※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
トガリバマキ(Podocarpus nakaii)は、
2014年、図鑑に【EN:危機】として分類されていました。
2013年、IUCNレッドリストで、【EN:危機】と評価されました。
つまり、2013年から、トガリバマキは
「揺らぐ森の記憶とともに、細く長く息をつないでいる」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるトガリバマキの最新評価は2013年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/34091/2845003
トガリバマキ、世界のレッドリスト、そしてONE EARTH|私たちにできる小さな約束
⬇︎トガリバマキの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | トガリバマキ |
| 英名 | Nakai podocarp / Nakai yellowwood / Taiwan podocarp |
| 学名 | Podocarpus nakaii Hayata |
| 分類 | 裸子植物・マツ綱・マキ科(Podocarpaceae)トガリバマキ属(Podocarpus) |
| 分布 | 台湾中部の山地にのみ自生する固有種(主に標高約500〜2,000mの常緑広葉樹林) |
| 生育環境 | 湿り気のある谷沿い〜山地林の下層に生える、半日陰を好む常緑針葉樹 |
| 樹高 | 高さ10m未満の小〜中高木(多くは数m・胸高直径10cm未満、最大で約30cm) |
| IUCNレッドリスト | EN(Endangered:絶滅危惧に相当)※2013年評価のまま更新なし |
| その他 | 若い葉は赤みを帯び、成熟すると濃い緑色の葉を一年中つける |
特徴
- 常緑の針葉樹ですが、葉は幅のある線形で「広葉樹の葉」にも見える独特の姿をしています(長さ約5〜10cm・幅0.8〜1.4cm程度)。
- 新芽のころは葉が赤〜銅色を帯び、成長すると濃い緑色になって一年中しげるため、観賞価値の高い樹木として評価されています。
- 雌雄異株(オス木とメス木が別々):Podocarpus属は一般に雌雄異株で、トガリバマキもその一つと考えられています。
- メスの木には、明るい赤色の“実”のような多肉質の部分(花托・レセプタクル)がつき、その先端に種子が乗る構造で、小さな桃のような姿になります。
- 同じマキ科のイヌマキ(庭木としておなじみの羅漢松 Podocarpus macrophyllus)と近縁で、樹形が整いやすく耐陰性もあるため、「良い庭園木」としても紹介されています。
- 体内からは、昆虫の脱皮ホルモン(エクジソン)に似た「ポナステロン類(ponasterones B・Cなど)」が単離されており、植物化学・昆虫生理学の研究材料にもなってきました。
生態と生育環境
- 台湾中部(彰化県・南投県・台中市周辺など)の山地常緑広葉樹林に点々と分布する、きわめて局所的な台湾固有種です。
- 調査区のデータでは、1ヘクタールあたり約100本ほど見られますが、その約9割は胸高直径10cm未満・樹高10m未満の細い木で、成木はごく少ないことが報告されています。
- 森林の下層で他の高木の陰に守られながら成長する「陰樹タイプ」で、幼木は強い直射日光よりも半日陰〜林内の柔らかい光を好みます。
- 雌株にできる赤い花托と種子は鳥などに食べられ、フンと一緒に種子が運ばれることで、森の中で少しずつ分布を広げていると考えられます(Podocarpus属に共通する戦略)。
- IUCNレッドリストでは「Endangered(絶滅危惧)」とされ、過去の大規模な森林伐採や農地開発による生息地の消失・断片化に加え、園芸目的の成木の伐採が主な脅威とされています。
- 個体数の減少と生息地の分断を受けて、遺伝的多様性の解析(マイクロサテライトマーカーによる研究)や、植物園・樹木園での域外保全などが進められつつあります。
2014年絶滅危惧種:トガリバマキ【EN:危機】
この球果植物の絶滅の危険度についてはくわしくは調べられていないが、人の活動の高まり、農林業の活動によるものである。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種名 | トガリバマキ(Podocarpus nakaii) |
| 分布 | 台湾中部〜北部の山地にのみ自生する固有種 |
| IUCNレッドリストカテゴリ | Endangered(EN:絶滅危惧IB類) |
| 最終評価年 | 2013年評価(調査自体は2010年) |
| 個体数トレンド | Decreasing(減少傾向) |
| 現在の保全状況の意味 | 危機的な状況であることは確定しているが、回復の兆しが確認できず、ステータスを下げられる材料もないため再評価・見直しが行われていない(優先順位の関係で後回しになっている可能性もある) |
| 「詳しくは調べられていない」と書かれていた背景 | 生息地が急峻な山地に点在しており、全個体数を正確に把握する詳細調査が難しかった時期があるため |
| 生育環境の特徴 | 急峻な山地、限られた標高帯に点在して生育/人の活動と接する境界域も多い |
| 主な脅威:農林業 | ・生息地が茶畑やビンロウ(ヤシの一種)農園に転換されることで森林が消失 ・農地開発によって本来の森林環境が失われている |
| 主な脅威:伐採・利用 | 過去に木材利用目的で伐採され、大きな成熟個体が減少している影響が残っている |
| 主な脅威:個体群の分断 | 農地やインフラによって生息地が分断され、花粉の交配や種子散布のチャンスが減少し、自然な再生能力が低下している |
| 2013年評価以降の位置づけ | ・保護の必要性は認知されているが、減少を食い止める決定打は打てていない状態 ・IUCNの再評価サイクルは10年以上空くことも多く、更新されていない=忘れられた、とは言い切れない |
| 今後の懸念 | 個体数トレンドが「減少(Decreasing)」のまま変わっていないため、次回の評価次第では、さらに深刻なカテゴリへ移行する可能性も否定できない |
| 全体のまとめ | 「解決した種」ではなく、危機的状況が確認されたまま、十分な回復策が打てていない状態が続いている。予断を許さない状況にあり、保全とモニタリングの強化が求められる。 |
トガリバマキ(Podocarpus nakaii)は台湾固有の針葉樹であり、IUCNレッドリストでは2013年に絶滅危惧IB類(EN)と評価されて以来、個体数減少傾向が継続している。茶畑やビンロウ農園への転換、過去の伐採、生息地分断により再生能力が低下しており、評価更新がない現在も深刻な保全上のリスクを抱えている。
⬇︎トガリバマキの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地(試験林・保護林)の保全 | 蓮華池試験林など、日月潭周辺の低標高天然林を林業試験研究用地として保全し、伐採や大規模開発からトガリバマキの自生地を守っている。 |
| 希少植物としての法的保護 | 台湾維管束植物レッドリストで「瀕臨絕滅」クラスの稀有植物・IUCNでもEN(Endangered)と評価され、稀少種として採取や開発行為に対する規制・配慮の対象となっている。 |
| 老樹・景観個体の保全 | 921地震後、各地のトガリバマキ老樹を珠仔山老樹公園などへ移植し保護。実験林や大学構内、公園の大木として維持管理しつつ、地域のシンボルツリーとして扱っている。 |
| 森林経営の中での優先保護 | 蓮華池研究センターでは、森林経営認証の過程でトガリバマキを「高保育価値樹種」と位置づけ、施業計画の中で優先的に生育地保全を図っている。 |
| 個体群調査・長期モニタリング | 蓮華池などの森林動態プロットで出現状況を継続調査し、胸高直径や個体数構成などから個体群の状態をモニタリングしている。 |
| 遺伝学的研究と保全計画 | 絶滅危惧の固有種としてマイクロサテライトマーカーが開発され、個体群構造や遺伝的多様性を解析して保全方針の検討に活用されている。 |
| ex situ 保全(園芸・植物園での栽培) | 世界の植物園・コニファーコレクションにトガリバマキが組み込まれ、種苗の維持・増殖を通じて野外絶滅に備える ex situ 保全が進められている。 |
| 地域・コミュニティによる植栽・普及 | 桃米生態村などでは、トガリバマキを「里樹」として選定し、地域の公園や道路沿いに積極的に植栽。風致・土壌保全樹として利用しながら、希少種の存在を住民が身近に感じられるようにしている。 |
最後に
IUCNレッドリストって、多くの種で10年くらい評価が更新されないことも珍しくないんだね。
でも、そのあいだにも気候変動はどんどん進んでいるので、「もしかして、その間に絶滅してしまっていないかな……」と心配にもなります。
本当は一番新しい状況を知りたいけれど、その情報にたどり着くのはなかなか難しいのが現実だよね。
とくに、ここ最近の気候変動の影響はやっぱり気になります。
私も、できる限り最新の情報まで追いかけてみようと思います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査の目的 | IUCN(グローバル)の情報よりも新しい、台湾現地(ローカル)の最新の保全状況を調べるために、2014年図鑑以降の動きを確認した。 |
| 結論の概要 | トガリバマキは「放置」されているわけではなく、2024年時点でも台湾現地で能動的に監視・保護の対象となっている。 |
| 台湾レッドリスト更新(2017年) | 2017年に「台湾維管束植物レッドリスト」が更新され、トガリバマキは Endangered(EN:絶滅危惧IB類)と評価。危機的状況との認識は、IUCN同様に現地でも継続している。 |
| 絶滅危惧植物分布緩衝帯図(Buffer Zone Map) | 2020年に初版公開、2024年に精度を高めたVer.2.0へ更新。トガリバマキ(桃實百日青)も掲載されており、「このエリアには本種がいるため、ソーラーパネル設置や道路建設などの開発を避けるべき」というアラートを出す仕組みとして運用されている。 |
| デジタルによる保全の意味 | 生息地は「手付かずで放置」ではなく、「開発の魔の手から守るためのデジタル上のバリア」が張られている状態にある。 |
| 気候変動・台風によるリスク | 蓮華池など自生地の長期モニタリングから、気候変動に伴う台風の大型化により、倒木や土砂崩れのリスクが高いと指摘されている。 |
| 更新(世代交代)の難しさ | 親木の下には稚樹が育っているものの成長がきわめて遅く、台風等で親木が倒れ環境が急激に変化すると、次世代がうまく育たない可能性がある。 |
| 現在の状況整理 | × 手付かずで放置:誰にも見られていないわけではない。 ○ 厳重な監視下:2024年現在も分布データが更新され、開発回避の対象となっている。 |
| 全体のリアルな課題 | 人間側では監視・規制の仕組みを整えつつある一方で、「気候変動(台風・乾燥など)という空からの脅威」に対しては対処に限界があり、依然として予断を許さない状況が続いている。 |
トガリバマキ(Podocarpus nakaii)は、IUCNでは2013年評価のENのままだが、台湾では2017年の維管束植物レッドリストでもENと再評価され、危機的状況が維持されている。さらに、絶滅危惧植物分布緩衝帯図の整備により開発回避区域としてデジタル管理され、能動的に監視・保全の対象となっている。一方で、台風の激甚化や更新速度の遅さにより、気候変動起因のリスクは依然として高い。
2017年には、「台湾維管束植物レッドリスト」でトガリバマキの評価が更新されていました。残念ながらカテゴリーはENのままだったけれど、「放置されて絶滅してしまったわけではない」と分かっただけでも、少しほっとします。
やっぱりIUCNのレッドリストは「世界地図」みたいなもので、「このあたりに危ない種がいるよ」という大きな位置情報を示してくれる存在なんですよね。
でも、そこから一歩踏み込んで、ある一種についてもっと詳しく知りたいときは、日本なら日本のレッドリストや各地域のレッドデータブックのように、「国や地域ごとの、より細かい地図」があるととても心強いです。
そうしたローカルな情報源をもう少し掘り下げてみたいと思います。
| 国・地域 | 正式名称・リスト名 | URL (主な参照先) | 特徴 |
| 日本 | 環境省レッドリスト (Ministry of the Environment Red List) | 環境省 自然環境局 | 日本国内の評価。定期的に見直しが行われている。 |
| 台湾 | 臺灣紅皮書名錄 (Red List of Taiwan) | 林業及自然保育署 | トガリバマキの情報はこちら。 独自の評価基準で非常に詳しい。 |
| アメリカ | 合衆国魚類野生生物局 (USFWS) Endangered Species Act (ESA) | ECOS (Environmental Conservation Online System) | 「絶滅の危機に瀕する種の保存法」に基づく法的リスト。検索システムが強力。 |
| カナダ | カナダ絶滅危惧野生生物の現状に関する委員会 (COSEWIC) | Species at Risk Public Registry | 科学的な評価(COSEWIC)と、政府の保護リスト(SARA)が連動している。 |
| 英国 | JNCC Red Lists (Joint Nature Conservation Committee) | JNCC (英国内合同自然保護委員会) | 英国全体の評価。分類群(鳥、虫、植物など)ごとにリストが分かれていることが多い。 |
| EU (欧州) | ヨーロッパ・レッドリスト (European Red List) | IUCN European Red List | 国単位ではなく「ヨーロッパ地域」としての評価。IUCNの欧州支部が主導。 |
| オーストラリア | EPBC Act List of Threatened Fauna/Flora | Department of Climate Change, Energy, the Environment and Water | 独自の固有種が非常に多いため、リストも膨大で詳細。 |
| ブラジル | ブラジル絶滅危惧種リスト (Livro Vermelho) | ICMBio (Chico Mendes Institute) | アマゾンなど生物多様性の宝庫。政府機関ICMBioが管理。 |
| 中国 | 中国生物多様性レッドリスト (China Biodiversity Red List) | 中華人民共和国生態環境部 | サイト内検索が必要な場合が多いが、近年は植物・脊椎動物ごとの詳細なリストを公表。 |
| 南アフリカ | SANBI Red List | SANBI (South African National Biodiversity Institute) | 植物の宝庫であり、植物に特化した非常に使いやすい検索サイトを持っている。 |
便利な「まとめサイト」について
実は、世界中のナショナル・レッドリストを集約しようとしている国際的なプロジェクトもあります。
- The National Red List (ナショナル・レッドリスト・プロジェクト)
- URL: https://www.nationalredlist.org/
- ロンドン動物学会などが主導しており、各国のリストを検索できるデータベースを目指しています(※更新が止まっている国もありますが、入り口として便利です)。
本表は、日本・台湾・米国・カナダ・英国・EU・オーストラリア・ブラジル・中国・南アフリカなど、主要国・地域における絶滅危惧種リストおよび関連データベースの正式名称・参照先・特徴を整理したものである。各リストは法制度や評価主体、対象分類群、検索性に差異があり、グローバルなIUCNレッドリストを補完するローカル情報源として機能している。さらに、「National Red List Project」による各国レッドリストの集約的データベースの存在も示され、国際的保全評価のインフラ状況を概観する資料となっている。
ナショナル・レッドリスト・プロジェクトって、いい取り組みだよね。ちょっと触ってみた感じ、まだ「全部がまとまってる!」ってところまでは行っていないけど、それでも「世界はひとつなんだ」って実感できるプロジェクトだなと思う。
まだ少し物足りなさはあるけれど、方向性としてはすごく好きです。
孔子は「四海の内、皆兄弟なり」と言いましたが、いまの時代で言うなら「すべての海、皆同じ遺伝子プールなり」なんだろうなと思います。
目の前の小さな虫から、世界中に広がる菌や微生物にいたるまで、「私たちはみんなつながっているんだ」と本気でイメージできたとき、世界は少しずつ、本来あるべき姿に戻っていくのかもしれません。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
トガリバマキに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin





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