※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
タナガワトウダイグサ(Euphorbia tanaensis)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2020年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2014年から2020年にかけて、タナガワトウダイグサは
「乾いた大地に、細い息だけが続いていた」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるタナガワトウダイグサの最新評価は2020年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/30898/2798380
世界に数本、その木が切られてしまう理由
⬇︎タナガワトウダイグサの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | タナガワトウダイグサ |
| 英名 | Tana River Euphorbia |
| 学名 | Euphorbia tanaensis |
| 分類 | 植物・トウダイグサ科・トウダイグサ属 |
| 分布 | ケニア・タナ川流域(ラム県ウィトゥ森林周辺)のみの固有種 |
| 主な自生地 | ウィトゥ森林保護区周辺の湿った低地林の縁(とくに Terminalia sambesiaca 優占林の周辺) |
| 樹高 | 約16〜30メートルの多肉質な高木 |
| 幹の太さ | 単幹で直径40〜50cm前後に達する |
| 寿命 | 詳細なデータは不明だが、ゆっくり成長する長寿の高木と考えられている |
特徴
- 樹形と外見:高さ16〜30mに達する多肉質の直立高木で、5〜6稜のある太い枝を持ち、サボテンの木のような姿をしている。
- 棘と乳液:枝には対になった小さな棘が並び、傷つけると白い乳液を出すトウダイグサ属らしい性質をもつ。
- 花と果実:暗紅色の杯状花序(サイアチア)をつけ、のちに赤い3裂の蒴果を実らせる。
- 極度に少ない個体数:1988年の調査で9本、2006年の再調査では成熟個体4本のみが確認され、自然更新はほとんど見られなかった。
- 保全ランク:IUCNレッドリストでは「CR:深刻な危機(Critically Endangered)」とされるケニア固有の絶滅危惧高木。
生態と成長
- 生息環境:ケニア沿岸部の湿った低地林の縁に生育し、とくに Terminalia sambesiaca が優占する森林の周辺部に集中して見られる。
- 分布の狭さ:推定分布域は約4km²ほどとされ、世界でもごく限られた狭いエリアにしか存在しない。
- 個体数:IUCN評価時には「成熟個体4本」とされ、「世界で数本しかない木」として紹介されてきた。
- 主な脅威:違法伐採や森林の開墾・農地拡大による生息地の消失・分断が最大の脅威となっている。
- 保全と最近の動き:ケニア林業研究所(KEFRI)などが苗木生産や植栽、エクスシチュ保全を進めており、ウィトゥやアラブコ・ソコケでの植樹や個体数回復の試みが続いている。最近の報告では、新たな成木が確認され、野生の成木が5本に増えたとされる。
2014年絶滅危惧種:タナガワトウダイグサ【CR:深刻な危機】
中位の大きさで、半落葉の湿地林に生じるが、今ではケニアの1か所で知られるだけである。1か所だけで生存が確かめられるというだけでなく、最近確かめられたその場所では、4本が確認されるだけで、その数からも、絶滅の危機に瀕した非常に危険な状態にあることが示されてる。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 野生の成熟個体数(2023〜2024) | 4〜5 本の間を推移 |
| 新たな発見(増えた希望) | 2023年、ウィトゥ森林保護区で5本目の成熟個体を新たに確認 |
| 失われた個体(減った現実) | 既知の個体のうち1本が違法伐採により伐倒 |
| 現在の評価 | 発見と喪失が続き、依然として野生絶滅(EW)寸前の状態 |
| 主な脅威 | 人間による開発、違法伐採(建材や炭焼き目的) |
| 樹木の特徴 | ユーフォルビア属の大型樹。水分を多く含み、高さ30m近くまで成長 |
| 人工繁殖の成功 | KEFRIにより、残存個体から採取した種子の苗木育成に成功 |
| 植樹活動の進展 | 2018年以降、育成された苗木をウィトゥ森林・アラブコソコケ森林に試験植樹 |
| 現在の希望 | 野生の母樹はごく少数だが、人の手で守られた次世代の苗木が成長中 |
タナガワトウダイグサ(Euphorbia tanaensis)は、2023〜2024年の調査において野生成熟個体数が依然4〜5本にとどまり、違法伐採による個体消失と新個体の発見が同時に報告されるなど、不安定な状況が続いている。
主要な脅威は開発と伐採圧である。一方、KEFRIによる種子採取と苗木育成、さらに試験的植樹の進展は、極度に縮小した野生集団に対する補完的保全手段として重要性を増している。
⬇︎タナガワトウダイグサの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地森林の法的保護 | 唯一の自生地であるケニア・ヴィツウ森林保護区(Witu Forest Reserve)を保護区として指定し、森林伐採や農牧開発を制限しようとしている。 |
| 苗木生産・植栽 | ケニア森林研究所(KEFRI)が挿し木・苗木生産の技術を開発し、ヴィツウ森林やアラブコ・ソコケ森林などで培養苗の植栽を進めている。 |
| 種子源・遺伝資源の確保 | 種子源となる個体の確保や、苗畑・ボタニカルガーデンでの栽培を通じて、将来の再導入や植林に使える遺伝資源を守ろうとしている。 |
| 違法伐採・土地利用の規制 | 違法伐採や森林周縁部への農牧地拡大を抑えるため、森林管理当局とコミュニティが監視・取締りを強化している。 |
| 国際取引規制 | 多肉質トウダイグサ属としてワシントン条約(CITES)附属書IIの対象となり、国際商取引が規制されている。 |
| 市民・地域参加 | 地元住民やコミュニティ森林協会が、残存個体の見守り・新たな自生地の情報提供・苗木植栽イベントなどに参加し、保全の担い手となっている。 |
| 研究とモニタリング | IUCN評価や現地調査により、成熟個体数のカウント、位置情報の記録、更新状況の追跡、繁殖方法の研究が継続的に行われている。 |
主な取り組み
- 森林保護:唯一の自生地であるヴィツウ森林保護区の森林伐採や開発を抑制
- 苗木植栽:KEFRIが増やした苗木をヴィツウ森林やアラブコ・ソコケ森林などに植栽
- 種子・栽培個体の確保:ボタニカルガーデンや苗畑で遺伝資源を維持し、将来の再導入に備える
- 違法伐採対策:違法な木材伐採や農地拡大に対する監視と取締りを強化
- 国際取引の規制:CITES附属書IIにより、多肉トウダイグサとして国際商取引を管理
- 地域コミュニティの参画:住民やコミュニティ森林協会が、見守り・植林・啓発活動に参加
- 調査・モニタリング:残存個体の位置・本数の把握、繁殖技術の研究、IUCNレッドリスト評価の更新に必要なデータ収集
最後に
これを読んで、あなたはどう感じましたか?
「野生の成熟した木が4〜5本しかいないって、もう絶滅寸前ってことじゃない?こんなに珍しい木なら、珍しいものを集める人を狙った業者に狙われたりしないのかな?」
……そう思うの、すごくよくわかります。
その可能性についても、もう少し詳しく調べてみますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1. コレクターに狙われない理由 | ・ユーフォルビア属は世界的に人気だが、本種は対象外。 ・高さ30mに達する巨木で、サボテンのような小型多肉ではない。 ・棚に飾るタイプの多肉とは異なり、物理的に運び出し・密輸が不可能。 |
| 2. 実際に狙う人と目的 | ・狙うのはコレクターではなく、地元の違法伐採者。 ・目的は「希少価値」ではなく、建材(柱・柵の杭)や焚き木としての利用。 ・世界に数本しかない巨木が、価値を知られぬまま建材として消費されている。 |
| 3. もう一つの脅威:民間療法 | ・樹皮や樹液が、地域の民間薬・農薬(殺虫剤)として利用されるケースが報告。 ・生存数が極端に少ないため、小規模な採取でも致命的。 |
一般的な多肉植物コレクションの対象とは異なり、高さ30mに達する巨木であることから、採集・密輸の物理的困難さによりコレクター需要の脅威はほとんど存在しない。
一方で、本種を危機に追い込んでいる主要因は、地元地域における建材・焚き木目的の違法伐採であり、希少性が認識されないまま伐倒される例が報告されている。
さらに、樹皮や樹液が民間療法や農薬代替として利用されることもあり、残存個体数が極端に少ない本種にとっては追加的な深刻な減少要因となっている。
「多肉で、きれいな珍しい花を咲かせていたから、てっきり小さい植物かと思っていました。でも、そんな巨木なら“持ち去り”の心配は少し減りますね。それにしても、地元ではただの木として建材や焚き木にされていたなんて……見る人が変わればこんなにも扱いが違うんですね。」
本当に、その通りなんですよね。
おそらく現地では、「昔から薪にしてきたし、薬にも使える便利な木だ」という感覚で、ごく普通に伐採されていたのだと思います。
その価値や希少性が知られないまま切り倒されてしまうのは、たとえるなら、誰かが“札束を焚き火に使ってしまう”ような、そんな理不尽さにも似ています。
だからこそ、私たちがまず「知る」ことが大切なんだと感じます。
ただ、そこには貧困や生活の厳しさなど、知る余裕すら奪ってしまう現実もあります。
だから、知った人が伝えていくこと――
その小さな積み重ねが、この木の未来を変える一歩になるのかもしれませんね。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
タナガワトウダイグサに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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