11年後のレッドリスト|ジュリアナキンモグラ(Neamblysomus julianae):柔らかな土を求め、孤立の中で生きている【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|ジュリアナキンモグラ(Neamblysomus julianae):柔らかな土を求め、孤立の中で生きている【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi, 鶏人|Keijin here.

In a 2014 field guide, Juliana’s golden mole (Neamblysomus julianae) was classified as “Vulnerable (VU)”. This was largely because its limited savanna habitat was steadily being wiped out by urbanization, mining, and agriculture.

In recent years, its habitat records and distribution models have been woven into provincial conservation plans and environmental assessments for new developments. There are even ongoing surveys trying to track down new habitats. But despite this, the Bronberg Ridge population—the one in the most critical danger—remains completely unprotected. It’s hard to say that our current conservation efforts are doing enough.

Now, looking at the IUCN Red List as of 2026, we have more accurate distribution data. Their living area is calculated to be a mere 160 square kilometers. On top of that, their three populations are severely fragmented, and the size and quality of their habitat are still shrinking. Because of this, their status has been escalated to “Endangered (EN)”.

Even now, I can’t help but feel that Juliana’s golden mole is out there, searching for soft earth, surviving in isolation.

I’ve tucked the finer details into the expandable sections below. But even if you only read the main text, I’d really appreciate it if you stick around until the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

ジュリアナキンモグラ(Neamblysomus julianae)は、2014年の図鑑では、限られたサバンナの生息地が都市化、採鉱、農業によって失われ続けていたことなどから「VU:危急」と評価されていました。

近年は、生息記録や分布モデルが州の保全計画や開発時の環境審査に組み込まれ、新たな生息地点を探す調査も進められています。しかし、最も危機的なブロンベルグ・リッジ個体群は現在も保護区外にあり、生息地を守る取り組みは十分とはいえません。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストでは、より正確な分布情報によって生息面積が約160km²と算定され、3つの個体群が著しく分断されているうえ、生息地の面積と質が低下し続けていることから「EN:絶滅危惧」へと評価が変更されています。

ジュリアナキンモグラは今も、「柔らかな土を求め、孤立の中で生きている」という状態なのだと思います。

少し詳しい内容は折りたたみの中にまとめています。
まずは本文だけでも、最後まで読んでもらえたらうれしいです。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2014年評価(2015年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Neamblysomus julianae

ジュリアナキンモグラの生態と絶滅危惧の現状|2014年と2026年を比較

⬇︎ジュリアナキンモグラの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|ジュリアナキンモグラ(英名:Juliana's Golden Mole)
項目内容
和名ジュリアナキンモグラ
英名Juliana’s Golden Mole
学名Neamblysomus julianae
命名者・記載年(Meester, 1972)
原記載名Amblysomus julianae
分類動物界/脊索動物門/哺乳綱/アフリカトガリネズミ目/キンモグラ科/ガニングキンモグラ属
分類上の位置キンモグラ類はアフリカで独自に進化した哺乳類で、真のモグラが属するモグラ科とは系統的に離れている。テンレック類などとともにアフリカ獣類の系統に含まれる。
分布国南アフリカ共和国の固有種
分布地域互いに大きく隔離された3つの地域に分布する。①ハウテン州プレトリア東部のブロンベルク・リッジ、②リンポポ州モディモレ地区のニルスフレイ自然保護区と周辺農地、③ムプマランガ州南西部のクルーガー国立公園内、ヌンビ・ゲート、プレトリウスコップ、マチュルワナ周辺。
分布の特徴3つの地域の間には連続した分布記録がなく、個体群間の遺伝的交流はほとんどないと考えられている。分布域内でも生息に適した土壌が限られるため、個体は斑状に分布する。
個体群の分類学的問題クルーガー国立公園の個体群は、毛色、歯の特徴、DNAにほかの2個体群との違いが認められており、将来的に別種として扱われる可能性が指摘されている。ただし、分類学的な結論には追加標本と研究が必要とされている。
生息環境サバンナを中心に、一部では草原にも生息する。樹木や草本に覆われた砂質土壌、風化した砂岩や珪岩の岩稜周辺、氾濫原などが主要な生息環境となる。十分に灌水された郊外の庭や農村部の庭でも確認されることがある。
土壌への依存密度が低く、掘り進みやすい砂質土壌に強く依存する。砂粒の大きさの組み合わせは、土壌の密度、排水性、締まりやすさ、掘削抵抗を左右するため、本種の分布を決める重要な条件となっている。粘土質で硬く締まった土壌にはほとんど生息できない。
体の大きさ頭胴長は約100mm、体重は21~46g、平均約35gとされる。キンモグラ科の中では比較的小型で、雄は雌より大きい傾向がある。外から確認できる尾はない。
毛色背面は淡いシナモン褐色から金褐色で、背中側ほど濃く、脇腹や吻の周囲ほど淡くなる。密生した柔らかな毛には虹色を帯びた金属光沢がある。キンモグラという名称は通常この光沢に由来するが、本種は実際の毛色も金色に見える種として知られる。
体の特徴体は円筒形または紡錘形で、地中を進む際の抵抗が少ない。吻の先には硬い革質の鼻面があり、前肢にはつるはし状に発達した大きな爪がある。後肢は土を後方へ押し出すのに適している。
目と耳小さな眼は皮膚と毛に覆われ、外からは見えず、視覚はほとんど機能しない。外耳も見えない。地中では聴覚、触覚、嗅覚のほか、土壌を伝わる振動を利用して周囲や獲物を察知すると考えられている。
地中での移動砂の中を泳ぐように進む「サンド・スイミング」を行う。地表近くには採食用の浅い一時的なトンネルを作り、通過後に崩れることも多い。より深い場所には、休息場所や巣室につながる比較的安定したトンネル網を作る。
採食する深さ採食活動の多くは地表から約10~20cmの浅い土壌で行われ、地表には途切れた細い隆起としてトンネルの痕跡が現れる。
活動時間主に午後遅くから夕方に活動するが、完全な夜行性ではない。昼と夜の両方に活動する柔軟な活動パターンが確認されており、土壌温度や湿度、降雨などの環境条件に左右される。
社会性基本的に単独で暮らし、縄張りを持つと考えられている。同じ休息場所を繰り返し利用する行動も確認されている。
体温調節体温は周囲の土壌温度の影響を受ける。気温や土壌温度が低い時間帯には、代謝と体温を一時的に低下させる浅い休眠状態に入ることがある。また、土壌内を上下に移動して適温の場所を選ぶ行動性体温調節も行う。
季節による活動変化雨の後は土が柔らかくなり、地中の無脊椎動物も増えるため活動が活発になる。乾季には土壌が硬くなり、浅い採食トンネルがほとんど見られなくなることがある。
食性主に動物食で、昆虫、昆虫の幼虫、ミミズなどの土壌性無脊椎動物を食べる。地中で獲物を捕らえるほか、地表近くの獲物を捕らえて地下へ運ぶこともある。
繁殖繁殖生態には不明な点が多い。1回に1~2頭、通常は2頭の幼獣を産むとされる。幼獣は毛がなく未発達な状態で生まれ、母親が地下の巣室で育てる。妊娠期間や性成熟年齢などは分かっていない。
寿命野生下、飼育下ともに詳しい寿命は分かっていない。
捕食者猛禽類のほか、人の居住地域ではイヌやネコに捕食されることがある。地表に出た個体や、浅い場所を移動している個体が狙われると考えられる。
生態系での役割土壌性無脊椎動物を捕食するとともに、トンネルを掘ることで土壌の通気性や排水性、栄養循環に影響を与える可能性がある。ただし、本種固有の生態系機能については十分に研究されていない。
推定個体数成熟個体数と総個体数は不明。良好な生息地では1ha当たり2~3頭が確認されることがあるが、生息可能な土壌が限られるため、分布密度は場所によって大きく異なる。
占有面積2016年の南アフリカ地域評価では、種全体の占有面積は約160km²と推定された。ブロンベルク・リッジ個体群の分布範囲は特に狭く、約9.2km²とされた。
個体群動向種全体の個体群動向は不明。ブロンベルク・リッジ個体群は減少していると判断されている。既知の3個体群はいずれも孤立しており、種全体が深刻に分断された状態にある。
IUCNレッドリストEN:Endangered(絶滅危惧)。2015年公表の世界評価では基準B2ab(iii)が適用され、限られた占有面積、深刻な分断、生息地の面積と質の継続的な低下が評価理由とされた。
地域評価南アフリカの2016年地域評価でもEN。なかでもブロンベルク・リッジ個体群はCR:Critically Endangered(深刻な危機)と評価されている。
主な脅威都市開発や住宅建設、道路、農地拡大、不適切な農業、過放牧、珪岩採掘などによる生息地の消失・劣化・分断。土壌の締め固めは移動や採食を困難にし、道路や造成地は個体群間の移動を遮る障壁になる。イヌやネコによる捕食、庭の所有者による駆除も局地的な脅威となる。
気候変動との関係気温上昇と降水量の減少によって土壌が乾燥・硬化すると、トンネルを掘るためのエネルギー負担が増え、移動や採食が難しくなる可能性がある。土壌温度の上昇や餌となる無脊椎動物の変化も影響すると考えられる。
保護区との関係クルーガー国立公園の個体群の大部分と、ニルスフレイ個体群の一部は保護区内にある。一方、最も危機的なブロンベルク・リッジ個体群は国立・州立保護区に含まれず、住宅開発、道路、採掘による強い圧力を受けている。

基本情報:出典

最終評価2014年:ジュリアナキンモグラ「EN:絶滅危惧」

この動物にとって限定的なサバンナの生息環境は、激しい都市化、採鉱活動、そしてその影響がもっとも懸念される農業によって、深刻な脅威にさらされている。とりわけハウテン州ツワネのブロンベルグ・リッジの傾斜地帯で見られる下位個体群は、すさまじい都市化や採石活動のために消滅の危険性がきわめて高く、結果として別途、IUCNレッドリストでは絶滅危惧IA類と評価されている。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

ジュリアナキンモグラ(Neamblysomus julianae)|2026年時点の現状まとめ
出典:IUCNレッドリスト|ジュリアナキンモグラ(Neamblysomus julianae

2026年8月9日確認時点で、ジュリアナキンモグラの世界全体のIUCN評価は絶滅危惧(EN)です。ただし、これは2026年に再評価された結果ではなく、2014年1月27日に実施され、2015年に公表された評価が現在も維持されています。

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
対象種ジュリアナキンモグラ。学名はNeamblysomus julianae。南アフリカ固有の地下性哺乳類学名と分類上の種の扱いに変更はない。ただし、クルーガー国立公園の個体群は、体色・歯・DNAに違いがあり、別種または独立した進化系統である可能性が以前から指摘されている。分類学的な結論は出ていない
世界全体のIUCN評価図鑑では絶滅危惧II類(VU)絶滅危惧IB類(EN)。評価基準はB2ab(iii)。生息面積が小さく、個体群が著しく分断され、生息地の面積・範囲・質が低下し続けていると判断されている
評価が変わった理由当時は生息面積が2,000km²未満と推定され、VUと評価されていたより正確な分布情報によって生息面積が約160km²と算定され、3つの個体群が互いに孤立していることも確認された。このためVUからENへ引き上げられた。これは個体数が2014年以降に急減したことを直接示す変更ではなく、主として新しい分布情報による評価の修正である
IUCN評価の新しさ図鑑刊行時点の評価を掲載IUCNページは現在もENだが、最終評価日は2014年1月27日である。したがって、2026年の個体数調査に基づく最新評価ではなく、約12年前の評価が継続して表示されている
分布南アフリカのハウテン州、リンポポ州、ムプマランガ州にある3つの孤立地域だけで確認確認されている構成は現在も、ブロンベルグ・リッジ、ニルスフレイ自然保護区周辺のモディモレ地域、クルーガー国立公園南西部の3個体群である。個体群を結ぶ中間地点での記録はなく、相互の遺伝的交流を示す証拠もない
個体群数と分断3つの孤立した下位個体群が知られていた3個体群という構成に変化はなく、著しく分断された状態が続いている。限られた適地を道路、住宅地、農地などがさらに細分化している
個体数詳しい総個体数は不明成熟個体数、最大個体群の個体数、種全体の総個体数はいずれも不明。良好な生息地では1ha当たり2~3頭と推定されるが、分布は局所的で密集しており、この密度から総個体数を算出することはできない
個体数の傾向野生で絶滅する危険があるとされたが、種全体の増減は不明種全体の個体数傾向は現在も「不明」。一方、ブロンベルグ・リッジ個体群は「減少」とされ、成熟個体数も減少し続けていると判断されている。回復を示す定量的な個体数データは公表されていない
生息環境限定的なサバンナ環境に依存すると説明されていたサバンナから草原への移行帯にある、樹木や植生に覆われた柔らかい砂質土壌に強く依存する。主に風化した砂岩や石英岩の尾根に形成される砂地を利用する。硬く締まった土壌を掘る力が弱いため、土壌の粒径、密度、排水性、貫入抵抗が分布を大きく左右する
生息面積2,000km²未満と考えられていたより正確な生息面積は約160km²。潜在的な適地も限られ、広い範囲に連続して分布する種ではない。数値の縮小は、生息地が一挙に消失したことだけを意味するものではなく、分布調査と算定精度の向上による部分が大きい
ブロンベルグ・リッジ個体群都市化と採石によって消滅する危険がきわめて高く、別途、絶滅危惧IA類(CR)と評価現在もCR。分布範囲は約9.2km²とされ、2本の幹線道路と住宅開発によって4区画に分断されている。最大のまとまった生息地は約7.5km×0.9kmにすぎず、既知の生息場所は国立・州立保護区に含まれていない
都市化の影響ツワネ東部の急速な都市化が重大な脅威住宅地、集合住宅、道路、給水設備、商業施設などによる土壌の掘削・舗装・分断が引き続き重大な脅威である。特に深い建物基礎や道路は、地下を移動する本種にとって越えにくい障壁となる
採鉱・採石の影響ブロンベルグ・リッジの採石活動が個体群消滅の危険を高めていた石英岩・砂の採掘は現在の公的評価でも深刻な脅威として残っている。採掘区域の拡大は、最大の生息地区画に残された主要な東西移動回廊を破壊し、個体群をさらに孤立させる可能性がある
農業の影響生息地への影響がもっとも懸念される要因の一つとされた農地拡大、不適切な農法、過放牧、家畜による土壌の踏み固めが主要な脅威である。特にニルスフレイ自然保護区周辺では、個体群の一部が隣接農地に分布しており、耕作や土地改変による適地の劣化が続いている可能性がある
道路の影響都市化や開発に含まれる脅威として扱われていたプロンベルグでは道路が個体群を分断している。クルーガー国立公園内でも、道路による土壌の締め固めが移動障壁になる可能性が指摘されている。保護区内にいることだけでは、地下の移動経路まで完全に守られるわけではない
その他の脅威詳細な記載は限定的飼い犬・飼い猫による捕食、庭の所有者による駆除も副次的な脅威とされる。生息地の断片化は遺伝子流動を妨げ、近親交配、遺伝的多様性の低下、局地的絶滅の危険を高める
保護区の状況3個体群のうち2個体群は保護区域内とされたクルーガー国立公園の個体群はほぼ保護区域内にある。モディモレ個体群はニルスフレイ自然保護区と周辺農地にまたがり、保護されているのは分布域の一部だけである。もっとも危険なプロンベルグ個体群は、既知の分布域が国立・州立保護区に含まれていない
保全制度の進展開発時の環境影響評価と規制による保護が中心分布モデルがハウテン州の保全計画や南アフリカの環境スクリーニングに取り入れられた。2020年の資料では、プロンベルグ個体群について2002年以降の多数の確認記録が環境審査用データに組み込まれ、開発予定地が高・中感度地域に該当した場合、専門家による現地調査が求められる仕組みが整備された。ただし、確認記録数は個体数を意味せず、増加の証拠ではない
保全計画の課題開発規制と環境影響評価の徹底が求められていた種全体を対象とした生物多様性管理計画、統一された長期個体数調査、3個体群の遺伝的調査は依然として重要な課題である。プロンベルグでは、生息地そのものだけでなく、狭い砂質土壌の移動回廊を連続した状態で残すことが必要とされている
気候変動に関する直接的証拠図鑑では地球温暖化による影響は具体的に扱われていないジュリアナキンモグラの個体数減少を気候変動と直接結び付けた長期研究は確認されていない。現在のIUCN評価でも、主要因として明示されているのは都市化、農業、採鉱、道路などによる生息地の消失・劣化・分断である
気温上昇の影響記載なし本種の活動時刻、体温、浅い休眠は地中温度に強く影響される。南アフリカでは平均気温、熱波、非常に暑い日、火災危険日の増加が観測され、今後も増えることがほぼ確実とされる。地表近くの10~20cmで採餌する本種では、地温上昇によって活動できる時間が短くなり、より深い場所への退避や活動量の低下が起こる可能性がある
乾燥・干ばつの影響記載なし本種は夏の雨で土壌が湿った後に活発になり、乾燥期には地表近くの活動が大幅に減る。将来、降水量の減少や干ばつが強まれば、土壌が掘りにくくなり、採餌・移動・繁殖に利用できる期間が短くなる可能性がある。土壌動物などの餌資源が減少することも考えられる
極端な大雨の影響記載なし南アフリカ東部・中部では極端な降雨の増加が観測され、東部では今後さらに増えると予測されている。適度な雨は土壌を柔らかくして活動を促す一方、短時間の豪雨は浅い採餌トンネルの崩壊、土壌流出、冠水を引き起こす可能性がある。特にニルスフレイの氾濫原個体群では影響が考えられるが、本種を対象とした実証研究はまだない
植生と日陰への影響樹木や植生のあるサバンナが重要とされた樹木や植生による日陰と落葉層は、土壌の温度・湿度を安定させる。干ばつ、火災、土地利用変化によって植生被覆が失われると、地温上昇と乾燥が強まり、本種に適した土壌環境が減少する可能性がある
気候変動と生息地分断の複合影響主に都市化、採鉱、農業を個別の脅威として記載気候が変化しても、3個体群は道路、農地、都市、硬い土壌によって孤立しているため、より適した地域へ移動しにくい。個体数が少なく遺伝的交流も乏しい個体群では、環境変化への適応力が低下する可能性があり、とりわけプロンベルグ個体群では既存の土地利用と気候変動が重なることが懸念される
2014年との総合比較種全体はVU、プロンベルグ個体群はCR。都市化、採石、農業による危機が強調されていた種全体はENへ引き上げられ、プロンベルグ個体群はCRのままである。保全計画や開発審査への分布情報の組み込みは進んだが、総個体数は依然不明で、生息地の面積と質は低下傾向にある。気候変動の直接的影響は未解明だが、本種が依存する地温、土壌水分、植生被覆を変化させ、都市化・農業・採鉱による危険をさらに大きくする可能性がある

現状まとめ:出典

ジュリアナキンモグラは、2014年の図鑑では危急(VU)でしたが、分布調査の進展によって生息面積が約160km²と算定され、現在は絶滅危惧(EN)とされています。ただし、IUCNの最終評価は2014年に行われたもので、総個体数や種全体の増減傾向は今も不明です。3つの個体群は互いに孤立し、特にブロンベルグ・リッジ個体群は都市化や採鉱、道路によって生息地が分断され、深刻な危機(CR)の状態が続いています。さらに気候変動による高温、干ばつ、極端な大雨は、活動を左右する地温や土壌水分、植生を変化させ、すでに深刻な生息地破壊の影響を一層大きくする可能性があります。

⬇︎ジュリアナキンモグラの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保全活動の種類具体的な内容実施状況・課題
保護区による生息地保全南アフリカで確認されている3つの主要な地域個体群のうち、クルーガー国立公園南西部の個体群と、ニルスフレイ州立自然保護区周辺の個体群は、少なくとも生息域の一部が保護区内に含まれている。クルーガー国立公園では生息域の大部分が保護されているが、道路による土壌の圧密と移動経路の分断が懸念される。ニルスフレイでは保護区外の周辺農地にも生息しており、その部分は農業による改変を受けている。
ブロンベルク・リッジの緊急保護プレトリア東部のブロンベルク・リッジ個体群は、都市開発、住宅建設、道路、珪岩採掘によって生息地が著しく分断されているため、残存する砂質土壌と東西方向の移動回廊を優先的に保全する。この個体群は地域評価で深刻な危機にあるとされるが、生息地は国立・州立保護区に含まれていない。保護区の拡張、土地所有者との保全協定、生物多様性保全制度の導入が優先課題となっている。
開発規制と環境影響評価生息地内や周辺で計画される住宅、商業施設、道路、採掘などについて、環境影響評価と住民参加を行い、本種と適した土壌への影響を審査する。開発事業者には環境管理計画の遵守と、キンモグラ類の専門家による調査・助言が求められる。ハウテン州当局は、生息地を破壊する可能性がある開発行為を審査・規制してきた。一方で、生息が確認された場所や重要な移動回廊に影響する開発・採掘が承認された事例もあり、制度の執行力が課題となっている。
法令・政策の執行ハウテン州の尾根地形保全政策など、既存の土地利用規制を厳格に適用する。ブロンベルク・リッジでは低影響の開発だけを検討対象とし、開発する場合には完全な環境影響評価を求める。保全評価では、既存法令のより厳格な執行と、ブロンベルク個体群を直接保護する追加的な法制度の整備が必要とされている。
空間的保全計画への組み込み生息確認地点、土壌、地質、標高、植生などを用いて作成された種分布モデルを、ハウテン州の生物多様性保全計画と環境感度地図に組み込み、開発審査や優先保護地域の選定に利用する。ハウテン州保全計画では、ブロンベルク地域のモデル生息地5,336ヘクタールすべてを保全目標とした。新たな確認地点は州当局へ提供され、環境感度データの更新に用いられる。
生物多様性管理計画の策定本種全体を対象とする生物多様性管理計画を策定し、地域個体群ごとの保護、監視、土地利用管理、研究、行政機関の役割を統合する。2016年の地域保全評価時点では、種全体を対象とした管理計画は存在していなかった。一方、ブロンベルク個体群については、州当局とIUCN SSCアフリカ獣類専門家グループの専門家が管理計画案を作成していた。
生息地の連結性確保道路、住宅地、採掘場によって分断された生息地の間に移動経路を残し、個体群間の移動、遺伝子流動、繁殖機会を維持する。特にブロンベルク・リッジでは、残された主要な東西移動回廊が採掘の影響を受けている。狭い生息地をさらに分割しないことが重要となっている。
放牧圧の軽減ニルスフレイ周辺の農地などで家畜の飼育密度を下げ、踏みつけによる土壌の圧密を抑える。土地所有者が家畜数を減らせるよう、奨励制度を設けることも提案されている。本種は粒径が比較的そろった、掘り進みやすい柔らかな砂質土壌を必要とする。家畜、車両、農業機械による土壌の圧密は、地下での移動や採餌を妨げる可能性がある。
樹木・植生被覆の維持Terminalia sericeaやBurkea africanaなどの在来樹木、低木、落葉層を維持し、土壌に日陰と有機物を供給する。樹木や低木に覆われた場所は、裸地よりも土壌が低温かつ湿潤に保たれやすい。本種に適した微環境を維持するため、伐採や過度な植生除去を避ける必要がある。
個体群モニタリング地表近くに形成される浅いトンネルや土壌の盛り上がりなど、本種の活動痕跡を調査し、生息範囲、生息地の状態、個体群の変化を継続的に記録する。ブロンベルク個体群では州当局による初期段階の監視が行われていたが、体系的な生息地調査の確立が必要とされた。モディモッレとクルーガー国立公園の個体群には、評価時点で体系的な監視制度がなかった。
新たな個体群の探索生態的ニッチモデルを利用して、土壌、気候、植生などが適した地域を絞り込み、現地調査によって未確認個体群を探す。既知の少数の記録から作られた分布モデルにより、モディモッレ周辺で従来知られていなかった2地点の生息が確認された。この手法は、今後の重点調査地域と優先保護地の選定に利用できる。
分類・保全遺伝学研究ブロンベルク、モディモッレ、クルーガー国立公園の個体群について、地域間・地域内の遺伝的分化、遺伝的多様性、近交の程度を調査する。クルーガー国立公園の個体群は、ほかの個体群と分類学的に異なる可能性が指摘されている。別種または独立した保全単位と判明した場合、それぞれの分布域は現在考えられている以上に狭くなり、個別の保護が必要になる。
生態・個体群研究分布、生息密度、繁殖、生理、活動時間、土壌温度や降雨との関係、個体数の増減などを調査し、保全管理の基礎資料を整える。地中性で発見が難しいため、個体数とその傾向は十分に把握されていない。土地利用ごとの影響を評価するため、各個体群を対象とした総合的なリスク評価も必要とされている。
市民参加型の生息情報収集市民に活動痕跡や個体の目撃地点を記録してもらい、市民科学プラットフォームや専門家へ報告する。死亡個体が見つかった場合は、発見日と場所の情報を添えて公的な博物館へ提供する。地中で生活するため目撃例は少ないが、詳細な位置情報や標本は分布、分類、遺伝的分化を明らかにするうえで重要となる。
普及啓発と地域住民の参加地域住民、学校、土地所有者に本種の存在と、生息地の破壊、土壌の圧密、飼い犬・飼い猫による捕食などの脅威を伝える。在来植物を使った庭づくりも奨励されている。ブロンベルク地域では住民団体が開発や生息地破壊に対して法的異議申立てを行った。保全評価では、住民、学校、NGOによる啓発と行政への働きかけを継続・拡大する必要があるとされた。
法的異議申立て・NGO活動生息地を破壊する開発や採掘計画に対し、住民団体、自然保護団体、法律団体が環境法に基づく異議申立てや政策提言を行う。ブロンベルクでは住民団体による異議申立てが行われたものの、過去の申立ては開発を止めるには至らなかった。行政の保全政策を支える継続的な法的・社会的活動が求められている。
域外保全飼育下繁殖、個体の移送、再導入などの域外保全よりも、残された砂質土壌と植生を現地で守る生息域内保全が中心となっている。主要な保全評価では、本種を対象とした飼育下繁殖や再導入事業は主要活動として報告されていない。生息地の特殊性と基礎情報の不足から、現段階では生息地保護、土地利用規制、調査研究が優先されている。

保護活動の種類:出典

気候変動と干ばつがジュリアナキンモグラに与える影響

Questioner: I’ve seen posts on social media saying that whenever El Niño hits Southern Africa, it brings pretty severe droughts. I wonder how bad it really gets. If the soil dries up, wouldn’t that hit Juliana’s golden moles pretty hard in terms of their diet—like all the insects and earthworms they rely on?

Me: They say South Africa is steadily heading toward aridification and desertification. When water sources run dry, it hits wildlife survival head-on. Let me look into the details, including where things stand with the current El Niño.

質問者:南部アフリカでエルニーニョ現象が発生すると、わりと深刻な干ばつになるとかってSNSとかで見たことがあるけどどうなんだろうね。土が乾燥しちゃうと、昆虫やミミズとかのジュリアナキンモグラさんの食生活に影響あるんじゃないかな。

私:南アフリカは、乾燥化や砂漠化が進んでいるともいわれています。水源の枯渇は野生動物の生存にも直接影響を及ぼしますからね。そのあたり詳しく現在のエルニーニョ現象も含め調べてみます。


ジュリアナキンモグラを追い詰める干ばつ――エルニーニョと土の中で進む危機

雨が降らなくなれば、乾くのは地表だけではありません。土の中では餌となる無脊椎動物が減り、ジュリアナキンモグラが移動できる環境も狭まっていきます。南部アフリカで深刻化する干ばつは、見えない地下の暮らしにも、静かに二重の負担を与えようとしています。

1. エルニーニョ現象と南部アフリカの干ばつの現状

エルニーニョは自然に繰り返される気候変動であり、地球温暖化そのものではありません。ただし、海洋と大気が温暖化した状況では、エルニーニョに伴う高温や大雨などの影響が増幅される可能性があります。

過去最大級の被害

FAOが2026年に公表した分析では、2023~2024年のエルニーニョは南部アフリカに過去100年以上で最も深刻な干ばつをもたらしたとされています。約6,100万人が支援を必要とし、水系、牧草地、家畜にも大きな負担が生じました。

広域に残る影響

被害の程度には地域差がありますが、干ばつは農業、生態系、土壌水分に広く影響しました。2026年には新たなエルニーニョの発達が予測されており、南アフリカを含む地域で乾燥リスクの再上昇が懸念されています。

今後の乾燥リスク

FAOの予測では、ナミビアとボツワナの広い農地・牧草地を中心に、農業干ばつの発生確率が50%を超え、アンゴラ、ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ、モザンビーク、マダガスカルの一部にもリスクが及びます。これは地域全体で干ばつが確実に続くという意味ではなく、農業に利用される土地で警戒すべき確率が示されたものです。

2. 土壌の乾燥と餌となる無脊椎動物への連鎖的影響

ジュリアナキンモグラの野生下での詳しい食性は、現在も十分に解明されていません。昆虫やミミズなどの土壌無脊椎動物を捕食すると考えられています。

ミミズなどの土壌動物は、土壌水分の影響を強く受けます。長期間の乾燥によって活動量や生物量が減少するほか、休眠状態に入ったり、より湿った深い層へ移動したり、種類や環境条件によっては死亡率が高まったりすることがあります。

このため、干ばつが続けば、ジュリアナキンモグラが浅い土中で利用できる餌が減少する可能性があります。ただし、本種の生息地において、干ばつによる餌の減少を直接測定した研究は限られており、現段階では生態的に予想される影響です。

3. ジュリアナキンモグラを襲う「二重の負担」

ジュリアナキンモグラは、粒の大きさが比較的そろった砂質土壌に強く依存しています。主な採餌活動は地表から約10~20cmの浅い層で行われ、頭部と前肢を使って砂の中を「泳ぐ」ように進みます。

土壌の密度、粒径、排水性、貫入抵抗は、地中を移動する際のエネルギー消費に影響します。乾燥した砂質土壌が必ず硬く固まるわけではありませんが、土壌水分の低下によって活動しやすい環境が縮小し、場所によっては掘り進みにくさが増す可能性があります。

干ばつによって浅い層の餌が減る一方、餌を探すための移動条件まで悪化すれば、「餌を得にくいのに、採餌にはより多くの労力が必要になる」という二重の負担が生じます。生息地が狭く分断されている本種にとって、こうした気候由来の間接的な圧力も長期的な懸念材料となります。

出典


Questioner: Just out of curiosity, AI data centers are getting a lot of heat lately for their environmental impact. Is that region going to be okay?

Me: It seems data centers are actually surging in South Africa, too. Source: Data Centers Surge in South Africa, Becoming Africa’s Largest Digital Hub… Can Sustainable Development and Resource Security Coexist?

Questioner: We’ve brought on global warming and climate change, and now there are serious concerns about droughts. Why on earth would they build water-guzzling data centers in a place like that? They should just build them right where the people using them are.

Me: It’s the same old story as building a power plant out in the country and running transmission lines to power some far-off metropolis. There seems to be this unspoken rule that anything smelly, dirty, or dangerous can’t be built anywhere near the privileged class. Speaking as someone who lives in the countryside, instead of us taking on all the risks to generate power just to sell it and enrich the cities, it feels like it would be much more efficient if city dwellers just generated enough power to sustain themselves.

Questioner: All the other living creatures, like Juliana’s golden mole, survive solely on what their land provides. I just can’t help but regret that we humans somehow failed to do the same.

Me: I believe we can still find our way back to living off what the land provides, just like the golden mole. Of course, at this point, giving up electricity and the internet entirely to live a completely self-sufficient lifestyle would be tough. But we can still produce what we need locally as much as possible, and consume only within the limits of what the land can support.


Thank you for sharing your valuable time with me.

I truly hope our thoughts find their way to Juliana’s golden mole.

鶏人|Keijin

質問者:ちょっと気になったんだけど、最近AIのデータセンターとか問題視されてるけど、この地域は大丈夫なのかな。

私:南アフリカでも、データセンターが急増しているみたいです。

出典:南アでデータセンターが急増、アフリカ最大のデジタル拠点に…持続可能な発展と資源確保の両立は実現できるか

質問者:僕たちが招いた地球温暖化による気候変動で干ばつが懸念されてるのに、その地域でまた水を大量に使用するデータセンターをなんで作るんだろう。使う人が使う場所に作ればいいのにね。

私:田舎に発電所を作って送電線で遙かなたの都会で使うといった流れですよね。臭いものや汚いものや危ないものは、一部の特権階級の人々の近くでは建設できないような風潮があるのでしょう。田舎暮らしをしている私としては、危険を冒してまでして電力作り、それを都会に売って街が潤うよりも、街の民が暮らせるだけを発電して生きていくほうが効率的なような気もします。

質問者:ジュリアナキンモグラとかの僕たち以外の生物はみんなその土地にあるもので生きているのに、なんで僕たちはそれができなかったんだろうって、今になって悔やまれるよ。

私:私たちだってまだ、ジュリアナキンモグラのように、その土地にあるもので生きる方向へ戻れると思うんです。もちろん、今さら電気もネットも使わず、すべてを自給自足して暮らすことは難しいでしょう。それでも、必要なものをできるだけ土地で作り、その土地が抱えられる範囲で使うことはできるはずです。


貴重な時間を、ありがとうございました。

ジュリアナキンモグラに、その想いが届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


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