11年後のレッドリスト|ジンベエザメ:あの日と同じ海に、もう同じ影はなかった【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|ジンベエザメ:あの日と同じ海に、もう同じ影はなかった【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

ジンベエザメ(Rhincodon typus)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2025年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。

つまり、2014年から2025年にかけて、ジンベエザメは

「あの日と同じ海に、もう同じ影はなかった」状態になってしまいました。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるジンベエザメの最新評価は2025年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/19488/126673248

行動の始まりは、知ることから。

⬇︎ジンベエザメの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|ジンベエザメ(Whale Shark)
項目情報
和名ジンベエザメ(甚平鮫)
英名Whale Shark
学名Rhincodon typus
分類魚類・軟骨魚綱・テンジクザメ目・ジンベエザメ科
分布熱帯〜温帯の外洋域(日本沿岸・沖縄・台湾・フィリピン・メキシコなど)
主な生息地外洋の表層〜中層域(0〜700m程度)
体長最大約12〜18メートル(記録では20m超の個体も)
体重約20トン前後(最大で30トン以上と推定)
寿命約70〜100年
IUCN評価【EN:危機】(IUCN, 2025)

特徴

  • 世界最大の魚:クジラのように巨大だが、哺乳類ではなく“魚類”に分類される。
  • 名前の由来:「ジンベエザメ」は、体表の白い斑点模様が“甚平”模様に似ていることから。
  • 性格:非常におだやかで人間にも無害。ダイバーの間では“海の巨人”として親しまれている。
  • 摂食方法ろ過食(フィルターフィーディング)。口を開けて海水ごとプランクトンや小魚を吸い込み、エラで濾して食べる。
  • 体の特徴:巨大な口は幅1.5m以上。尾びれは半月形で、背中には小さな第2背びれを持つ。

生態と行動

  • 回遊性:高い回遊能力を持ち、季節や水温に応じて広範囲を移動。数千kmを旅することもある。
  • 食性:主にオキアミ・動物プランクトン・小魚・イカなどを捕食。夜間に浮上して採餌することもある。
  • 繁殖:卵胎生。メスの体内で卵がふ化し、100匹以上の子を産むとされるが、観察例はまれ。
  • 行動:主に単独行動だが、プランクトンが豊富な海域では群れることもある。
  • 脅威:混獲、船舶との衝突、観光・漁業による攪乱、気候変動によるプランクトン減少など。
  • 保全活動:CITES附属書IIに記載され、国際取引は厳しく制限。日本やフィリピンなどでは保護対象。

2014年絶滅危惧種:ジンベエザメ【VU:危急】

この種の生態について知られていることは少ないが、寿命が長く繁殖開始までに時間がかかり、また自然界での個体数が少なく高頻度で回遊するといった背景をふまえると、漁業者の過剰捕獲に対する脆弱さは今後も高まることが懸念される。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

区分内容補足説明
漁業による混獲(Bycatch)マグロなどを狙った巻き網漁や定置網漁などで、誤ってジンベエザメが捕獲される「混獲」が依然として深刻。各国でジンベエザメ漁は禁止されているが、混獲は法的規制が難しく、船舶との衝突も減少要因。
違法な漁獲と取引一部地域でフカヒレや肉を目的とした密漁・違法取引が継続。国際的な取引規制(CITES付属書Ⅱ)にもかかわらず、需要が根強く残っている。
国際的な保護の動き各国や国際機関が保護措置を強化。特に ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会) が2023年に採択した新たな管理措置が2025年に発効予定。混獲時の安全な放流や意図的操業の禁止などが盛り込まれている。

2014年頃、ジンベエザメはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「危急種(VU)」に分類されていたが、その後の評価(2016年)により、現在は「絶滅危惧種(EN)」へと危険度カテゴリが引き上げられた。

よって、当時懸念されていた内容は現在も継続しており、さらに深刻化している。

⬇︎ジンベエザメの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全熱帯・亜熱帯海域を回遊し、プランクトン豊富な沿岸域や沖合域で見られるため、これらの餌場・回遊ルートを保護・維持する。
船舶・漁具衝突・混獲防止漁網への混獲(バイキャッチ)、船舶との衝突、観光船による接近などのリスクを軽減するため、漁業者への指導・航路調整・観光ガイドライン整備を実施。
海洋ゴミ・汚染対策海洋プラスチックやマイクロプラスチックの誤食、化学汚染、油流出などサンゴ礁や沿岸生態系の変化を通じてジンベエザメに影響するため、汚染対策・啓発を行う。
国際的な取引規制商業的漁獲・製品取引(肉・ひれ・肝油など)への規制があり、国際条約や国内法により保護が進んでいる。
保護区・重要海域の設定繁殖・給餌・回遊の拠点となる海域を海洋保護区(MPA)や重要生息域として指定し、監視・規制を強化。
市民・地域参加観光業・漁業コミュニティ・学校などと連携し、「ジンベエザメ保全」の理解を深める教育・ボランティア活動を推進。
研究とモニタリング衛星タグ・写真個体識別・市民科学(フォトID)などを用い、個体数、移動ルート、繁殖状況、環境変化の影響を調査。

主な取り組み

  • 生息地保全:プランクトン豊富な沿岸域・沖合域の保全と回遊ルート維持
  • 船舶・漁具対策:漁網混獲防止や船舶との衝突回避のガイドライン・監視強化
  • 海洋ゴミ・汚染対策:マイクロプラスチック誤食防止、油汚染・化学物質対策
  • 国際保護条約:ジンベエザメの商業漁獲・国際取引を禁止・規制
  • 保護区整備:重要な給餌・回遊海域を海洋保護区に指定
  • 教育・地域参加:漁師・観光業・住民と協働し、保全意識を高めるプログラム
  • 研究・モニタリング:写真ID・衛星タグ・市民参加型のデータ収集・分析

最後に

これを読んで、どう感じましたか?

「フカヒレの需要があるから、密猟がなくならないんだよね。」

たしかに、その通りだと思います。

とても難しい問題だけど、もう少し調べてみますね。


区分内容補足説明
密猟の動機:フカヒレの経済価値サメの密猟の主な目的は、フカヒレ(鰭)にある。フカヒレは中華料理の高級食材として非常に高値で取引されている。
ステータスシンボルとしての消費東アジアでは、フカヒレスープを宴席で出すことが富や地位の象徴とされてきた。結婚式やビジネスの場で提供される文化的背景が根強い。
ジンベエザメの標的化世界最大の魚であるジンベエザメは、ヒレが大きく高値がつくため狙われやすい。密猟者にとって「効率のよい獲物」とされてきた。
密猟の手口:シャーク・フィニングサメを捕獲後、価値の高いヒレだけを切り取り、胴体を海に捨てる残虐な手法。生きたまま海に戻されることも多く、泳げずに窒息死する。
繁殖特性による脆弱性ジンベエザメは寿命が長く、繁殖までに数十年かかる。成体が減ると回復に何十年も要し、個体数は容易に戻らない。
種の存続危機密猟による減少ペースが繁殖速度を大きく上回る。一度減った個体数は、短期間では回復しない。
国際条約(CITES)ワシントン条約附属書IIにより国際取引は厳しく制限。ただし、密輸や違法取引を完全に防ぐのは難しい。
各国の法規制多くの国が「ヒレ付き水揚げ義務(Natural Fin Attached Policy)」を導入。胴体と切り離した状態での水揚げを禁止し、フィニング防止を狙う。
需要の抑制と意識改革消費者側の意識変化が最も重要な対策。Fin Free(フィンフリー)運動により、多くの企業がフカヒレの提供・輸送を中止。
消費動向の変化香港や中国の若年層を中心に、フカヒレ需要は減少傾向。倫理的観点からフカヒレスープを避ける動きが広がっている。

密猟がなくならない根本的な原因は、依然としてフカヒレに高い経済的価値があるためである。

しかし、国際的な規制強化と、何よりも「フカヒレを選ばない」という消費者の意識の変化によって、少しずつではあるが需要を減らす努力が続けられている。


「世界中で “フカヒレを食べない” という選択が当たり前になればいいんだろうけど、現実はなかなか難しそうだね。」

ほんとうに、その通りですね。

人って、昔からの習慣とか、「みんながそうしてきた」とか、「ずっと食べてきたものだから」という思い込みを変えるのがとても苦手なんです。

でも、今の現状や、フカヒレがどうやってサメから切り取られ、どんな経路で私たちの食卓に届くのかを知れば、きっとその「当たり前」は変わっていくと思います。

だからこそ、まずは「知ること」から始めていけたらと思います。

一人ひとりの選択が、小さな波のように広がっていけば、きっと海のどこかで、静かに泳ぐ命を守る力になるはずです。

わたしは、そう信じています。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

ジンベエザメに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

コメント