11年後のレッドリスト|アルダブラマイマイ:白い砂に、時を閉じ込めた小さな旅人【IUCNレッドリスト比較】

アルダブラマイマイ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

アルダブラマイマイ(Cyathopoma picardense)は、

2014年、図鑑に【EN:危機】と記載されていました。

2009年、IUCNレッドリストで【EN:危機】と評価されました。

つまり、2009年から、

アルダブラマイマイは「白い砂に、時を閉じ込めた小さな旅人」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアルダブラマイマイの最新評価は2009年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/168096/6447793

アルダブラマイマイを脅かす海面上昇の現実

⬇︎アルダブラマイマイの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|アルダブラマイマイ(Cyathopoma picardense)
項目情報
和名アルダブラマイマイ
英名—(一般的な英名なし)
学名Cyathopoma picardense
分類軟体動物・腹足綱・Cyclophoridae科
分布セーシェルのアルダブラ環礁(ピカード島、マラバール島、グランドテール島)に固有種として分布
保存状況IUCN レッドリスト:絶滅危惧(Endangered)

特徴

  • 分類と記載:「Cyathopoma picardense」は、ピカード島を由来とする種名で、2006年に正式記載された固有陸産巻貝。
  • 外殻の特徴:殻は非常に小型(高さ約1.0–1.6 mm)、幅約1.1–1.8 mmで、3¼回転の殻を持つ点が特徴とされる。

生態と行動

  • 生息環境:海岸の低地の低木林や沿岸林に生息し、標高は海抜0 mから約6 mまでの範囲に限られる。
  • 分布範囲の狭さによる脅威:アルダブラ環礁は多くが海抜1–2 mと低いため、海面上昇による生息地喪失のリスクが非常に高いとされる.
  • 保護状況と課題:アルダブラ環礁はアルダブラ特別保護区および世界遺産に指定されているが、種の個体数は減少傾向にあり、生態・個体数・生息地の監視が必要とされる。気候変動への対応として、人工繁殖や遺伝資源の保存(ゲノムバンク化)が提案されている。

2014年絶滅危惧種:アルダブラマイマイ【EN:危機】

⬇︎IUCNレッドリストのカテゴリ一覧です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

カテゴリ略称カテゴリ名説明
EX絶滅絶滅したと考えられる種
EW野生絶滅飼育下などで生存している種
CR深刻な危機極度に絶滅の危機にさらされている種
EN危機非常に絶滅の危機にさらされている種
VU危急高い絶滅の危機にさらされている種
NT準絶滅危惧近い将来絶滅の危機にさらされている種
LC低懸念絶滅危惧(CR・EN・VU・NT)の条件を満たしていない種
DDデータ不足十分な情報がないため評価できない種
NE未評価未評価の種

ほとんどのアルダブラ環礁が海抜1~2メートルであることから、アルダブラマイマイは海面上昇の大きな脅威にさらされている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

アルダブラ環礁はよく保護されており、1976年に特別保護区に、1982年には世界遺産に登録された。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

「海面が上昇するとどうなるんだろう?」って、気になったから調べてみた。

1975年から現在(2025年)までの約50年間の間に、

世界の平均海面水位はおおよそ13cmから15cm程度上昇した。

  1. 「13cmの水が、東京23区の低地を丸ごと覆う」
    • 海抜ゼロメートル地帯や堤防の高さは、数十cm〜数mの差で守られています。
    • 海面が13cm上がると、高潮や台風の時にその分だけ防御ラインが低くなる。
    • よって、浸水リスクは一気に跳ね上がります。
  2. 「バスタブの水面を13cm上げるのに必要な水量が、地球全体の海に注がれた」
    • 海の面積は約3.61億km²なので、13cmの上昇は約47,000立方kmの水量
    • これは琵琶湖の約1,200倍の水が海に追加された計算です。
  3. 「家の玄関の段差が1段分低くなる」
    • 普段は雨水が入ってこなかった家が、台風や高潮のときに簡単に浸水する高さ差です。
  4. 「津波の第一波が13cm高くなる」
    • 津波の威力は高さだけでなく、押し寄せる水量で決まります。
    • たった十数cmでも、沿岸防潮堤の余裕がなくなり、被害範囲が広がります。
  5. 「野球場の外野フェンスが13cm低くなる」
    • 普段ならギリギリ防げた“ホームラン”が、すべて越えていくような状況。
    • 沿岸防御の“フェンス”がそれだけ弱くなるということです。

そして、20世紀後半の数十年間は、平均して年間約2mm弱の上昇率だった。

衛星による精密な観測が可能になった1990年代以降には、

年間3mm台、近年では4mm台、場合によっては5mm近い上昇率を観測した。

主な原因は、地球温暖化による海水の熱膨張や、氷河・氷床の融解などで、

現在も、海面の上昇は進んでいる。

⬇︎アルダブラマイマイの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護セーシェル・アルダブラ環礁の固有の陸上生態系を保全し、外来種侵入や開発による生息地破壊を防止
外来種対策ネズミやカタツムリ捕食性の外来動物を駆除し、固有種への影響を軽減
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰにより国際取引を原則禁止
保護区の設定アルダブラ環礁全域をユネスコ世界自然遺産かつ厳重自然保護区として管理
市民・地域参加地域住民や研究者による外来種監視・駆除活動への参加
研究とモニタリング個体数・分布・生息環境の定期調査、気候変動の影響評価

主な取り組み

  • 生息地保全:アルダブラ環礁の自然環境を保護
  • 外来種駆除:捕食や競合をもたらす外来動物を排除
  • 国際保護条約:CITES附属書Ⅰで国際取引を禁止
  • 保護区管理:世界自然遺産・厳重自然保護区として保全
  • 地域協働:住民や研究者による監視・駆除活動
  • 生態調査:個体数や環境変化を長期モニタリング

最後に

これを読んで、どのように感じましたか?

「一年で5ミリだろ?」

と、些細なことと捉えますか?

「津波が来たら怖いな…」

と、更なる不安を感じましたか?

感じ方は、十人十色あると思います。

だけど調べてたら、30cm、あるいはそれ以上の相対的な海面上昇を経験している場所もあった。

ニュージーランドでは、土地沈降(地盤の下がり)+海面上昇により、18年間で約30cmの相対的海面上昇が観測された。これは、地盤沈下が年間3~4mmという速度で進んでいるためで、今後の洪水頻度が激増するリスクと言える。出典:Florida Climate Center

例えるなら、まるで、沈んだ堤防を越えて、増水した川が街へなだれ込むように、

海面が上がった場所で、同時に地面も下がるといったことが起きている。

アメリカ東海岸やメキシコ湾岸では、観測地点によっては1960〜2023年の間に相対的海面が8インチ(約20cm)以上上昇している。そして、特に沈降が進む地域では、海抜の安全マージンが大幅に削られている。出典:Climate Change Indicators: Sea Level

沈降は、地下水の過剰くみ上げ、石油・天然ガスの採掘、埋め立てや荷重による圧縮などが主な原因と言われている。

自然要因もあるのだろうが、大半は化石燃料を採掘して燃やしていることが原因だと思う。

ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

「怖いからやめてください」などのコメントも大歓迎です。

コメントから意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

アルダブラマイマイに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、アルダブラマイマイたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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