※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、アブラツノザメ(学名:Squalus acanthias)が、本当に「絶滅のベルトコンベア」行きなのか?――そんな話です。
この種は、持続可能じゃない漁業に長いあいだ苦しめられてきました。
2014年の図鑑では「VU:危急」。そして最新のレッドリストでも、回復を邪魔する気候変動などの影響が重なって、評価は「VU:危急」のまま変わっていませんでした。
だからアブラツノザメは今も、「追いつけないまま、運ばれる」状態なんだと思います。
この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2019年版です(以降の更新は確認されていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Squalus acanthias)
警告は届かず、食卓は動く|アブラツノザメと“絶滅へのベルトコンベア”
⬇︎アブラツノザメの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | アブラツノザメ(油角鮫) |
| 英名 | Spiny Dogfish / Spurdog / Mud Shark |
| 学名 | Squalus acanthias |
| 分類 | 軟骨魚類・ツノザメ目・ツノザメ科 |
| 分布 | 世界中の温帯〜冷水域(北太平洋、北大西洋、日本海、オホーツク海など) |
| 主な生息環境 | 沿岸から外洋の海底付近(水深20〜800m)、大陸棚周辺 |
| 体長 | 平均約80〜120cm(最大160cm程度) |
| 体重 | 約3〜9kg(個体差あり) |
| 寿命 | 約30〜70年(非常に成長が遅い) |
特徴
- 名前の由来:「アブラ」は体に脂肪分が多いこと、「ツノ」は背びれの前にある棘(とげ)=角のような構造に由来します。
- 棘の武器:背びれの前方にある硬い毒棘で敵を威嚇・防御します(人間にも刺さることがあります)。
- 目が澄んでいる:瞳が丸く澄んでいて、「美しい目をもつサメ」と称されることもあります。
- 肉質:日本では「ドンコ」や「サガンボ」とも呼ばれ、練り製品(かまぼこなど)や煮つけに利用されます。
生態と行動
- 冷たい海を好む:温帯〜寒冷な水域を好み、深海と浅海を季節によって行き来することもあります。
- 群れで行動:比較的大きな群れを作って行動するサメで、特に若い個体同士が集団を形成します。
- 繁殖:胎生で、妊娠期間は18〜24か月と非常に長く、1回に2〜20匹ほどの子を産みます。
- 成長が遅い:成熟までに10年以上かかる個体もおり、乱獲の影響を非常に受けやすい。
最終評価2019年:アブラツノザメ「VU:危急」
持続可能でない漁業による圧迫や個体数の急速な減少などについて、数十年にわたって警告されてきたにもかかわらず、この種に関しては保全、管理の取り組みがほとんど行われていない。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| セクション | 要点(結論) | 補足・具体例(キーワード) |
|---|---|---|
| 1. 全体像(2026年時点) | 地域によって回復の兆しはあるが、全体として「VU:危急」が続き油断できない。 | 「無制限な漁業」からは脱却しつつあるが、生物学的に脆弱で予断を許さない。 |
| 2. 北東大西洋(欧州近海) | 2010年代からの規制で回復の兆しが確認され、TACは増加が推奨される段階へ。 | 20世紀後半に95%激減→厳しい漁獲規制→2023〜2024年に回復の兆し→2025・2026年TACは持続可能な範囲で増加推奨。 |
| 3. 北米東海岸(大西洋) | 管理が徹底され、現在は「過剰漁獲ではない」と判断。 | 「徹底した管理」→資源状態の評価で「過剰漁獲ではない」。 |
| 4. 日本近海(分類と管理) | 日本で流通する「アブラツノザメ」には分類上の整理がありつつ、危機構造は共通。 | 多くは北大西洋種と別種のトゲツノザメ(Squalus suckleyi)と整理。ただし両者とも同様の危機に直面。東北(青森など)で伝統食。資源管理は進むが、国際規制ほど厳格ではないとの指摘も。 |
| 5. 危機の核心 | 最大の問題は「極端に遅いライフサイクル」で回復が遅いこと。 | 漁業管理が始まっても、回復の速度が遅く一度の失敗が重い。 |
| 6. 生物学的な弱点①(妊娠) | 妊娠期間が長すぎて増えにくい。 | 妊娠期間は約22ヶ月(2年弱)で世界最長級。 |
| 7. 生物学的な弱点②(成熟と産仔) | 晩熟・少子で、壊滅すると回復に数十年かかる。 | メス成熟まで10〜15年以上/産仔数が少ない→群れ崩壊後の回復は数十年単位。 |
| 8. 現在の主な脅威①(混獲) | 意図しない混獲が回復を止める。 | タラ・カレイなど狙いの網に一緒にかかる(Bycatch)。網内で死ぬ例も多く、資源回復の足かせに。 |
| 9. 現在の主な脅威②(生息地) | 海底環境の破壊が餌場・繁殖場に影響。 | 底引き網などで海底をさらい、生息地が劣化。 |
| 10. 現在の主な脅威③(気候変動) | 回遊・分布が変わり、管理が難しくなる。 | 海水温上昇でルートや生息域が変化→従来の管理前提が崩れやすい。 |
| 11. かつての利用(大量消費) | 安価で大量に消費されてきた背景がある。 | 英国:フィッシュ・アンド・チップス(「ロック・サーモン」)。日本:練り製品(ちくわ・かまぼこ)の原料として消費。 |
| 12. いま起きている変化(利用の質) | 「持続可能な利用」へ、選び方が変わりつつある。 | トレーサビリティ導入/MSC認証などエコラベル活用が広がる。 |
| 13. まとめ(2014→2026) | 「管理の手」で最悪は回避されつつあるが、繊細でミスが致命的。 | 2014年の記述=無関心への警鐘。2026年=管理は進むが、失敗で数十年分が水の泡。必要なのは「食べない」だけでなくルールに沿ったものを選ぶ知識。 |
地域により資源回復の兆候は認められるが、評価は依然VUであり警戒を要する。北東大西洋では2010年代以降の漁獲規制が奏功し、2023〜2024年に回復傾向が確認され、2025〜2026年のTAC増加が持続可能域で検討される。最大の制約は妊娠約22か月、成熟10〜15年以上という遅い生活史で、混獲、生息地劣化、気候変動が回復を阻害する。トレーサビリティと認証の普及が持続的利用の鍵となる。
⬇︎アブラツノザメの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 漁獲規制 | 資源量の減少を防ぐため、漁獲枠やサイズ制限、禁漁期間の設定 |
| 混獲防止 | 他魚種を狙う漁具での混獲を減らすため、漁法や漁具の改善を推進 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際取引には許可が必要 |
| 保護区の設定 | 繁殖や成長に重要な海域を海洋保護区として指定し、漁業活動を制限 |
| 市民・地域参加 | 漁業者・地域住民と協力した資源管理や海洋保全活動の実施 |
| 研究とモニタリング | 個体数・成長速度・繁殖状況の調査、回遊経路の追跡、資源動向のモニタリング |
主な取り組み
- 漁獲規制:漁獲量やサイズに制限を設け、資源の減少を防ぐ
- 混獲防止:漁具や漁法を改良して誤捕獲を減らす
- 国際保護条約:CITES附属書Ⅱで国際取引を規制
- 保護区指定:繁殖・成長に重要な海域を海洋保護区に設定
- 地域協働:漁業者と連携して資源管理や保全活動を実施
- 生態調査:個体数や回遊経路を科学的にモニタリング
最後に
「日本では、練り製品(ちくわ・かまぼこ)の原料として消費されてきた」って書いてあるけど、もしそれが持続可能じゃなくなったら、きっと今度は別の魚(別の種)を食べる方向に流れるよね。
そうなると、その“代わりに食べられる種”が、次に絶滅の危機に近づくってことにもなりそう。
結局さ、「昔から食べてたから」とか「今のままが当たり前」みたいな思い込みを手放さないと、これって無理っぽい気がするんだよね。
日本に関しては、なぜか世界的に見ても、漁業の制約が甘い方向に寄ってるように感じるんですよね。
このあたり、もう少し詳しく調べてみます。
| セクション | 要点(結論) | 補足・具体例(内容はそのまま整理) |
|---|---|---|
| 総論(2026年現在の真実) | 「日本の漁業規制は甘いのでは?」は、単なる思い込みではなく長らく事実だったが、いまは歴史的転換期の真っ只中。 | 背景要因が複雑で、制度も現場も「実効性が試されている時期」に入っている。 |
| 1. 「代わりの魚を食べる」が生む負の連鎖(全体像) | すり身(練り製品)の歴史は「枯渇と代替」の連鎖であり、新ターゲットが次の危機を生みうる。 | 新しいターゲットを見つけるたびに、生態理解が追いつかないまま漁獲が先行し、気づいた時には危機に瀕する——「絶滅へのエスカレーター」の構造。 |
| 1-1. かつての主役 | 昭和中期までは、スケトウダラが主役だった。 | 「獲り放題」と言えるほど獲れ、安価な練り製品の中心的原料だった。 |
| 1-2. 代替の連鎖 | タラ資源の減少・規制で、代替先が次々と移った。 | 北欧のブルーホワイティング、南半球のミナミダラ、さらにアブラツノザメのような深海ザメへ。 |
| 1-3. リスク(結末の型) | 代替が進むほど「理解不足のまま漁獲先行」が起きやすい。 | 新ターゲットの生態を十分に理解しないまま漁獲が先行→後から危機が判明→次の代替へ、という負の循環。 |
| 2. 日本の規制はなぜ「甘い」と言われてきたか(全体像) | 欧米と比べて緩いと批判されてきたのは、構造的に3つの理由がある。 | ①TAC中心への遅れ ②科学より合意形成の優先 ③混獲対策不足。 |
| 2-1. ①「努力量規制」中心の長期化 | 欧米のような「漁獲量(TAC)」の厳格管理に比べ、日本は「努力量(TAE)」中心が長かった。 | 船の数・操業日数・網目などを制限する手法が中心。だが魚探など技術進化で「少ない船で効率的に獲りすぎる」を止めにくく、乱獲を許した。 |
| 2-2. ②科学より「話し合い」優先 | 科学的警告があっても、生活や政治的圧力で枠が甘くなりやすい土壌があった。 | 漁師同士の合意形成を重視(早い者勝ち防止の文化)。一方で「このままでは絶滅」との警告が、地域の生活を守る論理の中で弱まりやすい。 |
| 2-3. ③混獲(こんかく)対策不足 | 多魚種の海で混獲が避けにくいのに、厳しい制度運用が遅れた側面がある。 | 欧米では「混獲も枠にカウント」など厳しいルールがあるが、日本では長らく放置されていた面がある、という指摘。 |
| 3. 現在の真実(2018年 漁業法大改正後) | 日本は批判を受けて制度転換を開始し、2026年は実効性が試される時期。 | 2018年に70年ぶりの大改正、2020年から順次施行。 |
| 3-1. 管理目標の変化 | 目標が曖昧だった状態から、MSY達成水準への回復が法律上の義務へ。 | MSY(最大持続生産量)を達成する水準に回復させることが義務化された、という整理。 |
| 3-2. 対象魚種の変化 | 対象魚種が限定から拡大へ進行中。 | 以前は8種(サバ、サンマ等)のみ→約200種まで拡大中。資源評価の精度も向上、という整理。 |
| 3-3. 枠の配り方の変化 | 「早い者勝ち」から、漁船ごとの枠(IQ)導入へ。 | *Q(個別割当制)が導入され、船ごとに獲れる量が決まりつつある、という整理。 |
| 4. 手放すべき「思い込み」(全体像) | 「昔から食べていた」「安いのが当たり前」という感覚がシステムを支えてしまう。 | 制度が整っても、消費側の価値観が変わらなければ圧力が残る、という見立て。 |
| 4-1. 「旬」と「安さ」の再定義 | これからは「旬=資源が豊かな時期に、適切な量だけを大切にいただく」へ転換が必要。 | 以前の「旬=大量に獲れるから安い」から価値観を変える必要がある、という主張。 |
| 4-2. 認証ラベルの活用 | 認証品を選ぶことが、持続可能な速度を求める“投票”になる。 | MSC認証や日本版のMEL認証が付いた練り製品が増えている。選ぶ行為が「持続可能な速度を求めている」と伝える直接的な投票になる、という位置づけ。 |
| 結論 | 日本は「遅れていた管理体制」から「世界標準の科学的管理」へ必死に追いつこうとしている最中。 | ただし制度が整っても、現場の生活と、私たちの「安さへの執着」が障壁になっている——これが2026年の偽らざる真実。 |
そういえば、お正月にかまぼこ食べてたけど、あれもこれなんだよね。
そう思うと、なんか感慨深い。
私たちが食べれば食べるほど、危機な魚はいなくなっていって。いなくなると規制されて、また別の魚を探して、すり身にして、製造して売る……っていう「絶滅へのエスカレーター」って書いてあったけどさ。
私が思うに、これって「絶滅へのベルトコンベア」って感じがしたわ。
だって、エスカレーターって一応“先”があるけど、ベルトコンベアって“ない”じゃん。
そうですよね。イメージとしては、こんな感じなんだと思うんです。
人類が「絶滅」って箱をエスカレーターで運んで、頂上に届けて置いて。
で、また今度は下のエスカレーターに乗って、また別の「絶滅」って箱を頂上まで運んでいく。
それがどんどん溜まっていったら、最後は「完全絶滅行き」の最終処分のベルトコンベアに、人類は自分では乗らずに、ただ「はい、さようなら」ってやる……みたいな。
じゃあ、この負の連鎖って、どうやったら無くなるんでしょうね。
いつも毎回書いてるんですけど、結局のところ――この負の連鎖を生み出している“大元の人たち”がいちばん恐れているのって、「みんなで同じことをする」ってことなんじゃないかな、って思うんです。いくら規制を作っても、守らない人や国は出てきますし、法には抜け道があったりもしますよね。
だからもし、「絶滅」って箱を一人一人が持っているんだとしたら、エスカレーターに乗る前に、まず箱の中身を見てみる。私は、それが大切なんじゃないかと思うんです。だって、中に何が入っているのかも知らないで、わからないで、絶滅させちゃうなんて……愚かですよね。
だから、みんなで一斉に、手に持っている「絶滅への箱」を開けて中を見てみる。
判断は各自でいいから、少しだけ考えてみる。考えてみて、「この箱は、絶滅のエスカレーター行きだな」って判断したなら、乗ってください。それはあなたの判断だと、私は思います。
でもね。いつまでも“下のエスカレーター”があるとは限らないですけどね。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
アブラツノザメに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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