※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
ジャマイカツチイグアナ(Cyclura collei)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2021年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2014年から2021年にかけて、ジャマイカツチイグアナは
「静かな森の奥で、まだ鼓動は続いていた」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるジャマイカツチイグアナの最新評価は2021年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/6027/206739532
【一度は絶滅】ジャマイカツチイグアナを襲う外来種の脅威と、人が続ける終わりなき保護の戦い
⬇︎ジャマイカツチイグアナの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ジャマイカツチイグアナ |
| 英名 | Jamaican Rock Iguana |
| 学名 | Cyclura collei |
| 分類 | 爬虫類・イグアナ科(Iguanidae)・ツチイグアナ属(Cyclura) |
| 分布 | ジャマイカ島(ヘルシャー丘陵、ヘルシャーズ・ヒルズ地域) |
| 主な生息地 | 乾燥した石灰岩質の森林(ドライフォレスト) |
| 体長 | 最大約50cm(尾を含めると1.2m以上) |
| 体重 | 約5〜8kg |
| 寿命 | 約40年以上(飼育下では50年を超える例も) |
| IUCN評価 | 【CR:深刻な危機(Critically Endangered)】(2021年評価) |
特徴
- 外見:灰緑色の体色に、背中に沿って黒っぽい帯模様を持つ。頭部はやや青みがかり、個体によっては淡緑色を帯びる。
- 名前の由来:「ツチイグアナ」は地上性で、岩の隙間や洞穴に巣を作ることから。
- 食性:主に草食性で、葉・果実・花を食べる。
- 繁殖:メスは雨季の初めに巣穴を掘り、10〜20個ほどの卵を産む。孵化まで約80〜85日かかる。
- 生態的役割:果実を食べ、種子を広範囲に運ぶ「種子散布者」として生態系を支えている。
生態と行動
- 活動性:昼行性で、日光浴を好む。岩の上で体温を上げてから行動を開始する。
- 繁殖地:ヘルシャー丘陵の一部に限られ、分布域はわずか数平方キロメートル。
- 歴史的経緯:1940年代に絶滅したと考えられていたが、1990年に再発見された。
- 脅威:外来種(マングース、ネコ、イヌ)による捕食、森林伐採、都市開発による生息地の破壊。
- 保全活動:「ジャマイカ・イグアナ回復プログラム」により、キングストン動物園での飼育繁殖と再導入が行われている。
- 個体数:野生では約400頭前後と推定(2021年IUCN報告)。
2014年絶滅危惧種:ジャマイカツチイグアナ【CR:深刻な危機】
かつての生息域は農地および都市開発のために失われたが、おもな脅威は、外来乳類捕食者、とくにマングースの導入であったと考えられている。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
ジャマイカツチイグアナの脅威は今も変わらず、マングースなどの外来哺乳類による捕食と、木炭採取などを目的とした生息地の破壊が深刻である。
| 区分 | 内容 | 詳細・影響 |
|---|---|---|
| 主な脅威① | 外来種による捕食(マングース) | 19世紀に導入されたマングースが、卵や孵化直後の幼体を捕食。野生下での繁殖が著しく妨げられている。 |
| 補足 | その他の外来捕食者 | 人為的に持ち込まれたイヌやネコも、マングースと同様に重大な脅威となっている。 |
| 主な脅威② | 生息地の破壊 | 過去には農地拡大・都市開発、現在はヘルシャー丘陵での違法木炭採取が森林を減少させている。 |
| 影響 | 生息範囲の縮小 | 法的に保護されている地域でも、森林劣化が進行し、イグアナが生息できる環境が減少している。 |
| 保護活動 | ヘッドスターティング・プログラム | 卵を保護・孵化させ、施設で安全に育ててから野生に戻す取り組み。捕食を避けつつ個体数を回復させる狙い。 |
| 成果(2024年時点) | 700頭以上が野生復帰 | プログラムの成果により、2024年4月までに700頭以上のイグアナが自然へと帰された。 |
この種は一度絶滅したと考えられていたが、1990年に再発見されて以来、懸命な保護活動が続けられている。
しかし、その生存は依然として脆弱であり、外来種の駆除と生息地の保全という、長年にわたる課題との戦いが続いている。
⬇︎ジャマイカツチイグアナの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保全 | ジャマイカ南東部・ヘルシャー丘陵の乾燥林を保護し、開発や放牧から隔離 |
| 保護区の設定 | 「Hellshire Hills Forest Reserve」などを中心に、森林保護区の拡大を推進 |
| 捕食者の駆除 | マングース、野犬、野猫などの外来捕食動物を駆除し、巣や幼体を保護 |
| 飼育下繁殖と再導入 | ホープ動物園の「Headstart Program」で人工ふ化・飼育後に野生復帰を実施 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰにより、商業取引を全面禁止 |
| 環境教育と地域協働 | 地元住民や学校への教育プログラム、エコツーリズムの導入による意識向上 |
| 研究とモニタリング | GPS追跡や巣のモニタリングにより、生息個体数や繁殖成功率を長期観測 |
主な取り組み
- 生息地保護:ヘルシャー丘陵の乾燥林を保全し、開発から隔離
- 保護区整備:Hellshire Hills Forest Reserveの保護と拡張
- 外来種駆除:マングース・犬・猫の捕食圧を低減
- 人工繁殖:ホープ動物園で飼育・育成後に野生へ再導入
- 国際保護:CITES附属書Ⅰにより国際取引を禁止
- 環境教育:地元学校や地域社会で啓発活動を実施
- 追跡調査:GPSや標識を用いた野生個体の生態研究
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「マングースを駆除できないの?」
真っ先に頭に浮かぶのは、その方法ですよね。
気になったので、詳しく調べてみます。
マングースの完全な駆除は極めて困難であり、現実的には特定の重要エリアでの個体数管理が行われているのが現状である。
なぜ完全な駆除が難しいのか、それにはいくつかの大きな理由がある。
| 区分 | 内容 | 詳細・背景 |
|---|---|---|
| 現状 | 完全な駆除は不可能に近い | 現在は「重要生息エリア」に限定して個体数管理が実施されている。島全体からの根絶は困難。 |
| 理由① | 驚異的な繁殖力と適応力 | 年に2〜3回出産し、一度に数匹を産む。仮に90%を駆除しても、残った10%がすぐに回復。罠を学習して避けるなど「罠慣れ」も発生。雑食性で食料不足に陥りにくい。 |
| 理由② | 在来種への影響というジレンマ | 毒餌の使用は、在来の鳥類・爬虫類にも被害を及ぼすリスクが高い。生態系保全の観点から、罠による捕獲が中心となるが、膨大な労力と時間を要する。 |
| 理由③ | 広大な生息域と地形の問題 | ジャマイカ全域に分布し、特にヘルシャイア丘陵は岩場や深い森が多く、人の手が届かない場所が多い。全個体の把握・駆除は物理的に不可能。 |
| 現行の対策 | 集中管理による現実的アプローチ | 「ジャマイカツチイグアナの繁殖地」周辺に重点を置き、罠を集中設置してマングースを捕獲。卵や幼体の生存率を高めることを目的とする。 |
| 目的 | 限られた資源の中での最善策 | 完全駆除ではなく、「重要区域の安全確保」を優先し、イグアナの命を次世代につなぐ現実的な戦略。 |
島全体での完全な駆除を目指すのではなく、保護活動家たちは「ジャマイカツチイグアナの生息地」という最重要エリアに的を絞り、その周辺で集中的に罠を仕掛けてマングースを捕獲するという戦略をとっている。
イグアナの繁殖地や巣の周りから捕食者を排除することで、卵や幼体が生き残る確率を少しでも上げる、という現実的なアプローチである。
これは、限られた資源の中で最も効果的な方法と考えられている。
つまり、「島から根絶する」のではなく、「一つの種を守るために、その周辺の天敵を減らし続ける」という、地道で終わりのない戦いを続けているのが現状である。
出典:Van Veen et al., 2017(Herpetological Journal)/Kumar et al., 2021(Caribbean Journal of Science)/IUCN ISG モノグラフ(2016)/プロジェクト実務報告(2014)
「人間は、まるで自分で火をつけておいて、もう消せなくなってしまったようなものですね」
本当にその通りだと思います。
19世紀の人たちは、まさか後になってこんな結果を招くとは、きっと想像もしていなかったのでしょう。
自然を“制御”しようとしたはずが、今では自然から“制裁”を受けるような形になっている。
マングースにとっても、イグアナにとっても、人間の行動は迷惑なものだったに違いありません。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ジャマイカツチイグアナに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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