※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
Hi, it’s 鶏人|Keijin.
Back in a 2014 encyclopedia, the Colocolo (Leopardus colocolo) was listed as “NT: Near Threatened.” This was due to massive hunting for its fur, the conversion of grasslands into farmlands and pastures, retaliatory killings for preying on livestock, and traditional hunting practices that still linger in some regions.
Fast forward to 2026, and the IUCN Red List still shows that exact same “NT: Near Threatened” status. But here’s the catch: that evaluation was based on a broad classification of the “Pampas cat” as a single, widespread species. The Colocolo, in its newly defined, narrower sense, hasn’t even received an official reassessment yet.
Recently, there’s been real progress in conservation—habitat surveys using camera traps and scat analysis, reinforcing poultry enclosures, vaccinating and spaying/neutering local dogs and cats, and setting up speed limit signs to reduce roadkill. Yet, despite all this new data, the IUCN rating is stuck in 2014, leaving the strictly defined Colocolo without a proper, updated evaluation.
I believe the Colocolo is still trapped in a tragic paradox: “hidden within a massive distribution map, yet quietly fading away in a shrinking fraction of land.”
I’ve tucked the finer details into the drop-down sections below. But honestly, even if you only read the main text, I’d really appreciate it if you stuck around to the end.
こんにちは、鶏人|Keijinです。
コロコロ(学名:Leopardus colocolo)は、2014年の図鑑では、毛皮目的の大規模な狩猟、草原の農地・放牧地への転換、家畜被害を理由とする報復的な殺傷、地域に残る伝統的な捕殺などから「NT:準絶滅危惧」と評価されていました。
そして、2026年時点でIUCNに掲載されているのも、2014年に広義のパンパスキャットを対象として行われた「NT:準絶滅危惧」の評価であり、狭義のコロコロはまだ正式に評価されていません。
近年は、カメラトラップや糞分析による生息調査、家禽小屋の改善、犬猫のワクチン接種や不妊化、ロードキルを減らす減速標識の設置などが進められています。しかし、IUCN評価は2014年のままで、分割後の狭義のコロコロに対する正式な再評価も行われていません。
コロコロは今も、「広い分布図に隠れ、狭い土地で消えかける」状態なのだと思います。
少し詳しい内容は折りたたみの中にまとめています。
まずは本文だけでも、最後まで読んでもらえたらうれしいです。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2014年評価(2016年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Leopardus colocolo)
コロコロは絶滅危惧種?2014年と2026年のIUCN評価を比較
⬇︎コロコロの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

最初に分類上の注意があります。日本哺乳類学会が推奨する和名は「コロコロ」です。Leopardus colocolo はIUCNなどで現在も使われていますが、Mammal Diversity Databaseと2021年の分類改訂では Leopardus colocola を採用し、南米全域に分布するとされた旧来の「パンパスキャット」を複数種へ分割しています。
そのため、以下では「広義のパンパスキャット」と「狭義のコロコロ Leopardus colocola」を区別して整理します。この記事では「コロコロ(パンパスキャット、学名:Leopardus colocola。IUCNでは Leopardus colocolo として評価)」と表記します。(Mammal Diversity Database)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和名 | コロコロ |
| 別名・表記ゆれ | パンパスキャット、パンパスネコ、パジェロキャット |
| 英名 | Pampas Cat |
| 狭義種の英名 | Colocolo、Central Chilean Colocolo、Central Chilean Pampas Cat |
| 学名 | Leopardus colocola |
| IUCN評価 | Leopardus colocolo |
| 学名表記 | Leopardus colocola (Molina, 1782) |
| 原記載名 | Felis colocola |
| 命名者・命名年 | Juan Ignacio Molina、1782年 |
| タイプ産地 | チリ・バルパライソ州 |
| 学名の扱い | Leopardus colocola と Leopardus colocolo が資料によって併存する。Mammal Diversity Databaseは L. colocola、IUCNの広義種評価は L. colocolo を使用している |
| 分類 | 哺乳綱・食肉目・ネコ科・ネコ亜科・Leopardus属 |
| 亜属 | Lynchailurus亜属に置かれることがある |
| 分類上の最大の注意 | 旧来は南米各地のパンパスキャットを1種としたが、2021年の分類改訂は形態・分子・分布・気候ニッチを統合し、5種への分割を提案した |
| 2021年に提案された種 | L. colocola、L. braccatus、L. garleppi、L. munoai、L. pajeros |
| L. munoai の扱い | その後、L. munoai にはより古い学名 L. fasciatus を使うべきだとする整理がある |
| 現在の分類状況 | Mammal Diversity Databaseは複数種への分割を採用している。一方、IUCNはまだ広義のパンパスキャット1種として評価しているため、分類と保全評価が一致していない |
| IUCNレッドリスト | NT:準絶滅危惧 |
| IUCN評価の対象 | 南米各地の個体群をまとめた広義の Leopardus colocolo |
| 狭義種の世界評価 | チリ中部に限定された Leopardus colocola sensu stricto は、分割後の独立種としてIUCN世界版で再評価されていない |
| CITES | 附属書II |
| 個体数 | 信頼できる世界総個体数は不明 |
| 個体数傾向 | 広義種では減少傾向と考えられている |
| 生息密度 | 広義種の研究では、多くの地域で低密度。地域や環境により推定値に大きな差がある |
| 分布国・広義 | チリ、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、エクアドル、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなど。コロンビア南西部にも記録があるとされる |
| 分布・狭義 | 現在の Mammal Diversity Database ではチリ固有種として扱われ、主にチリ中部に分布する |
| 狭義種の分布範囲 | チリ中部の地中海性気候帯を中心に、沿岸部、中央谷、アンデス山麓などに分布する |
| 分布北限・南限 | 資料や分類方法によって異なる。従来の亜種 L. c. colocola はコキンボ州からコンセプシオン周辺とされたが、近年はアタカマ州からラグーナ・デル・ラハ周辺までの記録が整理されている |
| 標高・狭義種 | 海抜付近から約2,400mまでとする現在の保全資料がある |
| 標高・広義種 | 分類分割前の資料では、アンデスの約5,000mまで記録されている。ただし、この高地個体群の多くは現在 L. garleppi など別種に含められる |
| 生息環境・狭義種 | 地中海性低木林、硬葉樹林、草原、乾燥低木地、沿岸砂漠、アンデス山地草原など |
| 人為改変地での記録 | ブドウ畑、森林プランテーション、道路周辺などでも撮影されている。ただし、記録があることと、長期的に繁殖できる良好な生息地であることは別問題 |
| 生息環境・広義種 | パンパ草原、プーナ、高山草原、パタゴニアのステップ、セラード、パンタナール、乾燥林、湿地、マングローブなど非常に幅広い |
| 体長 | 頭胴長約42〜79cm |
| 尾長 | 約22〜33cm |
| 体重 | 一般に約3〜4kg。資料や地域によってはこれより大きい個体も報告される |
| 体型 | イエネコよりややがっしりし、幅広い顔、短めの脚、比較的短い尾を持つ |
| 毛の長さ | 長く密な毛を持ち、個体によっては背中の毛が約7cmに達してたてがみ状に見える |
| 毛色 | 灰色、黄褐色、赤褐色、淡い茶色など変異が大きい |
| 模様 | 無地に近い個体から、斑点や縞が目立つ個体まで地域差・個体差が大きい |
| 脚の模様 | 前脚・後脚に太い黒褐色の横縞が入る個体が多い |
| 顔の模様 | 目元から頬へ暗色の線が伸びる |
| 耳 | 耳の裏側が灰色または黒色で、中央に淡い斑が見られることがある |
| 鼻 | 桃色の鼻を持つことが多い |
| 尾 | 頭胴長の半分ほどと比較的短く、暗色の輪模様が出ることがある |
| アンデスネコとの識別 | 広義の高地型はアンデスネコに似る。パンパスキャットは一般に鼻が桃色で尾が短く、アンデスネコは鼻が黒く、太く長い尾に明瞭な輪模様を持つ |
| 幼獣の毛色 | 若い個体では成獣より斑紋や縞が濃く、成長とともに胴体の模様が薄くなることがある |
| 活動時間 | 主に夜行性・薄明薄暮性と考えられるが、地域によって昼間にも活動する |
| 狭義種の活動 | チリ中部では夜間の記録が多いと考えられるが、生態研究が少なく詳細は未解明 |
| 生活様式 | 基本的に単独性 |
| 縄張り | 個体ごとに行動圏を持つと考えられるが、狭義の L. colocola の行動圏データはほとんどない |
| 移動 | 主に地上で活動し、地面で獲物を探す |
| 木登り | 基本的には地上性だが、危険時などに木へ登ることがある |
| 隠れ場所 | 岩の割れ目、洞穴、密な低木、草むらなどを利用すると考えられる |
| 糞場 | 地面のくぼみや洞穴など、決まった場所を共同トイレ状に利用することがある |
| 警戒行動 | 脅威を感じると毛を逆立て、体を大きく見せ、唸り声を出すことがある |
| 食性 | 肉食性 |
| 主な餌 | 小型齧歯類 |
| その他の餌 | 鳥類、小型爬虫類、昆虫など |
| 地域による食性差 | 広義種ではモルモット類、ヤマビスカーチャ、ネズミ類、ノウサギ、カモ類、トカゲなどが確認されている |
| 人家との軋轢 | 鶏などの家禽を襲ったと疑われ、報復的に殺されることがある |
| 繁殖 | 狭義種の野生繁殖については、ほとんど分かっていない |
| 妊娠期間 | 飼育下・広義種の情報では約80〜85日 |
| 産子数 | 通常1〜3頭。保全団体資料では最大4頭とする記載もある |
| 性成熟 | 飼育下では雌が約2歳で繁殖した記録がある |
| 繁殖情報の注意 | 妊娠期間、産子数、繁殖期の多くは飼育個体または分類分割前の情報であり、狭義の L. colocola にそのまま適用できるとは限らない |
| 寿命 | 広義種の資料では9〜18年とされるが、野生の狭義種について確実な長期記録は少ない |
| 生態系での役割 | 小型哺乳類を捕食する中型捕食者として、齧歯類などの個体数調整に関わる |
| 主な脅威・広義種 | 農地化、牧畜、採油・採鉱などによる生息地の喪失と劣化、餌動物の減少 |
| 主な脅威・狭義種 | チリ中部の都市・農村開発、生息地の分断、森林火災、長期的な干ばつ、車両衝突、野犬・飼い犬との接触 |
| 報復殺傷 | 家禽や幼い家畜を襲ったとみなされ、農村部で殺されることがある |
| 飼育動物との問題 | 犬による追跡・襲撃、野外を歩く犬猫からの感染症、餌資源をめぐる競合が懸念される |
| 道路の影響 | 生息地を分断するだけでなく、道路上での轢死記録がある |
| 過去の毛皮取引 | 20世紀には毛皮目的で多数が捕獲された。現在、国際取引はCITESで管理されている |
| 保全活動 | カメラトラップ調査、分布調査、道路死亡の記録、地域住民への教育、家禽被害の軽減、犬猫の管理など |
| 保全上の最大の課題 | 分類が変わったことで、従来「南米全体に広く分布する1種」として扱われた評価を、狭い分布を持つ各種ごとにやり直す必要がある |
IUCNのNT評価は、南米各地の個体群を一つにまとめた広義種に対するものです。一方、Mammal Diversity Databaseは現在、L. colocola をチリ固有の Central Chilean Colocolo とし、以前含まれていた L. braccatus、L. garleppi、L. pajeros などを別種として扱っています。(Mammal Diversity Database)
基本情報の出典
- Mammal Diversity Database:Leopardus colocola / Central Chilean Colocolo
https://www.mammaldiversity.org/taxon/1005993/ - IUCN SSC Cat Specialist Group:Pampas Cat
https://www.catsg.org/living-species-pampascat - Zoological Journal of the Linnean Society:Taxonomic revision of the pampas cat Leopardus colocola complex
https://academic.oup.com/zoolinnean/article/191/2/575/5848237 - Pampas Cat Working Group:Pampas Cat species complex
https://pampascatwg.com/pampascat/ - Gayana:Records of different habitats used by the Colo-Colo in Central Chile
https://www.scielo.cl/scielo.php?pid=S0717-65382021000100084&script=sci_arttext
最終評価2014年:コロコロ「NT:準絶滅危惧」
1987年に国際商取引がなくなるまで、コロコロは毛皮のために大々的に狩猟された。今日この種へのおもな脅威は、パンパスグラス草原の農耕地や放牧地への転換にともなう生息環境の破壊だろう。またコロコロは家畜を襲った報復や、地域によっては伝統習慣として殺されることもある。
コロコロの狩猟は多くの国で禁止されているが、現在エクアドルでは法的な保護がない。出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

2026年現在も、IUCN上の評価は「準絶滅危惧(NT)」のままです。しかし、これは最近の再評価でNTが維持されたという意味ではありません。現在のIUCNページに表示されている最終評価日は2014年4月22日で、2016年に公表された古い評価が残っています。個体群動向は「減少」とされています。(IUCN Red List)
さらに、2020年以降、従来「Leopardus colocolo」として一括されていた南米各地の個体群を5種に分ける分類案が示されました。この分類に従うと、狭義のコロコロはチリ中部から北部に分布する、はるかに分布域の狭い種になります。したがって、2014年の広域な「コロコロ」と、現在研究されている狭義のコロコロは、必ずしも同じ範囲を指していません。(OUP Academic)
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| IUCNカテゴリー | 準絶滅危惧(NT)。近い将来、絶滅危惧種の範疇に含められる危険がある種と説明されていた。 | IUCN上は現在も準絶滅危惧(NT)。ただし最終評価は2014年4月22日のままで、新しい世界規模の再評価は公表されていない。個体群動向は「減少」とされている。したがって、2014年から状態が改善したとは判断できない。 |
| 評価の新しさ | 当時としては比較的新しいIUCN評価を基にしていた。 | 2026年現在、評価内容は実質的に約12年前の情報に依存している。分布、個体数、分類、脅威について新しい研究が増えている一方、それらはまだIUCNの世界評価に十分反映されていない。 |
| 分類上の扱い | Leopardus colocoloという1種が、エクアドル、ペルー、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、アルゼンチンなど南米各地に広く分布するとされていた。 | IUCNとIUCNネコ科専門家グループは、現在も広義のPampas Catを1種として扱っている。一方、2020年の分類研究は、従来の個体群をL. colocola、L. braccatus、L. garleppi、L. munoai、L. pajerosの5種に分けることを提案した。分類は完全には統一されていない。 |
| 学名表記 | Leopardus colocolo Molinaと記載されていた。 | IUCNではLeopardus colocoloが使われているが、近年の分類研究ではLeopardus colocolaという表記が多く使われる。 |
| 分布域 | ブラジル、ペルー側アンデス山脈から南アメリカ南西部まで広く分布するとされていた。 | 広義のPampas Catとしては南米の広い範囲に分布する。しかし5種分割案に従う狭義のL. colocolaは、主としてチリ中部から北部に限定される。2014年の分布図には、現在では別種候補とされる個体群が多数含まれている。 |
| 個体数 | 正確な個体数は示されず、生息状況や分類を調査する必要があるとされていた。 | 世界全体の成熟個体数は現在も不明。IUCNネコ科専門家グループは、本種は広い範囲で希少であり、一般的な推定密度は1平方キロメートル当たり約0.05~0.2頭としている。ただし地域差が非常に大きく、一部の良好なアンデス生息地では比較的高密度になる。 |
| 個体群の傾向 | 生息地破壊などにより、将来さらに減少する可能性が示されていた。 | IUCN上の個体群動向は「減少」。アルゼンチン中央部のパンパ草原では地域絶滅の可能性が指摘され、ウルグアイでも記録は散発的である。一方、ブラジルの一部保護地域では比較的多く記録されるなど、地域差が大きい。 |
| 草原の農地・放牧地への転換 | パンパスグラス草原が農耕地や放牧地へ転換されることが、主な脅威とされていた。 | この脅威は解消しておらず、現在も主要因である。農地、牧草地、都市、住宅地、植林地への転換に加え、石油採掘、鉱山開発、道路建設が生息地の消失と分断を進めている。家畜放牧による植生変化や、餌動物の減少も問題とされる。 |
| チリの狭義コロコロの状態 | 南米全域に広く分布する種の一地域個体群として扱われていた。 | 2024年の研究は、狭義のL. colocolaをチリ中北部に限定される種として解析し、生息占有面積を約630.8平方キロメートルと推定した。道路、鉱業、生息地分断などを考慮すると、IUCN基準B2abにより「危機(EN)」に相当すると提案している。ただし、これは研究者による評価案であり、IUCN公式カテゴリーはまだNTのままである。 |
| 家畜被害への報復 | 家畜を襲った報復として殺されると記載されていた。 | 現在もニワトリなどの家禽や、地域によっては子ヤギを襲ったとみなされ、報復的に殺される。実際にコロコロが捕食したか確認されないまま殺される可能性もある。人間と野生動物の軋轢は、現在も主要な直接死亡原因の一つである。 |
| 伝統習慣による捕殺 | 地域によっては、伝統習慣として殺されることがあると記載されていた。 | アンデス高地では現在も、毛皮や剥製を家畜、農地、豊穣に関係する儀礼に用いる例が報告されている。一方で、神聖な動物、幸運や大地の象徴として尊重される文化もあり、伝統文化が一律に捕殺を促しているわけではない。 |
| 毛皮目的の捕獲 | 1987年に国際商取引がなくなるまで、毛皮目的で大々的に乱獲されたと記載されていた。 | かつてのような大規模な国際毛皮貿易は、現在の主要脅威とはされていない。ただし、国際取引が完全に自由になったわけではなく、CITES附属書IIにより、生体、毛皮、身体部分などの国際取引は許可制で規制されている。地域的な違法取引や、まれなペット取引の記録は残っている。 |
| 道路交通 | 図鑑の引用部分では、主要な脅威として扱われていなかった。 | ロードキルが新たに明確化された重要な脅威である。2024年のチリ研究では、解析に使われた確認記録のうち12件、約7%がロードキル個体だった。分布域内を道路が横切ることで、生息地分断と直接死亡が同時に起きている。 |
| 犬・猫との関係 | 引用部分では触れられていなかった。 | 放し飼い犬や野犬による追跡、攻撃、捕殺が各地で報告されている。飼い犬や飼い猫との接触による感染症伝播も懸念され、保護活動では周辺集落の犬猫へのワクチン接種、駆虫、不妊化、適正飼育教育が実施されている。 |
| 火災・干ばつ・気候変動 | 引用部分では明確な脅威として挙げられていなかった。 | チリの狭義コロコロでは、森林・草原火災、長期干ばつ、生息地の乾燥化が脅威として追加されている。気候変動だけを原因と断定できる段階ではないが、乾燥、生息植生の変化、餌動物の減少を通じて影響が強まる可能性がある。 |
| 鉱山・資源開発 | 図鑑では主に農業と放牧による土地転換が強調されていた。 | チリでは銅などの鉱山開発と鉱区設定が、新たに重要な脅威として解析されている。2024年研究では、鉱業開発が進んだ場合、推定占有面積が約630.8平方キロメートルから約356.5平方キロメートルまで縮小する可能性が示された。ただし、これは鉱区が開発された場合を含む将来シナリオである。 |
| 法的保護 | 多くの国で狩猟は禁止されていたが、エクアドルには法的保護がないと記載されていた。 | IUCNネコ科専門家グループの現在の整理では、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイで狩猟が禁止されている。したがって「現在もエクアドルに法的保護がない」という記述は、2026年の記事にはそのまま使用しない方がよい。ただし、法律が存在しても監視や執行が十分とは限らない。 |
| 保護地域 | アルゼンチンの保護区域や、ブラジルのサバンナ地域の保護区にも生息すると記載されていた。 | 多くの国の国立公園や自然保護区で確認されている。しかし保護区内だけで生息域全体を守ることは難しく、保護区外の農地、牧草地、道路、鉱山周辺を移動する個体が危険にさらされる。回廊の確保と保護区間の連結が重要になっている。 |
| 現在の保護活動 | 生息状況、分類、保全方法を調査する必要があるとされていた。 | カメラトラップ調査、分布モデル作成、ロードキル記録、住民への環境教育、家禽被害の軽減、犬猫へのワクチン・駆虫、道路標識や野生動物横断施設の検討などが進められている。ただし、分類の未確定、個体数推定の不足、地域ごとの脅威データ不足が保全計画の大きな障害として残る。 |
| 2014年との総合比較 | 準絶滅危惧であり、農地・放牧地への転換、報復、伝統的捕殺が中心的な問題とされていた。 | IUCNの表示上はNTのままだが、状況が安定したとはいえない。農業・放牧による生息地破壊は継続し、道路、都市化、鉱山、火災、干ばつ、犬による捕殺など、脅威はより具体的かつ複合的に把握されるようになった。特に種分割案を採用した狭義のコロコロは、2014年に考えられていたより分布域がはるかに狭く、研究上はEN相当とする評価も現れている。 |
現在のNT評価は古い広域分類を前提としたものであり、近年提案された狭義のコロコロは、チリ中北部に分布が限定される可能性があります。その場合、絶滅リスクは2014年に考えられていたより高く、2024年の研究では「危機(EN)相当」と評価されています。ただし、IUCNによる正式な再評価はまだ行われていない。
現状まとめの出典
- IUCN Red List:Pampas Cat(Leopardus colocolo)
https://www.iucnredlist.org/species/15309/97204446 - IUCNネコ科専門家グループ:Living Species – Pampas Cat
https://www.catsg.org/living-species-pampascat - CITES:附属書I・II・IIIの現行一覧
https://cites.org/eng/app/appendices.php - Zoological Journal of the Linnean Society:パンパスキャット複合群の分類学的再検討
https://academic.oup.com/zoolinnean/article/191/2/575/5848237 - Revista Peruana de Biología:狭義コロコロの生態的ニッチと保全状況の再評価
https://www.scielo.org.pe/scielo.php?pid=S1727-99332024000300001&script=sci_arttext
2014年から2026年まで、IUCN上の評価は準絶滅危惧(NT)のままだが、最終評価は2014年であり、状態が改善したことを示すものではない。個体群は減少傾向にあり、農地・放牧地への転換や報復的な捕殺に加え、道路、鉱山開発、火災、干ばつ、野犬による被害など、脅威はより複合化している。また、従来のパンパスネコを複数種に分ける分類案もあり、狭義のコロコロはチリ中北部に分布が限られ、最新研究では危機(EN)相当とする見方も出ている。公式評価以上に慎重な保全が必要な状態である。
⬇︎コロコロの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
近年の分類研究では、従来ひとまとめにされていたパンパスネコ複合群を複数種に分け、チリ中部を中心に分布する狭義の種を Leopardus colocola と表記する扱いが広がっています。一方、IUCNやチリの法令・旧資料では Leopardus colocolo の表記と、南米各地の個体群を含む広義の分類が残っています。本表は、Leopardus colocolo を、主として狭義のチリ固有種 Leopardus colocola として整理します。(Pampas Cat WG)
IUCNの「準絶滅危惧」という評価は、南米に広く分布すると考えられていた旧分類に基づくものです。2024年の研究では、狭義種の分布、道路網、鉱業権、分断状況を再検討した結果、IUCN基準のEN:危機に相当すると提案されています。ただし、これは研究上の提案であり、IUCNによる狭義種の正式な再評価が完了したという意味ではありません。(scielo.org.pe)
| 保護活動の種類 | 具体的な内容 | 実施・提案状況 | 重要度 | 根拠・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 分類範囲の整理 | Leopardus colocolo、L. colocola、旧亜種名を整理し、どの個体群を対象としているか明記する | 研究・データベースで進行中 | 最重要 | 旧分類の分布・個体数をそのまま狭義種へ適用すると、危機の程度を過小評価する可能性がある |
| IUCN再評価 | チリ中部に限定される狭義種として、分布面積・個体数・減少傾向を再評価する | 必要 | 最重要 | 現行の世界評価は広義のパンパスネコを対象とした古い評価に依存している |
| チリ国内評価の更新 | チリの種分類制度で、最新の分類と分布モデルに基づく再評価を行う | 必要 | 最重要 | 国内資料にも旧分類・旧分布を前提とした評価が残る |
| チリ狩猟法による保護 | 捕獲、殺傷、所持、販売などを規制する | 実施中 | 最重要 | チリの在来ネコ類は狩猟禁止種として保護される |
| CITES附属書II | 国際取引を許可制とし、野生個体の過剰な取引を防ぐ | 実施中 | 高い | 国際取引が現在の最大脅威とは確認されないが、法的な予防措置として重要 |
| 違法捕獲・所持の取締り | 野生個体、毛皮、剝製、生体の違法所持や販売を監視する | 実施・継続必要 | 高い | 狩猟や報復的殺傷が表面化しにくいため、住民からの通報制度も必要 |
| 種別保全計画の策定 | 生息地、道路、鉱業、犬、火災、家禽被害、研究を統合した計画を作る | 明確な全国計画は未確認 | 最重要 | 2024年研究は、保全計画の優先的な策定を提案している |
| 既存保護区での保全 | Altos de Lircay、Radal Siete Tazas、La Campana、Lago Peñuelas、Río Clarilloなどで生息地を管理する | 実施中 | 最重要 | 複数の国立公園・自然保護区でカメラトラップ記録がある |
| Altos de Lircayでの調査 | 保護区内と周辺緩衝地帯でカメラトラップ、糞分析などを行う | Colocolo Projectで実施中 | 最重要 | 狭義種を直接対象とする主要な現地プロジェクト |
| 保護区周辺の管理 | 保護区境界外の農地、集落、道路、植林地も含めて管理する | 実施・強化必要 | 最重要 | 本種は保護区境界を認識せず、周辺の人為的環境も利用する |
| 私有保護地域の活用 | 生息確認地を自然保護区、自然聖域、民間保護地として保全する | 一部実施 | 高い | El Ajialなどでは野生ネコ類の存在が保護指定の根拠の一つになった |
| 保護区の新設・拡張 | 分布モデルと確認地点を用いて、保護の空白地帯を特定する | 必要 | 高い | 生息適地のすべてが国の保護区に含まれているわけではない |
| 地中海性生態系の保全 | チリ中部の硬葉樹林、低木林、草地を一体として保全する | 実施・強化必要 | 最重要 | チリ中部は人口、農業、都市、道路が集中する生物多様性ホットスポット |
| 硬葉樹林の保護 | 常緑の硬い葉を持つ在来樹林と林床を残す | 必要 | 最重要 | 隠れ場所、移動路、獲物となる小型動物の生息地になる |
| 在来低木林の保護 | 低木地を荒地とみなして宅地・採掘・農地へ転換しない | 必要 | 最重要 | 本種は森林だけでなく、低木林や開けた草地も利用する |
| 草地・岩場の保全 | 採食場所、休息場所、移動経路となる草地や岩場を維持する | 必要 | 高い | 単一の森林型だけを守るのでは不十分 |
| 渓谷・沢筋の保全 | 乾燥景観の中で植生が連続する谷や沢筋を残す | 必要 | 高い | 小型ネコ類の移動路や犬・人からの避難場所として機能する可能性がある |
| 生態系間の連結性維持 | 山地、低木林、農地内の樹林、保護区をつなぐ回廊を残す | 必要 | 最重要 | 2024年研究では、分断地間をつなぐ生物回廊の整備が提案されている |
| 生物回廊の法的位置づけ | 土地利用計画に移動経路を組み込み、開発を制限する | 提案・必要 | 高い | 幅の狭い植生帯だけでは、道路や犬の影響を十分に避けられない場合がある |
| 小規模植生パッチの保全 | 都市・農地・道路間に残る在来植生を保存する | 必要 | 高い | 小さな植生片も、分断景観での中継地として重要になり得る |
| 生息地復元 | 伐採地、火災跡地、劣化低木林に在来植生を回復させる | 実施・強化必要 | 高い | 復元は補助策であり、既存の良好な生息地を壊さないことが優先 |
| 火災予防 | 人為的火災の発生を抑え、重要生息地を大規模火災から守る | 必要 | 最重要 | 火災は隠れ場所、獲物、繁殖場所、回廊を同時に失わせる |
| 火災後の緊急調査 | 焼失範囲、生存個体、餌動物、移動先を調査する | 必要 | 高い | 火災後は道路横断や集落接近が増える可能性がある |
| 火災跡の自然回復支援 | 外来植物の侵入を抑え、在来低木・樹木の再生を助ける | 必要 | 高い | 火災後に外来草本へ置き換わると、火災頻度がさらに上がる可能性がある |
| 都市開発の回避 | 生息確認地や回廊を住宅地・商業地へ転換しない | 必要 | 最重要 | 都市拡大は生息地喪失、道路増加、犬・猫の侵入を同時に引き起こす |
| 不動産開発の環境影響評価 | 開発前にカメラトラップ、糞、足跡などで生息を確認する | 必要 | 最重要 | 短期間の昼間調査だけでは、夜行性で希少な本種を見落としやすい |
| 鉱業開発の影響評価 | 鉱区、採掘場、道路、送電線、水利用と生息適地の重複を調べる | 必要 | 最重要 | 2024年研究では鉱業権が潜在分布域・占有域と大きく重なる可能性が示された |
| 重要生息地での採掘回避 | 中核生息地や回廊では新規採掘・探鉱を避ける | 必要 | 最重要 | 生息地オフセットだけで、固有種の分断を補償できるとは限らない |
| 鉱業の累積影響評価 | 個別鉱山ではなく、道路・送電・水利用を含む地域全体の影響を評価する | 必要 | 高い | 小規模事業の積み重ねで生息地が分断される可能性がある |
| 道路新設の回避 | 重要生息地と回廊を横断する新しい道路を避ける | 必要 | 最重要 | 道路は直接死亡だけでなく、生息地分断と人・犬の侵入を増やす |
| ロードキル調査 | 死亡地点、時刻、季節、道路構造を継続記録する | 実施中・拡充必要 | 最重要 | 2012~2024年に収集されたチリ中部の記録では、確認された本種の死亡原因はすべて交通事故だった |
| ロードキル地点の地図化 | 死亡記録をGIS化し、衝突集中地点を特定する | 必要 | 最重要 | 対策を道路全域に均等配置するより、危険地点を優先する方が効果的 |
| 注意標識の設置 | 本種が横断する道路で減速を促す標識を設置する | 実施中 | 高い | CONAFとFundación Con Garraの「Lento por la Fauna」で実施例がある |
| 速度制限 | 夜間や衝突多発区間で制限速度を下げる | 必要 | 最重要 | 標識だけでなく、実際の速度を下げる構造・取締りが必要 |
| 道路照明の見直し | 強い照明による行動変化や眩惑を減らす | 調査・検討必要 | 中 | 夜行性動物への影響を地点ごとに評価する必要がある |
| 野生動物横断施設 | ボックスカルバート、橋下空間、地下道など安全な横断路を設ける | 2024年研究で提案 | 最重要 | 本種が実際に使用する場所と構造をカメラで確認する必要がある |
| 誘導柵の設置 | 動物を横断施設へ誘導し、車道への侵入を減らす | 提案 | 高い | 柵だけを設置すると移動を完全に遮断するため、横断施設との併用が必要 |
| 道路改修後の効果測定 | ロードキル数と横断施設利用を改修前後で比較する | 必要 | 高い | 標識の設置数ではなく、死亡数が減ったかを検証する |
| 死亡個体の回収・検査 | 性別、年齢、栄養状態、病気、遺伝試料を記録する | 必要 | 高い | 希少種では死亡個体も重要な生態・遺伝情報源になる |
| カメラトラップ調査 | 出現、活動時間、生息地利用、共存動物、人・犬の活動を記録する | 複数地域で実施中 | 最重要 | 非侵襲的で、夜行性の本種を調べる中心的手法 |
| 長期定点モニタリング | 同じ地点・季節・設置期間でカメラ調査を繰り返す | 実施・強化中 | 最重要 | 単発の撮影だけでは個体群の増減を判断できない |
| Snapshot Chileへの統合 | 全国で標準化されたカメラトラップ調査を行い、データを共有する | 2025年開始・展開中 | 高い | 保護区外も含めた長期的な分布・相対出現頻度の把握を目指す |
| 占有モデルの活用 | 検出されなかった地点を単純な不在とせず、検出確率を考慮する | 必要 | 高い | 希少で見つけにくい種には反復調査が必要 |
| 個体密度の推定 | 空間カメラ調査や遺伝情報から密度を推定する | 情報不足・必要 | 最重要 | 現在の総個体数や地域ごとの密度はほとんど分かっていない |
| 相対出現頻度の比較 | 保護区内外、季節、植生、道路距離ごとに撮影頻度を比較する | 実施・研究中 | 高い | 撮影頻度を個体数そのものと誤解しない注意が必要 |
| 糞分析 | 食性、獲物、寄生虫、DNAを調べる | Colocolo Projectで実施中 | 高い | 糞だけでは他種との誤認があり得るため、遺伝確認が望ましい |
| 遺伝子による種同定 | 糞、毛、組織から狭義種と近縁種を識別する | 必要 | 最重要 | 分類変更後は、写真だけで北部・南部の近縁種と区別しにくい場合がある |
| 遺伝的多様性の調査 | 地域間の遺伝的つながり、近親交配、孤立度を評価する | 必要 | 高い | 回廊の優先順位や保全単位の設定に役立つ |
| 行動圏調査 | GPS首輪などで移動距離、休息場所、道路横断を調べる | 必要・慎重に検討 | 高い | 捕獲・装着による負担を最小限にする必要がある |
| 食性研究 | 主要な齧歯類、鳥類、爬虫類などの利用状況を調べる | 実施・継続必要 | 高い | 餌動物の減少や家禽への依存を判断する基礎になる |
| 餌動物の保全 | 在来齧歯類、小鳥、爬虫類を支える植生・土壌環境を守る | 必要 | 高い | 殺鼠剤などによる二次中毒にも注意が必要 |
| 殺鼠剤の影響調査 | 農地・住宅地で使用される抗凝固性殺鼠剤への曝露を調べる | 必要 | 高い | 小型哺乳類を食べる捕食者では二次中毒の可能性がある |
| 繁殖生態研究 | 繁殖期、出産場所、産仔数、幼獣生存率を調べる | 情報不足・必要 | 高い | 狭義種について確実な繁殖データは非常に少ない |
| 飼い犬の放し飼い防止 | 生息地・保護区へ犬を自由に入れない | 必要・一部啓発中 | 最重要 | 犬による追跡・捕食と病原体伝播が脅威として挙げられている |
| 野犬・逸走犬の管理 | 繁殖抑制、登録、捕獲、譲渡などを人道的に実施する | 必要 | 高い | 駆除だけでなく、発生源となる放棄・放し飼い対策が必要 |
| 飼い猫の管理 | 猫を屋内飼育し、野生化と病原体伝播を防ぐ | 必要 | 高い | 野生ネコとの接触、餌資源競合、疾病伝播の可能性がある |
| 犬・猫のワクチン接種 | 狂犬病、犬ジステンパーなど感染症の伝播リスクを下げる | Working Groupの保全手法として実施 | 高い | 狭義種における感染率を調べながら進める必要がある |
| 犬・猫の駆虫 | 寄生虫や病原体の野生動物への伝播を減らす | Working Groupの保全手法として実施 | 中〜高 | ワクチンと責任ある飼育を組み合わせる |
| 犬・猫の不妊化 | 放し飼い・野生化個体の増加を抑える | Working Groupの保全手法として実施 | 高い | 単発ではなく継続的な地域プログラムが必要 |
| 疾病監視 | 野生個体と周辺の犬・猫から病原体・抗体を調べる | 必要 | 高い | どの感染症が実際に個体群へ影響しているかは情報不足 |
| 家禽被害の実態調査 | ニワトリ被害の頻度、季節、加害種を確認する | 実施・必要 | 高い | 他の野生動物や犬による被害を本種のせいにしている可能性もある |
| 鶏舎の改修 | 夜間に野生動物が侵入できない構造へ改善する | Colocolo Projectで実施中 | 最重要 | 報復的な捕殺を防ぐ、直接的な共存対策 |
| 家禽飼育の技術支援 | 飼育方法、夜間収容、餌管理などを住民へ助言する | Colocolo Projectで実施中 | 高い | 放し飼いを減らし、家禽と野生動物の双方を守る |
| Mapuche鶏の提供 | 農村世帯へ鶏を提供し、家禽管理支援と組み合わせる | Colocolo Projectで実施 | 中〜高 | 提供だけでなく、鶏舎改善と被害後の報復防止を組み合わせることが重要 |
| 報復的殺傷の防止 | 家禽被害を理由とした射殺、毒殺、罠を減らす | 実施・強化必要 | 最重要 | 共存対策と法執行を同時に進める必要がある |
| 非致死的な被害対策 | 強固な鶏舎、照明、夜間収容などで捕食機会を減らす | 実施・推奨 | 高い | 野生ネコを移送・殺傷する前に、家畜管理を改善する |
| 地域住民との対話 | 本種への認識、被害経験、保全への意見を調査する | 実施・必要 | 高い | 一方的な教育ではなく、住民の生活条件を把握する必要がある |
| 環境教育 | 学校・農村・一般市民へ本種の生態と役割を伝える | 実施中 | 高い | 認知度の低さ自体が保全上の課題とされる |
| 道路利用者への啓発 | 夜間の減速、野生動物を見た際の対応を知らせる | 実施中 | 高い | 標識、SNS、学校活動を組み合わせる |
| 市民科学 | 写真、目撃、死亡個体を専門家へ報告する | 実施・拡大可能 | 高い | 写真、日時、場所を確認し、種の誤同定を防ぐ必要がある |
| 位置情報の管理 | 巣や休息場所など敏感な地点を必要以上に公開しない | 必要 | 中 | 攪乱や無許可の捕獲を防ぐため、詳細座標を限定管理する |
| レンジャー研修 | 種同定、カメラ設置、道路事故対応、犬対策を訓練する | 一部実施・強化必要 | 高い | 複数の近縁ネコがいる地域では正確な識別が重要 |
| 救護・リハビリ | 負傷個体、孤児、脱水した幼獣をSAGなどが保護し治療する | 実施例あり | 高い | 野生復帰できる個体は、人への馴化を避けて適切な場所へ戻す |
| 死亡・負傷時の通報 | 市民がSAG、警察、保護区職員へ速やかに連絡する | 実施・周知必要 | 高い | 個人が無許可で飼育・移送しないようにする |
| 飼育下繁殖 | 動物園で保険個体群をつくる | 現在の主要保全策としては未確認 | 低〜保留 | 野生生息地の保護と人為的死亡の削減が優先 |
| 再導入 | 飼育個体を野外へ戻す | 主要な実施例は未確認 | 低〜保留 | 遺伝、疾病、生息地安全性、犬・道路問題を解決してから検討する |
| 気候変動影響の評価 | 乾燥化、降水変動、火災増加による適地変化を予測する | 研究・継続必要 | 高い | 2024年の生態ニッチ研究を長期的な土地利用計画へ反映する必要がある |
| 気候避難地の保護 | 将来も在来植生と水分条件が残る山地・谷筋を優先保護する | 提案 | 高い | 都市・鉱業・道路計画と重ねて保護優先地を決める |
| データの標準化・共有 | CONAF、SBAP、大学、NGO、市民科学の記録を統合する | Snapshot Chileなどで進行中 | 高い | 重複記録、誤同定、旧分類名を整理する必要がある |
| 保全効果の検証 | ロードキル、撮影頻度、鶏舎被害、犬の侵入、生息地面積で成果を測る | 必要 | 最重要 | 活動回数ではなく、死亡減少と個体群維持で評価する |
| 長期資金の確保 | カメラ、道路対策、地域支援、遺伝研究を継続する | 必要 | 高い | 希少で目立たない種は、短期事業終了後に監視が途切れやすい |
| 現地保全を最優先 | 捕獲移送や飼育より、野生個体と生息地をその場で守る | 基本方針 | 最重要 | 現在確認できる最大の課題は、道路、分断、開発、犬、報復的殺傷である |
現在確認できる具体的な活動
狭義のコロコロネコを直接対象にする活動として、チリ・マウレ州のColocolo Projectが、Altos de Lircay国立保護区と周辺地域でカメラトラップ、糞分析、脅威調査を実施しています。同時に、家禽被害を理由とする報復的殺傷を減らすため、鶏舎の改善、家禽飼育の指導、Mapuche鶏の提供を行っています。(Pampas Cat WG)
道路対策では、CONAFとFundación Con Garraが「Lento por la Fauna」を進め、保護区内外へ減速標識を設置しています。また、2025年からはCONAF、SBAP、大学などによるSnapshot Chileが始まり、全国的・標準化されたカメラトラップ監視の拡大が進められています。(conaf.cl)
ただし、全国的な種別回復計画、信頼できる総個体数、個体群密度、主要繁殖地、疾病状況、遺伝的連結性については、体系的な情報がまだ不足しています。特に狭義種の分布へ分類を修正したうえで、道路・鉱業・都市開発の影響を再評価することが急務です。(scielo.org.pe)
保護活動の出典
- Revista Peruana de Biología|狭義のLeopardus colocolaの分布・鉱業・道路・保全カテゴリー再評価
https://www.scielo.org.pe/scielo.php?pid=S1727-99332024000300001&script=sci_arttext - Pampas Cat Working Group|Colocolo Projectの調査・鶏舎改善・共存活動
https://pampascatwg.com/projects/ - Pampas Cat Working Group|パンパスネコ複合群の分類・脅威・保全対策
https://pampascatwg.com/pampascat/ - CONAF|Snapshot Chileによる全国的なカメラトラップ監視
https://www.conaf.cl/chile-integra-plataforma-mundial-colaborativa-de-monitoreo-de-fauna-nativa/ - CITES|現行附属書一覧
https://cites.org/eng/app/appendices.php
コロコロの絶滅危機はなぜ見えない?5種分割と放し飼い犬の問題
Questioner: Back when that 2014 encyclopedia came out, they evaluated five different cats lumped together as one. But it sounds like researchers are finally going, “Hey, shouldn’t we split these up?” and are pushing to change the classification.
Me: Exactly. But the IUCN’s assessment is still stuck in 2014. They’re still using L. colocolo as a massive umbrella term that groups all five together.
Questioner: Cleaning up the taxonomy might make things tidier, but if we want to understand the true level of the crisis, we really need to look at them individually. Also, I’ve seen reports from all over about them being chased, attacked, and killed by free-roaming and feral dogs. Are pet dogs just allowed to wander around outside in places like Chile?
Me: Yeah, that’s pretty hard to imagine here in Japan, right? Let me look into how that actually works over there.
質問者:2014年の図鑑のころは、5種をひとまとめにして評価してたけど、学者さんたちが、「わけたほうがいいんじゃね」ってことで分類を変更する方向に進んでるみたいだね。
私:そうですね。しかしまだIUCNの評価は2014年で止まっていますし、5種をひとまとめにした広義種評価として L. colocolo を使用しています。
質問者:整理整頓したほうがわかりやすくなるかもしれないけど、本当の意味での危機を知るなら細かく分けていたほうがいいよね。あと、放し飼い犬や野犬による追跡、攻撃、捕殺が各地で報告されているみたいだけど、チリとかでは飼い犬も放し飼いなのかな。
私:日本ではあまりイメージしにくいですよね。調べてみます。
広大な分布図の罠:5種に細分化されて見えたコロコロ(ネコ科)の真の絶滅リスク
分類を細分化することで見えてくる「真の絶滅危機」
2021年に公表された大規模な分類学的研究では、形態、分子遺伝、地理的分布、気候ニッチを統合した結果、従来「コロコロ(Leopardus colocolo)」という一つの種、またはその亜種としてまとめられてきた集団を、次の5種に分けることが提案されました。
- コロコロ(L. colocola):主にチリ中部
- パンパスキャット(L. pajeros):主にアルゼンチン中部から南部
- ノーザンパンパスキャット(L. garleppi):エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ北部、アルゼンチン北部などのアンデス地域
- パンタナルキャット(L. braccatus):ブラジル中部、ボリビア東部、パラグアイなど
- ムノアパンパスキャット(L. munoai):ウルグアイ、ブラジル最南部、アルゼンチン北東部
この5種分類は、Mammal Diversity Databaseなどで採用されています。しかし、IUCNレッドリストは現在も、南米各地の集団を広義のLeopardus colocoloとしてまとめた2014年の評価を掲載しています。
つまり、分類学では5種への細分化が進む一方、世界的な絶滅危険度の評価は、南米全体を一つにまとめた古い枠組みのままです。新しい分類と古い保全評価が、同じネコを別の姿で映し出しています。
なお、ウルグアイ周辺に生息する集団の学名には現在も議論があります。多くの研究や保全活動ではLeopardus munoaiが使われていますが、Mammal Diversity Databaseは、より古い学名であるLeopardus fasciatusを採用しています。一方、2025年には、L. fasciatusではなくL. munoaiが正しいとする再反論も発表されました。
学名さえ、まだ揺れています。
それでも、この分類を細かく分ける意味は極めて大きいものです。
南米大陸に広く分布する「一つのネコ」として眺めている限り、その評価は準絶滅危惧(NT)にとどまります。しかし実際には、それぞれが異なる地域、異なる気候、異なる草原に依存して生きる、分布の限られたネコである可能性があります。
巨大な分布図の中では、ある地域から姿を消しても、別の地域に残っている個体が、その消失を覆い隠します。「南米にはまだいる」という言葉によって、その土地からすでに消えた命まで、生き残っているように見えてしまうのです。
けれども種を分ければ、どの地域の、どのネコが、どれほど狭い土地に追い込まれているのかが見えてきます。
ウルグアイのサバンナとブラジル最南部のパンパ草原に依存するムノアパンパスキャットは、農地化、植林、道路、生息地の分断、ロードキルなどに脅かされています。ブラジルの国家評価では「危機(EN)」として扱われており、独立種としてのIUCN世界評価は、まだ行われていません。
チリ中部に分布する狭義のコロコロも、かつて考えられていたような「南米全体に広く生息するネコ」ではありません。農地、都市、道路、鉱山、火災によって分断された、限られた土地に残るネコです。Mammal Diversity Databaseでは、分布国をチリのみとしています。
チリにおける「自由に歩き回る犬」と文化的な背景
日本では、犬を屋内や囲われた敷地内で飼い、外へ出すときはリードなどで管理することが一般化しています。登録や狂犬病予防、自治体による収容制度もあり、飼い犬や野犬が集落と山を日常的に行き来する光景は、現在ではあまり見られません。
一方、チリでは、飼い主の有無にかかわらず自由に歩き回る犬が、都市、農村、牧草地、森林、自然保護区の周辺にまで入り込んでいます。
チリの法律は、こうした犬を一つの言葉では扱っていません。
- 飼い主がいながら、一日の全部または大部分を公共空間で直接管理されずに過ごす犬は「路上犬(perro callejero)」。
- 特定の飼い主はいないものの、地域住民から餌や最低限の世話を受けている犬は「コミュニティ犬(perro comunitario)」。
- 人との関係を離れ、自力で生きるようになった犬は「野生化犬・野犬(perro asilvestrado、perro feral)」と呼ばれます。
しかし、現実の犬は法律の区分どおりには生きていません。
飼い主のいる犬が昼間だけ外へ出され、捨てられた犬やコミュニティ犬と群れを作り、そのまま農地や野生動物の生息地へ入り込むこともあります。遠くから見ただけでは、飼い犬なのか、捨て犬なのか、地域で世話をされているのか、完全に野生化しているのかを判別できません。
チリでは2017年、「チョリート法」と呼ばれる動物の責任ある飼育に関する法律第21,020号が制定されました。
この法律は、自治体、行政機関、動物保護団体が、動物の個体数を減らすための制度として殺処分を用いることを禁止しています。増えすぎた犬をまとめて殺し、その数を減らすという方法は認められていません。
そのため、犬の個体数管理は、避妊・去勢、登録、個体識別、譲渡、遺棄の防止、飼い主教育などを中心に進めることになります。
殺すことは禁止した。
しかし、犬を捨てさせないこと、自由に歩かせないこと、繁殖を止めること、捕獲した犬を収容することを、すべての地域で徹底できたわけではありません。
その隙間から犬は増え、人間の暮らす場所を越え、野生動物の土地へ入り込んでいきました。
自由に歩き回る犬は、野生動物を追跡し、負傷させ、噛み殺し、餌場や繁殖地から追い出します。また、犬ジステンパーなどの感染症を野生の食肉類へ運び込む危険もあります。
コロコロも例外ではありません。
パンパスキャット(コロコロ)・ワーキンググループは、犬による捕食、飼い犬や猫からの感染症伝播、ロードキル、生息地の消失などを脅威として挙げています。実際の保全現場では、周辺集落の犬や猫へのワクチン接種、駆虫、避妊・去勢、家禽小屋の補強、道路標識の設置、住民への環境教育などが行われています。
チリだけで犬がコロコロを何頭殺しているのか、その全体像を示す数字はありません。
けれども、数字がないことと、脅威がないことは同じではありません。
自由に歩き回る犬による捕食、追跡、攪乱、競争、感染症の伝播は、すでに野生動物の保全問題として認識されています。
2026年6月には、チリ議会へ、野生化した犬を法的に定義し、生物多様性、野生動物、人間、家畜を守るための捕獲や管理を可能にする法案が提出されました。
法案は、野生化犬を、人との関係を失い、人間、地域の動物相、公衆衛生に危険を及ぼす犬として定義しようとしています。また、一定の条件下で動物の捕獲、管理、処分を行った場合に、動物虐待罪の例外とする内容も含まれています。
この法案は成立した法律ではなく、2026年7月現在、他の野生化犬関連法案とあわせて議会で審議されています。
出典
- パンパスキャット複合群を5種に分けた分類学的研究:https://academic.oup.com/zoolinnean/article/191/2/575/5848237
- Mammal Diversity Databaseによる狭義のコロコロの分類:https://www.mammaldiversity.org/taxon/1005993/
- Mammal Diversity Databaseによるウルグアイ産コロコロの分類と学名論争:https://www.mammaldiversity.org/taxon/1006000/
- チリ国会図書館・動物の責任ある飼育に関する法律第21,020号:https://www.bcn.cl/leychile/navegar?idNorma=1106037
- チリ下院・野生化犬の管理に関する法案第18400-01号:https://www.camara.cl/legislacion/ProyectosDeLey/tramitacion.aspx?prmBOLETIN=18400-01&prmID=19077
- チリ南部における自由徘徊犬問題の原因と影響:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969723029455
- パンパスキャット・ワーキンググループによる脅威と保全活動:https://pampascatwg.com/pampascat/
Questioner: Evaluating this massive distribution all lumped together kind of reminds me of mixing powdered drinks. It’s like taking red, blue, yellow, green, and orange drink mixes, dumping them all into one glass, and chugging it down.
Me: Spot on. Even if there’s barely a sprinkle of the red powder left, technically it’s still a “five-flavor blend.” Once they’re all mixed together, the overall taste doesn’t change much, and you completely lose track of what was actually put in there to begin with.
Questioner: The dog issue goes so deep, though. Ever since we domesticated them as companions way back in the day, we completely pulled them out of the wild. They fundamentally became a species that humans have to manage.
Me: I live with a dog and cats myself, and honestly, we’ve made them so dependent on us that they don’t have a single wild bone left in their bodies. And we actually build our lives around the joy of having them rely on us like that.
Questioner: If that’s the case, then those feral dogs chasing down the Colocolo… if you trace it back, that’s ultimately just the result of our own irresponsibility and ego, isn’t it?
Me: Yeah. The Colocolo living out in the wild, and dogs that literally cannot survive without humans—they were never supposed to cross paths. It’s the very structure of our human society that forced these two worlds to collide.
Thank you so much for taking the time to read this.
I truly hope these thoughts find their way to the Colocolo.
鶏人|Keijin
質問者:この分布を大雑把にひとまとめにして評価するのって、粉ジュース現象に似ているよね。例えば、🟥・🟦・🟨・🟩・🟧のジュースを全部混ぜて飲んでるみたいなものだと思う。
私:そうですね。🟥の粉ジュースがたとえ少量でも入っていれば5種ですし、みなが合わされば味はさほど変わりませんし、何が入っていたかなんてわからなくなりますからね。
質問者:犬の問題は根が深いというか、大昔に伴侶として飼い慣らしてしまった時から、彼らは野生から離れて人間が管理しなければならない種になってしまったんだと思う。
私:私も犬と猫と暮らしているけれど、野生の野の字も感じないぐらい人間に依存させ、頼りにしてくれることを喜びとして共生していますからね。
質問者: だとしたら、コロコロを追いかけている野犬たちも、元を正せば僕たちの無責任と自己満足が招いた結果だよね。
私: はい、本来なら交わるはずのなかった自然界で生きるコロコロと人間に依存しなければ生きられない犬を出会わせてしまったのは、私たち人間社会の仕組みなんです。
貴重な時間を、ありがとうございました。
コロコロに、その想いが届くことを祈ります。
鶏人|Keijin
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