11年後のレッドリスト|オオガーターヘビ:時の流れを拒み、川辺にとどまった命【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|オオガーターヘビ:時の流れを拒み、川辺にとどまった命【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

オオガーターヘビ(Thamnophis gigas)は

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2007年、IUCNレッドリストで【VU:危急】と評価されました。

つまり、2007年から、オオガーターヘビは

「時の流れを拒み、川辺にとどまった命」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるオオガーターヘビの最新評価は2007年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/ja/species/21706/9310655

「ちょっとそれ飲んじゃダメ!」セレンと干ばつがヘビを追い詰める

⬇︎オオガーターヘビの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|オオガーターヘビ(Giant Garter Snake)
項目情報
和名オオガーターヘビ
英名Giant Garter Snake
学名Thamnophis gigas
分類爬虫類綱・有鱗目・ナミヘビ科・ガーターヘビ属(Colubridae, Thamnophis
分布米国カリフォルニア州セントラルバレー(サクラメント〜サンホアキン)に限定的に分布。歴史的に広範囲だったが、現在は湿地の喪失等により南部で絶滅の危機にある個体群も
主な生息地湿地帯、淡水沼・池・小川、特に水田周辺(人工湿地)や用水路。水辺の植生や陸地の覆いも利用
体長成体は約94–165cm(最大162cm以上)に達する
体重/体格情報未確認
寿命ガーターヘビ全体では野生で4–6年、飼育下で8–10年ほどと推定される(本種固有のデータは見つからず)

特徴

  • 外見:背面に黄白~オレンジ色のライン、体側に2本の淡色の縦線が走る。背景色はオリーブ〜暗灰色。個体によって無紋の市松模様もあることがある。
  • 毒性:軽度の神経毒を持つが、人への害はほぼなく、噛まれても軽い赤みやかゆみ程度。
  • 食性:水辺の魚類、カエル、オタマジャクシなどの水生獲物を主に捕食。
  • 行動:昼行性で春〜晩秋の活動期に活発。水温20 °C以上で活動し、それ以外は陸地や穴の中で冬眠(寒冷時はブルメーション)。
  • 防御:捕まると臭い分泌液(クロアカ腺)を出して身を守る。

生態と行動

  • 回遊性/移動:主に水辺付近に留まり、冬期は陸上の巣穴で過ごす(地鼠やネズミの穴等)。夏冬ともに水辺付近にいることが多いが、冬眠期には上陸することも多い。
  • 繁殖:卵を産まず、胎生(ovoviviparous)で春〜初夏に交尾し、7月中旬〜9月頃に10〜46頭の子ヘビを出産。子は生まれた直後から自立。
  • 天敵・脅威:若い個体はアメリカウシガエルやカエルや(他の)ヘビに捕食されることもある。さらに、人による湿地改変が最大の脅威。

保全状況

  • IUCN:危急種(Vulnerable, VU)に指定。
  • 保護法的地位:米国では1993年に「Threatened(絶滅危惧)」種として保護対象に指定されている。
  • 主な脅威
    • 湿地の開発・農地転換により、生息地の98%以上が消失。
    • 侵入種(牛蛙など)による捕食や競合。
  • 保全活動:米国では水田や灌漑システムが代替生息地として機能。研究や管理計画が進行中。

2014年絶滅危惧種:オオガーターヘビ【VU:危急】

湿地に生息するオオガーターヘビは、かつての生息地の多くが分断、荒廃、消失したことにより減少してきた。治水事業、汚染、土地利用の変化、農業のあり方、過放牧、重金属による汚染のすべてがこの種とその生息域をおびやかしている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

論点(脅威/動き)何が起きている?影響・現状
重金属汚染:水銀(Mercury)ゴールドラッシュ期の金精製で使われた水銀が、下流域の川底・土壌に残留/時間をかけてメチル水銀化→食物連鎖に入り込み生物濃縮(プランクトン→小魚/ウシガエル→オオガーターヘビ)肝臓・腎臓から高濃度検出という研究報告があり、直接死ななくても免疫低下・繁殖力低下など“じわじわ効く”悪影響が続く
重金属汚染:セレン(Selenium)農業排水に含まれるセレンが湿地生態系に蓄積/獲物(魚・カエル)が汚染→捕食者であるヘビにも影響が回る汚染が解決せず、獲物側の汚染を通じて長期的な負荷になっている
水不足(干ばつ・気候変動)近年の記録的干ばつで水が不足/湿地の代替として使っていた「水田」が、休耕や水転用で乾く→代替生息地そのものが消える2014年当時より状況を悪化させる“物理的な生息地消失”が加速し、より直接的な危機になっている
生息地の代替依存(構造的リスク)本来の湿地が90%以上消失しており、人が作る水田に依存/人間の水利用・農業判断が、そのまま生存条件になる「仮の住処」に頼る脆さがあり、水不足が来ると一気に崩れる
外来種の侵入(ミズヘビ:Nerodia属)外来のミズヘビが侵入・定着/攻撃性・繁殖力が高く、餌・場所を競合して奪うただでさえ少ない資源をさらに圧迫し、保全上の新たな課題になっている
保全の動き(2024–2025の整理)危機の周知・対策が進む動き/認知度向上(象徴化)や保全施策の後押しにつながる可能性州のシンボル化の動き/IUCNは「VU(危急)」で傾向「減少」
まとめ(複合ストレス)重金属汚染+水不足+外来種/慢性的負荷(汚染)に、急性的な生息地消失(干ばつ)が上乗せ「汚染は終わっていない」上に「水不足がより致命的に」なり、予断を許さない状況という結論

オオガーターヘビ(Thamnophis gigas)は、歴史的な金鉱採掘由来の水銀(メチル水銀化を介した生物濃縮)および農業排水由来のセレン蓄積により、獲物群集を通じた慢性的影響を受け続けている。加えて近年の干ばつは、水田依存型の代替湿地を休耕・水転用により縮小させ、生息地消失を直接的に加速する。さらに外来ミズヘビ(Nerodia属)との競合が資源制約を強め、個体群の脆弱性を増大させている。

⬇︎オオガーターヘビの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
繁殖地の保護水田や湿地の繁殖地を保全し、卵や幼体を守るための立入制限や環境整備を実施
混獲・駆除の防止漁具や農業作業での誤捕獲や、害蛇としての不必要な駆除を減らすため啓発活動を推進
水質・生息環境保全農薬や排水による水質悪化を防ぎ、湿地や水路の自然植生を維持
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)や米国内法により、捕獲・取引を規制
保護区の設定カリフォルニア州の中央谷(Central Valley)の湿地や水田を保護区に指定
市民・地域参加地元住民・農家・学生による湿地保全活動や環境教育を実施
研究とモニタリング個体数・分布・繁殖成功率を調査し、無線発信機による行動追跡を実施

主な取り組み

  • 繁殖地保護:湿地や水田を守り、繁殖環境を改善
  • 混獲・駆除防止:農作業や漁具による被害を減らし、無益な駆除を防ぐ
  • 水質改善:農薬や排水を抑制し、湿地環境を保全
  • 国際保護条約:CITESや国内法により捕獲や取引を規制
  • 保護区整備:中央谷の湿地を保護区に指定して保全
  • 地域参加:住民や農家と協力した湿地再生活動や教育啓発
  • 調査研究:個体数調査や行動追跡による長期モニタリング

最後に

これ、読んでみてどう感じました?

外来種のことも気になるんだけど、やっぱり水銀の汚染がいちばん気になるかな。あと、セレンっていうのも出てきたよね。農地から排水されてるって書いてあったけど、農薬とか化学肥料の副産物みたいなものなのかな?

そこ、気になりますよね。

私も、気候変動の干ばつと同じくらいセレンが引っかかったので、このあたりの影響はもう少し深掘りして調べてみたいと思います。


パート要点(結論)しくみ/補足(何が起きているか)
問題提起「農薬のせい?」が最大のモヤモヤ見た目は重金属汚染でも、原因はもっと根深い(土地の記憶+水利用)
1. セレンの正体農薬や肥料の副産物が主因ではないセントラルバレーは太古の海底堆積物(頁岩など)に自然由来セレンが多い
1-2. 汚染が生まれる理由人間が“眠っていた毒”を起こした灌漑で溶け出す→排水に集まる→湿地/調整池で蒸発→濃縮(意図せざる汚染)
1-3. 核心薄く広い毒を、特定の場所にギュッと濃縮「水をコントロールした結果、毒もコントロールしてしまった」という構造
2. セレンの怖さ必須栄養素でも、超えると猛毒微量は必要だが、許容量を超えると毒性が強まる(静かなる殺し屋)
2-2. 次世代を奪う成体より卵・子に効くのが厄介親に蓄積→卵へ影響→孵化不全や奇形→「大人は生きてるのに子が増えない」
3. 干ばつとの相乗効果水不足以上に“濃度上昇”を招く新しい水が入らない+蒸発で煮詰まる(コーヒーを煮詰めるのと同じ)
3-2. 逃げ場のない罠ヘビが水を求めて毒の場へ集まる乾燥で水場に集中→最後に残るのは排水が入る水路/池→高濃度になりがち(生態学的トラップ)
まとめ(3点)①土地の記憶 ②見えない絶滅 ③負の相乗①止めれば解決ではない ②次世代が減る ③干ばつが毒の濃い場所へ誘導し、難易度が上がる

農地排水中のセレンは、農薬由来というより、海成堆積物等に含まれる自然由来セレンが灌漑により溶出し、排水として集水された後、湿地・調整池での蒸発によって濃縮される「意図せざる汚染」として理解される。セレンは微量必須元素である一方、過剰暴露は卵・幼体の孵化不全や奇形を通じて繁殖成功を低下させ、個体群動態に遅発的影響を与える。さらに干ばつは水量低下と蒸発を介して濃度を上昇させ、水場への集中を通じて高汚染域への誘引(生態学的トラップ)を強化し得る。
出典:‘The Kesterson effect’


セレンって、もともと地面の中に普通に眠ってたものが、人類が農地を開拓して大量に水を撒いたことで溶け出した。で、そのセレンを含んだ水を飲んだヘビや、ほかの生きものに、ゆっくり害が出てきてる。さらに気候変動の干ばつで、水たまりがどんどん濃くなって、煮詰めたコーヒーみたいになってるのに、それを飲まざるを得ないヘビたちが困ってる……っていう絵だよね。

うん、だいたいそんな理解でいいと思います。私も「セレン」って聞いた瞬間、なぜか古いバイクに使われてた“セレン整流器”が頭に浮かんじゃって。昔、先輩たちから「整流器が焼けて煙が出ても、絶対に吸うなよ」って散々言われてたのを思い出したんですよ。
セレン=電流を整流する部品、でも焼けると毒の煙が出る……っていう記憶だけが強く残ってて。

だから、毒性のあるセレンが長い年月をかけて水や湿地にたまって、そこへ今度は人類が招いた気候変動の干ばつが重なって、塩水を鍋で煮詰めて水分が減ったみたいに“濃い水”になってる。で、その場所にヘビが来て、舐めるように飲んでしまう……って想像したら、もう「ちょっと、それ飲んじゃダメ!」って感覚になるんです。先輩に「絶対に吸うな!」って言われて怖くなった感覚が、そのままよみがえってきて。

それで思うんですよね、これって結局どうしたら解決するんだろうって。
もしかしたらだけど、今みたいに企業や大規模農家が作って売る形だけじゃなくて、個人にもう少し任せつつ、ちゃんとした規制も整えて、国の土地を分けて管理してもらう。そこで育った野菜は自己管理して、家族や地域で分け合って暮らす……みたいな形ぐらいしか、今のところパッと浮かばないんです。
……って書きながら思ったんだけど、それって大昔の日本なんですよね。

もしかしたら今は、昔の日本や世界の歴史、農業のやり方をもう一度見直すタイミングが来てるのかもしれませんね。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

オオガーターヘビに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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