11年後のレッドリスト|オリンピアノゼウスカビ:評価の途中で、森が燃え始めた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|オリンピアノゼウスカビ:評価の途中で、森が燃え始めた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi, I’m Keijin.

This time, I want to share a story that Zeus olympius taught me. I call it “The Day the Parasol Burned Out.”

Back in a 2014 encyclopedia, this fungus was introduced as being effectively “CR: Critically Endangered.” However, if you check The Global Fungal Red List Initiative (the framework for fungal assessment by the IUCN/SSC) right now, it’s currently listed as “Under Assessment.” Its final category on the global IUCN Red List hasn’t been officially decided—or at least, hasn’t been made public yet.

But here’s the reality: North Macedonia’s National Red List already classified it as CR (Criteria D) in an assessment from November 2020. The numbers are bleak—fewer than 50 individuals left, with an Area of Occupancy (AOO) of just 8 km². And the primary threat explicitly written there? Forest fires driven by climate change.

So, I feel like Zeus olympius is currently stuck in a tragic limbo: “The forest started burning while we were still grading the test.”

This is a short read; it’ll only take about 5 minutes of your time. I’d really appreciate it if you stuck around to the end.

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、オリンピアノゼウスカビ(学名:Zeus olympius)が教えてくれた「日傘が燃え尽きた日」って話です。

2014年の図鑑では、この菌は「CR:深刻な危機」相当として紹介されていました。
でも、The Global Fungal Red List Initiative(IUCN/SSCの菌類評価の枠組み)を見ると、いまは “Under Assessment(評価中)” になっていて、IUCNレッドリスト上の最終カテゴリはまだ決まっていない(公表されていない)状態なんです。

一方で、北マケドニアの国家レッドリストでは、2020年11月の評価で CR(基準D)。個体数は50未満、AOOは8 km²、そして主要な脅威は森林火災(気候変動)だと書かれていました。

だからオリンピアノゼウスカビは今も、「評価の途中で、森が燃え始めた」そんな状態なんだと思います。

この記事は短めで、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでみてください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける評価は、現時点では確認できていません。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:The Global Fungal Red List Initiative(学名:Zeus olympius)
参考:The National Red List of North Macedonia(学名:Zeus olympius

気温上昇の加速はどこから来たのか:エアロゾルの「日傘」が消え、海と火災が限界を超えた話

⬇︎オリンピアノゼウスカビの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|オリンピアノゼウスカビ(英名:Zeus Fungus)
項目情報
和名オリンピアノゼウスカビ
英名Zeus Fungus(学名で呼ばれることが多い)
学名Zeus olympius
分類菌類・子嚢菌(Ascomycota)・ズキンタケ綱(Leotiomycetes)・リティスマ目(Rhytismatales)・リティスマ科(Rhytismataceae)
分布バルカン半島の限られた地域(ギリシャのオリンポス山域など、ブルガリア、北マケドニア、コソボ等で記録)
主な生育地温帯林のボスニアマツ(Bosnian pine)林。若木の枯れた茎や、小枝・枝(とくに下枝の枯死部)に発生
大きさ子実体(ディスク状)は直径0.2〜5mmほど。胞子は約12〜15×5〜8µm
寿命寿命の目安は明確に示されにくい(木部内で菌糸として存続し、条件が揃うと子実体を形成するタイプと考えられる)

特徴

  • 名前の由来:属名・種小名はギリシャ神話のゼウスと、採集地として知られるオリンポス山にちなむ(1987年に記載された)。
  • 見た目:樹皮下では黒っぽい殻状に見え、成熟すると樹皮を破って開き、橙色〜金色の小さな円盤(ディスク)状の子実体が現れる。
  • 希少性:宿主となるボスニアマツへの強い依存が示唆され、個体群は分断・孤立しやすい。北マケドニアでは分布が極めて局所的で、確認個体数も非常に少ないとされる。
  • 保全状況:北マケドニアの国家レッドリストではCR(Critically Endangered:深刻な危機、基準D)として評価されている。

生態など

  • 生育環境:攪乱の少ないボスニアマツ林で、若木の枯れた茎や、枝・小枝の枯死部に発生する。
  • ふえ方(繁殖):子嚢(ascus)内に胞子(ascospore)を作る子嚢菌で、胞子散布により広がる。
  • 宿主との関係:枝の一部が枯れているのに基部が生きている例があり、寄生性、または内生菌(エンドファイト)的な生活史をとる可能性が示唆されている。
  • 脅威:森林火災(気候変動で頻度増が懸念される)、生育地の攪乱や管理作業に伴う下枝の除去などがリスクになり得る。

出典

評価:オリンピアノゼウスカビ|GF RLI:Under Assessment(評価中)|北マケドニア国家RL(2020/11):CR(D)

この菌類の生育が確認されている国立公園内の範囲はごく限られているが、ピクニック向きの場所で、遊歩道のそばで見つかっているので、危険もはらんでいる。深刻な火災は、自然のものであれ他に原因のあるものであれ、おそろしい脅威となる。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
1. 「ピクニック・遊歩道」のリスクに関する現状遊歩道のそばでも見つかっており、危険もはらんでいる(人の出入りや管理作業で除去される懸念)。リスクは継続中だが、管理され始めている。The National Red List of North MacedoniaのConservation actionsに、遊歩道の維持管理時に「低い枝(本種がつく枝)を除去しない」注意が明記されている。
2. 生息地の拡大(2014年との比較)2014年時点:ギリシャ、ブルガリア(2地点のみとして扱われている)。2026年時点(確認できる範囲):ギリシャ、ブルガリア(GF RLIのGeographic range)。北マケドニア:ガリチツァ国立公園で記録(国家RL)。コソボ:Prevallë(Sharr Mountains)で2018年に記録。
3. 現在の絶滅危惧ステータス図鑑内でCR(絶滅危惧IA類)として紹介。世界的な評価(IUCN):The Global Fungal Red List Initiativeでは Under Assessment(評価中)の表示で、カテゴリ(CR/EN等)は未確定(未公表扱い)。地域的な評価:北マケドニア国家RLで CR(D)、Date assessed:2020年11月。
4. 最大の脅威は「火災」図鑑内でも、(気候変動等による)火災が致命的になり得る脅威として扱われている。GF RLIのThreatsで「森林火災(気候変動で頻発)が最大の脅威になり得る」と明記。北マケドニア国家RLのJustificationでも、気候変動に伴う森林火災の増加が「非常に現実的な脅威」と明記。

出典

2014年の記載では、遊歩道周辺で確認されることに伴う人為的攪乱リスクが懸念され、分布はギリシャおよびブルガリアの限定的地点に依拠していた。2026年時点で、GF RLI上の分布情報は同2国を基本としつつ、北マケドニアではガリチツァ国立公園で記録され、維持管理時に低位枝の除去を避ける旨が保全措置として明記されている。さらにコソボでも記録が報告され、地域的な知見は拡張している。評価はGF RLIではUnder Assessmentで確定カテゴリ未公表である一方、北マケドニア国家レッドリストでは2020年11月にCR(D)と判定された。主要脅威は気候変動に伴う森林火災であり、両資料で最大級のリスクとして位置づけられる。

⬇︎オリンピアノゼウスカビの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
宿主林(ボスニアマツ林)の保全本種はボスニアマツ(Pinus heldreichii=旧名P. leucodermis)に強く依存するため、宿主となる自然林・準自然林を優先的に保全し、林分の改変や劣化を避ける。
森林火災対策既知産地が山地の針葉樹林に限られ、火災が直接的に生息地を失わせるため、防火帯・燃料管理・早期検知など、火災リスクを下げる管理を強化する。
伐採・林業施業の調整生息基質(枯枝・枯死部)と微小環境が重要なので、皆伐や過度な間伐を避け、既知産地では保全優先の施業(保護林化、作業道の最小化など)に切り替える。
生息基質(枯枝・倒木など)の確保子実体が形成される枯枝・小枝などの「死んだ木質部」が必要なため、林内の清掃的な除去を抑え、適度な枯死木・枯枝が残る状態を維持する。
重要地点のサイト保護産地が局所的で希少性が高いので、既知の発生地点(山地の特定標高帯・特定林分)を小規模でも重点保護区域として扱い、踏圧・改変・資材搬入を抑える。
採集圧の抑制と情報管理希少種は「見つけた人が増えるほど消える」リスクがあるため、詳細位置情報の扱いを慎重にし、採集は許可制・最小限とする(教育用は写真・非破壊観察を優先)。
研究とモニタリング分布確認(新産地探索)、発生頻度、宿主林の状態、火災・気候の影響を継続的に記録し、保全効果を検証する。必要なら保全評価(レッドリスト評価)更新の基礎データを整える。
予備的保全(標本・培養・遺伝情報)長期的な絶滅リスクに備え、標本の適切な保存、培養可能性の検討、DNAバーコード等の基礎データ整備を行い、再確認・同定の精度と将来の保全選択肢を確保する。

出典

最後に

Me: So, after reading that… how did it make you feel?

Questioner: It seems like this fungus can only survive in incredibly specific conditions—like on certain pine trees, the Bosnian pine (Pinus heldreichii / P. leucodermis), and even then, only on the “dead lower branches of living trees.” That sounds like a pretty narrow window for survival.

So if climate change really is the biggest threat and causes fires that burn those exact spots… isn’t that just game over? Do wildfires happen that often in these areas anyway?

Me: Good question. Let me look into the forest fire situation a bit more.

私:読んでみて、どう感じましたか?

質問者:このキノコって、ボスニアマツ(Pinus heldreichiiP. leucodermis)みたいな限られた松の、しかも「生きている木の下の方にある枯れた枝」っていう、かなり条件の厳しい場所でしか生きられないみたいなんですね。だから、その場所が、最大の危機と言われている気候変動による火災で焼けちゃったら、もう終わりじゃないですか。実際、こういう地域って自然火災がそんなに頻繁に起きるんでしょうか。

私:森林火災のこと、ちょっと調べてみますね。


項目内容要点
1-1.【絶望的な構造】生き残る「松」と、真っ先に燃える「キノコ」オリンピアノゼウスカビ(Zeus olympius)は、ボスニアマツ(Pinus heldreichii/P. leucodermis)の枯れ枝・小枝・若木の枯死部など、地表に近い「低い位置の枯れた枝」で確認される。生育位置が地表火の影響を受けやすい場所に寄っている。
1-2.【絶望的な構造】生き残る「松」と、真っ先に燃える「キノコ」山火事では、まず落ち葉・草本などが燃える地表火が生じ、その火が低い枝へ燃え移りやすい。低木・下枝などは ladder fuels(地表から樹冠へ火を運ぶ垂直連続燃料)と定義される。地表火→下枝→樹冠へ火が上がる「通り道」に、菌の生育基質が含まれやすい。
1-3.【絶望的な構造】生き残る「松」と、真っ先に燃える「キノコ」宿主のボスニアマツは厚い樹皮などの形態を持ち、一般にマツ類では厚い樹皮が低〜中強度の火災に対する生残要因になり得る。木体が残る可能性があっても、菌の基質(低位の枯れ枝)が先に失われやすい。
2-1.【頻度と現状】バルカン半島は「欧州の火薬庫」になりつつある南東欧では高温・乾燥・風などの条件が重なりやすい局面が増え、火災気象による大規模火災リスクが上がりやすいとされる。気候変動に伴う乾燥・高温が火災リスクの前提条件を強める。
2-2.【頻度と現状】バルカン半島は「欧州の火薬庫」になりつつあるギリシャでは2023年に欧州で記録上最大級とされる大規模火災が発生した。近年の実例として、極端事象が現実化している。
2-3.【頻度と現状】バルカン半島は「欧州の火薬庫」になりつつある北マケドニアでも2024年夏季に山火事が多数発生し、危機(緊急)対応が宣言され、周辺国やEU調整による支援も報じられている。2024年も「多発」と「対応の大規模化」が確認できる。
2-4.【頻度と現状】バルカン半島は「欧州の火薬庫」になりつつある山地・高地でも火災リスク増大が課題として扱われており、従来火災が起きにくいとされがちな高地でも前提が変わり得る。高地の生息域も安全地帯とは言い切れない。
3-1.【逃げ場なし】「空の孤島」という地理的リスクGF RLIの地理情報はギリシャ・ブルガリアを基本として示される。分布が狭い前提のまま、評価が進められている。
3-2.【逃げ場なし】「空の孤島」という地理的リスク北マケドニアではガリチツァ国立公園での記録が国家レッドリストに示される。国別資料で追加分布が確認されている。
3-3.【逃げ場なし】「空の孤島」という地理的リスクコソボでもPrevallë(Sharr Mountains)で2018年の記録が報告されている。追加分布はあるが、山地の点在的分布という性格は変わらない。
3-4.【逃げ場なし】「空の孤島」という地理的リスク北マケドニア資料ではAOO 8 km²、個体数50未満とされる。単一火災イベントで地域個体群が消失し得る規模感が示されている。
4-1.【皮肉なジレンマ】人を守るための対策が、キノコを殺す人間側:防火・延焼抑制では、地表から樹冠へ火を運ぶ ladder fuels の低減(下枝・低木の除去、維持管理)が重要視される。防火の常套手段は「下の燃料を減らす」方向に働く。
4-2.【皮肉なジレンマ】人を守るための対策が、キノコを殺すキノコ側:本種は低い位置の枯れ枝で確認され、北マケドニア資料でも遊歩道の維持管理に際し「低い枝を除去しない」注意が明記されている。生育基質の保全は「低い枝を残す」方向に働く。
4-3.【皮肉なジレンマ】人を守るための対策が、キノコを殺すしたがって、火災リスク低減の管理行為が、そのまま生育基質の除去リスクになり得る。防火と保全が衝突しやすく、両立設計が必要になる。

出典

Questioner: I’ve seen that in movies about wildfires. Since you can’t exactly chop down massive trees in a heartbeat, they burn the dry brush at the bottom on purpose to starve the fire, right? It’s like a strategic sacrifice. It feels like the same hierarchy exists for endangered species. Everyone rallies around the “celebrities” like cute pandas, but the quiet, unnoticed mushrooms… they’re just sort of left in the shadows, aren’t they?

Me: To a mushroom nerd, though, this fungus probably counts as “devastatingly cute.” If you had a hardcore mushroom lover on the front lines of conservation, they might try to cut down the giant trees just to build a barricade around the fungus. Although, ironically, that would destroy the symbiosis and kill them both.

But all joking aside… researching these species in 2026, I can’t shake this feeling: climate change is speeding up, isn’t it? Let me check the latest intel on that.

質問者:山火事を描いた映画で見たことがあるんだけど、高い木は簡単に切れないから、あえて下の方の乾いた草を燃やして、火がそれ以上広がらないようにするテクニックだよね。絶滅危惧種の世界でも、カワイイパンダみたいに目立つ存在はみんなで見守るけど、目立たないキノコは……なんだろうね。

私:キノコ好きからしたら、このキノコってむしろ壮絶にカワイイ部類に入るんじゃないですかね。だから、もしキノコ好きが保全の現場の末端にいたら、大木を倒してでもキノコの周りを守ろうとするかもしれませんね。まあ、それをやったら共存関係が壊れちゃいますけど。

冗談はさておき、絶滅危惧種を調べていて2026年にすごく感じてるのは、気候変動って加速してないか?ってことなんです。そのあたりの最新情報、調べておきます。


項目内容要点
1-1.【加速の正体①】「地球のラジエーター」が壊れた(エアロゾルの減少)人為起源の硫酸塩エアロゾルは、太陽光の散乱や雲の明るさ増加を通じて、温暖化を一部相殺してきたと整理される。エアロゾルには短期的に冷却方向の寄与がある。
1-2.【加速の正体①】逆説的な真実大気汚染対策でエアロゾルが減ると、相殺されていた温暖化が表面化し、短期的に気温上昇へ寄与し得る(いわゆるマスキング効果の低下)。きれいになった空が「温暖化の見かけの加速」を生み得る。
1-3.【加速の正体①】2020年の規制強化IMOの「IMO 2020」により、船舶燃料の硫黄分上限が(一般海域で)3.5%→0.5%へ引き下げられ、2020年1月1日から適用。船舶由来の硫黄酸化物・硫酸塩エアロゾルが減る制度的契機がある。
1-4.【加速の正体①】規制強化と温度への示唆IMO 2020に伴うエアロゾル減少が、2020年代の全球平均気温を小さく押し上げる可能性が、近年の研究で定量評価されている。影響は小さくても、短期の上振れ要因として議論されている。
2-1.【加速の正体②】海の「熱バッテリー」が満タンになった海洋は温室効果ガス起源の余剰熱の9割前後を吸収し、気温上昇を緩衝してきたと整理される。海が温暖化の最大の緩衝材(バッファ)として働いてきた。
2-2.【加速の正体②】バッファの限界近年、海面水温や海洋熱含量が記録的高水準を示す局面が続き、海の緩衝が「十分に効いているように見えにくい」期間が生じ得る。海が熱を抱え込み続けるほど、異常高温が表面化しやすくなる。
2-3.【加速の正体②】大気への放出表層海温の上昇は、大気への顕熱・潜熱供給(蒸発と水蒸気増加)を強め、極端現象の背景条件を押し上げ得ると理解される。海は「吸う側」だけでなく、大気を強く駆動する側にもなる。
3-1.【加速の正体③】「フィードバック・ループ」が回り始めた温暖化は単純な直線ではなく、正のフィードバック(増幅)が加わると加速的に見える局面がある。増幅機構が働くと、同じ外力でも影響が大きくなる。
3-2.【加速の正体③】氷が溶ける → 暑くなる氷や雪は反射率(アルベド)が高いが、融解で暗い海面・地表が露出すると吸収が増え、さらなる融解を促す(氷-アルベド・フィードバック)。反射が失われるほど、熱が入りやすくなる。
3-3.【加速の正体③】森が燃える → 暑くなる大規模火災はCO2排出を増やし、森林の炭素収支を弱め得る。特に北方林では、火災由来排出の増大が報告されている。火災は生息地破壊だけでなく、温暖化側の要因にもなり得る。
3-4.【加速の正体③】炭素吸収源から排出源へ乾燥と火災の相互作用により、森林が持続的吸収源から断続的排出源へ移行する可能性がモデル・解析で議論されている。ループが成立すると、気候側の負荷が自己増幅し得る。
4-1. 絶滅危惧種にとっての「加速」の意味種は気候の変化速度に対して、分布移動・行動・繁殖タイミングの調整で追随するが、変化が急だと調整が破綻しやすい。「適応が間に合わない」状況が増える。
4-2.【季節のズレ】についていけない(例1)例:植物の開花が気温で前倒しされる一方、送粉昆虫の活動は別の手がかり(気温以外の要因も含む)で動き、相互作用の同期が崩れる。花は咲いても、運び手が不在になり得る。
4-3.【季節のズレ】についていけない(例2)例:渡り鳥などの到着時期と、餌資源(昆虫発生や果実期)がずれて、繁殖成功が下がるタイプのミスマッチが議論される。タイミングのズレが、生存率・繁殖率に直結する。
4-4.【逃げ場の消失】(エスカレーター・トゥ・エクスティンクション)温暖化により分布が高標高側へ押し上げられると、山頂域の種はそれ以上移動できず、局所絶滅が積み上がって最終的に種の消失へ至り得る。逃げ場が地理的に尽きると、回復不能になりやすい。

出典

Questioner: I get that this is the scientific reality, but doesn’t it feel like we’re just handing ammo to the crowd who screams “global warming is caused by the sun”? It feels just like the old tobacco industry tactics—twisting the narrative to suit their agenda. I’m scared they’ll spin it all over the media like: “So, to get more aerosols, we need to drill, baby, drill! We need to burn fossil fuels like there’s no tomorrow!” Doesn’t that terrify you?

Me: I was thinking the exact same thing. I know this conversation is running a bit long, but let me look into that properly.

質問者:こういう話って現実なんだろうけど、「温暖化の原因は太陽だ」みたいなことを言ってる人たちを、逆に喜ばせちゃわないかなって感じるんですよね。昔のタバコ産業みたいに、話を都合よくねじ曲げて広められそうで。たとえば「じゃあエアロゾルを増やすために、化石燃料をもっと掘って、掘りまくって、ガンガン燃やしまくらないと」って、いろんなメディアで拡散されそうで怖くないですか。

私:同じこと考えてました。今回は長くなっちゃいましたけど、ちゃんと調べてみますね。


項目内容要点
1. 【最大の罠】「寿命」が違いすぎる(数日 vs 数百年)化石燃料の燃焼は、短期的に冷やす方向に働き得る粒子(主に硫酸塩などのエアロゾル)と、長期的に温め続けるCO2を同時に増やす。両者は「効く期間」が極端に違う。冷却は短期・温暖化は長期なので、相殺ではなく負債が積み上がる構造になる。
エアロゾル(硫酸塩など)大気中での滞留は短く、一般に数日〜数週間程度で、降水などで除去されやすい(短命の気候強制因子の一部で、粒子状物質PMとも重なる概念)。冷やす効果は「燃やしている間だけ」維持されやすい。
CO2(二酸化炭素)大気中からの除去は遅く、人為起源CO2の一部は数百年〜数千年規模で大気中に残りうる。いったん増えた分の影響は長期に残る。
【例え話:借金の利払い】「冷やすために燃やす」は、借金(CO2の温暖化)を増やしながら、目先の利払い(短命エアロゾルの冷却)でしのぐのに似る。元本が増え続ける限り、破綻リスクが上がる。
「もっと燃やせ!」……短命の冷却を維持するには排出を継続する必要があるため、「もっと燃やせ」は冷却の対価としてCO2の累積を加速させる主張になりやすい。冷却の維持条件が「排出の継続」になり、長期的に不利。
いつか燃やすのをやめた瞬間……もし短期間でエアロゾルが急減すると、短命の冷却が先に消え、温室効果ガスによる温暖化が相対的に前面に出る(短期的な急な昇温として議論される)。なお「termination shock」という語は主に太陽放射改変(SRM)の停止に伴う急昇温リスクの文脈で使われる。「冷却のマスキング」が外れると温度が跳ねやすい。用語はSRM文脈が中心。
2. 【健康被害】「涼しくなる」前に人間が死ぬエアロゾルは気候に影響するだけでなく、多くが大気汚染(粒子状物質など)として健康被害を生む。「気温を下げるために汚染を増やす」は健康リスクを直接押し上げる。
かつての公害大気汚染が健康被害を生む典型例として、日本の四日市ぜんそく(硫黄酸化物などによる大気汚染と健康被害が社会問題化)が知られる。汚染の増加は「過去に起きた被害」を再現しうる。
本末転倒WHOは、大気汚染が毎年およそ700万人の死亡に関連するとしている。冷却目的で汚染を増やすのは、気候リスクの回避と引き換えに健康リスクを増やす構図になりやすい。気候対策の目的(生存環境の維持)と手段(汚染の容認)が衝突する。
3. 【副作用】雨のパターンが変わるエアロゾルは放射(太陽光の散乱・吸収)と雲の微物理(雲粒形成など)の両面から降水に影響し、地域的な雨の分布や強度を変えうる。冷却のつもりでも、水循環の改変という別の大きな影響が出る。
具体例(リスクの方向性)研究では、北半球の硫酸塩エアロゾルの増加が海面水温の南北差などを介して降水帯の位置に影響し、20世紀後半のサヘル降水減少に寄与した可能性が示されている。「どこかを冷やす」介入は、別地域の干ばつ・豪雨リスクに連鎖しうる。

出典

Questioner: So, it feels like air pollution was acting like a “parasol” this whole time, masking just how terrifying global warming really is. And now that the parasol has burned away, we’re finally getting scorched by the “true heat” of the planet. Which means we can’t keep relying on parasols or sunscreen. We need to double down on cutting off the heat source itself. Fast.

Me: And yet, the destruction—deforestation, burying wetlands for development—it just doesn’t stop. That’s the harsh reality I’ve seen over the past year chasing endangered species.

It really feels like the tobacco industry all over again. If they keep swapping small facts for big lies—like “Global warming is real, but hey, it’s not humanity’s fault”—and if that becomes the accepted “truth” while the forests keep falling… I feel like we’re going to cross a line of no return.

I might get some heat for saying this, but the scientists and power players spreading these narratives… do they honestly think, “Well, I’m fine. I’ve got land in the north and a fully stocked bunker”?

I believe the Earth doesn’t belong to anyone. And it certainly doesn’t belong to a privileged few.

If you borrow something, or break it… you fix it if you can, you apologize, and you return what you can with gratitude. Isn’t that just common decency?

The Earth is generous, so she’s not angry. But she is definitely grieving.

Thank you so much for your valuable 5 minutes. I pray that those 5 minutes will reach the Zeus olympius.

Keijin

質問者:これって、今まで大気汚染っていう「日傘」があったせいで、温暖化の本当の怖さが見えにくかった、って感じだね。で、その日傘が燃え尽きた今、ようやく「本当の地球の暑さ」をジリジリ浴びてる、みたいなことなのかな。だから、日傘や日焼け止めに頼るんじゃなくて、熱源そのものを断つスピードを倍にしなきゃいけない、ってことなんだよね。

私:それなのに、森林破壊とか湿地の埋め立てみたいな開発が、いまだに止まらないんですよね。ここ一年、絶滅危惧種を追ってきて見えてきた現実でもあります。本当にまた、タバコ産業のときみたいに、「温暖化は起きてるけど人類の責任じゃないんだよ」みたいに、小さな事実を大きな嘘にすり替えることが「真実」扱いされて、森林破壊なんかが止まらなかったら、もう取り返しがつかないところまで行く気がしてます。

こんなこと書いたら怒られるのかもしれないけど、こういう話を拡散してる科学者や一部の権力者って、「まあ大丈夫。北に土地もあるし、シェルターも完備してるんでね」くらいに思ってるんでしょうか。

地球は誰のものでもないし、当然、一部の特権階級のものでもないと信じています。

借りたもの、壊したものは、直せるならちゃんと直して謝って、返せるものは感謝を込めて返す。それが礼儀なんじゃないかと思うんです。

地球は寛大だから、怒ってはいないけど、間違いなく悲しんでますよ。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

オリンピアノゼウスカビに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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