※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
※当サイトはアフィリエイト広告による収益を得ています。
こんにちは、fukumomo3_photo です。
カカオナミゴヘイゴケ(Spruceanthus theobromae)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2000年、IUCNレッドリストで【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2000年から2014年にかけて、
カカオナミゴヘイゴケは「静かな森に、名もなき影が溶けていくように」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるカカオナミゴヘイゴケの最新評価は2000年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/39226/10177576
絶滅したと思われたコケの再発見と、カカオが抱える現実
⬇︎カカオナミゴヘイゴケの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | カカオナミゴヘイゴケ |
| 英名 | Cacao Spruceanthus Liverwort |
| 学名 | Spruceanthus theobromae |
| 分類 | 苔植物門 ウロコゴケ目(Jungermanniales)、ウロコゴケ科 (Lejeuneaceae) |
| 分布 | 南米(主にブラジル、ペルーなど)、中米の一部熱帯地域 |
| 主な生息地 | カカオ樹などの樹皮上に着生する苔類 |
| 体長 | 数mm〜1cm程度の小型蘚苔植物 |
| 体重 | ―(測定対象外) |
| 寿命 | 不明(多年生で環境条件が整えば持続的に生育) |
特徴
- 名前の由来:「theobromae」はカカオ(Theobroma cacao)に由来し、カカオ樹の樹皮によく見られるため。
- 形態:ごく小型の苔で、葉は2列に並び、重なり合うように密生する。
- 生育環境:高湿度の熱帯林で、樹皮や倒木の表面に張りつくように生える。
- 特殊性:光合成だけでなく、共生する菌類との関係で栄養を得ることがあるとされる。
生態と行動
- 繁殖:胞子によって繁殖し、湿潤な環境で広がる。
- 分布特性:熱帯雨林の限られた地域に生息するため、生息地の破壊に敏感。
- 生態的役割:森林の樹皮上で微生態系を形成し、水分保持や微生物のすみかとなる。
- 環境依存性:森林伐採や気候変動による湿度低下に弱い。
保全状況
- IUCNレッドリスト:CR(深刻な危機, Critically Endangered)
- 主な脅威:
- 熱帯雨林の伐採による生息地消失
- カカオ栽培地域の農業開発
- 気候変動による湿度環境の変化
- 保護活動:
- 熱帯林の保護区設定
- 着生植物群落の調査・モニタリング
- 国際的な蘚苔類保護プロジェクトによるデータベース登録
2014年絶滅危惧種:カカオナミゴヘイゴケ【CR:深刻な危機】
長い間この種は絶滅したと考えられていたが、1997年になって古いカカオの果園で見つかった。……カカオの果園の管理が向上するとその場所からこのコケ類は絶滅する。そのため、この種の生育場所は極端に危険な状況にあるといえる。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発見の経緯 | 長らく絶滅と考えられていたが、1997年にコスタリカの古いカカオ農園で再発見された |
| 生育環境 | 古いカカオの木の樹皮の上のみで生育するという特殊な生態 |
| 再発見の意義 | 絶滅していなかったという希望を示すと同時に、生息環境の脆弱さを明らかにした |
| 主な脅威 | ①古い樹皮の剥離 ②農薬散布 ③新しい品種への植え替えによる環境の近代化 |
| 生息地の状況 | 極めて限定的で、農園の管理方針次第で消滅の危険性が高い |
| IUCN分類 | 2000年に「CR:深刻な危機」に指定、以降更新なし |
| 象徴するもの | 希望の光であると同時に、人間活動の変化が特定の生物を絶滅へ追いやる象徴 |
1997年の再発見の舞台となったのは、コスタリカにある古いカカオ農園だった。
このコケは、カカオの木の古い樹皮の上でだけ生育するという、非常に特殊な生態を持っている。
長い間、その存在が確認されていなかったため絶滅したと考えられていたのだが、この農園で生育しているのが確認された。
この発見は、特定の環境が維持されれば、この種が生き延びられる可能性を示唆する重要な出来事である。
⬇︎カカオナミゴヘイゴケの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | 主にカカオ栽培地周辺の熱帯林に依存するため、森林伐採や農業拡大からの保護が重要 |
| 農業との共存 | カカオ樹との関係が深く、持続可能な農業管理によって生息環境を維持 |
| 国際的な認知 | 絶滅危惧種として国際的に注目され、研究対象に取り上げられている |
| 遺伝資源の保存 | コケ植物コレクションや植物園での保存・増殖により絶滅リスクを低減 |
| 教育・啓発 | 地域住民や農業従事者に対し、森林保護や持続可能な農業の重要性を周知 |
| 研究とモニタリング | 生息域調査・遺伝的多様性の研究を通じて保全方針を支える |
主な取り組み
- 生息地保全:熱帯林を伐採や農業開発から守る
- 持続可能な農業:カカオ栽培と共存できる森林管理を推進
- 国際的認知:絶滅危惧コケとして保護政策に反映
- 遺伝資源保存:植物園・コレクションでの保存活動
- 地域啓発:農家や住民に森林保護の重要性を教育
- 科学研究:分布や遺伝子多様性を調査・記録
最後に
これを読んで、どのように感じましたか?
「チョコレートって美味しいよね」
と、生産現場を知りたくはないですか?
「Bean to Bar(ビーントゥバー)を選んで買ってる」
と、消費者として意識を高くもちますか?
感じ方は、十人十色あると思います。
カカオとコーヒーは、育つ環境や、商品としての性質が非常に似ているため、共通の深刻な課題に直面してる。
| 分類 | 主な問題点 | 内容の概要 |
|---|---|---|
| 1. 労働者の貧困と児童労働 | 不安定な収入 | 国際市場の価格変動に左右され、農家は貧困リスクに直面 |
| 買い叩き | 仲買人による安値買い取りで生産コストすら賄えない場合あり | |
| 児童労働 | 特に西アフリカで深刻。子どもが危険で過酷な労働に従事 | |
| 2. 環境破壊 | 森林伐採 | プランテーション拡大で森林破壊、生物多様性の喪失 |
| 農薬・化学肥料 | モノカルチャー栽培により大量使用、土壌・水質汚染や健康被害 | |
| 気候変動 | 温暖化・異常気象で栽培適地が減少、収穫量が不安定化 | |
| 3. 不公平なサプライチェーン | 利益配分の不均衡 | 製品価格の数%しか農家に届かず、加工業者や販売業者が大半を占有 |
改善に向けた動き
| 取り組み | 概要 |
|---|---|
| フェアトレード認証 | 生産者に適正価格を保証し、労働環境や環境基準も確保 |
| ダイレクトトレード | 仲介を減らし、生産者がより多くの利益を得られる仕組み |
| アグロフォレストリー | 森林を残したまま栽培し、生態系に配慮した持続可能な農法 |
カカオもコーヒーも、その美味しさの裏側には、生産者の貧困、児童労働、環境破壊といった深刻な問題が隠されている。
だから、「わたしたち」消費者が商品を選ぶ際に、「スマホで生産地を検索する」「販売者のホームページを閲覧する」などの知るための行動が、問題解決の第一歩となる。
さらにチョコレートには、このような側面もある。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 安価なエネルギー源 | 産業革命で大量生産が可能に。植民地の砂糖と相まって、チョコレートは高カロリーで安価な食品へ |
| 疲労回復・士気向上 | カカオ成分(テオブロミンなど)や砂糖が労働者の疲労を和らげ、仕事の合間の楽しみとなった |
| 兵士の栄養源 | 第一次・第二次世界大戦でレーションとして採用。コンパクトで栄養価が高く、士気維持に貢献 |
企業の思惑と労働者の福祉
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業家の背景 | キャドバリーやラウントリーなど、クエーカー教徒の企業家が主導 |
| 福祉の取り組み | 社宅・学校・病院を備えた理想的な町を建設し、労働者の生活水準を向上 |
| 資本主義的側面 | 労働者の健康と満足度の向上は、生産性を高める「投資」としての意味も持っていた |
しかし、「飴と鞭」に例えると、残念ながら多くの生産者にとって、チョコレート(カカオ栽培)は「飴」にはなっていない。
むしろ、その逆の側面が強いのが現状である。
出典:世界奴隷制指数 / スポットライト|強制労働:チョコレートの隠れた成分
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。
カカオナミゴヘイゴケに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、カカオナミゴヘイゴケたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



コメント