11年後のレッドリスト|セドロルムトウダイグサ:守られなかった時間が、根を細くしていった【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|セドロルムトウダイグサ:守られなかった時間が、根を細くしていった【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

セドロルムトウダイグサ(Euphorbia cedrorum)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2020年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。

つまり、2014年から2020年にかけて、セドロルムトウダイグサは

「守られなかった時間が、根を細くしていった」状態になってしまいました。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるセドロルムトウダイグサの最新評価は2020年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/44318/153299795

生活と保全のあいだで揺らぐ、小さな植物の未来

⬇︎セドロルムトウダイグサの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|セドロルムトウダイグサ(Euphorbia cedrorum)
項目情報
和名セドロルムトウダイグサ
英名(特定の一般英名なし)(学名で呼ばれることが多い)
学名Euphorbia cedrorum
分類被子植物・トウダイグサ科・ユーフォルビア属
分布マダガスカル南部の限られた地域(固有種)
生息環境乾燥した石灰岩地帯・岩場・日当たりの良い場所
樹高約0.5〜1.5mほどの小低木状
形状多肉質の茎を持ち、樹木のように立ち上がる
IUCNレッドリスト(2025時点)EN:危機(生息地の破壊により絶滅の危険が高い)

特徴

  • 多肉植物の一種:茎に水分を蓄え、乾燥した環境に耐える。
  • 葉は小さく、目立ちにくい:光合成の主役は太く緑色の茎。
  • ユーフォルビア属特有の乳白色の樹液を持ち、触れると皮膚に刺激がある。
  • 形状は“サボテンに似るがサボテンではない”:これはユーフォルビア属に共通の誤解されやすい特徴。

生態と行動

  • 完全な乾燥地適応:雨が少なく日差しの強い地域でも生きられる。
  • 根は浅く広がる:岩場のわずかな土壌水分を効率的に吸収するため。
  • 生息地が非常に限定的:主にマダガスカル南部のごく小さなエリアにしか分布しない。
  • 脆弱な生態バランス:生育地が開発や放牧で失われると、種そのものが減少する。
  • 栽培目的での採取圧:観賞用多肉植物としての採取が一部で問題視されている。

2014年絶滅危惧種:セドロルムトウダイグサ【VU:危急】

この種が生えている場所では、炭焼きに利用するためこの植物がきれいに刈り取られ、個体数が減少して絶滅の危機に瀕している。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目内容
産地マダガスカル南西部(トゥリアラ周辺)のごく限られた乾燥地帯に自生
生育環境乾燥した低木林・石灰岩基質の丘陵地帯
主な脅威木炭製造(炭焼き)による皆伐、農地への転換、薪炭用の伐採、乾燥化による生育環境の縮小
炭焼き(木炭製造)の現状現在も継続している。地域の燃料需要と収入源であるため、伐採圧が止まらない
個体数の状況成熟した個体は非常に少なく、局所的に断片化している
保全状況一部地域は保護区内だが、実効性のある管理は十分でない
将来的なリスクCR(深刻な危機)あるいは EW(野生絶滅) へ移行する可能性が指摘されている
IUCN評価(最新 2020)EN:危機(Endangered)

現在も絶滅の危機に瀕しており、炭焼き(木炭製造)が依然としてその主な脅威であり続けている。

⬇︎セドロルムトウダイグサの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全マダガスカルの乾燥林・岩場に限定的に自生するため、森林伐採や農地拡大を制限し、生育地の原生環境を保護する。
違法採取の防止観賞用多肉植物としての採集・取引需要が脅威となるため、採取規制と輸出管理を強化。
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際取引は許可制。乱獲・商取引の影響を抑制する。
生息地回復侵食が進んだ岩地・乾燥林で、在来植物の植栽や土壌保持のための小規模な植生回復プロジェクトが進行。
保護区の設定生育地域の一部は、保護区・重要植物多様性地域(KBA)として指定され、開発圧を抑制している。
市民・地域参加地元コミュニティと協働し、在来種保全の価値を伝える環境教育を実施。
研究とモニタリング個体数の推移・開花周期・繁殖成功率などを長期的に調査し、保全効果の評価を継続。

主な取り組み

  • 生息地保護:乾燥林・岩場の開発を制限して原生植生を維持
  • 採取規制:観賞用としての乱獲防止のため、採集禁止・管理を強化
  • 国際取引の制限:CITES附属書Ⅱによる輸出許可制
  • 植生回復:土壌侵食地での在来種の再植栽
  • 保護区整備:生息地をKBA・自然保護区として管理
  • 地域教育:現地住民・観光客への保全意識啓発
  • 個体数調査:生息数の変動と再生状況のモニタリング

最後に

「この地域で作られている木炭って、売るためなんだろうか。それとも、自分たちが生活で使うためなんだろうか?」

ちょっと気になるところですよね。

もう少し、調べてみます。


項目内容
木炭を作る人(生産者)乾燥林の近くに暮らす 農村部の住民
木炭を使う人(消費者)都市部の住民(例:トゥリアラ / Toliara)
生産者自身の燃料木炭ではなく薪(落ちている枝などを集めて使用)
木炭が作られる理由現金収入を得るための手段(農業が不安定な地域の「最終的な生存手段」)
背景にある課題貧困、干ばつ、他に安定した仕事がない
都市部で木炭が好まれる理由火力が強い・扱いやすい・保管と輸送がしやすい
薪集め(自家用)による影響主に落ち枝を使うため、森林への影響は小さい
炭焼き(商業用)による影響生きている木を伐採 → 森林の消失 → 稀少植物の個体数減少
結果として起きていることセドロルムトウダイグサは生息地が縮小し続け、絶滅リスクが高まっている

動機は「より多くの利益を得るため」ではない。

他に現金収入を得る手段がなく、生存のためにやむを得ず従事しているという、現地の厳しい社会経済的背景が存在するのである。

したがって、この問題は単に「伐採を禁止する」ことによって解決されるものではない。Euphorbia cedrorum のような希少植物の保全と、地域住民の生活維持の双方をどのように両立させるかという、極めて困難な課題を明確に示しているのである。


「作った木炭は売ってお金になる。でも、自分たちが使う燃料は、その辺に落ちている枝を拾って燃やしている。」

そう考えると、ちょっと胸が締めつけられるような感じがありますよね。

でも、これは遠い国の話、というわけでもないんです。

私たちの暮らしの中にも、同じ構造はあります。

たとえば、田舎に原子力発電所を建てて、そこで作られた電気は主に都会に送られていく。やり方は違っても、「資源を提供する場所」と「その恩恵を受ける場所」が分かれてしまう構図は、似ています。

だからこそ、これから先の社会では、大きな国全体で一つの答えを出すというよりも、小さな村や町ごとに「自分たちで持続できるエネルギーの形」を持つことが鍵になるのだと思います。

それは、ただ環境を守るためではなく、そこに暮らす人たちが「自分の生活を自分で選べる」ようにするための、とても大切な一歩なんだと思います。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

セドロルムトウダイグサに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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