11年後のレッドリスト|エジプトリクガメ:幸運を背負って、消えていく【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|エジプトリクガメ:幸運を背負って、消えていく【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、エジプトリクガメ(学名:Testudo kleinmanni)は「ミサンガの生き物版」なんじゃないか?って話です。

2014年の図鑑では、この種が追い込まれている一番の理由は、国内外でペットとして売買するために乱獲などが原因で、「CR:深刻な危機」って評価されていました。

そして、最新のレッドリストを見ても、治安の悪さや取り締まりの弱さが保全の邪魔になっていることもあって、評価はやっぱり「CR:深刻な危機」のままなんです。

だからエジプトリクガメは今も、「幸運を背負って、消えていく」状態なんだと思います。

この記事は短くて、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2003評価(2022年改訂)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Testudo kleinmanni

幸運の名で売られるカメ|2014→2026の危機ポイントまとめ

⬇︎エジプトリクガメの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|エジプトリクガメ(英名:Egyptian tortoise)
項目情報
和名エジプトリクガメ
英名Egyptian tortoise / Kleinmann’s tortoise / Leith’s tortoise
学名Testudo kleinmanni
分類爬虫類・カメ目・リクガメ科(Testudinidae)
分布北アフリカの地中海沿岸の乾燥地帯(主にリビア東部〜エジプト北西部)。文献や扱いによっては、イスラエル南西部(ネゲブ周辺)の個体群が近縁群として言及されることもある。
主な生育地海沿いの乾燥〜半乾燥環境(砂丘、砂混じりの硬い土壌、低木がまばらに生えるステップ状の植生など)
大きさ成体の背甲長はおおむね10〜13cm程度。大きい個体で14〜15cm級に達することがある。
体重おおむね300〜500g程度が目安(個体差・雌雄差あり)
寿命野生下の寿命ははっきりしにくい。飼育下では長寿で、数十年単位(50年以上とされることもある)。

特徴

  • 名前の由来:種小名「kleinmanni」は、タイプ標本の収集に関わった人物名(Kleinmann)に由来するとされる。
  • 見た目:小型で、全体に淡い砂色〜黄褐色の印象。乾いた土地に溶け込む色合いで、成体でも「小ささ」が目立つリクガメ。
  • 希少性:分布域が限られ、野生個体群は小さく分断されやすい。違法採取・取引の影響も受けやすい。
  • 保全状況:IUCNではCR(深刻な危機)として扱われる。国際取引はCITES附属書Iに掲載され、原則として商業目的の国際取引が厳しく制限される。

生態など

  • 生育環境:海沿いの砂丘や半砂漠の低木地帯など、植生がまばらな乾燥環境で暮らす。身を隠す場所として、地形のくぼみや他の動物の穴を利用することがある。
  • ふえ方(繁殖):卵生。クラッチ(1回に産む卵数)は少なめで、1個(大きめの卵)が典型例として挙げられ、条件により増えることもある。
  • 季節性:暑さが厳しい時期は活動が落ち、比較的涼しい時期に活動が増える傾向が示される(地域・年により変動)。
  • 脅威:沿岸開発や土地利用の変化による生息地の消失・劣化、家畜放牧などによる植生の改変、違法採取(ペット目的)と密輸などが重なって影響する。

出典

最終評価2003年:エジプトリクガメ「CR:深刻な危機」

現在この種をおびやかすおもな脅威は、国内外におけるペット目的の商取引のために乱獲されていることである。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
種名エジプトリクガメエジプトリクガメ
学名Testudo kleinmanniTestudo kleinmanni
IUCNレッドリスト区分CR(絶滅危惧IA類)CR(絶滅危惧IA類)
評価の扱いCRとして掲載最新は2003年評価をベースに、2022年に改訂版として公開(以降の更新は未確認)
個体数の傾向減少(図鑑本文でも「急激に減少」)減少(Decreasing)
分布中東および北アフリカ主分布はリビア側に偏在。エジプト側は著減し、残存は局所的・低密度とされる
主な生息環境砂丘・海岸の低木地、乾燥地帯など乾燥地(砂地・低木地帯など)。分布・生息地の断片化が進行
大きさ14cm以下の小型同左(小型で取引対象になりやすい点は変わらず)
主な脅威国内外のペット目的の採集(商取引のための乱獲)/生息地減少(農業拡大・耕作・過放牧・都市化など)違法なペット取引(採集・密輸)/生息地の改変・断片化/治安悪化や執行力不足が保全を阻害
保護・管理の状況エジプトとイスラエルで国策として保護、コミュニティを基盤とした保護区もある。一方でリビアでは保護されていない。国際商取引の規制はあるが、常に厳守されているわけではない。国際取引は厳格規制(CITES附属書I)。現地では越境密輸への対策や地域協力型の保全(国境をまたいだ関係づくり等)が重要視されている。
密輸ルートの変化記載なしエジプト側の減少により、リビア側で採集→越境(リビア=エジプト国境)→域内外の違法ペット市場、という構図が問題化
SNSの影響記載なしエキゾチックアニマル需要の可視化・拡散(投稿・売買コミュニティ等)が需要を刺激し得る、とされる
エジプト国内での「幸運のシンボル」としての悲劇記載なし「幸運のお守り」として家庭で収集・飼育される(あるいはされてきた)という報告があり、需要の土台になり得る
「邪視(Evil Eye)」除け記載なし邪視(悪意ある視線)を避けるための護符・魔除け文化が中東・北アフリカに広く見られ、地域の“魔除け/幸運”需要と結びつく余地がある
「使い捨て」にされる命記載なし市場・コレクター向けに採集され続ける、という報告があり、個体が消耗品のように流通する構図が生まれ得る

出典

エジプトリクガメ(Testudo kleinmanni)は、2014年の図鑑掲載時と同様に、2026年時点でもIUCNレッドリストでCR(絶滅危惧IA類)に位置づけられ、個体群は減少傾向が継続している。最新掲載は2003年評価(2022年改訂版)であり、再評価の更新は確認されていない。主要脅威は違法ペット取引と生息地改変で、供給源の偏在に伴う密輸ルートの変化、SNSを介した需要増幅、文化的信仰(幸運・邪視除け)に起因する短期飼育と高死亡率による消費的利用が、採集圧を強化し得る。

⬇︎エジプトリクガメの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護・回復沿岸砂丘〜半乾燥の低木地(セージブラッシュ優占の低木地など)で、農地化・都市化・インフラ整備による消失や分断を抑える。植生が回復するよう、劣化した区画の管理も含めて生息環境を維持する。
放牧圧の管理(過放牧対策)家畜(牛など)による過放牧や踏圧が生息環境を悪化させるため、放牧の強度・侵入を調整する。必要に応じて、重要区画を囲い込んで植生の回復を優先する。
フェンス設置・重点区画の隔離重要な生息地をフェンスで区切り、家畜侵入や攪乱を減らして餌植物と隠れ場所(低木の被覆)を回復させる。
密猟・違法取引の取締と抑止ペット取引目的の採集が主要脅威のため、密輸・違法取引の摘発、押収個体の適切な扱い、流通の監視を強化する。国際取引は原則として厳しく規制される枠組みを活用し、執行(取り締まり)を実効化する。
国際的な取引規制(CITES等)ワシントン条約(CITES)による国際取引規制を基盤に、商業目的の国際取引を抑制する(例外的な場合を除き厳格)。違法取引の抑止と国境を越える取り締まり連携に直結する。
地域参加・コミュニティ協働現地コミュニティと協働し、監視協力、密輸情報の通報、啓発活動を進める。地元のレンジャー育成や、地域主導の保全(community-based protected areas 的な考え方)で実効性を上げる。
研究とモニタリング個体群動態・生存率・生息地要件を把握するため、継続調査を行う。押収個体の放逐を含む場合は、送信機等で追跡し、行動・採食・繁殖・産卵などのデータを収集して管理手法を改善する。
域外保全(飼育下繁殖)と保全繁殖ネットワーク動物園・保全団体・スタッドブック等の枠組みで飼育下繁殖を進め、保険集団(assurance colony)を維持する。状況が整えば、再導入(再放逐)候補地の評価・計画にもつなげる。

出典

最後に

読んでみて、どのように感じましたか?

「幸運のお守り」として家庭で集められて飼われる(あるいは昔からそうされてきた)って報告がある、って書いてあったけどさ。もし家族で大事に可愛がって、ちゃんと一生をまっとうさせるって意味なら、そこまで悪い印象はないよね。だけど希少で、しかも絶滅危惧種で、ランクもCR(深刻な危機)じゃないですか。

「飼育」って書いてある以上、甲羅をペンダントにして持ち歩くタイプのお守りって話じゃなさそうですしね。そこ、もう少しちゃんと調べてみます。


項目内容要点
お守りとしての位置づけエジプトや中東の一部では、リクガメが幸運・魔除けと結びつけて語られることがあり、家庭内で飼われる行動が需要の下支えになり得る。信仰・習慣が市場需要の土台になりうる。
邪視(Evil Eye)除け嫉妬や悪意ある視線が不幸を招くという観念のもと、甲羅の「硬さ」や「覆う形」が防御や遮断のイメージと結びつけられ、家に置く意味づけが生まれる。魔除けの語りが、入手・保持の動機を正当化しやすい。
身代わり信仰飼っている個体が死んだ際に「不幸を引き受けた」と解釈される語りが成立すると、死亡が“役目の完了”として処理され、買い替え(追加購入)を促す回路になり得る。死が需要を止めず、むしろ更新需要を作り得る。
飼育難易度と知識不足本種は環境条件(温度・乾湿、紫外線、給餌)への依存が大きい一方、「床に放す」「庭に置く」「子どもの玩具化」などの扱いでは疾病・衰弱が起こりやすい。不適切飼育が高い死亡率を生み、需要の回転を速め得る。
価格の低さと使い捨て化低価格で入手できる状況では、個体が消耗品のように扱われ、「死んだら次」という購買行動が起きやすい。安価さが倫理的ハードルを下げ、死亡を内包した需要を維持し得る。
密輸ルート(供給側)の変化供給地の変化や国境をまたぐ移動が起きると、消費地の慣行(需要)を満たすために周辺地域の野生個体が収奪される構図になり得る。需要が一定だと、供給地だけが食い替えられる。
ロンダリング(出自偽装)野生個体が流通過程で「別産地」「飼育下繁殖」等として装われると、規制下でも取引が継続し得る。取引の可視性が下がり、取り締まりが難化する。
SNSの影響エキゾチックアニマルの露出増加により、希少性が魅力として提示され、需要が増幅され得る。可視化が需要を刺激し、規制の実効性を弱め得る。
「使い捨て」にされる命信仰による正当化、飼育失敗、低価格、買い替え行動が重なると、短期消耗と再購入が連鎖しやすい。文化・経済・知識不足が結びつくと、需要が自己増殖し得る。

出典

これってさ、昔の日本でサッカーブームのときに流行った「ミサンガの生き物版」みたいだよね。
「切れたら願いが叶う」とか「壊れたら叶う」とか、ああいうノリに近いというかさ。

で、正直ちょっと思っちゃうんだけど……。
これって結局、どこかのタイミングで誰かが「この亀、どうやったら儲かるかな」って考えて、「死んだら役目を果たした=願いが叶う」みたいな解釈が広まって、結果的に「また次を買う」ってサイクルができた。もしくは、作った。そういう可能性もあるよね。

最近よく感じるんだけど、世の中の仕組みって、結局「誰かが得する形」それも「権力のある誰かが得する形」に寄っていくことが多い気がするんだよね。
だからこそ、「なんか変だな」とか「この習慣って何なんだろう」って、一回立ち止まって、歴史とか背景を調べてみるのって、すごく大事だと思ってる。

SNSやネットで流れてくる情報とか、テレビやラジオで不安を煽るようなニュースとかも、とりあえず疑ってみるところから始めるのって大事だと思う。もちろんこのブログだって疑ってもらって構わない。むしろ疑ってもらって、そこからもう一段「事実」が見つかるなら、それでいいんだから。

たとえば「蛇を崇める文化」って、地域によって意味が全然違うじゃない。
蛇がネズミを食べてくれるから、結果として疫病のリスクを減らす存在として大事にされてきた、って話もあれば、別の地域では蛇が不吉とか悪魔の象徴みたいに扱われたりもする。

結局、何を信じるかは個人の自由なんだけど、まずは一回、
「この信心(信仰)って、自分にとってどういう意味があるんだろう?」
って疑ってみることは、すごく大切だと思っています。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

エジプトリクガメに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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