※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
クローヘイゲンバッタ(Prionotropis rhodanica)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2016年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2014年から2016年にかけて、クローヘイゲンバッタは
「光を失う草原の片隅で、未来を待ち続けていた」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるクローヘイゲンバッタの最新評価は2016年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/15038481/47713628
ヒツジと草原と小さな命|共生から支配への転換
⬇︎クローヘイゲンバッタの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | クローヘイゲンバッタ |
| 英名 | Crau Plain Grasshopper |
| 学名 | Prionotropis rhodanica |
| 分類 | 昆虫類・バッタ目・バッタ科 |
| 分布 | フランス南東部(カマルグ地方のクロー平原に固有) |
| 生息環境 | 乾燥したステップ状草原 |
| 体長 | 約30〜50mm |
| 体重 | 数グラム程度 |
| IUCN評価 | CR(深刻な危機:Critically Endangered) |
特徴
- 固有種:世界でフランスの「クロー平原」にしか生息しない希少種。
- 体の色:褐色〜灰褐色で、草原の地面に溶け込みやすい保護色。
- 飛翔力:飛ぶよりも跳ねることが多く、移動範囲は限られている。
- 発見と研究:生息域が限定的なため、研究資料は少ないが保全対象として注目されている。
生態と行動
- 局所的分布:生息範囲はわずか数十平方キロに限られ、世界で最も分布の狭いバッタの一種。
- 食性:主に草原の植物を食べる草食性。
- 繁殖:夏季に交尾・産卵し、卵は地中に産みつけられる。
- 脅威:農地開発・放牧・都市化による草原の消失が最大の脅威。
- 保護状況:IUCNではCR(深刻な危機)に分類され、フランス国内で保護区の設定や草原環境の保全が進められている。
2014年絶滅危惧種:クローヘイゲンバッタ【CR:深刻な危機】
この種はまったく飛べないため、あらたな生息地に移ることは容易ではない。クローヘイゲンバッタは、農工業の発展にともなう景観転換が引き起こした生息地の破壊と分断によって大きくおびやかされている。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 区分 | 主な要因 | 具体的な内容 | 生息地への影響 |
|---|---|---|---|
| 農業の発展 | 灌漑農業の拡大 | ローヌ川・デュランス川の灌漑で、果樹園・牧草地・トウモロコシ畑などに転換 | 乾燥ステップが直接破壊され、過去1世紀で約80%減少 |
| 伝統的放牧の衰退 | 羊の移牧が減少し、草丈管理が不十分に | 植生が変化し、生息環境が劣化 | |
| 工業・インフラ発展 | 工業地帯・商業施設の建設 | 工業団地・物流倉庫・商業施設が拡大 | クスールがコンクリート・アスファルトで覆われ消失 |
| 交通網の発達 | 高速道路・鉄道・運河の整備 | 生息地が細分化され、飛べないバッタにとって道路は越えられない壁となり、集団が孤立・遺伝的多様性の低下 |
クローヘイゲンバッタは、飛べないことや、「クスール」といった極めて限定された環境でしか生きられないため、景観転換の影響を特に受けやすい生物である。
農工業の発展に伴う景観転換は、彼らの唯一の住処をブルドーザーで削り取るように破壊し、残されたわずかな生息地を道路で寸断して孤立させた。
これが、クローヘイゲンバッタが絶滅の危機に瀕している根本的な原因である。
⬇︎クローヘイゲンバッタの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | フランス南部カマルグ地方のクラウ平原に限定分布。牧草地やステップ地の開発からの保護が最優先 |
| 農業管理 | 伝統的な羊の放牧は生息地維持に有益。過放牧や農業集約化を避け、バランスを取った利用を推進 |
| 国際的な取引規制 | 商業取引は対象外だが、EU法やフランス国内法で厳格に保護 |
| 保護区の設定 | Natura 2000 ネットワークや地域保護区に生息地を組み込み、土地利用を制限 |
| 市民・地域参加 | 牧畜業者や地域住民と連携し、放牧の調整や生息地維持への協力を促進 |
| 研究とモニタリング | 個体数調査や分布モニタリングを実施。環境変化や農業との関係を解析 |
| 繁殖・再導入 | 飼育下繁殖プログラムが検討されており、生息地回復後の再導入を目指す取り組みもある |
主な取り組み
- 生息地保護:クラウ平原の草原・ステップ環境を保全
- 農業管理:過放牧を避け、伝統的な放牧スタイルを維持
- 法律による保護:EUおよびフランス国内法で厳重に保護
- 保護区整備:Natura 2000 ネットワークに組み込み土地利用を制限
- 地域協力:牧畜業者・住民の協力で生息地を守る
- 科学調査:個体数・分布・農業影響を継続モニタリング
- 繁殖計画:飼育下繁殖と再導入の可能性を検討
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「飛べないバッタなんているんだ」
私も知らなかったです。不思議ですね。
「そこでしか生きられないんだよね」
と、特殊な環境を守りたいですか?
感じ方は、いろいろあると思います。
| 区分 | 主な要素 | 詳細内容 | 生態系への影響 |
|---|---|---|---|
| 地質学的特徴 | 古代の扇状地 | デュランス川がアルプスから運んだ土砂や小石が堆積して形成 | 地表が小石に覆われ、特異な平原を形成 |
| 川の流れの変化 | 約1万8千年前に川の流れが変わり扇状地が干上がる | 石灰岩の小石が広がる独特の景観に | |
| 不透水性層 | 地下に礫岩層(poudingue)があり雨水が浸透しにくい | 土壌水分が少なく、植物は浅い層に依存 | |
| 環境的特徴 | 地中海性気候 | 夏は乾燥して暑く、冬は温暖 | 樹木が育ちにくく草本主体に |
| 強風「ミストラル」 | ローヌの谷を吹き抜ける乾いた冷風 | 土壌乾燥を促進、背の高い植物を抑制 | |
| 水はけの良すぎる土壌 | 小石が覆い、雨水がすぐ蒸発・流出 | 草原植生の維持につながる | |
| 人間の活動 | 放牧(移牧) | 何千年も続くヒツジの群れによる草食 | 草丈を維持し、多様な植物群落を形成 |
| 生態系への寄与 | 糞が土壌に栄養を供給し昆虫の餌にも | 生物多様性を支える基盤に | |
| 景観維持 | 放牧がなくなると低木や外来種が繁茂 | 藪化して固有種の住処が失われる | |
| ユニークな生物相 | 鳥類 | ヒメチョウゲンボウ、カタジロワシ、マミジロサバクヒタキ | 乾燥地を好む鳥類の繁殖地 |
| 昆虫 | クローヘイゲンバッタ、固有の昆虫多数 | 限定的かつ希少な生息地 | |
| 植物 | アスフォデル、タイム、スティパ(ハネガヤ属) | 乾燥・強風に適応した植生 |
「クスール」とは、アルプス由来の小石に覆われた古代の扇状地という地質的基盤の上に、乾燥した地中海性気候と、何千年にもわたるヒツジの伝統的放牧という人間活動が作用して生まれた、半自然的なステップ(乾燥草原)生態系である。
半自然的なステップ(乾燥草原)生態系とは、まさに人と自然が長年にわたって築き上げてきた、絶妙なバランスを象徴している。
この関係は何千年という時間をかけてゆっくりと形成されたのだが、化石燃料を使った機械の登場が、この関係性を根本から覆した。
つまり、人間が「生態系の一部」として自然と共生していた関係から、人間が「外部の力」として自然を一方的に支配し、作り変える関係へと大きく転換したことが問題である。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な命である5分間を、本当にありがとうございました。
クローヘイゲンバッタに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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