11年後のレッドリスト|アンタノシーヒルヤモリ:消えゆく森の片隅で、静かに時を抱えていた【IUCNレッドリスト比較】

アンタノシーヒルヤモリ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

アンタノシーヒルヤモリ(Phelsuma antanosy)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

2011年、IUCNレッドリストで【CR:深刻な危機】と評価されました。

つまり、2011年から、

アンタノシーヒルヤモリは「消えゆく森の片隅で、静かに時を抱えていた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアンタノシーヒルヤモリの最新評価は2011年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/63658/12704038

鉱山開発と森林伐採が奪う命の居場所

⬇︎アンタノシーヒルヤモリの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|アンタノシーヒルヤモリ(Phelsuma antanosy)
項目情報
和名アンタノシーヒルヤモリ
英名—(一般的な英名なし)
学名Phelsuma antanosy
分類爬虫類・ヤモリ科(昼行性ヤモリ属)
分布マダガスカル南東部のアンソシー地域、限られた森林断片に微小分布(生息域は約9平方キロメートル)
体長約10 cm(頭胴長+尾)
保存状況IUCN:Critically Endangered(絶滅寸前)

特徴

  • 昼行性ヤモリ属:鮮やかな緑色の体に赤色の模様があり、眼が大きく、日中に活動するヤモリ。まぶたはなく、舌で眼を舐めて清掃する。
  • 寄主植物への依存:特定のパンダナス種 Pandanus longistylus に強く依存し、卵の産卵もその樹上で行われる。寄生的依存性が高く、生息地変動に対する脆弱性がある。

生態と行動

  • 微小局地分布:マダガスカル南東部にあるごく限られた湿潤森林の断片にのみ生息し、2つの地点に分断された集団が残存。 int-res.com+1
  • 環境破壊による危機:森林伐採、炭材採取、農地化、鉱山開発(鉄鉱石採掘)によって、5つの森林断片のうち少なくとも1つ以上の消失が予測されている。
  • 保全対策:コミュニティとの連携による資源共同管理や森林修復、トランスロケーション(移送)計画が進められている。

2014年絶滅危惧種:アンタノシーヒルヤモリ【CR:深刻な危機】

⬇︎IUCNレッドリストのカテゴリ一覧です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

カテゴリ略称カテゴリ名説明
EX絶滅絶滅したと考えられる種
EW野生絶滅飼育下などで生存している種
CR深刻な危機極度に絶滅の危機にさらされている種
EN危機非常に絶滅の危機にさらされている種
VU危急高い絶滅の危機にさらされている種
NT準絶滅危惧近い将来絶滅の危機にさらされている種
LC低懸念絶滅危惧(CR・EN・VU・NT)の条件を満たしていない種
DDデータ不足十分な情報がないため評価できない種
NE未評価未評価の種

木材利用、石炭利用,農地転換のための樹木伐採、マングローブ樹木の選択的伐採によって、現存する生息地はさらにおびやかされている。またセントルーチェの下位個体群のひとつはチタン鉄鉱の採掘がはじまって消滅したと推定される。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

  • セントルーチェを含む南東マダガスカルの沿岸林地域は、イルメナイト(チタンの主要鉱床)に富んでいます。そのため、鉱山開発が行われています。
  • この採掘方式、とくに浚渫(すんせつ)鉱業は、植生を根こそぎ除去し、土壌や種子バンクも破壊する非常に破壊的な方法です。
  • マダガスカル南東部のリトラル(沿岸)林は非常に希少で、かつ種の固有性が高い生態系です。すでに約90%が人為的に消失しており、多くの固有植物や無脊椎動物が存在します。

採掘の規模とその影響

  • Rio Tinto(QMM)は、マンデナ、セントルーチェ、ペトリキの3地域でイルメナイト採掘を進めており、そこからの森林の段階的破壊が進行中です。
  • 採掘によって、今後40年で1,665ha程度の沿岸林が失われると予想されており、そのうち624haは「回避区域(Avoidance Zones)」として保護される計画です。
  • その他にも、80%近くの沿岸林が将来失われる可能性があるとの予測もあります。

結果的な生態的脅威:アンタノシーヒルヤモリ(Phelsuma antanosy)への影響

  • アンタノシーヒルヤモリは、セントルーチェの沿岸林に依存しており(範囲は10 km²未満)、鉱山開発による森林破壊は、この固有種の絶滅リスクを著しく高めています。
  • 一部では、セントルーチェのいくつかの個体群が採掘の開始によって消滅したと推定されており、その結果として「チタン採掘」の影響は深刻です。
  • 「イルメナイト採掘」とは、チタン資源取得のための沿岸森破壊を伴う鉱業活動を指す。
  • セントルーチェの希少な森林とアンタノシーヒルヤモリの生息地が、この採掘で消失の危機にある。

樹木は、二酸化炭素を吸収し、炭素として蓄える。

そして、成長しながら酸素を吐き出している。

コンクリートで作られた建造物。

アスファルトで覆われた道路。

「わたし」を含め、それに、違和感を感じなくなった人々。

⬇︎アンタノシーヒルヤモリの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護マダガスカル南東部の沿岸林や低地林を保全し、焼畑農業や森林伐採による生息地破壊を防止
外来種対策捕食や競合をもたらす外来動物(ネコ・ネズミなど)の侵入防止と駆除
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際取引には許可が必要
保護区の設定主な生息地を自然保護区に指定し、森林の開発を規制
市民・地域参加地元住民と協力し、森林再生活動や違法伐採防止を推進
研究とモニタリング分布・個体数・繁殖状況の調査、遺伝的多様性や気候変動の影響評価

主な取り組み

  • 森林保全:沿岸林や低地林の伐採を防ぐ
  • 外来種駆除:ネコやネズミなどの捕食者を排除
  • 国際保護条約:CITES附属書Ⅱで国際取引を規制
  • 保護区指定:主要生息地を自然保護区に設定
  • 地域協働:住民と協力して森林再生活動を推進
  • 生態調査:分布・個体数・遺伝情報をモニタリング

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「森なんて田舎行けばあるよ〜」

と、世界を狭めますか?

「うん、違和感あるけど、声に出せない」

と、感じているけど言葉にするのは怖い?

感じ方は、それぞれあると思います。

「わたし」は、排出される二酸化炭素の量に対して森林や湿地帯の面積が絶望的に少ないことが問題なんだと思う。出典:Trees and land absorbed almost no CO₂ last year. Is nature’s carbon sink failing?

スーパーに買い物に行って物を買うと、ほとんどのものが化石燃料から作られたビニールに覆われている。

毎週出すプラスチックゴミの山を見るとわかる。

一度、一年間半自給自足のような生活を試したことがあるけど、

驚くほど、プラスチックゴミが出なかった。

この先、もっと便利になると思うけど、不便を楽しむ余裕が『鍵』を握っていると思う。

そして最後に、世界の森林面積は約40.6億億ヘクタール(世界の陸地面積の31%)であり、

この規模では現在のCO₂排出量を十分に相殺するのは難しい現実があることをお伝えしておきます。

ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントから意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

アンタノシーヒルヤモリに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、アンタノシーヒルヤモリたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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