※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
ドウクツナマズ(Clarias cavernicola)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。
2007年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。
つまり、2007年から、ドウクツナマズは
「忘れられた洞窟に残る微かな息」状態なのです。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるドウクツナマズの最新評価は2007年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/63363/12662977
100年前の水に支えられて生きるということ
⬇︎ドウクツナマズの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ドウクツナマズ |
| 英名 | Cave Catfish / Golden Cave Catfish |
| 学名 | Clarias cavernicola |
| 分類 | 条鰭綱・ナマズ目・クラリアス科 |
| 分布 | ナミビア北部オトジョゾンジュパ地方の地下洞窟のみ(アイガマス洞窟など) |
| 主な生息地 | アイガマス洞窟の地下湖(ごく一部でドラゴンズ・ブレス洞窟からの報告もあり) |
| 体長 | 最大約16〜17cm(標準体長16.1cm程度) |
| 体重 | 正確なデータは少ないが、同サイズのナマズ類から数十グラム前後と推定される |
| 寿命 | 正確な寿命は不明だが、近縁種の情報から数年〜10年前後生きると考えられている |
特徴
- 名前の由来: 英名の “Cave Catfish(洞窟ナマズ)” は、その名の通り地下洞窟の湖だけにくらすナマズであることからきています。体色が黄金色〜乳白色で「Golden Cave Catfish」とも呼ばれます。
- 色と目: まっくらな洞窟で暮らしているため、皮膚の色素がほとんどなく、全身が淡い金色〜ピンク色。目はとても小さく皮膚におおわれており、ほぼ見えない「ほぼ盲目」の魚です。
- 体つき: ほっそりとしたナマズ型の体に長いヒゲ(口ひげ)が何本も生えていて、視力の代わりにヒゲで水中のエサや岩の形を感じ取っていると考えられています。
- 食性: 洞窟の天井から落ちてくるコウモリの糞(グアノ)や、落下してくる昆虫・甲殻類などを食べる「スカベンジャー(掃除屋)」タイプの雑食性です。洞窟内のごく限られた栄養をうまくリサイクルして生きています。
- 呼吸: 近縁のクラリアス類と同じく空気呼吸ができる「空気呼吸ナマズ」の仲間ですが、この種では水中の酸素が比較的多いため、他種ほど頻繁に水面で息継ぎするようすは見られないと報告されています。
生態と行動
- ごく限られた分布: 世界でたった一つの洞窟湖(アイガマス洞窟)にしか自然の個体群が知られておらず、推定個体数は200匹に満たない、世界でもっとも希少な淡水魚の一つです。
- くらしている場所: 洞窟湖は水深50m以上あると考えられていますが、ドウクツナマズは水面からおよそ15〜17mまでの浅い層に多く集まり、岩棚の上などで群れていることが多いとされています。
- 繁殖: 詳しい繁殖行動はまだよく分かっていませんが、調査では卵巣に約50個ほどの粘着性の卵(やや緑がかった黄身)をもつメスが確認されており、洞窟内で自然繁殖していると考えられています。雷雨や増水など、外から流れ込む水の変化が産卵の合図になっている可能性が指摘されています。
- 行動: 完全な暗闇の中で生活するため、視覚に頼らず、ヒゲや側線(体側の感覚器官)で水流・振動・匂いを感じて行動していると考えられています。活発に泳ぎ回るというより、洞窟内の水柱の中でゆっくりと漂い、落ちてくるエサを待つスタイルです。
- おかれている状況: 洞窟湖の水は周辺地域の貴重な水源として利用されており、地下水の汲み上げによる水位低下が続くと、ナマズが暮らす水深帯やエサが落ちてくるエリアが失われるおそれがあります。さらに、ごく少数ながら観賞魚目的の違法な採集のリスクも指摘されており、IUCNレッドリストでは「CR:深刻な危機」に分類されています。
2014年絶滅危惧種:ドウクツナマズ【CR:深刻な危機】
このナマズが見られる水中の棚の部分は、水面が下がることで露出するおそれがある。
……ドウクツナマズを飼育下で繁殖させるこころみは失敗に終わっており、これ以上の捕獲は許可制により厳しく制限されるべきである。出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
1. 飼育下での繁殖について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の状況 | 飼育下での繁殖は現在も成功していない。技術は確立されず失敗が続いている。 |
| 過去の試み | 1991年などにホルモン剤投与で産卵誘発の実験が行われたが、卵の未受精・稚魚の育成失敗などで繁殖サイクルは完成しなかった。 |
| 野生での謎 | 洞窟内での自然繁殖方法が詳しく分かっていない。生態の核心が未解明。 |
| 絶滅のリスク | 野生個体が絶滅すれば、繁殖法が確立されていないため「種として完全消滅」する危険が続いている。 |
2. 水が減っている原因について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主因:地下水の汲み上げ | 地域の農業・生活用水として地下水が長年利用され、自然補充量を超えて水位が低下。 |
| 直接の影響 | 洞窟内の湖の水位は1921年以降で数十メートル低下したと報告されている。 |
| 生態への影響 | ナマズが集まる「棚(岩の張り出し)」が干上がると、餌場(コウモリのフン・落下昆虫)が失われ生存が困難に。 |
| その他の要因 | 近年の降雨減少や気候変動も影響と考えられるが、根本原因は「地下水資源の過剰利用」。 |
ドウクツナマズは、飼育下での繁殖技術が未確立であり、産卵誘発実験も成功例がない。野生下の繁殖生態も未解明で、野生個体の消失は種の絶滅を意味する。また、生息洞窟の水位低下は地下水の過剰汲み上げが主因であり、棚状部の乾燥によって餌資源が失われ、生存可能性が著しく制限されている。
⬇︎ドウクツナマズの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 地下湖と流域の保護 | 本種が唯一生息するAigamas洞窟とその周辺カルスト帯で、地下水の過剰揚水や汚染を抑えることが最重要課題とされ、水資源管理や土地利用計画の中で保全対象として位置づけられている。 |
| アクセス管理と観光規制 | 洞窟への立ち入りは地権者と研究チームの許可制とされ、調査ダイブの際も個体への接触を避けるなど「攪乱を最小限にする」ガイドラインのもとで実施されている。 |
| 研究とモニタリング | 2019年以降、Jacobsらのベースライン調査により個体数の目視カウント、水質測定、新たな洞窟プールの確認などが行われ、後続研究でも個体数動向や生息環境の変化が継続的にモニタリングされている。 |
| 地下水保全政策への組み込み | ナミビアの地下水・湿地管理文書では、Aigamas地域の地下水生態系とともに本種が代表的な固有種として挙げられ、揚水量管理や地下水汚染リスクの低減が政策課題として共有されている。 |
| 外来種導入の防止 | 近隣のシンクホール湖では外来魚が在来種に悪影響を与えていることが知られており、同様の問題が洞窟湖で起きないよう、養魚・放流の管理や外来種導入の規制が重要とされている(提言段階を含む)。 |
| 違法採集・ペット取引への警戒 | 地下湖の魚として観賞魚目的の違法採集が潜在的脅威に挙げられており、洞窟の正確な位置情報の取り扱いに配慮しつつ、採捕禁止や監視の必要性が指摘されている。 |
| 国際的な認知と支援 | IUCNレッドリストで「CR(深刻な危機)」に指定され、Namibian Chamber of Environment や国際研究機関から調査資金が提供されるなど、国際的な研究・保全プロジェクトによる支援が進められている。 |
最後に
これを読んで、どう感じましたか?
生活用水として地下水をくみ上げてきたことが、大きな原因みたいですね。
ふとした疑問なんだけど、地下水ってくみ上げても、雨が降れば自然に元に戻るんじゃないのかな?
なんとなく、自然のサイクルで回復しそうな気がしますよね。
そのあたり、もう少し詳しく調べてみますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1. 貯まるスピードが極端に遅い | 私たちが使っている地下水は、数百〜数万年前の雨であることが多い。雨が染み込み、岩や土の層を通って地下水脈に届くまで、非常に長い時間がかかる。一方、人間の汲み上げ速度は圧倒的に速く、「100年かけて貯まった水を1年で使う」ような状態。 |
| 2. 化石水(戻らない水)の存在 | ナミビアのような乾燥地帯には、太古の湿潤期に蓄えられ、現在の気候では補充されない 「化石水」 が存在する。これは石油のような“枯渇資源”であり、汲み上げると再生されず、完全に減る一方となる。 |
| 3. 乾燥地帯での蒸発の速さ | 降った雨の多くが、地表の乾燥した土に吸われたり、強い日差しで蒸発してしまう。地下深くの帯水層に到達する前に失われてしまうため、水位回復にはつながりにくい。大量の雨が長期間続くことも稀である。 |
乾燥地帯における地下水位低下は、涵養速度と汲み上げ速度の極端な不均衡に起因する。地下水の多くは数百〜数万年前に形成された化石水であり、現在の降水量では実質的に補充されない。また、降雨は土壌への吸収や蒸発によって深部まで到達しにくく、帯水層の回復は著しく制限されている。
「100年かけて溜まった水を1年で使ってしまうようなもの」という説明を読むと、地下水って本当に貴重なんだなと実感しますよね。さらに、もっと昔の雨が地下深くに閉じ込められた“化石水”というものがあって、あのドウクツナマズはその化石水の世界で生きていると知ると、ますます地下水を簡単に使っていいのか考え込んでしまいます。
地下水って「雨が降ればすぐ溜まる」ものだと思っていたけれど、実際はぜんぜん違うんですね。私もずっとそう思っていました。
「100年かけてたまった水を1日で使う」と考えると、雪国で使っている“消雪パイプ”の地下水も、もう少し向き合って考えたほうがいいのかもしれません。地下水は年中ほぼ同じ温度なので雪を溶かしてくれる仕組みだけど、「これ、100年前の水なんだ」と思うと、本当にありがたい恩恵を受けているんだと感じます。
少し原点に立ち返って考えてみたくなるんです。
人はなぜ、こんなに厳しい土地でも知恵を絞って暮らしてきたのか?
先人たちはどこから来て、どんな思いでこの土地を開き、住みやすくしようとしたのか?
地下水を汲み上げてまで雪を溶かす必要があったのは、生活を守るため?
それとも経済活動を止めないためだったのか?
資本主義の歯車を止めないために、雪を排除し続ける道を選んだのかもしれません。
でも今、砂漠の化石水が減ってしまうほどの気候変動が起きています。
経済ももちろん大切だけど、私は「地球があっての経済活動」だと思うんです。
私たちの暮らしの土台が揺らいでしまえば、その上にあるどんな仕組みも続けていくことはできませんよね。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ドウクツナマズに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin





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