※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
スナドリネコ(Prionailurus viverrinus)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。
2025年、IUCNレッドリストで、【VU:危急】と評価されました。
つまり、2014年から2025年にかけて、スナドリネコは
「消えかけた足跡が、ふたたび湿地に刻まれていく」状態になりました。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるスナドリネコの最新評価は2025年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/18150/268618387
「もし地球から湿地が消えたら?」― スナドリネコの生きる場所が守る、私たちの未来
⬇︎スナドリネコの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | スナドリネコ(漁猫) |
| 英名 | Fishing Cat |
| 学名 | Prionailurus viverrinus |
| 分類 | 哺乳類・食肉目・ネコ科 |
| 分布 | 南アジア〜東南アジア(インド、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、インドネシアを含む) |
| 主な生息地 | 沼沢地・マングローブ・湿地およびその周辺(河川・湿潤林) |
| 体長 | 頭胴長:約57〜78 cm(尾長約20〜30 cm) |
| 体重 | オスで約8〜17 kg、メスで5〜9 kg程度 |
| 寿命 | 野生での正確なデータは少ないが、飼育下では10年以上との報告あり |
| 保全状況 | 【VU(絶滅危惧 II類)】(IUCNレッドリスト) |
特徴
- 水辺環境に特化したネコ科動物で、足に水掻き(部分的な膜)があり泳ぎも得意。
- 被毛は黄灰色~灰褐色を基調とし、黒い縞・斑点が入る。耳裏の白斑なども識別ポイント。
- 主な捕食対象は魚類だが、カエル・甲殻類・小哺乳類・水鳥・爬虫類など多様。
- 水中での行動も多く、浅い水辺で手を使って魚をすくったり、時には水中に飛び込んで捕食する。
生態と行動
- 生息環境:マングローブ林、淡水・汽水域の湿地帯、川沿いや湿潤林下など、水辺植生が豊かな地域に依存。
- 行動様式:主に夜行性。オス・メスとも単独で活動することが多く、縄張りを持つ。
- 繁殖:繁殖期や出産時期は地域によるが、飼育下では妊娠期間が約63〜70日で、1回に2〜4頭を出産する例あり。
- 脅威・保全課題:湿地の埋め立て・マングローブ破壊・漁業との競合・人為的な殺害が個体群減少の主因。
2014年絶滅危惧種:スナドリネコ【EN:危機】
世界的に重要な東南アジアの湿地帯はその94パーセントが危機にさらされており、優先すべきこの種の保全策は、残存する湿地帯生息地の保護を手厚くすることである。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 観点 | 2014年版(丸善出版図鑑) | 2025年現在(IUCN・ラムサール条約・WWF等) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 脅威の継続 | 「湿地の94%が農地転換などにより脅威にさらされている」 | 「アジア地域の湿地の約80%が脅威下にある」 | 数値の差は調査手法・範囲の違いによるが、依然として深刻。 |
| 主な要因 | 都市化、農地化、ダム建設、水質汚染 | 農地・エビ養殖池・工業団地への転換、気候変動の影響 | 要因構造はほぼ変わらず。より複合的に悪化。 |
| 生態系評価 | (当時は未分類) | IUCN生態系レッドリストでは東南アジアの主要湿地が「VU〜EN」 | マングローブ林・湿原の劣化が顕著。 |
| 国際報告 | Dugan(1993)などに基づく警鐘 | 『Global Wetland Outlook(2021・2024)』で世界の湿地の40%以上が劣化継続 | 劣化傾向は世界的に止まっていない。 |
| 全体傾向 | 危機的状況 | 危機的状況が継続、改善は限定的 | 保全策は増えたが、開発速度が上回っている。 |
スナドリネコ(Prionailurus viverrinus)の現状
| 観点 | 2014年(EN:危機) | 2025年(VU:危急) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 評価機関 | 丸善出版『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』 | IUCN Red List 2025(Mukherjee et al. 2025) | 最新版も2016年の再評価を継承。 |
| 評価カテゴリ | EN(危機) | VU(危急) | 一段階リスク低下。 |
| 評価変更の理由 | 個体数の減少・湿地消失 | 新しい調査で分布域が広いことが判明 | 絶滅リスクがやや低いと再評価。 |
| 主要な脅威 | 湿地の農地化、都市化、水質悪化、魚類減少、密猟 | 同上。特に水田・養殖地での人との衝突が増加。 | 脅威の構造は変化していない。 |
| 個体群動向 | 減少傾向(速度不明) | 安定または局地的減少 | 地域によって差がある。 |
| 保全上の課題 | 残存湿地の保護 | 生息地の再生・地域協働型の保全 | 2014年の提言が今も有効。 |
| 総合評価 | 深刻な危機に直面 | 危機は続くが、認識と保全努力は拡大 | 希望は「知見の積み重ね」によって支えられている。 |
図鑑に記載されている「東南アジアの湿地帯はその94パーセントが危機にさらされている」という根本的な脅威は、2025年現在もまったく解決されていない。
ステータスが「VU」に変わったとはいえ、スナドリネコが「湿地の消失」という最大の脅威にさらされ続けていることに変わりはない。図鑑が指摘する「残存する湿地帯生息地の保護を手厚くすること」は、今も変わらず最も優先すべき保全策である。
⬇︎スナドリネコの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保全 | 湿地・マングローブ・河川沿岸・オックスボウ湖など水辺環境を含む地域の自然湿地を守り、干拓・埋立・農地転用を抑制。 |
| 漁具・混獲・衝突の防止 | 漁業網・罠・交通事故(道路横断・線路)による個体死を減らすため、漁業者と連携して混獲防止策・交通対策を導入。 |
| 水質・汚染・ゴミ対策 | 汚染された水系、マングローブ破壊、化学物質・プラスチックの流入などによる餌資源・生息環境への悪影響を低減。 |
| 国際的な取引規制 | 本種は ワシントン条約(CITES)附属書 II に掲載され、多くの国で狩猟・取引が禁止・規制されている。 |
| 保護区・重要生息域の設定 | マングローブ林・湿地帯・河口域などを重要生息域として指定し、生息環境の保全・監視を行う。 |
| 市民・地域参加 | 地元住民・漁業者・湿地保全団体と協働して、本種の生息環境保全や地域教育・啓発を実施。 |
| 研究とモニタリング | 生息地利用、移動・生態、個体数推定、道路事故など死亡要因の調査を行い、保全戦略の基礎データを得る。 |
主な取り組み
- 生息地保全:湿地・マングローブ・河川沿岸などの自然水辺環境を保護
- 漁具・混獲対策:漁網・罠による捕獲や道路横断事故を防止するためのガイドライン整備
- 水質・汚染対策:湿地浄化、化学物質・プラスチック汚染の削減を図る
- 国際保護条約:CITES 附属書 II による国際取引規制の適用
- 保護区整備:重要な生息域を保護区や管理区域に指定
- 教育・地域参加:地元コミュニティと協力した保護キャンペーン・モニタリング活動
- 研究・モニタリング:個体数、分布、餌資源・道路死・人―野生動物衝突などを継続して調査
最後に
これを読んで、どう感じましたか?
「湿地って二酸化炭素をたくさん吸収してくれるって聞いたことあるけど、もし地球から湿地がなくなったらどうなるんだろう?」
……正直、なくなることなんて考えたこともなかったです。
ちょっと、“もし地球から湿地がなくなったら”を想定して調べてみますね。
| No. | 観点 | 現在の湿地の役割 | もしなくなったら… | 主な影響 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 炭素の貯蔵(気候変動) | 湿地(特に泥炭地)は、地球陸地の3%でありながら、全森林の約2倍の炭素を貯蔵する巨大な炭素庫。 | 乾燥・破壊されると、膨大な炭素とメタンが一斉に放出され、「炭素爆弾」として気候変動を加速させる。 | 地球温暖化の暴走、排出削減努力の無効化。 |
| 2 | 水質の浄化(地球の腎臓) | 土壌と植物が汚染物質(窒素・リン・重金属・病原菌)を吸収・分解し、川や海をきれいに保つ。 | フィルターが失われ、汚染物質が直接流出。飲料水や海洋が汚染される。 | 水質悪化、赤潮・アオコの発生、海洋生態系の崩壊。 |
| 3 | 水循環の安定(自然のスポンジ) | 洪水時には水を吸収・貯留し、乾季にはゆっくり放出。洪水と渇水のバランスを保つ。 | スポンジ機能を失い、雨季は洪水、乾季は渇水に。沿岸のマングローブ消失で津波・高潮被害も増大。 | 洪水・干ばつの頻発、沿岸都市の壊滅的被害。 |
| 4 | 生物多様性(生命のゆりかご) | 地球の生物種の約40%が湿地で生活・繁殖。両生類、水鳥、淡水魚などが依存。 | 湿地依存の生物がほぼ絶滅。食物網全体が崩壊。 | 大規模な生物多様性の喪失、地球規模の連鎖絶滅。 |
| 5 | 人間社会への影響 | 水田は人工湿地。世界30億人の主食である米や多くの魚が湿地に依存。10億人以上が湿地関連産業で生計。 | 食糧生産が崩壊し、経済・生活基盤が失われる。 | 食糧危機、経済混乱、貧困の拡大。 |
「もし湿地がなくなったら」を想定して調査した結果は、「湿地がなくなっても人類は生存できる」という可能性は皆無であるというものであった。湿地は地球の基盤的インフラであり、生命維持システムそのものといえる。
このような破滅的シナリオを現実のものとしないためには、スナドリネコの生息地である湿地を保全することの重要性を、改めて強く認識する必要がある。
出典:Peatlands store twice as much carbon as all the world’s forests
「ちょっと恐ろしくて、聞かなきゃよかったって思えるような結果ですね。」
本当にそうですね。
私も正直、ここまでとは思いませんでした。
でも、たとえば熱帯魚の水槽を想像してみてください。
たくさんの魚が泳いでいて、毎日餌をあげているのに、もしフィルターも水流もない“ベアタンク”だったら──きっと一週間ももたないですよね。
地球も同じなんです。
湿地は、地球という“水槽”の濾過装置のような存在です。
だから、湿地を守るということは、スナドリネコのような湿地に生きる生き物を守るだけでなく、私たち人間自身の生きる環境を守ることにつながっているのだと思います。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
スナドリネコに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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