11年後のレッドリスト|タイガーテイルシーホース:ゆらめく海の影に、変わらぬ危機が潜んでいた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|タイガーテイルシーホース:ゆらめく海の影に、変わらぬ危機が潜んでいた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

タイガーテイルシーホース(Hippocampus comes)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2015年、IUCNレッドリストで、【VU:危急】と評価されました。

つまり、2014年から2015年にかけて、タイガーテイルシーホースは

「ゆらめく海の影に、変わらぬ危機が潜んでいた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるタイガーテイルシーホースの最新評価は2015年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/41008/128958172

タイガーテイルシーホースを脅かす“今”と、人間社会の影

⬇︎タイガーテイルシーホースの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|タイガーテイルシーホース(Tiger Tail Seahorse)
項目情報
和名タイガーテイルシーホース
英名Tiger Tail Seahorse
学名Hippocampus comes
分類魚類・ヨウジウオ科(Syngnathidae)
分布西中央太平洋(インド洋~東南アジア域)インド、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム等
主な生息地サンゴ礁、海藻藻場、スポンジ群集、浮遊赤藻 “サルガッソム” 付近
体長最大約15 cm程度(頭冠部から尾の先まで)
寿命確定的なデータは少ないが、飼育/野外ともに数年~数十年規模と推定

特徴

  • 体色と模様:名前の “タイガーテイル(虎の尾)” は、黄色と黒ないし暗色の縞模様が尾を含む体に現れることに由来しています。
  • 夫婦またはペア多数:この種は主にペアで生活しており、住み着いた領域(サイト)に非常に忠実であることが報告されています。
  • 食性:小型甲殻類、浮遊プランクトン、カイアシ類など動物性プランクトンを主に捕食する肉食性。
  • 繁殖様式:雄が尾の下(腹部近く)に育児嚢を持ち、卵を育てる「雄育仔(オスが抱卵)」の習性あり。
  • 生態的適応:サンゴや藻類に体を巻きつけてじっとしていることが多く、目立たないカモフラージュ戦略をとっています。

生態と行動

  • 夜行性傾向:この種は夜間あるいは薄暗い時間帯に活動が活発になるという報告があります。
  • 定着性:一度定着したサンゴ礁・藻場に長期間留まる “サイト・フィデリティ(site-fidelity)” が高い種です。
  • 繁殖・抱卵:雄が育児嚢内で卵を抱え、孵化した稚魚を送り出す。海藻やサンゴ枝に付着して抱卵する事例あり。
  • 生息地の脅威:サンゴ礁破壊、海藻藻場の消失、および薬用目的の乱獲が報告されており、漁獲量の減少が観察されています。

2014年絶滅危惧種:タイガーテイルシーホース【VU:危急】

タイガーテイルシーホースは、アクアリウム貿易と漢方薬のために乱獲されている。個体はサンゴ礁、海草藻場、マングローブなどに生息しているが、網を使用したり、あるいはダイナマイトやシアン化物中毒のような危険な方法を用いて捕獲される。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

脅威の種類詳細内容
シアン化物漁の継続2024〜2025年時点でも、フィリピン・インドネシアを中心にシアン化物漁が確認されており、深刻な脅威となっている。観賞魚を生きたまま捕獲するために使用され、海中に散布されたシアン化物は魚を麻痺させて捕獲しやすくする。
ダイナマイト漁爆破による漁法が一部地域で依然として行われており、サンゴ礁・藻場・マングローブなどの生息地全体を破壊している。
生息地の破壊シアン化物・ダイナマイト漁・沿岸開発により、サンゴ礁や海草藻場が広範に損壊。タイガーテイルシーホースの主要な生活圏が失われることで、個体数の減少が進んでいる。
観賞用・伝統薬目的の採取生体(観賞用)や乾燥個体(伝統薬)として市場で取引されている。特に観賞用では、シアン化物漁と強く結びついている。
非選択的な漁業(混獲)エビ漁などの底引きトロール網で、狙われていないにもかかわらず多数が混獲される。漁業圧の高い地域では主要な死亡原因となっている。

2014年の図鑑に記載されていた懸念は過去のものではなく、シアン化物漁は今もなお、タイガーテイルシーホースの生存を脅かす大きな問題の一つとなっている。

⬇︎タイガーテイルシーホースの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全・修復サンゴ礁・藻場・生け垣藻場など浅海域のシーホース生息環境を保護・復元する。例えば藻場の伐採防止や人工藻場設置など。
過剰利用・乱獲の抑制伝統薬用・観賞魚トレードとしての生体・乾燥標本としての採取を規制し、野生個体の持続可能性を確保。
副捕獲(バイキャッチ)対策漁具や底引き網で意図せずシーホースが捕獲されることを減らすための漁法改良や管理。
国際取引規制・法制度整備全シーホース属が ワシントン条約(CITES)付属書 Ⅱに掲載され、国際的な取引が監視・許可制となっている。
市民・地域参加と啓発地元漁業者・地域住民・観光客への教育を通じて、シーホースの保全意識を高める活動。
研究とモニタリング生息分布、個体数変化、用途(伝統薬・観賞魚)、生態特性などを調べ、保全方針の科学的根拠を得る。

主な取り組み

  • 生息藻場・サンゴ礁保全:浅海の藻場・サンゴ礁を対象に、損傷の軽減・回復を目指す。
  • 漁業漁具管理:底引き網・トロール漁などでシーホースが副捕獲されるリスクを調査し、改良や回避策を導入。
  • 観賞魚・伝統薬用としての採取規制:生体輸出・乾燥標本輸出に対して許可制・クオータ設定・モニタリングを実施。
  • 国際取引の監視:CITES附属書Ⅱの枠組みにより、輸出入に関する非損害証明・輸出許可などを義務づけ。
  • 教育・意識向上:観光地・地域住民・学校などでシーホースの生態・重要性を紹介し、採取抑制の意義を伝える。
  • 科学調査・データ収集:個体数、分布、生態(繁殖、成長、生活場所)を把握する研究を進め、保全方針に反映。
  • 生息地復元・人工藻場設置:劣化した藻場・海草床を再生させるため、人工構造物や植藻を用いた復元プロジェクトの検討・実施。

最後に

これを読んで、どんなふうに感じましたか?

「シアン化物漁なんて初めて聞いたけど、名前からしてすごく危なそうですね。」

水が汚れたり、生き物に影響が出たりしないか、心配になりますよね。

もう少し詳しく調べてみます。


項目内容
概要観賞用の熱帯魚や高級食用魚を「生きたまま」捕獲するために、東南アジア(特にフィリピン・インドネシア)で使われる違法漁法。
使用地域主にフィリピン、インドネシアなどの東南アジア。
目的観賞用(アクアリウム)の生体、レストラン向けの高級食用魚を効率よく捕獲するため。

漁の方法(実際の手順)

ステップ内容
① 毒液の準備シアン化ナトリウムの錠剤を水に溶かし、スプレーボトルに入れる。
② サンゴ礁に噴射ダイバーが海に潜り、魚が隠れているサンゴ礁へ毒液を噴射。
③ 麻痺した魚を回収毒で麻痺し動きの鈍くなった魚を網ですくって回収する。

壊滅的な影響(「水が汚れる」では済まない被害)

1. 生息地(サンゴ礁)の完全な破壊
影響内容詳細
サンゴ礁の死滅シアン化物はサンゴを殺す。白化→数日で死滅。
生態系の崩壊サンゴ礁が「瓦礫の山」となり、魚の住処・産卵場所が失われる。
タイガーテイルシーホースへの影響本種の生息地(サンゴ礁・海草藻場)も直接破壊される。
2. 無差別な殺戮(狙っていない生物も死ぬ)
影響内容詳細
無差別に死亡エビ、カニ、貝、小魚、無脊椎動物などが毒に触れると死亡。
食物連鎖の崩壊小さな生き物から死ぬことで、生態系全体が根本から崩れる。
3. 捕獲された魚も「高確率で死亡」
影響内容詳細
内臓ダメージ毒で肝臓など内臓が深刻に損傷。
早期死亡生体として捕獲されても、輸送中や飼育開始後に数日〜数週間で死亡する割合が非常に高い(75%以上とも言われる)。

なぜなくならないのか?(続いてしまう理由)

理由詳細
経済的理由(貧困)網で捕るより毒を使うほうが圧倒的に早く、短期的な収入が大きい。貧困地域では「違法と知りつつも手を出す」構造的問題がある。
取締りの難しさ広い海で「誰が毒を使ったか」を証明するのが極めて困難。取り締まる側のリソースも不足している。

シアン化物漁は、タイガーテイルシーホースのような生物の生息地を根こそぎ破壊する、地球環境にとって最悪の漁法の一つである。

主として観賞用(アクアリウム)目的の熱帯魚や、高級レストラン向けの食用魚を「生きたまま」捕獲するために、東南アジア、とりわけフィリピンおよびインドネシアで広く用いられてきた違法漁法である。


「これって完全に毒だし、生態系を壊しているのが明らかなのに、それでも現地の人たちは漁を続けるんだね。」

……きっと、そういうことなんでしょうね。

人は、一度覚えた“楽な方法”を手放すのは簡単ではありません。

家族のため、生活のためという切実な理由があるにしても、昔ながらの漁よりも効率よく稼げる方法を選んでしまうのは、やっぱり“楽”だからなんだと思います。

そして、その“楽”を最初に教えたのは、海の向こう側で大量の利益を得ている輸出業者なのかもしれません。

コーヒー豆でもココアでも、世界には必ず貧困につけ込んだ違法な栽培や乱獲が存在していて、その影で利益を吸い上げる業者がいます。

こうした行為を減らすことも、逆に増やしてしまうことも、それを可能にしているのは、間違いなく「わたしたち」の選択なのだと思います。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

タイガーテイルシーホースに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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