※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。
ブハマサンゴ(Porites lutea)は、
2014年、図鑑に【LC:低懸念】として分類されていました。
2024年、IUCNレッドリストで、【LC:低懸念】と評価されました。
つまり、2014年から2024年にかけて、ブハマサンゴは
「時の流れを超えて、青い海に溶けていた」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるブハマサンゴの最新評価は2024年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/133082/165711249
平熱の「微熱」が示す、海と地球の異常事態
⬇︎ブハマサンゴの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ブハマサンゴ |
| 英名 | Lobe Coral / Porites Coral |
| 学名 | Porites lutea |
| 分類 | 刺胞動物門・花虫綱・イシサンゴ科 |
| 分布 | インド太平洋全域(紅海から日本、太平洋の島々まで) |
| 生息環境 | 浅いサンゴ礁(潮間帯〜水深15mほど) |
| 形態 | 半球状やドーム状の大きな群体を形成する |
| 大きさ | 数mを超える群体になることもある |
| 寿命 | 数百年以上生きる個体もある長寿のサンゴ |
| IUCNレッドリスト | 低危険種【LC:低懸念】 |
特徴
- 見た目:丸みを帯びた塊状で、表面には小さなポリプの穴が並んでいる。
- 色彩:黄褐色や緑色が多く、褐虫藻の影響で色が変わる。
- 骨格:硬い石灰質の骨格を持ち、サンゴ礁を形成する主要種のひとつ。
- 共生:体内に褐虫藻をもち、光合成によるエネルギーを利用する。
生態と行動
- 食性:褐虫藻の光合成産物を主なエネルギー源としつつ、触手でプランクトンも捕食。
- 成長:非常にゆっくりで、1年に数mm〜数cmしか成長しない。
- 産卵:多くは夏の満月の夜に一斉産卵する「同期産卵」を行う。
- 役割:サンゴ礁の骨格をつくり、魚や無脊椎動物の住処を提供する重要な存在。
- 脅威:海水温上昇による白化現象や海洋汚染、沿岸開発によって減少が懸念される。
2014年絶滅危惧種:ブハマサンゴ【LC:低懸念】
ハマサンゴ類はまた、水族館・水生生物飼養者との商取引を目的とした大々的収集の対象にもなっており、気候変動や海洋酸性化といった予想される影響を前に、この種の生息状況が定期的に再評価されることが重要である。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1. 海洋酸性化の進行 | 気象庁「日本の気候変動2025」により、日本近海および北西太平洋でも酸性化が世界平均と同程度の速度で進行していることが確認。大気中CO₂濃度の高さが根本原因であり、もはや疑う余地のない観測事実。 |
| 2. 酸性化の影響の実証 | 2024年、東京大学研究チームがハマサンゴ(Porites属)の骨格を分析。自然環境下で海洋酸性化が骨格形成を阻害していることを世界で初めて実証。ブハマサンゴを含む仲間のサンゴに決定的な脅威であることが明らかに。 |
| 3. 高水温との複合ストレス | 2024〜2025年、世界的な記録的高水温により「第4の世界規模サンゴ白化」が発生。世界のサンゴ礁の8割以上が影響。酸性化で弱ったサンゴは白化からの回復力が落ち、死滅リスクが一層高まっている。 |
ブハマサンゴの危機的状況
| 脅威 | 現状 |
|---|---|
| 骨格形成の阻害 | 海洋酸性化によって骨格が作られにくくなり、日本の海でその影響が確認済み。 |
| 白化からの回復力低下 | 記録的高水温により広範囲で白化が発生。酸性化で体力を失ったサンゴは回復が難しい。 |
| 絶滅危惧種増加の流れ | IUCNは気候変動を理由に多くのサンゴを絶滅危惧種に指定。ブハマサンゴもその流れの中にあり、今後の評価悪化が懸念される。 |
2025年現在、海洋酸性化は単なる進行中の問題ではなく、記録的な海水温の上昇と相まって、サンゴ礁生態系にとって「複合的かつ深刻な危機」として現実化している。
したがって、商取引を目的とした収集の対象にもなっているブハマサンゴの保全を考える上では、乱獲のような直接的な脅威だけでなく、気候変動(海洋酸性化と海水温上昇)という、より広範で深刻な脅威を最優先で考慮する必要性が一層高まっている。
⬇︎ブハマサンゴの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 産卵地の保護 | サンゴの産卵期にダイバーや船舶の立ち入りを制限し、産卵・受精環境を保全 |
| 混獲の防止 | サンゴ漁や採取を規制し、観賞用や建材利用による乱獲を防ぐ |
| 海洋ゴミ対策 | 漁網やプラスチックごみによる被害を減らすため、回収活動や削減啓発を推進 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際商取引を規制 |
| 保護区の設定 | 海洋保護区(MPA)内でのサンゴ礁保全、漁業制限や観光規制を実施 |
| 市民・地域参加 | ビーチクリーン、サンゴ移植活動、エコツーリズムによる環境教育 |
| 研究とモニタリング | サンゴ白化現象や海水温上昇の影響を長期的に観測、遺伝的多様性を研究 |
主な取り組み
- 産卵期保護:サンゴの一斉産卵を守るため立ち入りを規制
- 採取規制:サンゴ漁や違法採取を制限
- プラスチック削減:海洋ごみ対策で白化や病気を防止
- CITES規制:国際取引の規制と監視
- 海洋保護区:サンゴ礁全体を含む保護区の整備
- 地域参加:住民や観光客によるサンゴ移植や啓発活動
- 科学調査:白化や酸性化への影響をモニタリング
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
「海水温が上がるっていっても1度ぐらいでしょ?」
と、あなたの平熱が36.5℃として、37.5℃になったらどうでしょう?
私も少し感じていたので、調べてみますね。
「酸性化するとサンゴが作れないよね…」
と、アルカリ性の海の心配をしますか?
感じ方は、いろいろあると思います。
| 視点 | 解説 |
|---|---|
| 人間の体温に例える | 平熱36.5℃ → 37.5℃は「微熱」で異常事態。海の平均水温が1度上昇するのも、地球全体が「微熱」を発しているサイン。 |
| エネルギーの蓄積量 | 海の熱容量は大気の1000倍以上。水温1度上昇は、大気温度を1000度以上上げるのに相当する膨大な熱エネルギーの蓄積を意味する。 |
| 生態系の安全装置 | サンゴは水温1〜2度の上昇でも白化を起こす。これは「生命維持の安全装置」が誤作動するような状態で、長期化すれば死滅につながる。 |
| 異常気象の燃料 | 水温1度上昇で大気の水蒸気量は約7%増加。台風の巨大化や線状降水帯の発生を促し、スーパー台風・集中豪雨といった災害の原因となる。 |
私たちの日常では、気温が1度変わっても「少し暖かいかな?」と感じる程度で、それほど大きな変化には思えない。
しかし、海にとっての「1度」は、陸の「1度」とは全く意味が違い、それは惑星規模の「発熱」を示す、非常に重大なサインである。
海の「1度」の上昇は、
- 地球全体の健康状態が悪化している「微熱」のサイン
- 桁違いの異常なエネルギーが蓄積された証拠
- サンゴなど繊細な生態系の生存を脅かす引き金
- 巨大台風や豪雨を頻発させる強力な燃料
という、多岐にわたる重大な意味を持っている。
「わたしたち」が日常で感じる「ちょっとだるいな?」といった微熱とは全く次元の違う、地球規模の非常事態なのである。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ブハマサンゴに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、ブハマサンゴたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



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