11年後のレッドリスト|アルダブラマイマイ:沈まない島で、消えかける【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アルダブラマイマイ:沈まない島で、消えかける【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、アルダブラマイマイ(学名:Cyathopoma picardense)は「マングローブは天然の護岸職人」って話です。

2014年の図鑑では、アルダブラ環礁が海抜の低い場所が多く、海面上昇の影響を受けやすいことから、「EN:危機」と評価されていました。ところが最新のレッドリストでは、島そのものが予想よりもしぶとく残ってる可能性がある、とされつつも、評価は「EN:危機」のままでした。

だから、アルダブラマイマイは「沈まない島で、消えかける」状態なのだと思います。

この記事は短くて、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2006評価(2009年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Cyathopoma picardense

アルダブラマイマイの現状まとめ|評価は止まり、危機は続く

⬇︎アルダブラマイマイの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|アルダブラマイマイ(英名:定着した英名なし)
項目情報
和名アルダブラマイマイ
英名一般的な英名は定着していない(Aldabra land snail などと説明されることがある)
学名Cyathopoma picardense
分類動物界・軟体動物門・腹足綱(オカタニシ上科 Cyclophoroidea/サイクロフォルス科 Cyclophoridae)
分布セーシェル共和国のアルダブラ環礁(Picard島・Malabar島・Grande Terre島)固有
主な生育地海岸性の低木林(coastal scrubland)や林地(woodlands)など、海抜の低い陸上環境
大きさ殻の高さ 1.0〜1.6mm、殻の幅 1.1〜1.8mmほどの極小の陸産巻貝
体重(貝類のため、野外での一般的な体重データは示されにくい)
寿命野外での寿命は明確な情報が少ない(小型の陸産巻貝としては環境条件の影響を受けやすいと考えられる)

特徴

  • 名前の由来:種小名「picardense」は、基準産地(タイプ産地)である Picard Island(ピカール島)に由来する。
  • 見た目:灰色で小さく丸みのある殻をもち、殻表面には細かな筋や螺旋状の構造がある。フタ(オペルクルム)をもつタイプの陸産貝である。
  • 希少性:アルダブラ環礁の限られた島だけに分布する固有種で、分布域が極端に狭い。
  • 保全状況:IUCNレッドリストでは EN(危機)として扱われ、分布の狭さと生息地悪化リスクの高さが問題視される。

生態など

  • 生育環境:アルダブラ環礁の海岸近くの低木林や林地など、標高の低い場所に生息する。
  • くらし:陸上でくらす小型の巻貝で、落ち葉や地表付近の湿り気が残る場所など、微小な環境に依存していると考えられる。
  • ふえ方(繁殖):陸産巻貝の仲間として、陸上で繁殖し世代をつなぐタイプだが、本種だけの詳しい繁殖生態は情報が多くない。
  • 脅威:海抜の低い島に集中するため、海面上昇(気候変動)による生息地への影響が大きなリスクになる。加えて、島嶼生態系全体に共通する外来生物・環境改変なども長期的な圧力になり得る。

出典

最終評価2006年:アルダブラマイマイ「EN:危機」

気候変動による影響の可能性を考え、人工的な繁殖を考えるとともに、この種の遺伝子をゲノム DNAデータバンクに保存すべきであろう。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

ざっくり何が言いたい?2014年の図鑑に書いてあったこと2026年にIUCNを見てわかったこと
結論(いまの立ち位置)アルダブラマイマイ(Cyathopoma picardense)は、絶滅危惧IB類(EN)になっている。2026年に見ても、ステータスは絶滅危惧IB類(EN)のまま。変わっていない。
評価の「新しさ」図鑑の情報は、当時のIUCN評価を元にしている。IUCN上の最終評価日は 2006年1月11日 のまま更新されていない。つまり「改善したから変わらない」じゃなくて、「評価が新しく作り直されていない」状態。
減ってるの?どうなの?個体群の状況を掴む必要がある、みたいな書き方だった。IUCNでは個体数トレンドは Decreasing(減少)になっている。減ってる前提のまま
何がいちばん危ない?海抜が低い場所に住んでいるので、海面上昇が大きな脅威になる。そこは今も変わっていない。島が低い場所だと「ちょっと水位が上がっただけ」で生息地が削られる可能性がある。
図鑑にあった「人工繁殖」と「DNA保存」気候変動の影響も考えると、人工的な繁殖や、遺伝子(ゲノムDNA)を保存しておくべきだろう、という提案が書かれていた。2026年時点で、Cyathopoma picardense の人工繁殖が成功した、DNA保存が完了した、みたいな公式の達成報告は見つからない。図鑑の文章は「やるべきこと」として残っている感じが強い。
2014年以降に出てきた希望図鑑のトーンはどちらかというと、将来がかなり厳しい雰囲気だった。2024年に出た研究で、アルダブラ環礁の海岸線は「思ったより持ちこたえている」可能性が示された。1960〜2011の51年間で、海岸線の61%は変化なし、変化があった場所でも平均の変化速度が小さい、という結果が出ている。
じゃあ安心なの?沈んだら終わり、みたいな怖さがあった。島の輪郭が粘ってるのは希望なんだけど、だからといって安心とは言えない。生き物の生活場所は「海岸線の形」だけじゃなくて、地面の高さ、植生、乾燥、塩害、高潮とかにも左右されるから、低地にいるリスク自体は消えてない
まとめ(いまのリアル)ENで、気候変動が怖い。だから人工繁殖やDNA保存が必要、という提案が載っていた。ENのまま、評価は2006年から止まったまま。減少トレンドもそのまま。人工繁殖やDNA保存は「完了した話」ではなく、まだ課題っぽい。ただ、島そのものが予想よりもしぶとく残ってる可能性は、近年の研究で見えてきた。

出典

アルダブラマイマイ(Cyathopoma picardense)は、IUCNレッドリストにおいて絶滅危惧IB類(EN)に位置づけられ、最終評価日は2006年1月11日であり、その後の再評価は確認されない。個体数トレンドは減少とされ、主要な脅威として海抜の低い環礁環境に起因する海面上昇リスクが挙げられる。人工繁殖やゲノムDNA保存は提言として示されているが、達成を示す公的記録は乏しい。一方、近年の研究では環礁海岸線が一定の安定性を示す可能性が報告されている。

⬇︎アルダブラマイマイの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護アルダブラ環礁の沿岸低木林・沿岸林など、海抜の低い場所に限られる生息環境を守るため、立入や利用を管理し、生息地の改変を抑える
保護区の設定・運用生息地が含まれるアルダブラ特別保護区(世界遺産エリア)の保全管理を継続し、島全体の自然環境を保護する仕組みを維持する
外来種対策(侵入予防・防除)ネズミなどの外来生物の侵入を防ぐため、物資搬入時の検疫・点検、持ち込み経路の管理、監視体制などを強化する(バイオセキュリティ計画に基づく)
外来種の影響軽減(根絶・管理計画)生態系全体への負荷を下げるため、ネズミ・ネコなど侵略的外来種の根絶や管理の検討・準備を進め、在来生物が生き残れる環境を作る
気候変動への適応(海面上昇リスクへの備え)生息地の多くが低地のため、海面上昇で生息域が失われる可能性が高い。高リスク区域の把握、影響予測、避難的保全(保全区域の優先順位付けなど)を進める
研究とモニタリング分布が極端に狭い種なので、生息地点の継続確認、個体数の変化、生息環境の状態(乾燥化・塩害など)を定期的に記録し、早期警戒につなげる
予備的保全(域外保全の検討)長期的に生息地消失のリスクがあるため、繁殖・保全飼育、遺伝資源の保存など「最後の保険」になる手段を検討する

出典

最後に

読んでみて、どんなふうに感じましたか?

「島そのものが、予想よりもしぶとく残ってる可能性は近年の研究で見えてきた」って書いてあったんですけど、海面は上昇しているわけじゃないですか。となると、もしかして陸地が盛り上がってきているとか、そんなまさかの自然現象なんでしょうか。

それこそ、地球が一つの生命体みたいになってきますね。

ちょっと深掘りして調べてみます。


言いたいこと(雰囲気)何が起きてるのか(調べた結果)つまりどういうこと?(納得ポイント)
「地球がひとつの生命体みたい」って感覚、わりと当たってたアルダブラ環礁が海面上昇に耐えてる理由は、地面が今どんどん隆起してるから…というより、島のしくみ(岩と生き物と砂の流れ)がうまく回ってるからっぽい島がただの岩じゃなくて、環境に合わせて形を変えながら踏ん張ってる感じがする
1. 物理的な「隆起」は、今の話じゃない「陸地が盛り上がってる?」については、過去にそういう成り立ちがあったのは事実。アルダブラは隆起サンゴ礁で、古いサンゴ礁(約12万5千年前のもの)が持ち上がってできた地形らしい今リアルタイムでグングン上がってるわけじゃないけど、土台が強い島だった、っていうのは大きい
2. 過去の遺産が、いまも盾になってるアルダブラは「海抜8mくらいまで上がる場所がある」って言われていて、低い砂の島よりは波に強い石灰岩のふち(リム)が残ってるこれが第一の盾。外洋の荒波に対して、削られにくい“硬い壁”みたいな役目をしてる
3. いちばん面白いのは「島の内側」で起きてたこと2024年の研究では、1960〜2011の51年間で、海岸線の61%はほぼ変わっていなかった。だけど、変化が目立つ場所もあって、ラグーン側では砂浜がマングローブの場所に変わって、214mぶん前に出た例もあった海面が上がってるのに、場所によっては陸が増えてる。まさに「島が粘ってる」って感じが出るポイント
4. マングローブがやってることが、ほぼ土木工事マングローブは根っこで流れを弱めて、泥や砂を引っ掛けて溜めていく。結果として、地面が前に出たり、形が変わったりする生き物が勝手に堤防を作ってるというより、「砂を捕まえて足場を作り直してる」って感じが近い
5. 「人間が邪魔しなかった」ってのも大きい研究では、アルダブラは厳重に保護されていて、全体としては自然の砂の移動や地形変化が止められていない。だから島のダイナミックな変化が続けられているマングローブを伐ったり、護岸工事で砂の流れを止めたりすると、この手の自然の修復ループが壊れる。アルダブラはそれが起きにくかった
まとめ:アルダブラの「しぶとさ」の正体過去にできた強い土台(隆起サンゴ礁の石灰岩)と、現在も動いてる仕組み(砂の移動+マングローブの定着)が合体して、海面上昇に対して踏ん張れてる可能性がある「過去の遺産」と「いまの生命活動」がセットで効いてる。だから、地球が生き物っぽく見えてくるのも不思議じゃない
そして、あの小さなマイマイもアルダブラマイマイみたいな小さな生き物も、この「島全体の粘り」の上で、なんとか生き延びてるのかもしれないでっかい島の仕組みに守られて、ちいさい命がつながってる…そう考えると、景色が変わって見える

出典

うわ、これすごいね。もともとサンゴでできた硬い島だったってのもあるんだろうけど、マングローブが“護岸工事”みたいに、長い時間ずっと砂や石を受け止めて、海面上昇で波が強くなっても島を侵食から守ってくれてるって、めちゃくちゃすごいなって思う。

それと一番は、「人間が邪魔しなかった」ってとこだったっていうのが、嬉しいというか、ちょっと切ないというか。海面上昇は私たちが招いたことだし、それはマングローブには伏せておきたいよね。

人類が壊したものを、自然がゆっくり治していく感じってあるじゃないですか。ほんと、地球は一つの生命体だって言われるガイアを感じますよね。

これ、規模は全然小さいんだけど、自分の家の水槽でもちょっと近いことが起きるんですよ。フィルターのバランスは大事なんですけど、頻繁に水換えするのは最初のほうだけで、安定してからは、ある程度の期間は水換えをしないほうが水がとても安定するんです。

なんて言うのかな。魚の顔色を見てるとわかるんですよ。餌の食べっぷりも良くなるし、ペアで飼育してる個体だと、茂った水草に卵を産んで、いつの間にか繁殖してるときもあるぐらいで。

だからね。全然規模も違うし、飼育っていう“自然から生き物を切り離したこと”から学んだだけなんだけど、なんか似てるんですよ。「人間が邪魔しなかった」ってとこがね。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

アルダブラマイマイに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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