11年後のレッドリスト|サラワクオカガニ:時の底で、波の記憶だけが息づいている【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|サラワクオカガニ:時の底で、波の記憶だけが息づいている【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
※当サイトはアフィリエイト広告による収益を得ています。

こんにちは、fukumomo3_photo です。

サラワクオカガニ(Lepidothelphusa cognetti)は、

2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。

2008年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。

つまり、2008年から、サラワクオカガニは

「時の底で、波の記憶だけが息づいている」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるサラワクオカガニの最新評価は2008年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/134450/3958922

倒れた木々の上に築かれた、意識高い系資本主義の庭

⬇︎サラワクオカガニの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

項目情報
和名サラワクオカガニ
英名(通称)Sarawak Freshwater Crab
学名Lepidothelphusa cognetti
分類甲殻類・十脚目・オカガニ科(Gecarcinucidae)
分布東南アジア(ボルネオ島北部・マレーシア領サラワク州)
主な生息地熱帯雨林の小川や湿地、森林内の湧水地
甲幅約3〜4cm
体重数グラム程度
寿命約5〜8年(推定)
IUCN評価(2008年)【EN:危機(Endangered)】

特徴

  • 名前の由来:「サラワクオカガニ」は、発見地であるマレーシア・サラワク州に由来する淡水性カニ。
  • 外見:小型で、丸みを帯びた甲羅を持つ。体色は褐色〜暗紫色で、湿った岩や落ち葉に擬態しやすい。
  • 淡水適応:海とは無縁の内陸部で一生を過ごす純淡水性のカニで、幼生期も陸上または淡水で発育する。
  • 生態的役割:落葉や有機物を食べて分解する「森の掃除屋」として、熱帯林の生態系を支える重要な存在。
  • 分類学的特徴:東南アジアに分布する淡水カニ類の中でも、固有属 Lepidothelphusa に属する希少種。

生態と行動

  • 生活環境:ボルネオ島北部の森林地帯に限定的に分布。湿った土壌や小川沿いに巣穴を掘って生活する。
  • 食性:雑食性。落ち葉、苔、小型無脊椎動物、微生物などを食べる。
  • 繁殖:産卵数は少なく、親が巣穴で卵や幼体を守ると考えられている(甲殻類では珍しい行動)。
  • 脅威:森林伐採、道路建設、農業開発による生息地破壊が進行。特にパーム油プランテーション化の影響が大きい。
  • 保全状況:サラワク州の一部保護区内での個体が確認されているが、保全活動は限定的。再調査が求められている。

2014年絶滅危惧種:サラワクオカガニ【EN:危機】

サラワクオカガニへのおもな脅威は、木材搬出を最大の原因とする生息地の損壊と開発による環境劣化である。たとえばペンリッセン山周辺にある格好の生息域は、近年その大部分がゴルフコースや農耕地に変えられてしまった。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目内容
最新報道の有無(2025年)ゴルフコースや農耕地の大規模な追加開発に関する新たな報道は確認されていない。
全体的な傾向サラワク州では森林伐採・土地開発が継続しており、生息地への脅威は依然として存在する。
主な脅威要因IUCNが指摘する通り、木材伐採による生息地破壊が最大のリスク。
森林伐採とプランテーション商業伐採やパーム油(アブラヤシ)プランテーションの拡大が進行。2000〜2021年の間に森林被覆の約27%を喪失。清流や森林に依存するサラワクオカガニに深刻な影響を及ぼす。
インフラ開発パンボルネオハイウェイや水力発電ダムなど、大規模なインフラ整備が進行中。これによりさらなる森林破壊や河川環境の変化が懸念される。
保護区指定の状況主な生息地であるペンリッセン山は保護区に指定されておらず、周辺地域は開発対象になりやすい脆弱な状態。
総合評価近年、新規のゴルフ場・農地開発の拡大報道はないが、森林破壊を伴う開発全体は継続しており、生息地の脅威は依然として高い水準にある。

2025年現在、ゴルフコースや農耕地の大規模な追加開発に関する具体的な最新報道はない。

しかし、サラワク州全体で森林伐採や土地開発が続いていることを示す複数の報告があり、サラワクオカガニの生息地への脅威が継続している可能性は高いと考えられる。
出典:Facing the Bulldozers: Iban Indigenous Resistance to the Timber Industry in Sarawak

⬇︎サラワクオカガニの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全ボルネオ島サラワク州の熱帯雨林および淡水域(小川や湿地)を保護し、伐採・農地化・開発による環境破壊を防止
水質保全パーム油農園などからの農薬・排水による汚染を減らすため、持続的な土地利用と水管理を推進
保護区の設定サラワク州政府による保護林や国立公園(例:クバ国立公園)の保全範囲を拡大し、淡水生物の保護対象に含める
外来種対策外来魚やカエルによる捕食圧の監視と排除を行い、固有カニ類の生息空間を維持
研究と分類学的調査種の生息範囲・繁殖習性・水質適応性を明らかにするための現地調査を継続
環境教育と地域協力地元コミュニティや学校を対象に、河川生物の保全や水質汚染の防止教育を実施
国際連携IUCNやマレーシアの研究機関と連携し、ボルネオ島固有の淡水カニ保全戦略を策定

主な取り組み

  • 森林・河川保全:伐採・農業開発を制限し、自然林と湿地を保護
  • 水質改善:パーム油農園からの排水規制や持続的水管理の推進
  • 保護区拡大:クバ国立公園などに淡水域の保全を含める取り組み
  • 外来種対策:捕食・競合する外来生物の監視と除去
  • 現地調査:分布・繁殖・遺伝的多様性に関する研究を継続
  • 環境教育:地元住民への河川保全や生態系理解の普及活動
  • 国際協力:IUCNや大学研究者によるボルネオ固有種保全ネットワークの構築

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「最近新しいゴルフ場とかって作られなくなったよね?」

言われるとそう感じますね。

世界的にも意識が変わってきているのでしょうか?

調べてみますね。


「最近新しいゴルフ場は作られなくなった」という感覚は、特に先進国において的を射ている。

その背景には、「環境への配慮」と「持続可能性(サステナビリティ)」という、2014年以降に世界的に重要度を増した価値観がある。

項目内容
1.「環境破壊」から「環境共生」へ背景(かつての課題):
・森林伐採、大量の水消費、農薬使用による汚染などで環境負荷が高かった。

変化の要因:
・2015年のSDGs採択以降、業界全体が「持続可能な運営」へシフト。

現在の取り組み:
・雨水の再利用や節水灌漑システム導入。
・脱・減農薬による芝管理。
・池や林をビオトープ化し、生物多様性を保全。
・クラブハウスで再生可能エネルギー活用。

変化のポイント:
「環境に悪い施設」から「自然と共生する空間」へ再定義されつつある。
2.「開発一辺倒」から「市場の成熟化」へ背景(2014年前後):
・世界的なゴルフブームで各地に新設コースが乱立。

現在の傾向:
・アメリカ・日本・イギリスなどでは閉鎖コースが新設を上回る。
・ゴルフ人口の減少と高齢化が影響。

新たな動き:
・閉鎖コースの再利用(住宅地、商業施設、自然公園など)。
・経済成長地域(アジア・中東)ではリゾート開発の一環として建設継続。

変化のポイント:
「量」より「質」へ。既存コースの価値向上が重視されている。
3.「閉鎖的」から「オープンな場所」へ背景(従来のイメージ):
・限られた層が利用する閉鎖的・高級志向のスポーツ。

現在の傾向:
・シミュレーションゴルフなど“オフコース”需要が急増。
・若者・女性プレイヤーが増加。
・SNSや新しいファッション文化の影響。

地域との関わり:
・ゴルフ場を一般開放し、自然観察会・イベント開催。
・地域コミュニティとの共創が進む。

変化のポイント:
「閉ざされた場所」から「地域に開かれた交流の場」へ転換中。
総合的な結論2014年以降、ゴルフ場は単なるスポーツ施設ではなくなった。
環境・社会・地域との共生が求められる時代に入り、新規建設は抑制、既存施設はサステナブルな方向へ舵を切っている。

2014年頃と比べ、ゴルフ場は単にゴルフをプレーする場所ではなくなった。

それは、環境や社会に対する責任を果たし、地域に開かれた存在でなければ生き残れないという意識が世界的な高まりからだろう。

しかし、これはまさに「意識高い系資本主義」と呼べる考え方である。

項目内容
概念の概要「意識高い系資本主義」とは、企業が利益追求にとどまらず、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)=ESGを重視し、それを成長戦略に組み込む新しい資本主義の形。
背景従来の「株主資本主義」から脱却し、顧客・従業員・地域社会・地球環境など多様なステークホルダーへの配慮が求められるようになった。
光の側面(ポジティブな変化)社会課題がビジネスになる:環境・社会問題の解決が新しい市場や技術革新を生む。例:電気自動車、サステナブル素材など。
共感を呼ぶ消費:「安さ」よりも企業理念や社会貢献で選ばれる“応援消費”の拡大。
良い人材が集まる:若年層を中心に、給与よりも社会的意義を重視する傾向が強まり、ESG企業に優秀な人材が集まる。
影の側面(批判的視点)グリーンウォッシング:実態を伴わず、表面的に“エコ”を装うマーケティング。
価格転嫁の問題:環境配慮型製品はコスト高になり、富裕層しか選択できない懸念。
理念と実態の乖離:社会貢献を掲げながら、実際には巧妙な利益追求にすぎないケースも。
ゴルフ場の事例(実践例)過去(Before):自然を切り拓き、環境負荷を顧みずに利益を優先。
現在(After):自然と共生し、生物多様性に配慮する“付加価値”がブランド力に直結。
本質:慈善ではなく、サステナビリティ追求が合理的な経営戦略として機能している。
結論「意識高い系資本主義」は一時的な流行ではなく、資本主義が“倫理と共感”を取り込んで進化した新段階。その一方で、理念倒れに終わらせない本質的取り組みが求められている。

これは、ゴルフ場が慈善活動として環境に配慮し始めたわけではない。

サステナビリティを追求することが、結果的にブランド価値を高め、新しい顧客を惹きつけ、生き残るための合理的な経営戦略となっているだけである。

小さなボールを転がすために、何本の木々が倒されたのだろう。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

サラワクオカガニに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、サラワクオカガニたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

コメント