11年後のレッドリスト|ウィンザーノゾウノアシ:守るために、売られていく【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|ウィンザーノゾウノアシ:守るために、売られていく【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、ウィンザーノゾウノアシ(学名:Pachypodium windsorii)が教えてくれた、「売れるほど危ない」という話です。

2014年の図鑑では、この植物は森林の伐採や火災の影響が大きいことから、「EN(相当):危機(レベル)」と評価されていました。
そして最新のレッドリストを見ても、個体群は減少中で、成熟個体は約1,000と推定されているのに、評価は正式に「EN:危機」のままでした。

だからウィンザーノゾウノアシは今も、「守るために、売られていく」状態なんだと思います。

この記事は短くて、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2023評価(2025年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Pachypodium windsorii

「守るために売る」の矛盾|野生株が減る仕組み

⬇︎ウィンザーノゾウノアシの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

項目情報
和名ウィンザーノゾウノアシ
英名Windsor’s pachypodium / Windsor’s elephant’s foot など
学名Pachypodium windsorii
分類被子植物・キョウチクトウ科(Apocynaceae)パキポディウム属
分布マダガスカル北部の固有種(ごく限られた地域)
主な生育地乾季のある乾燥林〜開けた乾燥地帯/急な岩場の斜面(岩質地)
大きさ高さ約0.5〜1.5mほど。根元(幹)が徳利のように太くふくらむ
体重(植物のため該当なし)
寿命多肉植物として長寿になりやすいが、野外での寿命目安は明確に示されにくい(長期生存型)

特徴

  • 名前の由来:種小名 windsorii は、北マダガスカルの「Windsor Castle(山の名・峰の名)」にちなむとされる。
  • 見た目:ボトル状にふくらむ幹(塊根状)から、細くねじれた枝が伸び、先端に葉がまとまって付く。
  • 花:赤い筒状(トランペット形)の花が目を引くタイプとして知られる。
  • 希少性:自生地が限られ、野生では個体数・分布がかなり絞られているとされる。
  • 保全状況:パキポディウム属は採取・取引圧が問題になりやすい。

生態など

  • 生育環境:北マダガスカルの乾いた環境で、急な岩の斜面や、日当たりの強い場所〜疎林の明るい半日陰にも生育するとされる。
  • くらし方:幹が大きくふくらみ、水分を貯めて乾季をしのぐ“貯水タンク型”の生き方をする。
  • ふえ方(繁殖):花のあとに果実をつくり、種子で増える。種には毛があり、風で散りやすい形をしている(属としての特徴)。
  • 受粉:昆虫などによる送粉が前提になると考えられ、開花期に環境が崩れると繁殖が不利になりやすい。
  • 脅威:草地化や山火事(野火)、生育地の改変、観賞目的の採取(違法採取を含む)などが複合的に効いてくる、と指摘されている。

出典

最終評価2023年:ウィンザーノゾウノアシ「EN:危機」

分布域は森林の伐採と火災の厳しい影響を受けており、その結果原生林が縮小し、草地や樹の混じった草地が優占する景観の間に、二次林がパッチ状に広がっている。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名ウィンザーノゾウノアシウィンザーノゾウノアシ
学名(図鑑表記)Pachypodium windsoriiPachypodium windsorii
学名の扱い独立種として記載独立種として受容(accepted)
別名(シノニム)記載なしPachypodium baronii var. windsorii (Poiss.) Pichon は Pachypodium windsorii のシノニム
IUCNレッドリストへの掲載本文に「IUCNレッドリストには掲載されていない」と記載IUCNレッドリストに正式掲載あり
レッドリストの扱い予備的調査で「絶滅危惧IB類(EN相当)」と判定される、と記載(IUCNとしての正式カテゴリではない)Endangered(EN:絶滅危惧IB類)
評価年図鑑内では正式評価なし(未掲載扱い)2023年11月27日(評価)
発表年(公開年)図鑑の刊行(2014年版)2025年(IUCN公開)
分布マダガスカル北端マダガスカル北部(北マダガスカル固有)
既知の分布・発見史長い間ウィンザー城山地だけに生えるとされていたが、2005年にモーン・ド・フランス山地とアンボアイザキミコノ山塊の2か所でも見つかった分布は北マダガスカルの乾いた環境に限られる(詳細はIUCN評価に準拠)
生息環境森の中でも育つが、樹の枝や葉の落ちた草地にも育つ、と記載季節的に乾く熱帯バイオームに生育(乾いた環境が中心)
生息地の変化(背景)森林の伐採と火災の影響で、原生林が縮小。草地や樹の混じった草地が優占する景観の間に二次林がパッチ状に広がる。木材や燃料のための森の細分化が進む個体群動向は減少。生息地の劣化・縮小が続いている扱い
個体群動向明記なし(ただし環境悪化の進行が本文で語られる)Decreasing(減少)
成熟個体数(推定)明記なし約1,000(成熟個体)
主な脅威森林の伐採、火災、木材や燃料採取による森の細分化焼畑・火入れ、木材採取、放牧など(IUCN評価に準拠)
保全状況アンタナナリボのティンバザザ植物園へ芽生えを持ち込んで栽培されている施設内保全(域外保全)だけ、と記載現在も植物園での種の保存や園芸用としての増殖(実生)は行われているが、「野生(自生地)」での状況は2014年よりも切迫している。

出典

ウィンザーノゾウノアシは、2014年時点ではIUCNレッドリスト未掲載で予備評価により絶滅危惧IB類相当とされていたが、現在はIUCNに正式掲載され、2023年に評価、2025年にENとして公表された。個体群は減少傾向で、成熟個体数は約1,000と推定される。脅威要因として焼畑・火入れ、木材採取、放牧などが挙げられ、生息地の劣化と縮小が続く。植物園での域外保全や増殖は継続される一方、野生下の状況は2014年より切迫している。

⬇︎ウィンザーノゾウノアシの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名ウィンザーノゾウノアシウィンザーノゾウノアシ
学名(図鑑表記)Pachypodium windsoriiPachypodium windsorii
学名の扱い独立種として記載独立種として受容(accepted)
別名(シノニム)記載なしPachypodium baronii var. windsorii (Poiss.) Pichon は Pachypodium windsorii のシノニム
IUCNレッドリストへの掲載本文に「IUCNレッドリストには掲載されていない」と記載IUCNレッドリストに正式掲載あり
レッドリストの扱い予備的調査で「絶滅危惧IB類」と判定される、と記載Endangered(EN:絶滅危惧IB類)
評価年図鑑内では正式評価なし(未掲載扱い)2023年11月27日(評価)
発表年(公開年)図鑑の刊行(2014年版)2025年(IUCN公開)
分布マダガスカル北端マダガスカル北部(北マダガスカル固有)
既知の分布・発見史長い間ウィンザー城山地だけに生えるとされていたが、2005年にモーン・ド・フランス山地とアンボアイザキミコノ山塊の2か所でも見つかった分布は北マダガスカルの乾いた環境に限られる(詳細はIUCN評価に準拠)
生息環境森の中でも育つが、樹の枝や葉の落ちた草地にも育つ、と記載季節的に乾く熱帯バイオームに生育(乾いた環境が中心)
生息地の変化(背景)森林の伐採と火災の影響で、原生林が縮小。草地や樹の混じった草地が優占する景観の間に二次林がパッチ状に広がる。木材や燃料のための森の細分化が進む個体群動向は減少。生息地の劣化・縮小が続いている扱い
個体群動向明記なし(ただし環境悪化の進行が本文で語られる)Decreasing(減少)
成熟個体数(推定)明記なし約1,000(成熟個体)
主な脅威森林の伐採、火災、木材や燃料採取による森の細分化焼畑・火入れ、木材採取、放牧など(IUCN評価に準拠)
保全状況アンタナナリボのティンバザザ植物園へ芽生えを持ち込んで栽培されている施設内保全(域外保全)だけ、と記載絶滅危惧IB類(EN)として国際的に位置づけられ、保全上の優先度が明確化

出典

最後に

読んでみて、どんなふうに感じましたか?

「今も植物園では種の保存とか、園芸用に増やす(実生)ことは続いてるけど、野生(自生地)の状況は2014年より切迫してる」って書いてあったよね。
それでIUCNレッドリストのサイトを見たら、減少中(Decreasing)って書いてある下に、成熟した個体数が1,000って出ててさ。これ、ちょっと何かあったら一気に絶滅しちゃいそうじゃない?

なんかこの数字だと、CR(深刻な危機)でもおかしくない気がするんだけど……栽培された株が増えてるから、評価が止まってるとかあるのかな。いや、関係ないか。

栽培されてる株と野生の株を、同じものとして評価してるとは思えないけど、そのへんはちょっと調べてみるね。


項目内容要点
1,000株でもCRにならない理由IUCNは「危機っぽい印象」ではなく、複数の基準(A〜E)と、その中の細かい条件でカテゴリを決める仕組みである。成熟個体数が少ないことだけで、自動的にCRへ上がるとは限らない。レッドリストは印象ではなく基準で判定される
成熟個体数のしきい値(基準C)基準C(小さな個体数+減少)では、CRは成熟個体数250未満、ENは2,500未満、VUは10,000未満が目安として示されている。1,000はENの範囲に入る
「250未満ならCR」になりやすい条件基準Cでは、成熟個体数が250未満であることに加えて、一定の減少傾向や個体群構造(偏り・極端な変動など)の条件も必要になる。個体数だけでCRが確定するわけではない
別のしきい値(基準D)基準D(個体数が極端に少ない)では、CRは成熟個体数50未満、ENは250未満、VUは1,000未満が目安となる。CR判定はさらに厳しい枠もある
カテゴリがENのままの可能性成熟個体数が500や800になっても、どの基準で評価されているかによってはENのままのことがある(評価は基準A〜Eのどれで該当したかに依存する)。数字が減っても即CRとは限らない
栽培株(実生)はカウントされるかレッドリストが評価する中心は「野生下で存続できるか」である。温室や植物園で維持されている個体は、野外で自立的に維持される集団として成立していない限り、成熟個体数の評価に直接は反映されにくい。野生下の存続が評価の中心である
移植・導入個体の扱い人為的に移植された個体でも、野外で定着し、自力で繁殖して自己維持できる状態になって初めて、評価上の個体数として扱えると整理される。植物園・移植は保全策でも、野生個体数とは別枠になりやすい
Decreasing(減少中)の意味個体数が少ないだけでなく、減少が続いているという判断が入っている状態である。カテゴリがENでも「安全」ではなく、悪化方向に動いていることを示す。ENでも減少中は危険度が高い
分断(パッチ状)の怖さ小集団が点在し、生息地が分断されている場合、火災や伐採などの局所的な出来事で特定集団が消えやすく、回復も難しくなる。まとまりのない分布は各個撃破されやすい
何が起きると一気に危ないか山火事、伐採、放牧圧、違法採取などが短期間に重なると、少ない成熟個体数が一段と減りやすい。少数集団は単発リスクに弱い
「栽培が増えれば評価が上がる?」への答え栽培が進んでも、野生での減少が止まらなければ評価が改善するとは限らない。むしろ園芸需要が高いほど野生採取圧が上がる例もある。栽培増=野生の安全、とはならない

出典

これ、たぶん超基本の話なんだと思うんですけど、「絶滅危惧種なのに普通の園芸店で買える」ってなったら、人気の観葉植物になるのは当たり前だと思うんですよ。
種のことだけ考えるなら、植物園だけで栽培して保存しておけばいいんじゃないの?って思っちゃうんですけど……。でも一度世の中に出回っちゃった以上、もう経済活動の歯車の中に組み込まれてるわけで、そういう絶滅危惧種を急に「普及ストップ」ってするのは、やっぱり難しいのかね。

なんかさ、これって「絶滅危惧種」っていう看板そのものが、逆に宣伝になっちゃってる気がするんだよね。

そのへん、もうちょっと深掘りして調べてみますね。


項目内容要点
「絶滅危惧」がブランドになる絶滅危惧種であること自体が「レア」「今しか買えないかもしれない」という印象を生み、コレクター心理では強い宣伝文句として働いてしまう。希少性は所有欲を刺激しやすい
希少性が価格を押し上げる入手が難しいほど価格が上がりやすく、価格が上がると、現地での違法採取が「割に合う商売」に見えてしまう。高値は採取圧を生む
規制強化が逆効果になることがあるIUCNで危険度が上がったり、国際取引の規制が強まると、「今のうちに確保したい」という駆け込み需要が起きるケースがある。ルールが厳しくなるほど焦りが出る場合がある
「植物園だけで保存すればいいのでは?」発想としては自然だが、現実には流通がすでに動いている種ほど、いきなり一般流通を止めるのは難しい。市場ができると撤退が難しい
市場に流す考え方(需要を満たす発想)欲しい人がいるなら人工繁殖株を増やし、合法・安価な供給で違法採取の利益を下げる、という考え方が議論されている。うまくいく条件は限定的で、万能ではない。合法供給で密猟の旨味を減らす狙い
ウィンザーノゾウノアシが流通し得る背景Pachypodium windsorii はCITES附属書Iに掲載され、野生個体の国際取引は原則として非常に厳しい扱いになる。一方で人工繁殖個体は制度上、許可の枠内で取引が成立し得る。野生は厳規制、人工繁殖は別枠で扱われ得る
植物園だけでは抱えきれない世界中の植物園はスペースも予算も限られ、すべての絶滅危惧種を「公的施設だけ」で維持するのは現実的に難しい施設保全には物理的限界がある
家庭栽培が「分散保全」に見える側面多数の愛好家が各地で維持している状況は、結果として種を分散して残す方向に働く面もある。ただし、野生の回復とは別問題である。栽培が増えても野生が守られるとは限らない
「野生株」に価値が付く問題実生株(人工繁殖)の整った姿と、現地環境で歪みや傷を持つ野生株は、愛好家の間で別物として評価されることがある。実生があっても野生株需要が消えない場合がある
密猟が止まりにくい構造実生株が普及しても、「本物の野生の風格」を求める層が残ると、野生株は高値のままになり、違法採取の圧力が続きやすい。需要の質が変わらないと圧力は残る
経済活動に組み込まれると止めにくい生産者・輸出入・販売店など、そこで生活が成り立つ構造ができると、急な流通停止は現実的に難しい。市場化=撤退戦が困難
ハイブリッド汚染のリスク栽培が広がると、近縁種との交配や品種化が進み、保全上は「野生由来の遺伝的なまとまり」を扱いにくくなる懸念がある。広がりすぎると純系管理が難しくなる

出典

思い出した。これ、前にもどこかで見た感じだね。
つまりさ、希少なまま特定の場所だけで守ってると、逆に違法取引が増えちゃう。だけど世の中に広く普及させちゃえば、「わざわざ欲しがる気持ち」が落ち着くかもしれない、って考え方なんだよね。

でもさ、超富裕層みたいな人が「それでも欲しい」ってなったら…なんか前にもあったよね。
「自前の動物園なら飼っていい」ってルールを逆手に取って、動物園そのものを作っちゃうみたいな、あのレベルの話。
結局、人のエゴってなくならないよね、ってオチなのかな。

うん…そんな感じなんだろうけどね。
自分も「珍しいもの好き」で、ちょっとコレクター気質があるから、大きな声で「そういうのは保全のためにやめてください」って言い切れないんだよね。

オートバイが好きで、特にHONDAの1970年代の、いわゆる古き良き時代のバイクを何台か持ってるんだけど、こういうバイクっていろんな人の手を渡ってきてるから、改造されてたりするんだよ。
それを元に戻すために、できる限りの手を尽くすんだけど…これが超富裕層だったら、たぶんお金に糸目をつけずにやっちゃうんだろうなって思う。すごい人もいるしね。
まあ自分は、自分の身の丈に合わせて付き合ってるけど。

だからって自分を正当化したいわけじゃないんだけど、人のエゴってほんと難しい問題で、これさえなければ大抵のことはうまく回りそうなのに…って思うことがある。
それに、古いバイクの世界でも同じで、集める人が出てくると、それを支える生産者や輸出入業者や販売店が自然に生まれて、そこで生活が成り立つ仕組みができてしまう。
そうなると、急に流通を止めるって、現実的にはかなり難しいんだろうね。

これってさ、バイクが趣味の自分が言うのもどうかと思うけど、化石燃料なんてまさにそれで。
掘る人がいて、使う人がいて、それを支える生産者や輸入業者や販売会社がいて…そこで生活も政治も経済も成り立ってる構造なんだよね。

じゃあこれ、どうやったら変えられるんだろうね。

ほんとに小さな小さな自分の世界でさえ、何かを変えるのって難しいって痛感してる。
だからこんな大きな「経済」そのものを変えるなんて、できるのかなって、最近ほんとに思うんですよ。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

ウィンザーノゾウノアシに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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