※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
カタジロトキ(Pseudibis davisoni)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2018年、IUCNレッドリストで【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2014年から2018年にかけて、
カタジロトキは「絶え間ない静けさに羽音を隠した」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるカタジロトキの最新評価は2018年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/22697531/134189710
カタジロトキと日本のトキ絶滅から学ぶこと
⬇︎カタジロトキの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | カタジロトキ(片白朱鷺) |
| 英名 | White-shouldered Ibis |
| 学名 | Pseudibis davisoni |
| 分類 | 鳥綱・ペリカン目・トキ科 |
| 分布 | 東南アジア(カンボジア、ラオス南部、ベトナム南部、かつてはタイやマレーシアにも分布) |
| 主な生息地 | 低地の乾燥林、河川沿いの砂州、水辺の草地や湿地 |
| 体長 | 約75〜85cm |
| 体重 | 約1〜1.5kg |
| 寿命 | 野生で約20年程度と推定 |
特徴
- 名前の由来:翼の付け根部分に白い斑紋があることから「カタジロ(片白)」の名がついた。
- 外見:全身は黒褐色で、頭部は裸出して青黒い皮膚が見える。くちばしは下に湾曲して長い。
- 鳴き声:低く濁った「アーン」「グァー」といった声を発する。
- 飛翔:大きな翼を広げ、ゆっくりと直線的に飛ぶ姿が特徴的。
生態と行動
- 食性:水辺で小魚、カエル、昆虫、甲殻類を捕食する。
- 繁殖:乾季に樹上で繁殖。枝を組んだ巣を作り、2〜4個の卵を産む。
- 群れ:近縁種のクロトキよりも小規模な群れで行動することが多い。
- 生息環境:乾季に水の残る湿地や、裸地化した砂州などを好む。
保全状況
- IUCNレッドリスト:CR(深刻な危機、Critically Endangered)
- 推定個体数:野生で1,000羽未満(多くはカンボジア国内に集中)。
- 主な脅威:
- 生息地の農地転換・伐採による湿地と森林の減少
- 家畜放牧による営巣木の破壊
- 人間による狩猟・卵の採取
- 保護活動:
- カンボジアのプレア・トープ保護区などでの生息地保護
- 地域住民と連携した営巣木の保全・監視活動
- 国際的な野鳥保護団体(BirdLife International など)による調査と啓発活動
2014年絶滅危惧種:カタジロトキ【CR:深刻な危機】
カタジロトキの歴史的減少は低地森林の伐採、湿地帯の農業用排水、家畜放牧、草地刈り取り、開発、狩猟が引き起こした生息地の縮少によるものである。ほとんどの個体群の近くに人が生活しているので、かく乱や狩猟、代採、あるいはインフラ設備計画の実施といったことが、今ではこの種をもっとも圧迫している。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
かつて日本にもいた「トキ」のことが気になったので調べてみた。
| 原因/時期 | 具体的内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 明治時代の乱獲 | – 狩猟解禁と猟銃普及 – 羽毛需要による乱獲・輸出 – 食用や害鳥として駆除 | 個体数が急減し、大正時代には本州の多くで姿を消す |
| 生息環境の悪化(戦後~) | – 松枯れ病で営巣木が減少 – 里山管理放棄 → 暗い森化、スギ・ヒノキ植林 – 圃場整備による湿地消失 – 水路コンクリート化で餌場減少 | 繁殖・採餌環境が急速に失われる |
| 農薬・化学肥料汚染(1950〜70年代) | – DDT・BHC・水銀系農薬が大量使用 – 生物濃縮により体内に有害物質蓄積 | 卵殻の薄化 → 繁殖失敗 中毒死や衰弱 → 個体数減少 |
| 最終的経緯(1960〜2003年) | – 1960年代:石川県能登・新潟県佐渡に局限 – 1970年代:能登の個体群消滅 – 1981年:残り5羽を捕獲し人工繁殖試みるも失敗 – 2003年:「キン」死亡 | 日本産トキは絶滅 |
2003年10月10日に新潟県佐渡トキ保護センターで飼育されていた日本産最後のトキ「キン」が死亡し、日本固有のトキの血統は完全に途絶えた(生物学的な絶滅)。
調べると、日本のトキが絶滅に至った背景には、時代ごとに異なる複数の要因が複合的に絡み合っていた。
主な要因は「乱獲」「生息環境の悪化」「農薬による汚染」だ。
現在、佐渡島や本州の一部で生息が確認されているトキは、1999年以降に中国から提供された個体を基に人工繁殖させ、野生復帰させた個体群である。
⬇︎カタジロトキの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | カンボジア・ラオスなどの湿地・河川沿いの森林を保護し、農地転換や伐採を防ぐ |
| 採餌地の維持 | 水辺の湿地や河川砂州を守り、放牧や人間活動による劣化を抑制 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰに掲載、国際取引は原則禁止 |
| 法的保護 | 各国の国内法で保護種に指定、狩猟・捕獲を禁止 |
| 保護区の設定 | カンボジアのプレア・トープ保護区(Prek Toal)や西シャン州などで保護区を設け、個体群を維持 |
| 市民・地域参加 | 地域住民を雇用した巡回・監視、エコツーリズムを通じた収益化で保全活動に参加 |
| 研究とモニタリング | 個体数調査、営巣地モニタリング、繁殖成功率の追跡調査を継続 |
主な取り組み
- 生息地保全:湿地や河川沿いの森林を農地転換・伐採から守る
- 採餌地維持:水辺環境を保護し、放牧や人為的劣化を防止
- 国際保護条約:CITES附属書Ⅰにより国際取引を禁止
- 法的保護:国内法で狩猟・捕獲を規制
- 保護区設置:カンボジアなどで保護区を整備
- 地域参加:住民を雇用した監視やエコツーリズムを推進
- 科学調査:個体数や繁殖状況をモニタリング
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「農家にとって害獣ですよね」
と、必然と感じますか?
「農薬って実際どうなの?」
と、農薬の使用に疑問を感じますか?
感じ方は、さまざまあると思います。
「トキ絶滅の要因となった農薬(DDT・BHC・有機水銀)は今使われているか?」
| 農薬の種類 | 特徴 | 日本での規制状況 |
|---|---|---|
| DDT(有機塩素系) | – 分解されにくい(高残留性) – 脂肪組織に蓄積(高蓄積性) | 1971年に農業用使用を禁止 ストックホルム条約により世界的にも原則禁止 |
| BHC(有機塩素系) | – DDTと同様に残留・蓄積性が高い | 1971年に農業用使用を禁止 |
| 有機水銀農薬 | – 強い毒性を持ち、水俣病の原因物質の一つ – 人体・生態系に深刻な影響 | 1970年代前半に主要農薬の登録失効 → 使用禁止 |
「代替農薬の安全性は保障されているか?」
| 区分 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 安全性を高める仕組み | 分解性・低蓄積性 | 有機塩素系農薬の反省から、速やかに分解・体内蓄積しにくい設計が基本 |
| 厳格なリスク評価(農薬取締法) | – 人体影響:急性・慢性毒性、発がん性、繁殖影響などを試験 – ADI(許容一日摂取量)を設定し残留基準値を決定 – 環境影響:魚類・ミジンコ・藻類への試験義務 | |
| 残る懸念・新たな課題 | ネオニコチノイド系 | 人体急性毒性は低いが、ミツバチ減少や水生昆虫・鳥類への影響が懸念され、EUでは一部禁止・制限。日本は規制が異なる |
| 複合影響(カクテル効果) | 評価は基本「単剤」単位。実際の環境で複数農薬が混合した場合の影響は未解明 | |
| 「安全」の定義 | 使用基準内=リスク許容とする考え方。基準超過や想定外の環境流出時は安全保証できない |
現在のトキの野生復帰事業(新潟県佐渡市など)では、農薬のリスクを避けるため、「生きものを育む農法」が推進されている。
これは、農薬や化学肥料の使用を大幅に減らし、冬の間も水田に水を張る(ふゆみずたんぼ)ことで、トキの餌となるドジョウやカエルが豊富に生息できる環境を作る取り組みである。
これは、現代の農薬であっても、生態系への負荷をゼロにはできないことを前提とした対策と言える。
| 区分 | EU(欧州連合) | 日本(+米国) |
|---|---|---|
| 基本姿勢 | 予防原則:「疑わしきは規制」 科学的証拠が不十分でも深刻な懸念があれば規制を優先 | 科学的リスク評価:「リスクが証明されてから規制」 農薬の必要性(ベネフィット)とリスクを比較衡量 |
| 特徴 | – 環境保護団体や消費者の声が反映されやすい – 規制導入が迅速 | – データに基づき定量的に評価 – 規制は慎重で、導入に時間がかかる傾向 |
| 具体例:ネオニコチノイド系農薬 | – 2013年:一部使用を暫定禁止 – 2018年:屋外使用を原則全面禁止 | – 散布時期・方法の注意喚起のみ – 「適切使用で管理可能」として禁止はせず – 残留基準値がEUより緩やかな場合あり |
| 農薬再評価制度 | 1990年代から導入し、古い農薬を継続的に見直し | 導入が遅れ、2018年の農薬取締法改正で本格義務化 |
「害があるかもしれない」という疑いの段階で規制をかける欧州連合(EU)。
「害がある」という科学的証拠が固まってから規制を検討・実行する日本。
長くなりましたが、私は、病気になってから治すのではなく、病気にならないように予防する方が、コストもかからず経済的だと感じる。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。
カタジロトキに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、カタジロトキたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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