※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、イタティアイアコウチガエル(学名:Holoaden bradei)を「一本の毛」にたとえた話です。
2014年の図鑑では、すでに絶滅してる可能性もあるって書かれていて、評価は「CR:深刻な危機」でした。で、最新のIUCNレッドリストを見ても、その後に生存が確認された記録はなくて、成熟個体数は0〜49。分布図にもPossibly Extinct(絶滅した可能性あり)の注記がついていて、結局いまも「CR:深刻な危機」のままなんですよね。
だから、このカエルはいまもう、「消えたかもしれない、糸の先」みたいな状態なんだと思います。
この記事は短くて、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2021評価(2023年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Holoaden bradei)
「0〜49」と「Possibly Extinct」が意味すること
⬇︎イタティアイアコウチガエルの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | イタティアイアコウチガエル |
| 英名 | Itatiaia Highland Frog |
| 学名 | Holoaden bradei |
| 分類 | 両生類・無尾目(カエル目)・Strabomantidae(ツノガエルモドキ類の仲間として扱われる系統) |
| 分布 | ブラジル南東部のイタティアイア山地(イタティアイア国立公園周辺)の高地にのみ分布する固有種。確認されている範囲は非常に狭く、局地的な分布に限られる。 |
| 主な生育地 | 高地の草地や低木地、まばらな森林の地表(落ち葉の下、石の下、腐植の中など)。地上性で、隠れ場所が多い冷涼な環境に依存する。 |
| 大きさ | 体長(吻端〜総排泄孔)で約16.5〜37mmほどの小型種とされる。 |
| 体重 | (小型の両生類で、代表値が整理されにくい) |
| 寿命 | 野外での寿命の目安ははっきり示されにくい(長期的な個体追跡が難しいため)。 |
特徴
- 名前の由来:種小名「bradei」は、ブラジルの植物学者アレクサンダー・クルト・ブラーデ(A. C. Brade)にちなむとされる。
- 見た目:ずんぐりした小型のカエルで、体色は褐色〜オリーブ系に暗色斑が混じると説明されることが多い。地面の落ち葉や土に紛れるタイプ。
- 暮らし方:地表性で、葉の下・腐植・石の陰などに潜む。目立つ行動をしないため、そもそも見つけにくい。
- 希少性:分布域が極端に狭い上に、高地という“逃げ場が少ない場所”に閉じ込められているタイプの希少種。近年は野外で長期間確認されていないとされる。
- 保全状況:IUCNでは CR(深刻な危機)として扱われ、資料によっては「PE(おそらく野外絶滅)」の扱いになっていることがある。
生態など
- 生育環境:標高の高い冷涼な環境(山地の草地・低木林・疎林)で、地表の湿り気と隠れ場所が維持されることが重要になる。
- ふえ方(繁殖):直接発生(卵からオタマジャクシを経ず、小さなカエルとして生まれる)とされ、地表環境の崩れに弱いタイプ。
- 隠れ場所:石の下、落ち葉の層、腐植土、地上性の植物の根元など、乾燥や寒さを避けられるミクロな環境に依存する。
- 脅威:気候変動や異常気象(寒波・乾燥など)、生育地の劣化、火災、そしてカエルツボカビ症(Bd)などの感染症リスクが重なると致命傷になりやすい。
- 状況の難しさ:保護区内にいても安心できないタイプで、環境条件の変化や病原体の影響だけで一気に消える可能性がある、と考えられている。
出典
最終評価2021年:イタティアイアコウチガエル「CR:深刻な危機」
この種はブラジル南東にあるイタティアイア山脈の小さな領域にしか生息しておらず、またこの30年間生きて発見されたという記録は1件もない。すでに絶滅した可能性もある。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| 種名 | イタティアイアコウチガエル | イタティアイアコウチガエル |
| 英名 | Itatiaia Highland Frog | Itatiaia Highland Frog |
| 学名 | Holoaden bradei | Holoaden bradei |
| 分類 | ユビナガガエル科(ユビナガガエル科として掲載) | カエル類(Itatiaia Highland Frog として掲載) |
| レッドリスト区分 | 絶滅危惧IA類(CR) | 絶滅危惧IA類(CR) |
| 現状の扱い | 絶滅した可能性もあるが、分類はCRのまま | POSSIBLY EXTINCT(絶滅した可能性あり)のフラグ付きで、分類はCRのまま |
| 成熟個体数(推定) | (記述なし) | 0–49 |
| 個体数の傾向 | (記述なし) | Unknown |
| 発見・生存確認の状況 | 「この30年間、生きて発見された記録は1件もない」 | 成熟個体数が0–49に含まれ、Possibly Extinct の扱いが付いている |
| 最後の確実な目撃 | (記述なし) | 1976年が最後とされる(複数資料で言及) |
| 生息地の範囲 | ブラジル南東部のイタティアイア山脈の小さな範囲に限られる | ブラジル南東部・イタティアイア高地の非常に限られた範囲に限られる |
| 保護区との関係 | 生息域はイタティアイア国立公園の内部にある | 生息域は保護区内とされるが、再確認ができていない前提で扱われる |
| 今後に必要なこと(本文の方向性) | 調査が必要/個体が見つかれば生息地の保護など緊急対応が必要 | CRのまま維持されており、再確認と保全が必要な状態が続いている |
| 評価・発表のタイムラグ | 図鑑(2014年版)の掲載時点でCR | 2021年評価(Last assessed)/2023年反映(IUCN 2023として掲載) |
出典
2014年以降も生存確認は得られておらず、状況は改善していない。IUCNレッドリスト(2021年評価)では本種は絶滅危惧IA類(CR)に分類され、成熟個体数は0〜49と推定されている。さらに分布図にはPossibly Extinctの注記が付され、実質的な絶滅が強く疑われることが示唆される。2014年時点で約30年間発見記録なしとされたが、2026年時点では約40年以上未確認となり、最後の確実な目撃とされる1976年から半世紀近く経過している。
⬇︎イタティアイアコウチガエルの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地(高山帯)の保護 | 本種はブラジル南東部のイタティアイア山地のごく限られた高標高域に依存するため、国立公園などの枠組みで、生息環境(落ち葉層・岩の隙間・地表の湿り気)を守り続ける |
| 野外調査(再発見・生息確認) | 長期間記録が途絶えている可能性があるため、重点エリアを絞った調査を継続し、「まだ残っているか」「どこに残っているか」を確かめる(発見できれば次の保全につながる) |
| 疾病対策(ツボカビ症など) | 両生類の急減要因として病原体(ツボカビ菌など)が疑われる地域でもあるため、周辺種を含めて疾病監視・感染リスクの把握を行い、持ち込みや拡散を減らす |
| 人為攪乱の抑制(観光・踏み荒らし) | 生息域が狭いほど、人の立ち入り・踏み荒らし・登山利用の影響が効きやすいので、利用ルールの調整や立入管理でダメージを抑える |
| 火災の予防・管理 | 高山帯の火災は生息地を一気に変えてしまうため、火災予防(監視・啓発)や発生時の対応力を上げ、長期的に燃えにくい状態を維持する |
| 研究とモニタリング | 生息条件(気温・湿度)や周辺環境の変化、同じ場所にいる他の両生類の動向などを継続的に記録し、減少の兆候を早めに掴んで対策を更新する |
| 国家行動計画(PAN)による保全推進 | 地域の希少な爬虫類・両生類をまとめて守る国家計画の枠組みに入れ、調査・保護・普及を連動させて進める |
| 域外保全(保険としての備え) | もし野外で見つかった場合に備え、飼育下での保全(アシュアランス)や遺伝的多様性の確保など、「最悪の事態でも残すためのバックアップ」を検討する |
出典
- AmphibiaWeb(種情報と保全状況)Holoaden bradei
- ICMBio(ブラジル政府)PAN Herpetofauna do Sudeste(行動計画)
- ConservationNeeds(AArk/ASGの評価)Holoaden bradei Summary report
- FAPESP(解説記事)Retroactive epidemiology(ツボカビと絶滅リスクの文脈)
- 論文(Bd/ツボカビ症とブラジルの両生類減少)Historical amphibian declines and extinctions in Brazil linked to chytridiomycosis
最後に
これを読んでみて、どう感じましたか?
もう絶滅しちゃったのかね。たぶん科学者たちも「もういないんじゃないか」って思ってるんだろうけど、絶滅したって断言できる証拠がないから、「POSSIBLY EXTINCT(絶滅した可能性あり)」ってマークになってるんだろうね。
でもさ、不謹慎かもしれないけど、この1種がいなくなっても、世界って普通に回るじゃん?正直、何か困ることってあるの?って思っちゃうんです。生物多様性って言われても、たかが1種でしょ、って感じる人も多いんじゃないかな。
そういう疑問って、たぶんあなただけじゃないと思うんですよね。
実際、同じように感じてる人はけっこういると思うので、ちょっと調べてみますね。
| 項目 | 内容 | 要点 |
|---|---|---|
| 「飛行機のネジ」の話(リベット仮説) | 生態系を飛行機の翼にたとえ、そこを支える無数のリベット(ネジ)が生物種だと考える見方。1本抜けてもすぐ墜落しないことはあるが、抜き続けた先でどこが限界点になるかは事前にわからない。 | 1種の消失はすぐ大惨事に見えなくても、積み重なるとある瞬間に崩れる可能性がある。どれが最後の1本になるかは予測しにくい。 |
| 「読まずに燃やした図書館の本」の話(実利の視点) | 両生類の皮膚分泌物には、微生物への防御に関わる抗菌ペプチドなど、生理活性物質が多く含まれることが知られている。特殊な環境に適応してきた種ほど、そこにしかない化学的特徴を持つ可能性がある。絶滅は、その“情報”を調べる前に永遠に失うことに近い。 | 役に立つかどうかが今すぐ分からなくても、将来の医療や科学のヒントを含む可能性ごと消える。取り戻せない損失になる。 |
| 「炭鉱のカナリア」の話(環境モニタリング) | 両生類は皮膚が透過的で、生活史の中で水域と陸域の両方に関わるため、環境変化の影響を受けやすいとされる。個体数の急減や姿が消える現象は、病原体・気候変動・汚染など、環境のバランスが崩れている可能性を示すサインになる。 | 問題は「カエルがいない」ことそのものだけじゃなく、「カエルですら生きられない環境に変わった」可能性がある点。警報として重い。 |
| 「存在の複数性」の話(哲学的視点) | 世界の厚みは、人間とは違う論理で生きる存在が無数にいることで成り立つ、という捉え方。長い時間をかけて成り立った固有の命が、人の都合で短期間に消えることには、損得とは別の喪失感がある。二度と戻せない不可逆性への感覚が鈍ると、何でも切り捨てる発想が強くなる。 | 「役に立つか」だけで測れない価値がある。失われたものが戻らない、という事実自体が社会の感覚を削っていく。 |
出典
- リベット仮説(原典の一例)BioScience “Rivets and redundancy” (Ehrlich, 1998)
- アーレントの複数性(引用を含む解説PDF)Hannah Arendt: Challenges of Plurality (2020)
- 両生類の皮膚由来の薬候補(総説)MDPI “Peptides Isolated from Amphibian Skin Secretions…” (2022)
- 両生類は「炭鉱のカナリア」(感受性の整理)PubMed “An examination of amphibian sensitivity…” (Kerby et al., 2010)
「飛行機のネジ」の話(リベット仮説)って、たしかにめちゃくちゃ分かりやすいね。映画とかでも、飛んでる飛行機のリベットがひとつ外れたと思ったら、そこから次々に外れていって、最後にはバラバラに……みたいなシーン、あるもんね。そう考えると、イタティアイアコウチガエルがいなくなるって、「たかが1種」どころじゃなくて、かなり大事な1種なんだって思えてきたよ。
ほんとそれなんだよね。映画で言うなら、もうひとつ似たようなやつもあるよね。
セーターの裾から、毛糸が一本だけ「ちょろっ」て出てるのを見つけてさ。気になってる人がそれをスッて引っ張ったら、「あれ〜?」ってなって、実は全部つながってて、最後は丸裸になっちゃうってやつ。あれ、見てるぶんには笑えるんだけど、現実の話に置き換えると普通に怖いよね。
でさ、毛糸って細い毛を何本も紡いで作ってるじゃん。その細い毛の一本一本が、生物多様性だと思うんですよ。人間もその一本の毛だし、もちろんカエルも一本の毛としてね。
その一本一本が、たぶん偶然とか自然の流れの中で紡がれて、毛糸になって、それがものすごく長い時間をかけて編まれて、いまの丸い地球になってる……って考えたらさ、一本の大切さって見えてくる気がするんだよ。
だって、ちょろっと出てる毛糸を引っ張って、地球を丸裸にしたら困るじゃん。地球が「ちょっと寒いんだけど…」って言い出すかもしれないよね。
だから、ほころんだ部分があったらライターで焼く、とかじゃなくてさ。優しく綻びを直したり、だれかが引っ掛けて開けた穴を、違う毛糸で編み直したりね。
暑くなったら、毛糸の隙間をみんなで引っ張り合って広げて、空気を入れて冷やすとかね。逆に寒い時は、ぎゅっとみんなで丸まって暖まる、とか。そういうふうにできたらいいなって、つい妄想してしまいましたよ。
でも、現実は、皆で同じ一本の毛糸を必死に奪い合ってるけどね。
ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。
貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
イタティアイアコウチガエルに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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