※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
ダーウィンハナガエル(Rhinoderma darwinii)は、
2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。
2018年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。
つまり、2014年から2018年にかけて、ダーウィンハナガエルは
「希望のきらめきが、霧の向こうへと薄れていった」状態になってしまいました。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるダーウィンハナガエルの最新評価は2018年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/19513/79809372
森が乾くとき、命はどこへ行くのか──負の連鎖で見えた現在地
⬇︎ダーウィンハナガエルの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ダーウィンハナガエル |
| 英名 | Darwin’s Frog |
| 学名 | Rhinoderma darwinii |
| 分類 | 両生類・カエル目・ハナガエル科(Rhinodermatidae) |
| 分布 | チリ南部およびアルゼンチン南部の温帯雨林域 |
| 主な生息地 | 温帯雨林の落ち葉堆積地、苔むした林床、湿った低地~山地(海抜〜1300mほど) |
| 体長 | 頭胴長 約22~31mm(雄22-28mm、雌25-31mm) |
| 体重 | 明確な重量データは少ないが、極めて小型の種で数グラム以下と考えられる |
| 寿命 | 野外での確定値は少ないが、10〜15年程度とされる報告あり |
特徴
- くちばし状の吻(ふん):鼻が突出し、頭部が三角形状に見える特徴的な形態を持つ。
- 葉そっくりの迷彩:背側は緑〜褐色、落ち葉そっくりの体色変化を示し、森林床で身を隠すのに適応。
- 雄による“頤部育児”/“ボーカルサック(声嚢)育児”:卵から孵化前の幼生(オタマジャクシ)を雄が自身の声嚢内に取り入れ、そこで変態まで育てるという非常に特殊な繁殖戦略を持つ。
- 完全陸上生活傾向:水中で幼生期を過ごす一般的なカエルとは異なり、水辺に直接依存せず、湿潤な森林床で生活する傾向が強い。
- 小型・隠蔽性:非常に小柄で、動きが速くないため落ち葉の影に静止して捕食者をかわす戦略を取る。
生態と行動
- 卵の産卵:雌は湿った落ち葉堆積や倒木下などに数十個の卵を産む。
- 雄による育児:卵がある程度発達すると、雄はその卵を自分の声嚢内に取り込み、幼生期と変態をこの内部で過ごさせ、最終的に小さなカエルとして外に放出する。
- 生息地の限定性と移動性の低さ:分布域が狭く、森林の破壊・分断や病原菌(例:カエルのキトリジウム症)などの影響を強く受けている。
- 食性:小型の無脊椎動物(昆虫、クモ、ミミズなど)を主に捕食。じっと待ってから素早く舌を出して餌を捕らえる「待ち伏せ」戦略をとることも報告されている。
- 脅威:生息域の縮小・植林や森林伐採・外来病原菌(例 カエル・キトリジウム症)・気候変動などが個体群に大きな影響を及ぼしている。
2014年絶滅危惧種:ダーウィンハナガエル【VU:危急】
この種はチャールズ・ダーウィンによって発見され、チリ中南部とアルゼンチンの森林に生息している。この種は興味深い繁殖システムをもちオスが卵とおたまじゃくしを鳴嚢(めいのう)の中で育てる。ダーウィンハナガエルは近年懸念すべき減少を見せており、全滅した個体群もある。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
1. 現在の保全状況(IUCN レッドリスト)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最新評価年 | 2018年 |
| レッドリストカテゴリ | EN:危機(絶滅危惧IB類) |
| 個体数トレンド | 減少(Decreasing) |
| 意味 | 「近い将来、野生での絶滅の可能性が高い」 |
2. 減少が止まらない主な理由
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| カエルツボカビ症(Chytridiomycosis) | 皮膚を侵す感染症。世界的な両生類大量死の主因で、本種にも深刻な影響。 |
| 生息地の消失・分断 | チリ・アルゼンチンの原生林が、マツ/ユーカリ植林地・農地へ転換され、住処が消失。 |
| 気候変動(乾燥化) | 湿潤な森林を好むため、乾燥や干ばつによって生存率が低下。 |
3. 「全滅した個体群」についての背景
| 種 | 状況 | 補足 |
|---|---|---|
| ダーウィンハナガエル(R. darwinii) | 南部に生息。個体群は残っているが 減少中。 | 図鑑の「全滅」は局所個体群の消失を意味していたと考えられる。 |
| キタダーウィンハナガエル(R. rufum) | 北部種。1980年代以降の目撃なし。 | IUCN では Possibly Extinct(おそらく絶滅) とされる。 |
4. 希望:現在行われている保護活動
| 活動内容 | 詳細 |
|---|---|
| 飼育下繁殖プログラム | チリの大学・動物園・国際保全団体が協力して繁殖を実施。 |
| 育児行動の観察 | オスが口中(喉袋)でオタマジャクシを育てる特殊な子育てが飼育下で確認されている。 |
| 野生復帰への取り組み | 将来的な再導入(reintroduction)を見据え、個体群の維持と遺伝的多様性の確保が進行中。 |
ダーウィンハナガエル(Rhinoderma darwinii)は、現在も個体数が減少傾向にあり、絶滅の危険性が高まっている状況にある。
また、図鑑に記載されている「全滅した個体群」という表現は、特定地域における局所個体群の消失を指すものと考えられる。
しかし、より深刻な点として、近縁種である「キタダーウィンハナガエル」は、すでに絶滅した可能性が高いとされている。
⬇︎ダーウィンハナガエルの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | 在来林の保全、農地転換や伐採の抑制、湿地・森林の保護区指定を強化 |
| 感染症対策(カエルツボカビ症) | カエルツボカビの拡大を防ぐため、衛生管理・モニタリング・研究機関による検査を実施 |
| 捕食・侵入種の管理 | 外来捕食者(ネコ・ネズミ)や競合する外来両生類の対策 |
| 繁殖・救護プログラム | 飼育下繁殖(ex-situ)による安全な個体確保と、生息地復元後の再導入を検討 |
| 取引・採取規制 | 違法採取の監視強化、ペット目的の捕獲防止、国際取引の規制 |
| 森林再生活動 | 劣化した生息地の回復のため、植生回復・湿地環境の復元を実施 |
| 市民参加・教育 | 地域住民への講習、学校教育、環境保全キャンペーンで認知を向上 |
| 研究とモニタリング | 個体数調査、繁殖成功率の追跡、感染症検査、音声調査、分布域の定点観察 |
主な取り組み
- 生息地保護:在来林や湿地を守り、農地拡大による破壊を抑制
- 感染症対策:カエルツボカビ症(Bd)の検査と拡散防止措置
- 外来種管理:ネコ・ネズミなどの捕食リスクを減らす取り組み
- 飼育下繁殖:安全な環境で個体を保全し、将来的な再導入を計画
- 取引規制:違法採取や国際的なペット取引を制限
- 森林再生:生息地の回復のため植生や湿地の復元作業
- 市民教育:地域住民・学校での啓発プログラム
- 個体モニタリング:個体数・行動・感染症の継続的な調査
最後に
これを読んで、あなたはどう感じましたか?
「原因は“病気・生息地の消失・気候変動”って書いてあったけど、湿地がなくなったことで気候変動を悪化させたんじゃない? しかも、その気候変動による温暖化が病気を広げている原因にもなってるんじゃないの?」
そう感じるのは、とても自然なことだと思います。
実際、生息地の破壊・気候変動・感染症は、それぞれ別々の問題ではなく、お互いに影響し合って悪循環をつくっているのかもしれませんね。
そのあたりを、もう少しわかりやすく深掘りしてみます。
1. 森の消失 → 局地的な気候変動(乾燥化・高温化)
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 湿度の喪失 | 温帯雨林は巨大なスポンジのように水を蓄え、湿度・気温を安定させる役割をもつ。 |
| 人工林の問題 | マツやユーカリは成長が早く、土壌の水分を大量に吸収するため、環境が乾燥しやすい。 |
| 結果 | 森の湿度が失われ、局地的な乾燥化・高温化が急速に進む。ダーウィンハナガエルの住環境が悪化する。 |
2. 気候変動 → 免疫低下 → 病気の蔓延(ツボカビ症)
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| カエルの免疫低下 | 気温のアップダウン(寒暖差)が激しくなることでカエルに強いストレスがかかり、免疫が弱まる。 |
| カビが有利に | 免疫の落ちたカエルはツボカビ病に感染しやすくなる。 |
| 水場の減少 | 乾燥によって水場が少なくなり、カエルが密集 → 濃厚接触が増えて感染爆発が起きる。 |
3. 開発による菌の拡散 → 逃げ場の喪失
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 人間が菌を持ち込む | 車両や靴底についた菌が、これまで未汚染だった森に運ばれる。 |
| 生息地の分断 | 森が切り開かれることで移動ルートが断たれ、病気のある地域から逃げられない。 |
| 結果 | 全滅リスクが急上昇し、局所個体群の消失が続く。 |
ダーウィンハナガエルにとっての「致命的なシナリオ」
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 湿度の低下 → 卵の死滅 | 卵が湿った地表で発生するため、乾燥化が進むと卵が干からびてしまう。 |
| オスの育児への影響 | オスは喉袋でオタマジャクシを育てるが、乾燥ストレスや衰弱で育児が難しくなる。 |
| 病気への脆弱性 | 体力を奪われた親ガエルはツボカビ病に感染しやすく、個体群崩壊の引き金となる。 |
ダーウィンハナガエルの個体群減少は、生息地の森林破壊による乾燥化と高温化、気候変動が引き起こす免疫低下と感染症蔓延、さらに開発活動による病原体の拡散と生息地分断が相互に強化し合う負の連鎖によって加速している。
この複合的作用により、本種の繁殖成功率は著しく低下している。
「いろいろな絶滅危惧種を見てきたけど、やっぱり森が壊されたり湿地が埋め立てられたりするのが、すべての“負の連鎖”の最初なんだって痛感したよ。この種を最初に発見したダーウィンが、今の地球を見たらどう思うかな……そう考えると少し悲しくなる。」
本当に、その気持ちはよくわかります。
もしダーウィンが現代の地球を見たら、まず科学技術やAIの発展に驚くだろうし、それと同時に、かつて自分が歩いた森や湿地が失われ、希少な生きもののすみかが観光地化している現状には、きっと強い懸念を抱くはずです。
調べれば調べるほど、今の気候変動が人間の行動と深くつながっていることは、もう否定できない段階に来ています。
でも、だからといって「気候変動さん、ちょっとゆっくりしてください」とお願いすることはできませんよね。
だからこそ、私たち自身が小さな行動を積み重ねて、社会や政治の方向を少しずつ動かしていくしかないのだと思います。
大きな変化はすぐには起きませんが、
知る → 行動する → また知る
この繰り返しが、硬く固まった“現状維持の壁”を、ゆっくりでも確実に溶かす力になると信じています。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ダーウィンハナガエルに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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