭足類(イカなど)・甲殻類を食べる。
  • 行動様式:海底の岩場や洞窟にじっと潜んでいる時間が長い。
  • 繁殖:卵は母体内で育つ「卵胎生」。仔魚は完全な姿で生まれる。
  • 回遊性:長い距離を移動せず、限られた深海域にとどまる傾向が強い。

2014年絶滅危惧種:スラウェシシーラカンス【VU:危急】

この「生きた化石」を保護しようとする現在の保全の取り組みはさらに急を要している。…さらなる保護策を講じるため、研究をつづけ知見を得ることが求められる。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目内容
IUCNレッドリスト評価VU(危急 / Vulnerable)
最終評価年2008年(2020年に再確認、以降更新なし)
図鑑(2014年版)での記載VU(危急)として収録。「追加の生態データが必要」と指摘
最新の研究成果2025年4月に自然下での直接映像撮影に成功(Scientific Reports掲載 / 報道は2025年5月)
撮影場所インドネシア・モルッカ諸島沖
観察深度約144m(従来想定より浅い層で行動している可能性)
研究の意義生息域と行動パターンに関する新知見 → 今後の保全戦略に必須のデータ
研究手法の変化捕獲→標本採集よりも、ROV・水中カメラによる非侵襲的観察が主流
「生きたままの捕獲」研究目的での積極的な捕獲は行われていない(保全優先のため)
総合評価保全状況に変化を確認するデータは少ないが、非侵襲的な生態観察研究は前進中

生きたままの観察は成功しており、最新の研究成果が2025年にも発表されている。
しかし一方で、「捕獲」については状況が異なる。これは、保全を最優先とする現代の研究アプローチの変化、すなわち「標本の捕獲」から「生息地における非侵襲的な観察」へと軸が移行したことに起因しており、そのため積極的には実施されていないのである。

このように、スラウェシシーラカンスの研究は着実に進展しており、とりわけ技術の発達により「捕獲」を伴わずとも「生きたままの観察」が可能となっている点は重要である。

⬇︎スラウェシシーラカンスの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息域の保全インドネシア・スラウェシ島周辺の海域を「重要生息域(Key Biodiversity Area)」として保護。底延縄漁や深海トロールによる生息地破壊を制限。
混獲の防止深海漁業による誤っての混獲が主な死亡要因のため、漁業者への報告制度の導入と混獲回避策の教育を実施。
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書 I に掲載され、学術用途を除き国際取引を原則禁止。
保護区の設定スラウェシ周辺海域における「海洋保護区(MPA)」の指定および管理強化。
市民・地域参加地元漁師が混獲個体の情報を研究機関に共有する「コミュニティ監視ネットワーク」を構築。
研究とモニタリング水中ROV・深海ソナー・DNA環境サンプル採取により生息数、行動、生息深度の継続的調査を実施。
環境教育・認知向上学校・地域・漁業団体向けに「生きた化石」の保全意義を伝える教育プログラムを実施。

主な取り組み

  • 生息域保全:スラウェシ島沿岸深海域を重点保全地域として管理
  • 混獲対策:深海漁業での誤捕獲を減らすための漁具運用改善
  • 国際取引規制:CITES附属書Ⅰにより商業取引は禁止
  • 保護区整備:生息が確認される海域を海洋保護区として指定
  • 地域協力:漁師が混獲時に報告するコミュニティ監視体制の整備
  • 研究・モニタリング:ROVやDNA環境分析による生息数・生態研究
  • 教育活動:学校・漁協・観光者向けの保全意識向上プログラム

最後に

これを読んで、どんなふうに感じましたか?

「昔は捕まえて水槽で観察してたけど、今は水中ドローンとかでそのまま観察できるよね。」

本当に、その通りだと思います。

私も水中での撮影方法が気になってきたので、
「どうやって撮っているのか」を、もう少し詳しく調べてみますね。


種類仕組み・特徴得意なこと例・関連情報
ROV(遠隔操作無人探査機)ケーブルで母船と接続し、操縦者がリアルタイム操作する岩陰・洞窟など 狭い場所を精密に観察2025年のスラウェシシーラカンス撮影で使用
AUV(自律型無人探査機)ケーブルなし。あらかじめ設定したルートを自律航行広範囲の調査、海底地形のマッピング、長時間巡回撮影と同時に 音響測深・地形データ取得 にも活用
有人潜水調査船研究者が直接乗り込み観察・撮影直接の目視・撮影が可能、大型・高精細撮影に適するNHKがシーラカンス 72時間連続撮影 → 超高精細8Kシステム使用

深海撮影を支える最新技術

技術目的・役割説明
超高解像度カメラ(8K) & 大光量ライト深海の暗闇で生物の細部まで写す太陽光が届かない水深では強力照明が必須。微細な動き・質感も再現可能。
AIによる映像鮮明化(濁り除去)白濁した映像をクリアに復元する深層学習で浮遊物の影響を除去し、本来の色や輪郭を再現。
レーザースキャン(3D計測)生物の形状や距離を正確に解析するカメラでは捉えにくい形状を3Dデータ化し、行動や環境構造の理解に役立つ。
環境DNA(eDNA)分析「映らなかった生物の存在」を特定海水中のDNA(フン・粘液など)から、そこにいた生物種を推定。撮影の裏付けデータとして非常に有効。

技術の進歩が研究手法そのものを変え、貴重な生物に負荷をかけない「非侵襲的(ひしんしゅうてき)」な調査を可能にした。

これにより「高性能な探査機(乗り物)」と「革新的な撮影・解析技術(カメラと頭脳)」の組み合わせによって、暗く、濁りのある過酷な環境での撮影が実現している。


「撮影した映像をAIで解析して調べられるようになってきてるんだね。これから先、今までわからなかったことが、AIによってどんどん明らかになる可能性があるんだなあ。」

本当に、そうなんですよね。

深海の生きものに限らず、エネルギー問題みたいな大きなテーマでも、AIが解決に向けて手助けしていると聞きます。

私たちが今まで気づかなかった視点や発想を、
人間がつくったはずの人工知能が、逆に示してくれるようになるかもしれませんね。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

スラウェシシーラカンスに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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