11年後のレッドリスト|キノガーレ:湿地の奥で、気配だけを残していた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|キノガーレ:湿地の奥で、気配だけを残していた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi, 鶏人|Keijin here.

Back in a 2014 wildlife guide, the Otter Civet (Cynogale bennettii) was listed as “EN: Endangered.” Its population had taken a massive hit due to habitat destruction, clear-cutting, the conversion of peat swamp forests into oil palm plantations, and the severe pollution of rivers and wetlands.

Fast forward to 2026, and a quick check of the IUCN Red List shows that nothing has changed—it’s still stuck at “Endangered.” While there have been some positive steps recently—like confirmed sightings in protected areas, camera trap surveys, efforts to save peat swamps and riverbank forests, and crackdowns on illegal logging and trapping—there hasn’t been any solid evidence of a recovery significant enough to upgrade its status.

I can’t help but feel that even now, the Otter Civet is just a fading shadow deep within the wetlands, barely leaving a trace of its existence.

This is a quick, 5-minute read. I hope you’ll stay with me until the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

キノガーレ(学名:Cynogale bennettii)は、2014年の図鑑では、生息域の破壊、森林の皆伐、泥炭湿地林のアブラヤシ農園化、河川や湿地の汚染により、個体群が大きく減少したため「EN:絶滅危惧」と評価されていました。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「EN:絶滅危惧」のままでした。近年は、保護区内での確認やカメラトラップ調査、泥炭湿地林・河畔林の保全、違法伐採や罠への対策などは進められているものの、2026年時点でIUCN評価を改善させるほどの明確な回復は確認されていません。

キノガーレは今も、「湿地の奥で、気配だけを残していた」状態なのだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2015年評価(2015年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Cynogale bennettii

キノガーレの現在地|2014年から2026年までの変化

⬇︎キノガーレの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|キノガーレ(英名:Otter Civet)

主に IUCN系資料、Animal Diversity Web、Oryx の分類・分布再検討論文、Thai National Parks、WCS Indonesia の情報を照合しました。キノガーレは、カワウソのような姿をした半水生のジャコウネコ科動物で、東南アジアの湿地林・河川沿いの森林に依存する希少種です。IUCN系評価では EN:絶滅危惧種 とされ、過去15年、つまり3世代程度で50%を超える減少が推定されています。(タイ国立公園ガイド)

項目内容
和名キノガーレ
別名・表記ゆれカワウソジャコウネコ、オッターシベット、スンダオッターシベットなどと訳されることがある
英名Otter civet
別英名Sunda otter civet、Otter-civet、Mampalon
学名Cynogale bennettii
命名者・命名年Gray, 1837
分類哺乳綱・食肉目・ジャコウネコ科・キノガーレ属
属の特徴Cynogale 属は現生ではキノガーレ1種のみを含む単型属
IUCNレッドリストEN:絶滅危惧種
CITES附属書II掲載
分布国タイ、マレーシア、インドネシア、ブルネイ。ベトナム北部記録は古い標本に基づくが、近年の再検討では確実性に注意が必要
主な分布域マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島を中心とするスンダ地域
タイでの分布タイ南部から半島部にかけて記録がある
マレーシアでの分布マレー半島、サバ州、サラワク州に分布
インドネシアでの分布スマトラ島、カリマンタンに分布
ブルネイでの分布ボルネオ島北部の森林地域に分布
分布の特徴広く連続しているというより、湿地林・河川沿いの森林に局所的・断片的に残る
生息環境熱帯低地林、泥炭湿地林、河畔林、湿地、川や小川の周辺、低地熱帯雨林
好む環境水辺に近い森林。半水生であるため、川、沼、湿地、泥炭湿地林との結びつきが強い
二次林・伐採林での記録二次林、竹林、伐採林、アカシア植林地周辺などでも記録があるが、主要環境は低地の湿った森林と考えられる
標高主に低地性。ボルネオの Deramakot Forest Reserve では標高60〜250mの低地熱帯林で記録されている
体長頭胴長は約57.5〜68cm程度
尾長約12〜20.5cm程度
全長頭胴長と尾を合わせて約70〜88cm程度
体重約3〜5kg
体型胴長でずんぐりした体、短い尾、低い姿勢を持つ
外見の印象カワウソに似たジャコウネコ類。水辺生活に適応した姿をしている
毛色暗褐色から黒褐色。長い灰色がかった毛が混じり、霜降り状に見えることがある
顔の特徴鼻先が幅広く、吻が長い。多数の長いひげを持つ
ひげの役割長いひげは、水中や水辺で獲物を探す感覚器官として役立つと考えられる
足の特徴足には水かきがあり、裸出した足裏と長い爪を持つ
鼻・耳の特徴鼻孔や耳を閉じられる構造を持ち、水辺生活への適応とされる
歯の特徴魚類や甲殻類などを食べる生活に適応した幅広い臼歯を持ち、一般的なジャコウネコ類とは異なる歯の形が見られる
活動時間夜行性
生活型半水生。地上性が強いが、水辺から大きく離れることは少ないとされる
採食場所川、沼、湿地、河岸、森林内の水辺周辺
食性主に魚、カニ、ザリガニ類、淡水性貝類などの水生動物を食べると考えられる
その他の食物小型哺乳類、鳥類、果実を食べる可能性もある
採食行動水辺で待ち伏せするように獲物を捕らえる可能性が指摘されている。木に登って鳥や果実を食べることもあるとされる
繁殖繁殖生態はよく分かっていない
産子数2〜3頭程度とされる資料がある
幼獣の記録5月に母親と一緒にいた幼獣の記録がある
社会性詳細不明。希少で観察例が少ないため、単独性か群れを作るかについても十分な情報がない
行動研究の状況非常に目撃例が少なく、自然史・繁殖・行動の多くが未解明
種としての特殊性ジャコウネコ科の中でも水辺への適応が著しい、非常に特殊な半水生種
分類上の注意かつて Cynogale lowei という別種名が提案されたが、2006年の再検討では C. bennettii と形態的に別種とする根拠は支持されなかった
ベトナム・中国記録の注意点北ベトナムや中国雲南省の記録が言及されることがあるが、確実な分布として扱うには慎重さが必要
個体数正確な総個体数は不明
個体数傾向減少傾向。IUCN系資料では、3世代・約15年で50%以上の減少が推定されている
主な脅威泥炭湿地林の消失、森林伐採、低地林の農地化、アブラヤシ農園への転換、河川環境の劣化、汚染、罠への混獲
特に深刻な脅威泥炭湿地林からアブラヤシ農園への転換。主要な生息地である湿地林そのものを失わせる
汚染の影響水辺で採食するため、河川や湿地の汚染は餌資源や健康に影響する可能性が高い
罠の影響本種を狙った狩猟の証拠は少ないが、地上性のため他種を狙った罠にかかる危険がある
保護区での確認分布域内の複数の保護区で確認されている
保全上の要点泥炭湿地林、低地林、河畔林の保全、違法伐採対策、河川汚染の抑制、カメラトラップ調査による分布確認が重要
研究上の課題分布、個体数、繁殖、生態、移動範囲、保護区外での生息状況の把握が不足している
記事での注意点「カワウソの仲間」と書くと誤解を招く。正しくは「カワウソに似た半水生のジャコウネコ科動物」
日本語記事での表現メモ「湿地の静けさのなかで、かろうじて気配をとどめていた」という表現と相性がよい種。水辺に依存する暮らし、泥炭湿地林の消失、姿の見えにくさを軸にすると伝わりやすい

補足すると、キノガーレは「珍しいジャコウネコ」というより、「東南アジアの湿地林が壊れると一緒に消えていく水辺の肉食獣」です。特に泥炭湿地林のアブラヤシ農園化、河畔林の劣化、水質汚染が大きな問題で、種の詳しい生態が分からないまま生息地の方が先に消えている、という危うさがあります。(タイ国立公園ガイド)

出典

最終評価2015年:キノガーレ「EN:絶滅危惧」

生息域の破壊および汚染により、キノガーレの個体群は15年で半減したと推定されている。適した生息域の減少に影響を与えた最大の要因のひとつは森林の皆伐であり、泥炭湿地林のアブラヤシ農園への転換ももうひとつの大きな脅威である。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

2026年時点で確認できる最新のIUCN評価は、「2015年3月3日評価」のままで、カテゴリはEndangered(危機)、個体数傾向はDecreasing(減少)です。つまり、2014年図鑑時点から「危機が改善した」と判断できる新しい再評価は、少なくとも公開情報上は確認できません。むしろ、泥炭湿地林・河川林・低地林の消失、アブラヤシ農園化、湿地の排水・火災・違法伐採・水質汚染が、現在も主要な脅威として残っている状態です。(WCS Indonesia)

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名キノガーレキノガーレ。英名はOtter Civet、Sunda Otter Civetとも表記される。
学名Cynogale bennettii GrayCynogale bennettii Gray, 1837。Cynogale属の現生種として扱われる。
分類ジャコウネコ科食肉目ジャコウネコ科。半水生に適応した非常に特殊なジャコウネコ類。
IUCNカテゴリー絶滅危惧IB類。IUCNのEN相当として紹介されている。IUCN Red ListではEndangered(EN)。2026年時点で公開されている最新評価は2015年3月3日の評価で、EN C1とされている。
評価の変化図鑑時点ですでに絶滅危惧IB類。カテゴリ上はENのまま。改善してVUやNTへ下がったわけではなく、危機的状態は継続している。
個体数傾向「15年で半減したと推定」と記載。IUCN現行表示でもPopulation trendはDecreasing。成熟個体数は2,490と表示されており、減少傾向が続く種として扱われている。
主な生息地水中での生活に適応した特徴をもち、林と川辺の生息域が重要とされる。Forest, Wetlands(inland)とされる。とくに泥炭湿地林、淡水湿地林、低地林、河川沿いの自然植生が重要。
分布マレーシア、インドネシア、タイで見られ、ベトナム北部や中国雲南省南部での生息記録にも触れている。主な分布はマレーシア、インドネシアのスマトラ・ボルネオ、ブルネイ、タイ南部周辺。ベトナム北部記録については分類・記録の扱いに注意が必要で、近年はスンダ地域中心の分布として扱われることが多い。
生息域破壊生息域の破壊および汚染により個体群が大きく減少したと説明。生息域破壊は現在も最大級の脅威。湿地の破壊・劣化・排水、火災、違法伐採、皆伐、アブラヤシ農園化が継続的な問題とされる。
森林皆伐適した生息域減少の最大要因のひとつとして森林の皆伐を記載。皆伐は現在も重要な脅威。さらに皆伐後にアブラヤシ農園など非森林環境へ転換されることで、キノガーレに適した低地湿地林が失われる。
アブラヤシ農園化泥炭湿地林のアブラヤシ農園への転換が大きな脅威とされている。現在も主要脅威のひとつ。若い植林地・農地・裸地・焼失林は、生息適地としてほぼ不適または非常に低い評価を受けている。
汚染生息域の汚染が個体群減少の原因として記載されている。河川環境の汚染は現在も懸念される。とくに金採掘由来の水銀など、水系汚染が湿地性哺乳類に与える影響が課題として挙げられている。
狩猟・取引図鑑本文では主因としては生息地破壊と汚染が強調されている。狩猟・野生動物取引・地域消費の影響は可能性として挙げられるが、情報不足が大きい。希少で記録が少ないため、実態把握が難しい。
保護区との関係すでに複数の保護区内に生息していると記載。ボルネオでは保護区内の記録もあるが、予測される重要生息地の多くが保護区外にある。とくに中央カリマンタンや西カリマンタンの泥炭湿地林では保護の不足が指摘されている。
調査状況分布を把握し、長期にわたって監視する研究が必要とされている。その課題は現在も継続。ボルネオでも記録は偏っており、ブルネイ、インドネシア領カリマンタン、保護区外の湿地などで追加調査が必要とされる。
現在の総合評価すでに15年で半減したと推定される、危険度の高い種。2026年時点でも「危機が去った種」ではない。IUCNの最新公開評価は2015年のままで、減少傾向・EN・成熟個体数2,490という厳しい評価が続いている。

現在のキノガーレは、図鑑に書かれていた「森林の皆伐」「泥炭湿地林のアブラヤシ農園化」「汚染」という問題が、そのまま現在にも残っている種だと見てよいです。特に重要なのは、ただ森が減っているだけではなく、「湿った低地の森」「泥炭湿地林」「川沿いの自然植生」という、この種に必要な環境そのものが、農園化・排水・火災・伐採で別物に変わってしまう点です。

出典

キノガーレは、2014年時点ですでに「EN:絶滅危惧」とされ、生息域の破壊や汚染により個体群が大きく減少した種である。2026年時点でもIUCNの最新公開評価は2015年のままで、Endangered、個体数傾向は減少とされている。主な脅威は、森林の皆伐、泥炭湿地林のアブラヤシ農園化、湿地の排水、火災、違法伐採、水質汚染であり、図鑑に記載されていた危機は現在も継続している。保護区内での記録はあるものの、重要な生息地の多くは保護が十分ではなく、分布や個体数の実態把握もなお課題として残されている。

⬇︎キノガーレの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

キノガーレ(Cynogale bennettii)は、英名では Otter Civet または Sunda Otter Civet と呼ばれる半水生のジャコウネコ科動物です。IUCNでは Endangered とされ、過去3世代・約15年で50%を超える減少が推定されています。主な脅威は、泥炭湿地林・淡水湿地林・河畔林の破壊、アブラヤシ農園への転換、水質汚染、伐採、湿地の乾燥化、他種を狙った罠への混獲です。保全の中心は、個体を直接保護するよりも、水辺の森林と湿地を守ることにあります。(WCS Indonesia)

保護活動の種類内容実施・提案の状況重要度補足
泥炭湿地林の保全ボルネオ、スマトラ、マレー半島などに残る泥炭湿地林を保護する実施中・継続必要最重要本種は湿地性・半水生の小型食肉類で、泥炭湿地林と淡水湿地林が中核的な生息地と考えられる
淡水湿地林の保全淡水湿地、沼沢林、低地湿地を保護する実施中・継続必要最重要水辺で魚、カニ、貝類などを採食するとされ、水域と森林が一体になった環境が必要
河畔林の保全川沿いの自然林、湿った林縁、河川周辺の植生を残す必要最重要ESABIIは、本種の保全には森林と河畔生息地の保護が必要だとしている
低地一次林の保全低地の原生林・成熟林を保護し、伐採や転換を防ぐ必要高い低地一次林の減少は本種の個体群減少に関係するとされる
森林転換の抑制湿地林や低地林をアブラヤシ農園、植林地、農地へ転換しない必要最重要WCS Indonesia は、森林からアブラヤシへの転換と河畔環境の汚染を主な減少要因としている
アブラヤシ農園拡大の規制泥炭湿地林・河畔林・低地林での新規農園開発を抑える必要最重要泥炭湿地林のアブラヤシ転換は、本種に特に大きな脅威とされる
泥炭地の排水防止運河掘削・排水による泥炭地の乾燥化を防ぐ必要最重要泥炭地が乾燥すると森林火災、沈下、植生劣化が進み、湿地性の本種に不利になる
運河の閉塞・水位回復伐採・農園開発で掘られた排水路を閉じ、水位を回復させる実施が望まれる高いキノガーレ単独の事業としてより、泥炭湿地林再生事業の中で重要になる
湿地再生劣化した泥炭湿地、淡水湿地、河畔林を回復させる必要高い生息地の破壊・乾燥化が最大脅威のため、保護だけでなく再生も重要
低地林の連結分断された低地林・湿地林・河畔林をつなぐ必要高い本種は記録が少なく分布がまだらで、森林断片の孤立は長期存続を不安定にする
生息地回廊の確保河川沿いの森林帯を保全し、湿地間の移動経路を確保する必要高い半水生で河川・湿地に結びつくため、河畔回廊は有効な保全単位になる
保護区管理既存の国立公園、野生生物保護区、保全林で生息地を守る実施中高いWay Kambas、Leuser、Danau Sentarum、Kaeng Krachan、Samunsam、Bukit Sarang などで記録がある
保護区外の生息地保全保護区外の生産林、二次林、農園周辺の河畔林も管理する必要高い予測分布研究では、ボルネオの多くの適地が保護区外にもある可能性が示されている
生産林での保全管理伐採林や生産林で、水辺植生、湿地、低地林の残存部を保全する必要中〜高一部では伐採林・二次林・竹林で記録されるが、長期的に存続できるかは不明
選択伐採の影響低減伐採強度を下げ、水辺・湿地・巣穴候補地を守る必要高いESABIIは、選択伐採でも生息地を変化させ、本種が利用できなくなる可能性があるとしている
違法伐採対策湿地林・低地林での違法伐採を取り締まる必要高い森林と河畔生息地の保護には、違法伐採と違法狩猟の監視が必要
森林火災対策泥炭地火災、乾燥化した湿地林の火災を防ぐ必要高い予測分布研究では、湿った低地生息地の多くが過去の反復火災で失われたことが示されている
水質汚染対策河川、湿地、沼沢地への農薬、排水、化学物質、土砂流入を減らす必要最重要IUCN系情報では、直接的な生息地破壊に加え、汚染による間接的減少が推定されている
農薬使用の低減アブラヤシ農園や周辺農地での農薬・殺鼠剤・殺虫剤使用を管理する必要高い本種は水生・半水生の餌を食べるため、水域に入る化学物質の影響を受ける可能性がある
河川緩衝帯の設定農園や伐採地と河川の間に自然植生帯を残す必要高い河畔林を残すことで、水質保全、移動経路、採食環境の維持につながる
土砂流入の抑制伐採・農地造成・道路建設による河川への土砂流入を減らす必要中〜高水生餌生物と水辺環境の劣化を防ぐために重要
罠・スネア対策他種を狙った罠に混獲されるリスクを減らす必要高い本種が特異的に狩猟される証拠は少ないが、地上性・半水生のため罠にかかる可能性がある
違法狩猟の取り締まり湿地林・河畔林での罠猟、密猟、野生動物捕獲を監視する必要高いESABIIは、森林保護とともに違法な木材採取・狩猟への取り締まりが必要としている
ペット取引対策ペットとしての捕獲・飼育・販売を防ぐ必要中〜高インドネシアでペットとして飼われた記録が報告されており、新たな脅威になり得る
野生動物取引監視市場、オンライン販売、地域取引で本種の出現を監視する必要現時点で主要脅威は生息地破壊だが、希少種は取引圧が増えると影響が大きい
CITES附属書II国際取引を管理し、無秩序な取引を抑える実施中本種はCITES Appendix IIに掲載されている
国内法による保護インドネシア、マレーシアなど各国の野生動物保護法で保護する実施中高いESABIIでは、インドネシアで保護動物、マレーシアで完全保護野生動物とされる情報が示されている
分布調査未調査地、記録の古い地域、保護区外の湿地林を調べる必要最重要記録が少なく、地域によっては古い記録しかないため、現存確認が重要
カメラトラップ調査湿地林、河畔林、低地林に自動撮影カメラを設置して確認する実施中・有効最重要非常に観察されにくい夜行性種のため、カメラトラップが有効
ライブトラップ調査必要に応じて捕獲調査を行い、形態・健康・遺伝情報を得る実施例あり中〜高Krau Wildlife Reserve などで小型食肉類調査の一環として行われている
環境DNA調査河川・湿地の水サンプルから生息確認を試みる提案可能中〜高半水生で記録が難しい種のため、将来的には有効な補助調査になり得る
足跡・糞・痕跡調査河岸、泥地、湿地縁で足跡や糞を探す必要生息確認の補助になるが、他種との識別精度に注意が必要
個体群モニタリング同じ地点で継続的に調査し、増減傾向を把握する必要最重要IUCN評価上の減少推定を更新するためにも、長期データが必要
生息地モデル作成記録地点、土地被覆、水系、標高、湿地分布を使って適地を予測する実施あり高いCheyne らの研究では、ボルネオでの適地予測が行われ、調査優先地域が示された
調査空白地の優先化ブルネイ、カリマンタン各州、半島マレーシア、スマトラなどの空白地を優先調査する必要高い予測分布研究では、ブルネイとカリマンタンの複数州で追加調査が必要とされている
半島マレーシアでの再確認近年記録が少ない地域で、まだ生息しているか確認する必要高いESABIIは、半島マレーシアで近年記録がないことを大きな懸念としている
二次林・農園内河畔林の利用評価改変環境にどの程度耐えられるかを調べる必要高い二次林や植林地周辺で記録はあるが、長期的に生き残れるかは不明
食性研究魚、カニ、貝類、小型哺乳類、鳥類などの餌利用を調べる必要中〜高半水生で水中採食を行うとされるが、詳しい生態はまだ不明点が多い
繁殖生態研究繁殖期、出産数、育児場所、幼獣生存率を調べる必要高い繁殖情報が少ないため、保全上重要な時期や場所が把握しにくい
行動圏研究行動圏の広さ、河川利用、移動距離、日中の休息場所を調べる必要高い保護区や河畔緩衝帯の必要幅を考えるうえで重要
遺伝研究地域個体群の違い、遺伝的多様性、孤立度を調べる必要中〜高分布が広く見えても記録は断片的で、地域個体群の孤立があり得る
分類学的再検討ベトナム北部由来とされる C. lowei などの分類・分布を再確認する必要分類や過去記録の扱いによって保全優先地域が変わる可能性がある
重要生息地の指定泥炭湿地林、淡水湿地林、河畔林の重要地点を保全優先地に指定する必要高い低地湿地は開発圧が強いため、明確な重要地指定が必要
国境を越えた情報共有タイ、マレーシア、ブルネイ、インドネシアで記録・脅威・保全策を共有する必要高い分布国が複数にまたがるため、国別の情報断絶を減らす必要がある
小型食肉類全体の保全計画ジャコウネコ類、マングース類、カワウソ類などと合わせて湿地食肉類を保全する必要中〜高本種だけの保全計画は少ないため、小型食肉類や湿地生態系保全に組み込むのが現実的
湿地保全政策との統合泥炭地保全、気候変動対策、REDD+、水質保全と連携する必要高い泥炭地保全は炭素貯留、防火、水管理とも関係し、本種保全と相性がよい
持続可能な農園認証アブラヤシ農園で河畔林保護、泥炭地開発停止、汚染管理を求める必要高い農園景観に残る水辺植生が、本種の避難地・移動路になる可能性がある
地域住民への普及啓発罠の被害、湿地林の価値、希少な半水生食肉類であることを伝える必要中〜高目撃されにくいため、地域の理解と通報体制が重要
レンジャー・現地調査員の育成カメラトラップ設置、足跡識別、違法罠発見、湿地調査の技術を高める必要高い記録が少ない種では、現場で識別できる人材が重要
目撃情報の収集漁民、農園労働者、森林レンジャー、地域住民から情報を集める必要中〜高希少種のため、偶然の目撃情報も分布把握に役立つ
詳細位置情報の慎重管理ペット取引・捕獲リスクを避けるため、重要地点の詳細位置公開を控える必要希少で目立つ記録は、安易な公開が捕獲圧を生む可能性がある
飼育下繁殖動物園などで繁殖集団を作る主要対策として確認できず低〜保留現時点で確認できる中心的対策は、生息地保全、調査、罠対策、法的保護
再導入・移殖個体を別地域に放す主要対策として確認できず低〜保留まずは既存生息地の保護、分布確認、脅威低減が優先される
順応的管理調査結果に応じて、保護区管理、河畔林保全、罠対策、農園管理を修正する必要最重要生態情報が少ないため、固定的な計画よりも、データに応じて更新する管理が重要

出典

最後に

Questioner: So, the loss of peat swamps, riverbank forests, and lowlands, the massive push for palm oil plantations, the wetland drainage, the fires, the illegal logging, and water pollution… we humans are behind every single bit of it, aren’t we? If the otter civet’s home, drinking water, and food sources are completely messed up, no wonder they’re on the brink of extinction.

Me: Exactly. To put it simply, it all boils down to our global obsession with palm oil.

Questioner: I’ve heard palm oil is hidden in so many things, from snacks to cosmetics. Is it really that impossible to get rid of it? What about alternatives?

Me: Well, there are global talks and regulations being introduced around the world, but looking at the shelves in Japanese supermarkets, it’s pretty much: “Regulations? What’s that? Can you eat it?” There’s barely any awareness here. Let me dig deeper into that and find out more.

質問者:泥炭湿地林・河川林・低地林の消失、アブラヤシ農園化、湿地の排水・火災・違法伐採・水質汚染、これって全部私たち人間がやってることだよね。キノガーレさんの住む場所や飲む水や食べるものが汚染されたらそりゃ絶滅の危機にも瀕するってもんだよ。

私:その通りだと思います。これは、簡単にいってしまうと、「世界中でパーム油が使われている」といったことが原因です。

質問者:このパーム油って、お菓子とか化粧品とかいろいろなものに使われているって聞いたけど、無くせないものなのかな。代替品とかさ……。

私:現在では、世界各国で話し合われ規制なども行われていますけど、日本のスーパーの棚を見る限りでは、「規制ってなんですか?食べれるの?」といった感じですからね。そのあたり詳しく調べてみます。


なぜパーム油は「無くせない」と言われるのか?

パーム油が世界中のお菓子、カップ麺、洗剤、化粧品などに爆発的に使われているのには、企業側から見ると「手放すのが惜しい魔法の油」と言えるほどの理由があります。

  • 圧倒的な「生産効率の高さ」: パーム油の原料であるアブラヤシは、1ヘクタールあたりの油の収穫量が、大豆油や菜種油(キャノーラ油)などの他の植物油に比べて5倍〜10倍以上もあります。つまり、同じ量の油を安く大量に作るには、最も効率が良いのです。
  • 加工に最適すぎる性質: 室温で固まる性質(飽和脂肪酸が多い)を持ち、酸化しにくい(日持ちする)という特徴があります。これにより、チョコレートを常温で溶けにくくしたり、スナック菓子をサクサクに保ったり、マーガリンを固形にしたりすることが簡単にできます。

「別の油」に代替すれば解決するのか?(代替品のジレンマ)

では、パーム油を使うのをやめて、大豆油やひまわり油に切り替えればいいかというと、ここに「代替のジレンマ」が存在します。

もし世界中のパーム油を大豆油や菜種油に置き換えようとすると、アブラヤシの何倍もの広大な農地が必要になります。結果として、東南アジアの森は守られても、今度は南米(アマゾン)やアフリカの森林が大規模に破壊されることになり、根本的な解決になりません。

【最新の技術的な代替品は?】 近年、酵母などの微生物を発酵させて作る「微生物油」や、バイオテクノロジーを用いた「人工的な代替脂質」の研究が急速に進んでいます。2025年末から2026年にかけて実証工場が稼働し始めるなど、テクノロジーによる解決策の芽は出てきています。しかし、現時点では世界中のパーム油の需要をまかなうほどの生産規模やコストダウンには至っていません。

日本のスーパーで「見えない」理由(表示のカラクリ)

日本の消費者がパーム油の存在に気づけない最大の理由は、日本の食品表示法のルールにあります。

  • 日本では、加工食品にパーム油を使用しても、原材料名に「パーム油」と書く義務がありません。
  • 大半が「植物油脂」という非常に曖昧な言葉で一括りにされて表示されています。

そのため、消費者が裏面の成分表を見ても「パーム油が入っている」ことすら分からず、結果として問題意識や危機感が育たないのです。欧州などでは「持続可能ではないパーム油」の輸入を厳しく規制する動きが進んでいますが、日本のルールや消費者の認識はまだ大きく遅れをとっています。

では、私たちにできることは何もないのか?

パーム油を「完全に使わない生活」をするのは、現代の日本(特に加工食品や洗剤を買う場合)ではほぼ不可能です。そこで現在、国際的に進められている現実的な解決策が「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」という認証制度です。

これは「森をこれ以上切り拓かない」「泥炭地を燃やさない」「労働者を搾取しない」といった厳しい基準を守って生産されたパーム油にのみ与えられるマークです。日本でも「持続可能なパーム油ネットワーク(JaSPON)」という組織ができ、少しずつですが企業がこのRSPO認証のパーム油への切り替えを始めています。

私たちがとれる行動

  • 不買(ボイコット)ではなく、応援購入(バイコット): パーム油を避けるのではなく、パッケージに「RSPOマーク(ヤシの木のマーク)」がついている商品、あるいは自社サイトで「RSPO認証油を使用しています」と宣言している企業の商品をあえて選んで買うこと。
  • 企業の姿勢を問う: 「植物油脂」としか書かれていない商品に対して、消費者が「これは環境に配慮されたパーム油ですか?」と企業に問い合わせることも、ボディーブローのように企業を動かす力になります。

キノガーレのような絶滅危惧種の保護と、私たちがスーパーで手に取るお菓子は、見えない糸で確実に繋がっています。現状の資本主義的な「安く大量に」というシステムを見直し、本当に必要なもの(持続可能なもの)だけを適正な価格で選ぶという「足るを知る」考え方へのシフトが、遠回りなようで一番確実な保護活動になるのだと思います。

出典

Questioner: The fact that they don’t even have to put “palm oil” on the label here… that feels so typically Japanese, doesn’t it?

Me: Globally, things are slowly shifting. The world is finally waking up to the dangers of turning incredibly biodiverse rainforests into endless monoculture plantations, and people are getting seriously concerned about the massive amounts of carbon released when peatlands are cleared.

Questioner: But the rate at which rainforests and peatlands are being swallowed up by these plantations is way faster than the speed of any regulations. It feels like it’s going to be too late.

Me: Honestly, digging into this stuff can be pretty depressing. But surprisingly, there are actually things we can do on an individual level.

Questioner: Really? Like what?

Me: Lately, I’ve made a conscious effort to simply cook without oil. Things like regular vegetable oil might not contain palm oil themselves, but if you don’t use oil for cooking, you barely need any dish soap to clean up afterward. And since there’s a very high chance your regular dish soap contains palm oil, using just a tiny bit of it—or none at all—still gets your dishes perfectly clean.

Questioner: Wow. If a small tweak like cooking without oil can actually help protect endangered species like the Otter Civet, it might just be worth a try.


Thank you for sharing five minutes of your day with me.

I truly hope those five minutes will somehow make a difference for the Otter Civet.

鶏人|Keijin

質問者:日本では販売する時に「パーム油」って書かなくてもいいってとこが、まさに日本っぽいね。

私:世界の流れは少しずつではありますけど、生物多様性の宝庫である熱帯雨林が単一栽培の農園へと姿を変えてしまうことへの危険性や、泥炭地を開拓することによる膨大な炭素の放出を懸念する方向です。

質問者:これ、熱帯雨林や泥炭地がパーム油農園になる勢いと規制するスピードが違いすぎるから、間に合わなくなりそうだよね。

私:いろいろ調べると悲しくなることばかりですけど、個人でできることって意外とあります。

質問者:え、どんなことですか?

私:最近実践していることは、とにかく「意識して油を使わない」といったことなんです。サラダ油などは、パーム油を使用していないのですが、使わないで調理すると洗剤をほとんど使わなくても洗えるんです。すると、かなりの確率でパーム油が使用されている食器洗い用洗剤を少量、もしくは使わないでもきれいになります。

質問者:油を使わないといったちょっとしたことで、キノガーレさんのような絶滅危惧種の保護ができるんだったら実践してみるのもありかもね。


貴重な5分間を、ありがとうございました。

キノガーレに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


【お知らせ】

この記事の要約版は「note」でも配信しています。
サクッと概要だけ振り返りたい方や、noteをご利用の方は、ぜひそちらもフォロー&チェックしてみてくださいね。
⬇︎お待ちしております。⬇︎

コメント