※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
※当サイトはアフィリエイト広告による収益を得ています。
こんにちは、fukumomo3_photo です。
アルグンヤシ(Medemia argun)は、
2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】と記載されていました。
2020年、IUCNレッドリストで【VU:危急】と評価されました。
つまり、2014年から2020年にかけて、
アルグンヤシは「枯れゆく風の中で、未来を芽吹かせた」状態になりました。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるアルグンヤシの最新評価は2020年版です。それ以降の更新は行われていません。
この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/30401/2793256
砂漠で生き延びたヤシの生存戦略
⬇︎アルグンヤシの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | アルグンヤシ |
| 英名 | Argun Palm / Nubian Desert Palm |
| 学名 | Medemia argun |
| 分類 | 植物界・被子植物・ヤシ科(Arecaceae) |
| 分布 | エジプト南部およびスーダン北部、ナイル以西のヌビア砂漠内のワジやオアシスに断片的に分布 |
| 高さ | 最大約10–16 m、幹径約0.9–1.1 m |
| 保存状況 | IUCN「脆弱(Vulnerable)」、ごく限られた個体群のみ現存 |
特徴
- 木構造と葉:単幹性で不分枝。青緑色のコスタパルメート(扇形)の葉を持ち、落葉後もその葉基が残り「スカート」状になる。
- 葉柄の特徴:鮮黄色の葉柄で、若い個体には黒褐色の湾曲した刺が見られるが、成長すると減少する。
- 雌雄異株:雄株と雌株があり、雌株は紫黒色で光沢のあるドリュープ(実)をつけ、果肉は薄いが大きな種子を含む。
- 環境適応:乾燥が極度に厳しいヌビア砂漠で、地下水に届く、深い根を発達させることで耐乾性を確保。
生態と行動
- 生息地:主にワジ(乾河床)やオアシスにのみ見られ、地中の水を頼りに成長する極度に限られた生息環境。
- 歴史的背景:古代エジプトでは、アルグンヤシの乾燥果実が墓の副葬品として発見されるなど、古くから知られた存在。
- 個体数と遺伝多様性:2000年代中頃の推定では、スーダンに約7,400本、エジプトのDungulオアシスには30数本のみ確認された。また、遺伝的多様性は低く、世代間で差異が見られることから保全対策が急務とされている。
2014年絶滅危惧種:アルグンヤシ【CR:深刻な危機】
⬇︎IUCNレッドリストのカテゴリ一覧です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| カテゴリ略称 | カテゴリ名 | 説明 |
|---|---|---|
| EX | 絶滅 | 絶滅したと考えられる種 |
| EW | 野生絶滅 | 飼育下などで生存している種 |
| CR | 深刻な危機 | 極度に絶滅の危機にさらされている種 |
| EN | 危機 | 非常に絶滅の危機にさらされている種 |
| VU | 危急 | 高い絶滅の危機にさらされている種 |
| NT | 準絶滅危惧 | 近い将来絶滅の危機にさらされている種 |
| LC | 低懸念 | 絶滅危惧(CR・EN・VU・NT)の条件を満たしていない種 |
| DD | データ不足 | 十分な情報がないため評価できない種 |
| NE | 未評価 | 未評価の種 |
1995年に再発見されるまで長い間、野生絶滅と見なされていた。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
アルグンヤシの物語を考えてみたので、読んでください。
気候変動が激しくなり始めた1990年ごろ、
王子と姫は、自らの子孫を守るため身を隠した。
広い砂漠でも比較的緩やかな気候の場所を選び生活を始める。
気候変動は年々激しくなったが、次第に環境に適応した王子と姫。
やがて、子供を授かり数百年後には小さなコロニーを構築した。
そして、千年の時が流れ小さなコロニーは、大きな国になった。
ところが、ある時竜巻が起こり子孫が飛ばされ砂漠に散らばった。
過酷な気候に偶然にも適応した子孫たちは、今、芽を出そうか悩んでいるところだ。
⬇︎アルグンヤシの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護 | エジプト南部・スーダン北部のナイル川流域や砂漠オアシスを保全し、農地化や過放牧による生育地破壊を防止 |
| 水資源管理 | 井戸掘削や灌漑による地下水枯渇を防ぐため、水利用の規制や持続可能な管理を実施 |
| 国際的な取引規制 | ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰにより、国際取引を原則禁止 |
| 保護区の設定 | 主な自生地を自然保護区や重要植物地域(IPA)として指定 |
| 種子保存・苗木育成 | 種子バンクや植物園での苗木育成による個体群の増殖と再導入 |
| 市民・地域参加 | 地元住民と協働し、持続可能な利用(観光・伝統的利用)と保護活動を両立 |
| 研究とモニタリング | 個体数・分布・生育環境の調査、気候変動や土地利用変化の影響評価 |
主な取り組み
- 生息地保全:ナイル川流域やオアシスの開発を規制
- 水資源管理:地下水の枯渇防止と持続的利用
- 国際保護条約:CITES附属書Ⅰで国際取引を禁止
- 保護区指定:自生地を自然保護区や重要植物地域に登録
- 種子・苗木保存:植物園や種子バンクでの保存と増殖
- 地域協働:住民と協力した持続可能な利用と保全
- 生態調査:分布や環境条件を長期モニタリング
最後に
これを読んで、どのように感じましたか?
「小説ですか?」
と、笑いますか?
「今の気候は暑すぎるよね…」
と、ヤシの種の気持ちになってみますか?
感じ方は、いろいろあると思います。
少し前に読んだ「種の起源」に書いてあった一説、
「強い物が生き残るのではなく、その環境に適応したものが偶然に生き残る」
もっと難しい仕組みも書いてあったけど、この一説がいつも頭に残っている。
でも、今の社会では、なぜか「種の起源」が勘違いされ
「弱いものは自然淘汰され、強いものが生き残る」と言われることが多い。
そこに、「偶然」の言葉はなくなり「強い」ものが「弱い」ものを淘汰するとなる。
どれだけ権力や財力があっても、環境に適応できなくては生き残れない。
でも、貧困や労働者階級でも、環境に適応していれば偶然が味方して種を残す。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
「ダーウィンの呪いですね?」などのコメントも大歓迎です。
コメントから意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。
アルグンヤシに、あなたの5分が届くことを祈ります。
fukumomo3_photo
インスタでは、アルグンヤシたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。



コメント