11年後のレッドリスト|コオリーブトキ(Bostrychia bocagei):森は守られ始めた、それでも命は減っていく【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|コオリーブトキ(Bostrychia bocagei):森は守られ始めた、それでも命は減っていく【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi, I’m 鶏人|Keijin.

In the 2014 encyclopedia, the São Tomé ibis (Bostrychia bocagei, hereafter referred to as the dwarf olive ibis) was classified as “CR: Critically Endangered.” This was driven by hunting, forest clearing and fragmentation, along with predation by invasive mammals.

As of 2026, checking the latest IUCN Red List shows that nothing has changed. It remains “CR: Critically Endangered.”

In recent years, we’ve seen progress: protected areas have been expanded, populations and distributions are being actively monitored, locals are patrolling the forests, and hunters are being educated and offered alternative ways to make a living. Despite all this, hunting and deforestation haven’t stopped. We can’t honestly say the risk of extinction has dropped.

I believe the current reality for the dwarf olive ibis comes down to this: “The forests are finally being protected, yet the lives within them are still fading away.”

I’ve tucked the more detailed data into the drop-down sections. But even if you only read this main text, I’d really appreciate it if you stayed with me until the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

サントメテリハトキ(学名:Bostrychia bocagei。以下、コオリーブトキ)は、2014年の図鑑では、狩猟、森林の開拓と分断、外来哺乳類による捕食などから「CR:深刻な危機」と評価されていました。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「CR:深刻な危機」のままでした。

近年は、保護区の拡張、個体数と分布の継続調査、地域住民による森林監視、狩猟者への啓発や代替収入の支援などが進められています。しかし、狩猟や森林の消失は今も続いており、絶滅の危険が低下したとはいえません。

コオリーブトキは今も、「森は守られ始めた、それでも命は減っていく」という状態なのだと思います。

少し詳しい内容は折りたたみの中にまとめています。
まずは本文だけでも、最後まで読んでもらえたらうれしいです。

※2014年の図鑑では「サントメテリハトキ」として掲載されていますが、現在の日本語情報では「コオリーブトキ」または学名の Bostrychia bocageiで扱われることが多いため、本記事では両方を併記します。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2020年評価(2021年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Bostrychia bocagei

コオリーブトキはなぜ深刻な危機なのか|2014年と2026年を比較

⬇︎コオリーブトキの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|コオリーブトキ(英名:Dwarf Ibis)

サントメテリハトキ Bostrychia bocagei は、ギニア湾のサントメ島だけに生息する森林性のトキです。トキ科の現生種では世界最小とされ、湿潤な森林の地面を歩きながら、長く湾曲した嘴で落ち葉や土を探ります。日本語資料では「サントメテリハトキ」のほか、「コオリーブトキ」も使われています。バードライフ・インターナショナル東京はサントメテリハトキ、Avibaseの日本語リストはコオリーブトキを掲載しています。

以下は、BirdLife Internationalの現行種ページ、サントメ島で行われた体系的分布調査、繁殖生態の報告、分類資料、狩猟に関する調査を照合した整理です。

項目内容
和名サントメテリハトキ
別和名コオリーブトキ
和名の使用例バードライフ・インターナショナル東京ではサントメテリハトキ、Avibaseの日本語リストではコオリーブトキが使われる
英名Dwarf Ibis
別英名São Tomé Ibis、Sao Tome Ibis
旧来の英名Dwarf Olive Ibis
英名の意味Dwarf Ibisは「小型のトキ」、São Tomé Ibisは「サントメ島のトキ」を意味する
現地ポルトガル語名Galinhola
学名Bostrychia bocagei
学名表記Bostrychia bocagei (Chapin, 1923)
原記載名Lampribis bocagei Chapin, 1923
命名者James Paul Chapin
記載年1923年
タイプ産地サントメ島のRio de São Tomé
種小名の由来bocageiは、ポルトガルの動物学者José Vicente Barbosa du Bocageへの献名
学名の括弧命名者名が括弧内に入るのは、原記載後にLampribis属からBostrychia属へ移されたため
初期標本の採集19世紀末に博物学者Francisco Newtonがサントメ島で採集した標本などが知られる
分類動物界・脊索動物門・鳥綱・ペリカン目・トキ科・Bostrychia属
Aves、鳥綱
Pelecaniformes、ペリカン目
旧分類古い分類ではコウノトリ目に含められることがあった
Threskiornithidae、トキ科
亜科Threskiornithinae、トキ亜科
Bostrychia
亜種現在、亜種は認められていない
亜種構成単型種
現在の分類上の扱い独立した有効種
過去の分類かつてはアフリカ大陸のオリーブトキ Bostrychia olivacea の亜種とされていた
独立種とされた理由オリーブトキより著しく小さく、嘴、翼、脚、羽色、鳴き声などにも違いがある
近縁種オリーブトキ Bostrychia olivacea
同属種オリーブトキ、ムナフアフリカトキ、ハダダトキ、ハゲノドトキなど
分布国サントメ・プリンシペ
分布する島サントメ島
プリンシペ島での分布現在の本種は分布しない
固有性サントメ島だけに生息する単一島固有種
生物地理区アフリカ熱帯区・ギニア湾海洋島嶼群
移動性留鳥
長距離の渡り行わない
主な分布域サントメ島中南部から南西部
分布の中心島南西部の保存状態がよい湿潤林
主要流域Iô Grande川、Lembá川、Quija川、Caué川、Ana Chaves川などの流域
代表的な確認地域Monte Carmo、Maria Fernandes峰周辺、Iô Grande流域、Lembá流域など
保護地域分布域の多くがサントメ・オボ自然公園内に含まれる
公園外の重要地域Iô Grande川とMaria Fernandes峰の間、Caué、Monte Carmo、Juliana de Sousa、Calvário、Nova Ceilão周辺など
分布の特徴世界の全個体が、サントメ島南部の限られた森林域に集中する
推定潜在分布面積2017年の分布モデルでは年間を通じて約127平方km
以前の推定面積約213平方kmと考えられていた
繁殖期の推定分布面積約65平方kmまで狭まる可能性が示されている
分布面積縮小の意味森林全体を均等に利用するのではなく、季節や繁殖に応じて特定地域へ集中する
主な標高主に低地から標高500~600m程度
高標高での記録900mを超える地点からも少数の記録がある
営巣の高標高記録標高約935mで巣や幼鳥が確認された例がある
標高上限おおむね1,000m未満とされる
生息環境熱帯・亜熱帯の湿潤低地林
主要な森林原生林および原生林に近い在来林
二次林成熟して森林構造が回復した二次林でも確認される
若い二次林林冠や落葉層が乏しい若い二次林では利用しにくい
森林への依存非常に強い
好む森林構造樹木密度が高く、大木と連続した林冠が残る森林
下層植生樹木は多い一方、林床の下草が過密でない場所との結びつきが強い
林床湿った落葉、柔らかい土、露出した土壌、岩などが混在する
地形急峻な山頂部より、緩斜面や比較的平坦な林床で多く観察される
水辺との関係河川流域での記録は多いが、水辺だけに生息する水鳥ではない
湿地との関係開放的な湿地や干潟ではなく、湿潤な森林内部を利用する
農園との関係樹冠と在来林の構造が残る古い農園周辺を利用する可能性はあるが、開放的な農地は主要生息地ではない
アブラヤシ農園森林を単一栽培のアブラヤシ農園へ転換すると、生息地と採食環境が失われる
世界最小のトキ現生トキ類の中で最小とされる
全長約45~50cm
翼長平均約248mm
嘴長約73~75mm
跗蹠長約52mm
尾長約95mm
体重信頼できる種固有の測定値は少ない
体型トキとしては小型で、胴は丸みがあり、脚は比較的短い
頭部暗褐色から黒褐色
後頭部やや伸びた羽毛があり、小さな冠羽状に見える
頸部暗いオリーブ褐色
背面暗褐色から黒褐色
肩羽光の角度によって青紫色、緑色、青銅色の光沢が現れる
翼上面暗色を基調とし、雨覆に青紫色や緑色の金属光沢がある
暗褐色
暗褐色から黒褐色
短く暗色
羽色の特徴全身は地味な暗色だが、森林内の光を受けると翼と背に金属光沢が現れる
細長く、下向きに湾曲する
嘴の色褐色、赤褐色または暗赤色を帯びる
嘴の先端感覚に優れ、土や落葉の中の獲物を探るのに適する
暗色
眼の周囲暗色の皮膚が露出する
暗灰色から褐色
足指地上歩行と柔らかい林床での採食に適した長い指を持つ
雌雄差雌雄の外見はよく似ており、明瞭な性的二色性は確認されていない
幼鳥成鳥より羽色が鈍く、金属光沢が弱いと考えられるが、詳細な記載は少ない
活動時間主に昼行性
生活場所採食時は主に森林の地上、休息・警戒・就塒時は樹上
地上性トキ類としても森林の地上で過ごす時間が長い
採食姿勢ゆっくり歩きながら、下向きに湾曲した嘴を土や落葉へ差し込む
採食方法視覚だけでなく、嘴の触覚を使って落葉や土中の獲物を探る
攪乱された時地上から近くの枝へ飛び上がる
飛翔森林内では短い距離を低く飛ぶことが多い
社会性単独、つがい、または小群で行動する
一般的な群れ1~2羽での観察が多い
群れの記録地元狩猟者への聞き取りでは1~10羽、中央値約2.25羽
就塒夜間は樹上で休む
集団就塒複数羽が同じ地域の樹木を利用することがある
鳴き声低くしわがれた声、鼻にかかった声、咳払いに似た声を発する
飛び立つ時の声驚いて樹上へ移動するときに、低い鳴き声を発することがある
就塒時の声樹上へ集まる際に、遠くまで届く粗い声が聞かれることがある
食性動物食を中心とする
主な餌昆虫やその他の小型無脊椎動物
軟体動物カタツムリやナメクジを食べる
その他の餌ミミズ、昆虫の幼虫、クモ類などを利用すると考えられる
植物質果実、種子、花などを食べるという地元情報もあるが、食性に占める割合は不明
餌の探索場所湿った落葉層、柔らかな土、倒木周辺、岩の間など
生態系での役割林床の無脊椎動物を捕食し、森林の食物網に関わる
繁殖方法卵生
繁殖期主に9月~翌年2月
産卵が確認された時期11月~12月
雨季との関係繁殖期はおおむね雨季と重なる
枝や小枝を組み合わせた浅い皿状の巣
営巣場所森林内の樹木
巣の高さ確認された巣では地上8mと16m
その他の営巣情報地元情報では10m以下から20m近い高さまで幅がある
巣を作る場所太い枝の分岐部など
確認された営巣木Cleistanthus liberica
営巣木の現地名viro
水辺との距離同属の一部とは異なり、巣が必ずしも流水の近くに作られるわけではない
巣材小枝、枝、植物質
産座落葉、飛翔羽、綿羽などを敷く
巣の大きさ・1約370×360mm
巣の大きさ・2約330×260mm
巣の形楕円形またはほぼ円形の浅い皿状
一腹卵数確認された2巣はいずれも2卵
卵の色わずかに黄白色または灰白色
卵の模様不規則な褐紫色の細い線と褐色斑
測定された卵54.0×37.5mm
抱卵成鳥が巣上で抱卵する
雌雄の分担雌雄の抱卵時間や役割分担の詳細は十分に解明されていない
抱卵期間不明
孵化期間不明
孵化直後の成長、給餌、羽毛発達に関する資料は少ない
巣立ちまでの期間不明
繁殖成功率信頼できる長期的な推定値はない
観察された巣の結果2009年に追跡された2巣では、雛の巣立ちは確認されなかった
産卵数が少ない影響一度の繁殖で増える個体数が限られ、成鳥の死亡を短期間で補いにくい
性成熟年齢不明
寿命野生下・飼育下ともに種固有の資料はない
発見後の記録19世紀末から20世紀初頭に標本が得られた
記録が途絶えた時期1920年代末以降、確実な記録が長期間途絶えた
再発見1990年の調査で、約60年ぶりに確実な生存が確認された
再発見後島南部と南西部の複数地点で確認されるようになった
再発見の意味絶滅を免れていたことが確認された一方、生息域が非常に狭いことも明らかになった
新しい推定値の特徴実際に全個体を数えた値ではなく、推定密度と生息可能面積から算出された幅の大きい値
再評価の必要性正式評価時の個体数と後年のモデル推定に差があるため、新たな個体数調査を伴う再評価が求められている
個体数傾向減少
亜個体群世界の全個体が事実上一つの亜個体群を構成すると考えられる
最大の直接的脅威狩猟
狩猟目的主に食肉
狩猟の特徴本種だけを狙う場合に加え、森林内で遭遇した際に撃たれることがある
過去の捕殺記録1996~1997年に少なくとも16羽が殺されたという報告がある
狩猟者調査地元狩猟者への聞き取りにより、従来の推定より狩猟圧が高い可能性が示された
狩猟数の不確実性正確な年間捕殺数は不明で、聞き取り推定には大きな幅がある
森林伐採採食地、営巣木、就塒木を同時に失わせる
農地化森林を畑や単一栽培農園へ転換し、生息可能面積を減少させる
アブラヤシ開発島南部の低地林と森林周縁を転換する重要な脅威
木材伐採大径木と連続した林冠を失わせる
薪・木炭採取森林を徐々に疎開させ、人の侵入を増加させる
道路建設森林を分断し、伐採者や狩猟者が奥地へ入りやすくなる
人間による攪乱狩猟、伐採、ヤシ酒採取、カタツムリ採集、観光などによる森林内への立ち入り
外来哺乳類モナモンキー、ネズミ類、アフリカジャコウネコ、ネコなどが卵や雛の潜在的捕食者
外来動物の証拠本種の個体数を直接減少させている規模は、まだ明らかになっていない
ヘビによる捕食巣や卵を捕食する可能性があり、狩猟者からの報告もある
気候変動降水量、森林湿度、無脊椎動物の量、繁殖時期を変化させる可能性がある
極端気象豪雨、長期乾燥、斜面崩壊が限られた生息地へ影響する可能性がある
狭い分布域の危険一つの大規模開発、火災、感染症などが種全体に影響し得る
保全上の最重要地域サントメ島南部・南西部の在来低地林
保全上の中心課題狩猟を減らし、森林と営巣木を長期的に保護すること
保護区管理サントメ・オボ自然公園の監視、取締り、人員、資金の強化
公園外の保全公園境界外に残る重要森林の保護と土地利用管理
狩猟規制希少鳥類の捕殺禁止と狩猟法の見直しが進められている
地域住民との協働狩猟者を排除するだけでなく、森林知識を調査と監視に活用する取り組みが行われている
2022~2024年の取り組み75人の狩猟者が「Agents of Change」として保全活動へ参加した
狩猟者の役割希少鳥類の位置情報提供、違法狩猟の通報、森林監視への協力
代替生計支援選ばれた狩猟者へ、狩猟に依存しない事業や収入源づくりの研修・支援が行われた
法制度狩猟法の見直しと改善に向けた行程表が作成された
2026年の保全活動研究者、自然公園レンジャー、地域住民が協力し、分布・個体数・必要な保全策を再調査する計画が進められている
必要な調査最新の個体数、繁殖成功率、行動圏、季節移動、食性、狩猟数
営巣地保護繁殖期に営巣木周辺への伐採・狩猟・人の立ち入りを減らす
長期モニタリング定点調査、音声記録、距離サンプリング、地域住民からの情報を組み合わせる
生息地復元在来樹種による森林再生と、分断された森林間の連結
生態系での位置づけサントメ島の湿潤低地林が良好な状態で残されていることを示す森林性鳥類
保全上の特徴本種を守ることは、同じ森林に暮らす多数のサントメ島固有種と流域全体の保全につながる

2017年の体系的調査では、潜在分布域が従来の約213平方kmから約127平方kmへ縮小されました。特に繁殖期には約65平方kmへ集中する可能性があり、個体数推定が増えても、狭い森林への集中と狩猟圧という危険は解消されていません。

基本情報:出典

最終評価2020年:コオリーブトキ「CR:深刻な危機」

サントメテリハトキは、1990年に再発見されるまでは、歴史的記録と逸話的証拠でしか知られていなかった。サトウキビやカカオのプランテーションのために行われたサントメ島の大部分の森林開拓が、この種の存続に深刻な影を与えたと考えられている。現在は大部分の開拓が終わっているとはいえ、森林は小さな農場のためにさらに開拓されつづけている。人為的に移入されたモナモンキー、アフリカジャコウネコ、イタチなどの哺乳類による捕食も問題である。しかし、サントメテリハトキに対する現在もっとも深刻な脅威は、人間による狩猟である。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

2026年7月28日時点で公開されている最新のIUCN評価は、2020年6月9日に実施され、2021年版レッドリストに掲載された評価です。カテゴリーは2014年と同じ深刻な危機のCRで、成熟個体数は130~1,700羽、個体群は減少傾向とされています。推定値の上限が2014年より大きくなっていますが、個体数が回復したためではなく、調査範囲の拡大と分布・密度推定の更新によるものです。

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名・学名図鑑では、サントメテリハトキ(以下コオリーブトキ)。学名はBostrychia bocagei。英名はDwarf Olive Ibisと記載されている。学名はBostrychia bocageiのままで、独立種として扱われている。現在のBirdLifeではDwarf Ibisが主に使用され、São Tomé Ibis、Dwarf Olive Ibisという名称も用いられる。
分類トキ科の鳥として掲載されている。トキ科Threskiornithidae、Bostrychia属に分類される。分類上の大きな変更は確認されていない。
IUCNカテゴリー絶滅危惧IA類、CR。CRを継続。最新の公開評価は2020年6月9日評価で、判定基準はC2a(ii)。すべて、またはほぼすべての成熟個体が一つの小集団に集中していると判断されている。
個体数個体数は250羽未満と推定されていた。総個体数は約190~2,500羽、成熟個体数は約130~1,700羽と推定されている。ただし推定幅が非常に大きく、正確な個体数は依然として不明。
個体数の変化極めて少数で、狩猟や森林開拓によって存続が脅かされているとされた。IUCNの個体群傾向は「減少」。2014年より推定値の上限が増えているが、これは新しい調査と分布モデルによって従来見落とされていた生息地が確認された影響が大きく、個体数の回復を示すものではない。
分布サントメ島だけに生息する固有種。詳しい生息面積は記載されていない。サントメ島南部から中南西部の森林に限られる。主な分布地はヨ・グランデ川、レンバ川、キジャ川、カウエ川などの流域で、その大部分がオボ・デ・サントメ自然公園内に含まれる。
生息範囲島内の森林に限られ、非常に局地的な種として扱われていた。分布モデルによる潜在的な生息範囲は約127平方キロメートル。繁殖期には約65平方キロメートル程度に集中するとされ、絶滅リスクの判定では繁殖期の分布範囲が100平方キロメートル未満の「一つの場所」とみなされている。
生息環境森林に依存する種として説明されている。主に低地の天然林に生息し、樹木密度が高く、林床や下層植生が比較的開けた森林を好む。緩やかな斜面で多く確認されるが、標高約900メートルや二次林での記録もある。
水辺との関係英名やトキ類の一般的な印象から、水辺に強く依存する鳥と受け取られる余地があった。森林内で昆虫、ミミズ、カタツムリ、ナメクジなどを探して食べる。内陸湿地も利用するが、巣が流水の近くに集中するとは限らず、森林そのものの構造が重要と考えられている。
繁殖詳しい繁殖生態の記載はほとんどない。主な繁殖期は9月頃から翌年2月頃。地上から最大約20メートルの樹上に巣を作る。繁殖期に分布が狭い範囲へ集中することが、狩猟や森林改変に対する脆弱性を高めている。
過去の大規模森林開拓サトウキビやカカオのプランテーション造成による大規模な森林開拓が、個体数減少の大きな原因とされた。過去の開拓による影響は現在も残っている。特に低地天然林の消失と分断によって、生息地が島南部の限られた森林へ押し込められた状態が続いている。
小規模農業大規模開拓はおおむね終わったものの、小さな農場のための森林開拓が続いているとされた。カカオ、コーヒー、バナナ、果樹などの小規模農地の拡大は現在も脅威。自然公園の周辺や一部では境界内でも、計画性の低い農地拡大や森林資源利用が報告されている。
大規模農業過去のプランテーション造成が中心に記述されている。油ヤシやカカオなどの大規模農業は、現在も重要な脅威。特にモンテ・カルモ、ビンダ、ボンバイン、アグリパルマ農園周辺は、本種の主要生息域や自然公園の緩衝地帯に近く、森林消失・分断・人間の侵入増加につながる。
道路・開発詳しい記載はない。農業、林業、エネルギー事業のための道路建設は、森林を直接失わせるだけでなく、分断、騒音、人間の侵入、狩猟者の移動を増やす。中止された道路計画もあるが、将来の大型開発は引き続き警戒対象となっている。
狩猟「現在もっとも深刻な脅威は、人間による狩猟」と明記されている。狩猟は現在も主要な直接的脅威。専門的に本種だけを狙うというより、野生化したブタなどを追う狩猟者が生息域を通過し、獲物が得られなかった際に食用として機会的に撃つ場合が多い。脅威がなくなったことを示す証拠はない。
狩猟数に関する調査狩猟が深刻とされていたが、具体的な捕獲数は記載されていない。2014~2015年に93人の狩猟者へ行った調査では、40%を超える回答者が過去に本種を殺した経験を認め、そのうち約30%が月単位で捕獲していると回答した。ただし自己申告による過去の調査であり、現在の年間捕獲数は確定していない。
外来哺乳類モナモンキー、アフリカジャコウネコ、イタチなどによる捕食が問題とされた。外来哺乳類による影響は現在も懸念されるが、本種への捕食量や繁殖成功への影響は十分に解明されていない。2021年以降、ネズミ、サル、ジャコウネコなどの食性調査が進められている。ネズミの食物に占める在来脊椎動物は2.4%と低かったが、ネズミの密度が高ければ累積的な影響は大きくなる可能性がある。
その他の森林利用小さな農場による開拓が中心に挙げられていた。木材伐採、薪・木炭生産、ヤシ酒採取、巨大カタツムリ採集なども森林の劣化と人間の侵入を進める。森林内に作られる道や採取経路が狩猟圧を高める場合もある。
保護地域生息地を保護する措置は提案されているものの、当時は十分に実施されていないとされた。主要生息域の大部分は、2006年に設置されたオボ・デ・サントメ自然公園内にある。さらに2023年、低地林や自然公園の緩衝地帯など21区域、合計約12,300ヘクタールが特別保護区に指定され、保護地域網は拡大した。
法的保護法的な保護と効果的な森林保護が必要とされた。2016年に狩猟規則が制定され、保護地域内や絶滅危惧種の狩猟を規制する枠組みが設けられた。一方、規則の狩猟禁止種にコオリーブトキが明示されていないこと、住民への周知不足、監視・摘発能力の不足が指摘されている。
監視体制調査・観察プログラムと宣伝キャンペーンが進行中とされた。分布・生息環境の体系的調査、観察記録のデータベース化、隔年モニタリング、森林内の脅威調査が進められている。地域監視チーム「Guardiões d’Obô」も、巡回、観察、啓発、違法行為の監視に参加している。
狩猟対策の進展啓発活動は始まっていたが、法規制や森林保護の実効性が不足していた。2022年6月から2024年9月まで、狩猟規制と生物多様性保全の能力強化事業が実施された。狩猟者や元狩猟者を地域の啓発活動に参加させ、15回の研修・啓発活動、固有鳥類の狩猟から離れるための代替収入支援、狩猟規則改定の工程表作成などが行われた。
調査で明らかになった進展1990年に再発見されたばかりで、歴史的記録や逸話的情報への依存が大きかった。2013年以降の体系的調査によって、新しい生息地点、好む森林構造、繁殖期の分布縮小などが明らかになった。2024年にも3種のCR鳥類について、分布図と人為的脅威の地図を更新する調査が継続していた。
現在も残る情報不足個体数、分布、生態の多くが不明だった。調査は進んだが、正確な個体数、長期的な減少速度、年間狩猟数、繁殖成功率、外来哺乳類による捕食量は依然として不明。推定個体数の幅が130~1,700成熟個体と非常に広いこと自体が、情報不足の大きさを示している。
2014年との総合比較250羽未満と考えられ、森林開拓、外来哺乳類、狩猟によって絶滅寸前にあるとされた。保護区の拡張、行動計画、監視、狩猟者への働きかけなどは明確に進展した。しかしCRと減少傾向は変わらず、狩猟と森林の消失・劣化も続いている。2014年より実態が詳しく分かった一方、絶滅の危険が低下したとは判断されていない。

2014年以降、分布や生態を把握する研究と保護制度は大きく前進しました。特に、2023年の特別保護区指定、2022~2024年の狩猟対策事業、現在も続く分布図・脅威図の更新は具体的な進展です。一方で、狩猟規制の穴や執行力不足、外来哺乳類の影響、正確な個体数と減少速度は解決していません。

現状まとめ:出典

サントメテリハトキは、2014年から現在までIUCNの深刻な危機(CR)のままで、個体群も減少傾向にあります。成熟個体数は130〜1,700羽と推定されていますが、上限が増えたのは回復ではなく、調査範囲や推定方法の更新によるものです。主な脅威は、狩猟、農地拡大や伐採による森林の消失・分断、外来哺乳類による捕食です。保護区の拡張、監視活動、狩猟者への啓発、代替収入支援などは進みましたが、規制の周知や取締りは十分ではなく、正確な個体数や年間捕獲数、繁殖成功率も分かっていません。調査と保全は前進したものの、絶滅の危険が低下したとはいえない状態です。

⬇︎コオリーブトキの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

現在の保全は、2022~2027年保全行動計画、オボ自然公園の管理、生物多様性モニタリング、違法伐採の監視、狩猟規制、ハンターとの協働、環境教育を組み合わせて進められています。2022年6月から2024年9月まで実施された持続可能な狩猟プロジェクトでは、15回の研修・啓発活動、ハンターと元ハンターによる地域活動、代替生計の研修、演劇や映像を使った啓発、狩猟規則を改善するロードマップの作成が行われました。

保護活動の種類具体的な内容実施・提案状況重要度根拠・注意点
2022~2027年保全行動計画Dwarf Ibis、Newton’s Fiscal、São Tomé Grosbeakの3種について、調査、監視、法的保護、森林管理、狩猟対策、環境教育を統合する実施期間中最重要2014~2018年計画を更新した現在の中心的な保全文書
行動計画の継続評価計画の実施状況、未達成項目、新しい脅威を定期的に確認する継続実施が必要最重要計画では継続的監視と年次会合が定められている
2027年以降の計画更新現行計画の成果と未達成項目を基に、次期行動計画を策定する今後必要最重要行動計画は5年ごとの改訂を前提としている
IUCNレッドリスト評価小さな成熟個体群、減少傾向、狭い分布域、狩猟と生息地喪失から絶滅リスクを評価するCR評価継続中高い観察記録の増加が個体数の増加を意味するとは限らない
IUCN評価の更新最新の個体数、分布、狩猟圧、生息地変化を反映して再評価する2027年までの実施を計画高い現在の個体数推定には大きな幅と不確実性がある
信頼できる個体数推定距離サンプリングなどを用いて成熟個体数と総個体数を推定する過去に推定あり・改善が必要最重要既存推定は実際の個体数を十分に表していない可能性がある
個体群動向の算出複数年の標準調査から増加、安定、減少を判断するモニタリング継続中最重要少なくとも5年間程度の継続データが必要
年2回の生物多様性モニタリング本種、ほかの固有鳥、外来種、人間活動、森林状態を同じ調査で記録する2020年に手順承認・実施中最重要BirdLifeとGuardiões d’Obôなどが実施主体
年次モニタリング報告調査結果を毎年分析し、個体群、生息地、人間活動の変化を報告する2020年・2021年報告実績あり、継続予定高いデータ収集だけでなく年次解析が必要
観察記録データベース調査、研究、ガイド、バードウォッチャーの記録を一元管理するデータベース作成済み・更新中高い重複記録と情報散逸を防ぐ
データ利用規則座標情報、写真、研究利用、外部公開の範囲を定める整備が必要中〜高希少個体の位置情報を保護しながら研究に活用する
分布地図の更新新しい観察記録と森林変化を反映し、現在の分布を地図化する2024年以降も更新作業中最重要不発見地点を直ちに不在とみなさない
繁殖期の分布調査9月から2月頃に南東部へ集まる可能性を反復調査する研究実績あり・継続必要高い繁殖期の利用範囲は通常期より狭い可能性がある
季節移動の解明繁殖期と非繁殖期の移動、標高、流域利用を調べる情報不足・研究継続高い季節によって保護すべき場所が変化する可能性がある
行動圏の調査個体またはペアが日常的に利用する森林面積を調べる必要高い生息地点だけでなく周辺の採食地も保護するため
繁殖生態の研究求愛、産卵、抱卵、育雛、巣立ち時期を調べる一部研究済み・情報不足最重要小個体群では繁殖失敗の影響が大きい
巣の探索成鳥の行動、鳴き声、巣材運搬から新しい巣を確認する調査実績あり・継続必要最重要巣は高い樹上にあり、発見が難しい
巣の長期監視卵数、孵化、雛数、巣立ち、失敗原因を記録する必要最重要成鳥数だけでは個体群の更新状況を判断できない
営巣木の個別保護巣が確認された樹木と周囲の森林を伐採や工事から守る必要最重要巣は地上から約20mまでの樹上で確認されている
繁殖期の攪乱抑制巣周辺で伐採、観光、狩猟、騒音を抑える必要最重要巣の放棄や親鳥の死亡を防ぐ
幼鳥加入の監視毎年、新しい幼鳥が個体群へ加わっているか記録する必要最重要成鳥が残っていても繁殖が失敗している可能性がある
食性研究地上で捕食する無脊椎動物、カタツムリ、ナメクジなどの構成を調べる基礎情報あり・詳細研究が必要高い餌環境を維持する森林管理に必要
採食場所の調査裸地、落葉、岩、樹木周辺、開けた林床の利用を比較する必要高い林床を密生させすぎても、裸地化させすぎても影響し得る
狩猟圧の再評価狩猟される羽数、地域、時期、動機を再調査する行動計画で最優先研究に指定最重要2016年調査から時間が経過しており、最新状況の確認が必要
狩猟事例の記録射殺、捕獲、死体発見について日時、場所、状況を記録する体制強化が必要最重要個々の死亡が小個体群へ大きく影響する
狩猟者の行動調査本種を狙う狩猟と、イノシシなどを狙った際の偶発的な射殺を区別する過去に実施・更新必要高い効果的な対策には狩猟の目的と動機の把握が必要
外来哺乳類の影響研究ネズミ、モナモンキー、ジャコウネコ類などによる卵・雛の捕食を調べる2021年に研究協力開始・継続必要高い外来種の存在だけでは実際の被害量を判断できない
巣捕食者の特定自動撮影カメラなどを用いて実際の捕食者を確認する必要高い防除対象を科学的に選ぶため
外来種防除の効果検証限定区域で防除を行う場合、繁殖成功と非標的種への影響を調べる影響確認後に検討中〜高根拠のない広域駆除を避ける
森林資源採取の影響研究木材、木炭、パームワイン採取が森林構造と本種へ与える影響を調べる一部研究済み・種への影響評価が必要高い採取活動と狩猟が同時に行われる場合がある
オボ自然公園による保護主な分布域をParque Natural Obô de São Toméの区域として保護する2006年から実施最重要主な生息域の大部分が公園内にある
公園管理計画への統合分布、狩猟、伐採、外来種の新しい情報を公園管理へ反映する2021~2025年計画に反映・次期更新が必要最重要本種の生息域を公園内でも高い保護区分とする必要がある
保護区内の重点区域設定繁殖期の集中地域と高密度地域を、より厳格に管理する必要最重要公園全体で同じ管理強度にするのではなく、重要地を優先する
特別保護区の設置公園外の低地林、緩衝地帯、高保全価値地域を追加保護する2023年に21区域を法制化高い本種の各区域での利用状況は個別に確認する必要がある
高保全価値地域の法的保護公園外でCR鳥類が確認された森林を正式な保護対象にする公開協議後、保護地域制度が進展高い保護区外の生息地喪失を防ぐ
公園緩衝地帯の保全公園外縁で農地、道路、伐採、集落の拡大を管理する実施・強化必要最重要低地森林に依存する本種には公園外縁も重要
在来低地林の保全南部に残る低標高の自然林を農地や道路へ転換しない最重要対策最重要本種の中心的な生息環境
二次林の保全自然林に近い構造を持つ成熟二次林を維持する必要高い二次林での記録はあるが、すべての二次林が適地ではない
高密度の樹木を持つ森林の維持樹冠と成熟木が連続する森林構造を残す必要最重要本種は樹木密度の高い在来林と関連する
開けた林床構造の維持下層植生を全面除去せず、採食できる空間とのモザイクを残す必要高い本種は地上採食を行い、比較的開けた下層を利用する
落葉・腐植の維持林床の落葉、土壌、腐朽物を焼却・除去しない必要高い餌となる無脊椎動物を支える
大径木の保護営巣木となる可能性がある成熟した在来樹を残す必要最重要大木の選択的伐採は繁殖場所を直接失わせる
森林の連続性維持道路、農地、伐採地による生息域の分断を抑える必要最重要季節移動と個体間交流を維持する
主要河川流域の保護イオ・グランデ、レンバ、キジャ、カウエ流域の森林を優先する必要最重要主要な既知分布域と重なる
低地から山地への回廊低標高林と高標高林を樹林でつなぐ必要高い一部個体は標高約900mまで確認されている
森林復元分断地や劣化地に在来樹を植え、自然林との連続性を回復する実施・拡大必要高い若い植林地が直ちに生息地になるわけではない
復元後の長期監視林冠、樹木密度、林床、餌生物、本種の利用を追跡する必要高い植樹本数だけで保全効果を判断しない
農業拡大の抑制森林を油ヤシ、カカオ、コーヒー、食料農地へ新規転換しない必要最重要小規模開墾の累積も生息域を分断する
小規模農家との土地利用計画生産性改善やアグロフォレストリーにより森林への拡大を減らす行動計画で提案高い地域住民の生計と森林保全を両立させる
パームワイン採取の管理森林内の新しい道、樹木への損傷、長期滞在、狩猟の機会を減らす改善が必要高い資源採取と狩猟が結び付く場合がある
木炭生産の管理原生・成熟林での伐採を抑え、持続可能な燃料源を確保する必要高い森林構造と林床環境を劣化させる
違法伐採の巡回公園職員、森林警備員、地域監視員が伐採地点を巡回する実施・強化中最重要生息地喪失を現場で早期に検出する
森林法執行戦略公園、森林当局、警察が共同で違法伐採への対応手順を定める計画策定・実施強化が必要最重要機関ごとの個別対応では取締りが不十分になりやすい
木材運搬検問所違法材が市街地へ運ばれるのを道路上で確認・阻止する建設・運用が進行高い伐採現場だけでなく流通段階を監視する
公園境界の標識老朽化した標識を交換し、新しい境界標を設置する調査・製作済み、設置継続高い境界の不明確さによる農地侵入を防ぐ
公園への入域管理人、車両、資材の出入りを記録し、必要な区域への進入を制限する導入・強化が必要高い森林奥へのアクセスは伐採と狩猟を容易にする
開発前環境影響評価水力発電、道路、農業コンセッションなどの計画前に本種を調査する法制度あり・実効性強化が必要最重要発電所本体だけでなく道路、送電線、水路も評価する
優先森林での開発回避本種の繁殖・採食地域と重なる大規模事業を回避する必要最重要代替地の植林で成熟低地林を短期間に補えない
累積影響評価小農地、道路、伐採、発電開発を一体として評価する必要高い個別には小さくても、合計で生息域を大きく失わせる
狩猟規則の実施2016年の狩猟規則に基づき、保護種の狩猟と保護区内の狩猟を取り締まる法制度あり・執行強化中最重要法律の存在だけでなく周知、巡回、違反処理が必要
本種を対象とした狩猟の停止Dwarf Ibisを射殺・捕獲しないことを明確に周知する行動計画の独立目標最重要行動計画は「本種の狩猟を終わらせる」ことを掲げる
生息域での定期巡回本種の分布域と周辺集落で森林・狩猟巡回を行う恒常的実施が必要最重要繁殖期の集中地域を重点化する
狩猟違反の記録と処分違反件数、押収物、罰金、処分結果を継続的に記録する強化が必要高い取締りの実効性を数値で評価する
ハンターへの啓発本種が保護種であり、狩猟できないことを説明する2016年に実施・2022~2024年に拡充最重要一度だけでなく世代交代に応じた継続教育が必要
Protectors of Huntingハンターと元ハンターを地域の啓発・変革の担い手として育成する2022~2024年に実施高い外部機関だけでなく狩猟者自身が保全を伝える
狩猟管理研修行政、ハンター、消費者、環境関係者へ法制度と生物多様性を教える15回の理論・実地研修を実施高い国の狩猟管理能力の向上を目的とする
狩猟規則改正ロードマップ狩猟対象種、期間、監視、取締りの制度上の不足を整理する2024年までに提案作成高い改正案の採用と現場実施が次の課題
代替生計の支援固有鳥の狩猟をやめても収入を得られる小規模事業を検討する研修・伴走支援を実施高い禁止だけでなく経済的動機を減らす
小規模事業研修資金管理、事業計画、マーケティング、情報発信を教える2022~2024年に実施中〜高ハンターの生活転換を支援する
地域住民による違法活動監視少なくとも5地域で伐採・狩猟などの監視能力を育てる行動計画で実施対象高い行政職員が常駐できない地域を補う
Guardiões d’Obô地域の監視員が森林、生物、人間活動を記録する組織化・活動継続最重要モニタリングと違法活動の早期発見を担う
地域社会への啓発公園周辺の少なくとも10地域で本種と森林の価値を伝える壁画・行事などを実施、継続中高い狩猟だけでなく伐採と農地拡大にも対応する
演劇による啓発住民自身が森林利用と生活の解決策を考える参加型演劇を行う5地域で実施中〜高一方向の講義より地域参加を促す
映像・メディア啓発ミニドキュメンタリー、テレビ、ラジオ、地域メディアで発信する実施・継続必要中〜高森林に直接入らない住民や消費者にも届ける
学校教育固有鳥、森林、生態系、狩猟問題を学校教材や体験活動に組み込む実施中高い長期的な行動変容につながる
子ども向け生物多様性ゲーム本種が直面する障害を遊びながら学ぶ大型ゲームを実施する280人以上の児童が参加中〜高都市部と農村部の学校で実施
専門職への啓発ハンター、木材業者、パームワイン採取者、農業企業、観光業者へ研修する実施・継続必要高い森林利用者ごとに異なる影響へ対応する
政策決定者への働きかけ国、地区行政、議会へ本種の重要性と開発影響を説明する継続実施最重要開発計画の決定前に保全情報を反映させる
市民社会の開発協議参加水力発電、油ヤシ、カカオなどの計画協議へ環境団体を参加させる一部実績あり・継続必要最重要事業決定後では開発回避が困難になる
観光ガイドの認証公園で活動するガイドへ種識別、低攪乱観察、法令を教育する認証制度を計画中〜高観光客による森林内の攪乱を抑える
観光の収容力管理トレイルごとに人数と利用方法を定める計画段階・導入必要中〜高繁殖地への過度な立入りを防ぐ
地元大学との連携サントメ・プリンシペ大学の学生を調査、分析、保全実習へ参加させる実施・拡大中高い国内の長期的な研究能力を育てる
調査・監視人材の研修公園職員、森林警備員、学生、エコガイドへ調査法を教える2018年以降継続高い種の識別と標準化された記録が必要
保全インターンシップ若手に生物多様性監視、環境教育、情報発信の実務経験を提供する複数の研修・国際交流を実施中〜高国内の次世代保全人材を確保する
民間企業との協力農業企業に違法伐採の通報、森林保護、環境評価への参加を求めるAgripalmaとの協力実績あり高い企業の自主的活動だけで法的保護を代替しない
長期資金の確保調査、巡回、狩猟管理、地域支援、データ分析を複数年継続する継続的な確保が必要最重要短期事業では個体群の回復を確認できない
保全成果の数値評価個体数傾向、繁殖成功、狩猟件数、森林面積、違反処分で成果を測る行動計画で要求最重要研修回数や配布物数だけで成功と判断しない
現地保全の優先野生個体群、低地森林、営巣木、採食地をその場所で守る現在の基本方針最重要種固有の飼育繁殖・再導入事業は公開資料では確認されていない

現在確認できる主な進展

2020年には、オボ自然公園における鳥類、植物、人間活動、外来種を一体的に記録するモニタリング手順が承認され、BirdLife、Guardiões d’Obô、行政、大学などによる継続調査の基盤が整えられました。観察記録は共通データベースへ集約され、既知分布と人為的圧力の地図も更新されています。

生息地保護では、オボ自然公園に加え、2023年の法令によってサントメ島の低地林、緩衝地帯、沿岸部など21区域、約12,300ヘクタールが特別保護区として認定されました。ただし、これらすべてがDwarf Ibisの確認地という意味ではなく、各区域での本種の生息状況と実際の管理効果を確認する必要があります。

狩猟対策では、2022~2024年のプロジェクトにより、行政、ハンター、元ハンター、消費者を含む15回の研修、地域の「Protectors of Hunting」の育成、代替生計の事業研修、参加型演劇、ミニドキュメンタリー、狩猟規則改正のロードマップ作成が行われました。次の課題は、作成されたロードマップを法制度と現場巡回へ結び付け、本種の射殺件数が実際に減ったかを継続的に検証することです。

保護活動の種類:出典

サントメ島の森林破壊|アブラヤシ農園と水力発電が固有種を脅かす

Questioner: There are a lot of threats out there, but oil palm plantations really stick out to me. They’re practically the poster child for deforestation, aren’t they?

Me: When you talk about deforestation, massive cattle ranches and soy farming are also huge factors, but you’re right—oil palm is definitely the most glaring. Personally, what also caught my attention was the hydropower project on São Tomé, the one we touched on in the previous article about the Newton’s fiscal (Lanius newtoni).

Questioner: Ah, right. They share the same island, so there’s no way they wouldn’t be affected. Still, reading up on the push for agricultural expansion and the island’s power shortages… it makes you realize just how incredibly fast land clearing and development might be moving.

Me: Well, that usually goes hand in hand with population growth. Let me dig into that a bit more.

質問者:いろいろな脅威はあるけど、やっぱり森林破壊の代名詞のようなアブラヤシ農園が気になるよね。

私:森林破壊といえばそのほかに、大規模な牛牧場化と大豆栽培などがありますが、やはりアブラヤシが目立ちますね。私は、前回のサントメオナガモズ(Lanius newtoniサントメ島の水力発電計画のことも気になりました。

質問者:そっか。同じ島で暮らす仲間たちだもんね。影響がないとは思えないよね。でも、なんか調べていると農業の拡大とか電力不足だとか言われているってことは、すごいスピードで開拓や開発が進んでいるのかもしれないね。

私:人口が増えればそれに比例しますからね。そのあたり調べてみます。


発展の名の下で、サントメ島の最後の森が消えていく

人口が増え、電気や雇用、外貨が求められる。その切実さの一方で、農園や道路、水力発電の計画は、逃げ場のない固有種の森へ入り込んでいる。サントメ島で起きているのは、単なる自然破壊ではない。人間の暮らしを豊かにするための代償を、誰に負わせるのかという問題である。

根本にある圧力:人口増加と「発展」への欲求

サントメ・プリンシペの人口は増加を続けており、2023年の約23万1,000人から、2050年には約36万5,000人へ増えると予測されています。2026年時点では約24万人台に達しているとみられ、限られた国土の中で、食料、住宅、雇用、道路、電力などを確保する圧力は今後さらに強まります。

ただし、人口増加だけが森林破壊を生むわけではありません。土地利用の計画、企業への開発許可、保護区の管理、違法伐採の取締り、電源開発の選択などが重なり、残された森林への負荷を決めています。貧困からの脱却と経済発展が切実に求められる一方、環境への歯止めが後回しになれば、その代償は逃げ場のない島の固有種に集中します。人口増加は、すべての原因というより、ほかの問題を加速させる根底の圧力です。

アブラヤシ農園による「森の置き換え」

サントメ島に広がってきたカカオやコーヒーの農園も、もともとの天然林と同じではありません。ただし、伝統的なカカオのアグロフォレストリーでは、日陰を作る高木や複数の作物が残されるため、単一栽培の農地よりも複雑な植生と生物多様性を維持できる場合があります。2024年には、こうしたカカオ農林複合システムがFAOの世界農業遺産に認定されました。

これに対して、産業的なアブラヤシ農園は、森林や多層的な農地をほぼ同じ高さのヤシが並ぶ単一栽培へ置き換えます。樹木が残っているように見えても、天然林を必要とする鳥類にとっては、森が別の森へ変わるのではなく、生息環境そのものが失われる変化です。

Agripalma社については、かつて約5,000ヘクタールの拡張計画が示されていましたが、現在の事業者情報では、島南部にある事業区域は約2,400ヘクタール、植栽面積は約1,900ヘクタールとされています。そのため、2026年現在も5,000ヘクタールへの大規模拡張が進行中と断定することはできません。しかし、農園がオボ・デ・サントメ自然公園の緩衝地帯やモンテ・カルモの森林に近接する問題は消えていません。

島南部から南西部の低地林は、コオリーブトキやサントメオナガモズなどが生き残る中心的な地域です。島全体の地図では小さな開発に見えても、その場所が「最後に残された生息地」と重なれば、失われる意味は決して小さくありません。

クリーンエネルギーの代償:水力発電計画の罠

サントメ・プリンシペの発電は、現在も約95%を輸入ディーゼルに依存しています。燃料価格の高さや停電を減らすため、太陽光発電とともに水力発電の拡大が国の計画に組み込まれています。2026年の国家エネルギー計画では、水力発電容量を1.8MWから9MWへ増やし、イオ・グランデ川とボンバイン川の環境・社会影響評価を進める方針が示されています。イオ・グランデの6.9MW計画は、2027年の建設開始を目標とする段階であり、すでに複数の新設ダムが完成へ向けて建設中という状態ではありません。

水力発電のすべてが同じ規模、同じ影響を持つわけではありません。既存施設の改修と、森林の奥に新しい取水設備や導水路を造る計画では、生態系への負荷が大きく異なります。しかし、水力発電の候補地には、サントメオナガモズ、コオリーブトキ、サントメオオクチバシカナリアなど、絶滅危惧IA類の鳥が生息する森林や流域が含まれます。政府の戦略的環境評価でも、水力発電開発と希少鳥類の分布が重なる危険性が検討されています。

取水施設や発電所そのものだけでなく、工事用道路、送電線、資材置き場、人の往来も森林を切り開きます。道路が森の奥へ入れば、違法伐採や狩猟の入口になる可能性もあります。罠があるとすれば、それは水力発電という技術そのものではなく、「再生可能エネルギー」という看板によって、立地や生態系への代償が見えにくくなることです。

複雑に絡み合うジレンマ

サントメ・プリンシペは、しばしば「アフリカのガラパゴス」と呼ばれます。狭い島々に多くの固有種が集中し、サントメ島だけでもコオリーブトキをはじめとする固有の動植物が生きています。

一方、島で暮らす人々にとって、安定した電力、雇用、食料、道路、外貨収入は、遠くから簡単に否定できるものではありません。アブラヤシ産業や水力発電は、企業や政府だけの欲望ではなく、生活を良くしたいという正当な願いとも結びついています。

しかし、人間の生活向上と固有種の保全が、必ず衝突しなければならないわけではありません。どこに造るのか、どこまで広げるのか、天然林を避けられるのか、太陽光や蓄電池など別の方法を優先できないのか。その選択をせず、外貨と投資の拡大を最優先する成長モデルを進めれば、「発展」の費用は声を上げられない生き物へ押しつけられます。

大陸の動物であれば、まだ別の森へ移れる可能性があります。しかし、島の固有種には次の森がありません。一度、生息域の中心を農園や道路、発電施設へ置き換えれば、地図の外側へ逃げることもできません。人間の暮らしを良くするための選択が、生き物の存在そのものを消す選択になりかねない。その境界線に立たされていることが、2026年現在のサントメ島が抱える危機です。

出典


Questioner: The Ili Pika we looked into a while back… they’ve been forced higher and higher up the mountains because of human-caused global warming, right? Now they’re basically backed into a corner near the summits. But the dwarf olive ibis lives on an island, which means it has absolutely nowhere left to run.

Me: Right. Just because they’re birds doesn’t mean it’s as simple as flying off to another island. And honestly, even if they could make the trip, I doubt they’d find a better place to live than where they are now—an island known as the “Galapagos of Africa.”

Questioner: Exactly. Whenever I look into endangered species, it hits me how these untouched lands—places we used to call the great wilderness—are just constantly being cleared, logged, and paved over. If we keep going down this road, it feels like eventually, we humans won’t even be able to live on Earth anymore.

Me: I truly believe that if we stay on this path, we’re going to see parts of the globe become completely uninhabitable for humans. That’s exactly why we need to take what the dwarf olive ibis and the alpine-dwelling Ili Pika are showing us seriously. We have to face the heavy reality that “the places they’ve always called home are no longer livable.”


Thank you so much for taking the time to read this.

I pray that our thoughts and wishes reach the dwarf ibis.

鶏人|Keijin

質問者:少し前に調べたイリナキウサギさんは、人類が招いた地球温暖化のせいで少しずつ山を登らされて、いまはもう山頂近くまで追い詰められているみたいだったよね。だけど今回のコオリーブトキさんが暮らす場所は島だからどこへも行けないよね。

私:鳥類なので飛んで違う島へ行けばいいといった単純な話でもないですし、飛んで行ったところで、「アフリカのガラパゴス」と言われるこの島以上に、暮らしやすい島はないと思いますからね。

質問者:そうなんだよね。絶滅危惧種を調べていて思うのは、大自然と呼ばれていた未開拓の地が次々と開拓されて伐採されて埋め立てられたりしてるもんね。このままだと、僕たち人類も地球に住めなくなっちゃいそうだよね。

私:本当にこのままだと、地球上で人類が快適な暮らしをできなくなる地域が出てくる可能性もあると、私は思っています。だからこそ、このコオリーブトキや高山で暮らすイリナキウサギが教えてくれている、「今まで暮らしていた場所が住めなくなってきている」という事実を重く受け取らなければいけませんよね。


貴重な時間を、ありがとうございました。

コオリーブトキに、その想いが届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


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