11年後のレッドリスト|カッパリニッケイ:消えかけた葉音が、まだ風の中に響いていた【IUCNレッドリスト比較】

カッパリニッケイ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

カッパリニッケイ(Cinnamomum cappara-coronde)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2021年、IUCNレッドリストで【VU:危急】と評価されました。

つまり、2014年から2021年にかけて、

カッパリニッケイは「消えかけた葉音が、まだ風の中に響いていた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるカッパリニッケイの最新評価は2021年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/31622/138500587

酸素・食料・薬・文化|すべてを与える植物の力

⬇︎カッパリニッケイの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|カッパリニッケイ(Cinnamomum cappara-coronde)
項目情報
和名カッパリニッケイ
英名Cinnamomum cappara-coronde
学名Cinnamomum cappara-coronde
分類被子植物・クスノキ科
分布スリランカ固有種
生育環境熱帯林の限られた地域
樹高数メートル~中高木
IUCN評価VU(危急、2021年評価)

特徴

  • ニッケイ属の仲間で、樹皮や葉に芳香成分を含む。
  • スリランカ特有の植物で、きわめて限られた分布域にしか見られない。
  • 伐採や生息地破壊により生育数が減少している。
  • 木材利用や香料植物として注目されることもある。

生態と行動

  • 生育環境:熱帯の森林で湿潤な気候を好む。
  • 繁殖:種子によって繁殖するが、森林伐採により再生が困難になっている。
  • 分布の限界:スリランカにのみ生育するため、生息地が狭いことが絶滅危惧の大きな要因。
  • 人間との関わり:森林資源や香料植物としての利用が、逆に乱獲・環境破壊の圧力につながっている。

2014年絶滅危惧種:カッパリニッケイ【VU:危急】

1993年には、カッパリニッケイも含めて、生物相の保全策が法制化されているが、それでも生育地の破壊と過剰な採取によって、この種は絶滅の危機に瀕している。この悪い傾向を押しとどめようと、有用植物近縁の野生種保全計画のスリランカ支部では、野生状態ではほんの限られた場所にとびとびに現存しているだけのこの種の、施設内保全を計画し、栽培化を図っている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

カッパリニッケイは、シンナムアルデヒドとオイゲノールを芳香成分を含み、シンナムアルデヒドは「シナモンの香り」そのものを構成する主成分である。

カッパリニッケイとシナモンの香り成分まとめ

成分香りの特徴主な供給源・特徴役割
シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)甘くスパイシー、典型的な「シナモンの香り」– カシア(C. cassia): 非常に豊富、力強く濃厚な香り
– セイロンシナモン(C. verum): 繊細で上品
– カッパリニッケイ(C. cappara-coronde): 根皮に含有
シナモン系の香りの“本体”、基盤となる甘い香り
オイゲノールクローブのような薬品的・スパイシーな香り– クローブ(主成分)
– カッパリニッケイにも含まれる
香りに深みと複雑さを与える

各種シナモンの香りの違い

種類香りの特徴成分バランス
カシア(C. cassia)力強くはっきりとした香りシンナムアルデヒドの割合が非常に高い
セイロンシナモン(C. verum)繊細で上品な香りシンナムアルデヒド主体だが、他成分とのバランスが複雑
カッパリニッケイ(C. cappara-coronde)八ツ橋のニッキの香りに近い独特の風味シンナムアルデヒド+オイゲノールをバランス良く含有

しかし、カッパリニッケイからしか取れない成分ではない。

他の植物に比べて、特定の成分の含有率が非常に高く、「この木でなければならない」という文化的・慣習的な需要が生まれ、「希少なものほど価値がある」という考え方によるコレクター心理から高値取引される。

⬇︎カッパリニッケイの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護固有分布するスリランカの低地〜山地林を守り、伐採や農地転換から保全
森林保護区の設定シンハラジャ森林保護区などの既存保護区で管理し、希少樹木群落を維持
国際的な取引規制香料・薬用植物としての乱獲を防ぐため、国際的な取引を制限
遺伝資源の保存植物園や種子バンクで保存し、再導入の基盤を確保
持続可能な利用地域社会に持続可能な森林利用を促し、伐採圧を低減
研究とモニタリング個体数や分布調査を行い、森林破壊や気候変動の影響を把握

主な取り組み

  • 生息地保全:スリランカの森林を農業開発や伐採から守る
  • 保護区管理:シンハラジャなどの保護区で生息地を維持
  • 国際規制:薬用や香料目的の国際取引を制限
  • 遺伝資源保存:植物園・種子バンクで保存し再導入に備える
  • 持続的利用:地域住民に森林資源の持続的利用を推進
  • 科学研究:分布や個体群動態をモニタリング

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「それなくなると困るの?」

と、原因と責任は無視?

「植物に感謝だよね…」

と、植物という偉大な化学工場に感謝しますか?

感じ方は、いろいろあると思います。


植物が作り出す酸素、食料、そして多くの医薬品がなければ、人類の生存も文明の維持もできない。

観点主な内容具体例・補足
1. 酸素供給源光合成により酸素(O₂)を放出し、大気中の酸素(約21%)を維持。人類を含む動物の呼吸を支える。– 光合成: CO₂ + H₂O → 栄養 + O₂
– 約27億年前にシアノバクテリアが酸素を作り始め、複雑な多細胞生物の進化を可能にした
2. 食料供給源エネルギーピラミッドの基盤。人類の直接的・間接的エネルギー源となる。文明の基礎。– 直接: 米、小麦、トウモロコシ、野菜、果物など
– 間接: 家畜(肉・乳製品)は植物を飼料として育つ
– 農耕の開始により定住・人口増加・社会的分業が進展
3. 医薬品・資源生活の質や文明の高度化に不可欠な資源を提供。医薬・建材・衣類・紙の基盤。– 医薬品: アスピリン(ヤナギ)、キニーネ(キナ)、モルヒネ(ケシ)
– 建築/燃料: 木材、薪、木炭、化石燃料も植物起源
– 衣類: 綿(コットン)、麻(リネン)
– 紙: 木材パルプ

植物は、単なる「緑」や「食料」という存在を超え、地球環境の調整者であり、人類文明のインフラストラクチャーそのものである。

私たちが呼吸する空気、活動するためのエネルギー、健康を維持するための薬、そして文化的な生活を送るための資源の多くは、植物の生化学的な働きによって支えられている。

さらに、美しい花を咲かせ私たち人類の心の安定も保っているのだ。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

カッパリニッケイに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

コメント