11年後のレッドリスト|インドハゲワシ:禁止されたはずの薬が、別名で生き残る【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|インドハゲワシ:禁止されたはずの薬が、別名で生き残る【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、インドハゲワシ(学名:Gyps indicus)が、「ジクロフェナクは盗難車の塗り替え」みたいな状況で、今も困っているって話です。

2014年の図鑑では、抗炎症薬のジクロフェナクを投与されたことがある家畜の死骸を食べると、腎不全を起こしてしまうことから、「CR:深刻な危機」と評価されていました。
そして最新のレッドリストでも、代替薬のアセクロフェナクが問題になっています。これ、投与した時点では別の薬に見えるんだけど、牛の体の中で代謝が進むと、ジクロフェナクに変化してしまうことが確認されてるんです。だから評価は「CR:深刻な危機」のままでした。

つまりインドハゲワシは今も、「禁止されたはずの薬が、別名で生き残る」状態の中で生きているんだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2021評価(2021年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Gyps indicus

ジクロフェナク問題は終わっていない|代替薬が毒に変わる

⬇︎インドハゲワシの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|インドハゲワシ(英名:Indian Vulture)
項目情報
和名インドハゲワシ
英名Indian Vulture / Long-billed Vulture(別名:Indian Griffon など)
学名Gyps indicus
分類鳥類・タカ目・タカ科(ハゲワシ類/Old World vulture)
分布インド亜大陸(主にインド、周辺国の一部:ネパール・パキスタンなど)
主な生息地開けた乾燥地〜半乾燥地、草原・疎林、農村周辺など/繁殖は崖や岩場(断崖)で営巣することが多い
大きさ全長 約80〜103cm、翼開長(翼を広げた幅)約220〜260cm ほど
体重約5〜7kg 前後(成鳥)
寿命長寿の鳥として知られ、40年級の記録が語られることもある(野生下は環境要因で短くなる)

特徴

  • 見た目:頭部は羽毛が少なく、首が長め。暗色の大きな翼で、滑空が得意。
  • くらし方:群れで死肉に集まり、上昇気流に乗って広い範囲を飛ぶ“掃除屋”の役割を担う。
  • 希少性:1990年代以降に個体数が激減し、極めて希少な状態が続いている。
  • 保全状況:IUCNではCR(深刻な危機)として扱われる。

生態など

  • 食べもの:主に家畜を含む大型動物の死体(腐肉食)。人の生活圏とも距離が近くなりやすい。
  • ふえ方(繁殖):一夫一妻のペアで繁殖し、1シーズンに産む卵は基本1個。断崖や岩棚に営巣することが多い。
  • 減った理由の核:家畜治療に使われた鎮痛薬ジクロフェナク(NSAIDs)を、死体経由で摂取して腎不全を起こすことが大きな原因とされる。
  • 追加の脅威:ほかのNSAIDsの影響、毒餌・薬物中毒、営巣地の攪乱、採食環境の変化、送電線での感電や風車・構造物への衝突など。
  • 保全の動き:薬剤規制(ジクロフェナクの使用制限)に加え、保護区・繁殖地の保全、域内のモニタリング、飼育下繁殖・再導入などが進められている。

出典

最終評価2021年:インドハゲワシ「CR:深刻な危機」

ハゲワシは、抗炎症薬であるジクロフェナクを投与されたことのある家畜を食べると、腎不全を起こすことがわかってきている。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名 / 英名インドハゲワシ / Indian Vultureインドハゲワシ / Indian Vulture
学名Gyps indicusGyps indicus
IUCNカテゴリCR(深刻な危機)CR(深刻な危機)
評価年(IUCN)図鑑内の表記に基づく(当時もCR)2021年評価(Last assessed: 09 July 2021)
個体数(目安)90年代後半からの壊滅的減少直後で、危機の只中成熟個体数:5,000–15,000(推定)
個体数トレンド急減(崩壊直後の局面)減少(Decreasing)
90年代後半〜の減少規模「99%減少」とされるレベルのクラッシュ低水準のまま推移し、回復は限定的(地域差あり)
分布の印象「どこにでもいた鳥」から急速に姿を消した段階分布は縮小し、繁殖地・安全地帯・保護区への依存が強い
主因(決定打)家畜に投与された鎮痛薬ジクロフェナク → 死骸摂食で腎不全NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)による中毒リスクが継続(ジクロフェナク等)
死因の特徴腎不全(薬剤由来)腎不全(薬剤由来)が主要な懸念として残る
ジクロフェナクの規制獣医用途で問題視され、禁止へ向かった段階獣医用途は2006年に禁止(ただし転用・流通など課題は残り得る)
「抜け穴」問題規制の遅れ・周辺薬剤への警戒が十分でない時期アセクロフェナク・ケトプロフェンなどが問題化し、追加規制が進んだ
アセクロフェナク図鑑の主題ではない(当時の焦点はジクロフェナク)インドで獣医用途の製造・販売が禁止(2023年)
ケトプロフェン図鑑の主題ではない(当時の焦点はジクロフェナク)インドで獣医用途の製造・販売が禁止(2023年)
ニメスリド図鑑の主題ではない(当時の焦点はジクロフェナク)ハゲワシに有害となり得る薬剤として警戒対象に入る
安全な代替薬図鑑では「原因究明」と危機が中心メロキシカム等の「ハゲワシに比較的安全な代替薬」への転換が継続
営巣地の状況生息地・営巣地の減少が進む局面インドの全国調査で、歴史的な営巣地のうち「約70%で営巣が確認されない」という規模の縮小が報告されている
保護区への依存生き残りが難しくなっていく局面保護区内の営巣比率が高い(安全な崖・営巣地に依存)
インド国内の偏り地域差はあるが、広域で急減のイメージ営巣は特定州に偏りやすく、保護区・峡谷・崖地などに集中しやすい
二次被害(衛生)死骸処理の担い手が減り、野犬増加・狂犬病リスクなどが語られる生態系サービス低下の問題は継続して議論される
保全の柱問題の可視化・原因(薬剤)に焦点薬剤規制の強化、Vulture Safe Zones、繁殖地保護、モニタリングの全国化
飼育下繁殖取り組みの必要性が高まる段階保全繁殖(飼育下)を維持しつつ、野生復帰の準備・実施が進む地域もある
野生復帰(放鳥)まだ「まず止血」が最優先の時期放鳥は進みつつも、野外の薬剤リスクが残る限り難易度が高い

出典

インドハゲワシ(Gyps indicus)は2014年時点から一貫してIUCNレッドリストでCR(深刻な危機)に分類され、成熟個体数は現在も5,000〜15,000と推定される。1990年代後半に家畜用NSAIDs、とくにジクロフェナク曝露による腎不全死が主要因となり個体群が壊滅的に減少した。獣医用途の規制は進展したが、代替薬(アセクロフェナク等)によるリスクが顕在化し追加規制が実施された。分布は安全地帯や保護区へ偏在し、営巣地喪失も大きい。保全繁殖と野生復帰は進む一方、野外の薬剤リスクが回復の制約要因となっている。

⬇︎インドハゲワシの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
有害な獣医薬(NSAIDs)の規制家畜に使われた鎮痛薬(特にジクロフェナク)が死因になったため、獣医用途での禁止・違法流通の監視を強化し、ハゲワシに安全な薬(メロキシカム等)へ切り替える
安全な餌の確保(毒のない死体供給)薬剤が残っていない家畜死体を確実に食べられるようにし、餌不足と中毒リスクを同時に下げる(安全な給餌地点の運用など)
営巣地・採食地の保護繁殖に必要な崖地・樹林・周辺環境を守り、伐採や攪乱を減らして繁殖成功率を落とさないようにする
バルチャー・セーフ・ゾーン(VSZ)の整備繁殖地を中心に「危険な薬剤を使わせない・売らせない」地域づくりを進め、集団が回復できる安全圏を広げる
保護繁殖(域外保全)野外が厳しい状況でも種を残せるよう、繁殖センターで繁殖・飼育技術を確立し、将来の野生復帰に備えて個体群を維持する
野生復帰(リリース)繁殖センター由来の個体を、事前順化(プレリリース飼育)などを行ってから段階的に野外へ戻し、地域個体群の立て直しを狙う
研究とモニタリング(追跡調査)個体数の推移、繁殖状況、死亡原因、行動圏を継続的に調べ、対策の効果を検証する(衛星/GSMタグなどの活用も含む)
普及・教育(獣医師・薬局・畜産向け)「安全な薬を使う」「危険な薬を売らない・買わない」を地域に根付かせるため、関係者への周知・研修・啓発を続けて遵守率を上げる

出典

最後に

読んでみて、どのように感じましたか?

ジクロフェナクの問題って、ざっと読むと、もう解決したっぽく見えるんですよね。でも実際は、ハゲワシさんが腎不全になるくらいでしょ。これって、10年後くらいに「その家畜の肉を食べた人間への影響が…」みたいな話が出てきそうな気がするんですよね。

言われてみると、たしかにそうですね。

もう少し詳しく調べてみます。


項目内容要点
生理学の違い(ハゲワシ)ハゲワシ類(Gyps属)は、家畜の死体に残ったジクロフェナクを取り込むと、数日で腎不全を起こし死亡することがある。特徴として、体内に尿酸塩が析出して臓器表面や腎臓に沈着する「内臓痛風(visceral gout)」が確認される。ごく少量でも致死的になり得る
生理学の違い(人間)ジクロフェナクは人では鎮痛・抗炎症薬として使用され、通常の治療用量では代謝・排泄される前提で設計されている。人は「薬」として処理できる設計
急性リスクの整理汚染された肉を食べたとして、ハゲワシと同じ経過で急性腎不全を起こして短期間で死亡する可能性は、一般に高いとは考えにくい問題は即死ではなく慢性的な曝露の形
食品安全の論点(残留)肉や乳などの畜産物に、動物用医薬品が残留することは食品安全上の課題として扱われる。残留を避けるために休薬期間や残留基準の考え方が用いられる。見えない「残留」が論点になる
望ましくない使用のパターン病畜・終末期の家畜に対して、死の直前まで鎮痛薬が投与されると、死体や食品側に成分が残りやすい。使い方次第で残留リスクが上がる
人への影響の想定健康な成人では直ちに症状が出ない場合でも、体質や持病、併用薬の有無によって影響の出方は変わり得る。医薬品残留は、アレルギー反応などの観点でも議論される。個人差が大きい(全員が同じ反応ではない)
環境への放出経路投与されたジクロフェナクは、尿や糞などを通じて環境中へ移行し得る。各国で河川・地下水・沿岸域から医薬品成分が検出される研究が積み重なっている。排泄→水系へ、の流れがある
水生生物への影響環境中のジクロフェナク曝露は、魚類の腎臓やエラなどの臓器に影響し得ることが報告されている。生態系側で先にダメージが出る可能性
「10年後」に効く懸念の形長期・低濃度での曝露は、短期毒性と別の評価軸になる。飲み水や農作物など、複数経路での低濃度曝露が継続する場合、影響評価は単純ではない。低濃度でも「積み重なり」が論点
抗生物質とは別の問題鎮痛薬は耐性菌の話とは別だが、環境中で生物の生理に影響しうる点で「生態系の撹乱」という形で議論される。耐性菌ではなく、生理影響の問題
抜け穴(代替薬)アセクロフェナクは家畜に投与されると体内でジクロフェナクへ代謝されることが示されており、結果としてハゲワシにとっては同等のリスクになり得る。名前が違っても中身が同じ方向に行く
規制の動きインドではハゲワシ保全の観点から、ケトプロフェンとアセクロフェナクの動物用製造・販売などが禁止対象となった(官報告示)。規制は進むが、市場からの排除は時間がかかる
人体側での代謝(参考)人でもアセクロフェナクは代謝過程でジクロフェナクが生成され得ることが報告されている。人でも「ジクロフェナク化」は起こり得る

出典

「アセクロフェナクは家畜に投与されると体内でジクロフェナクへ代謝される……」って書いてあったけど、これ盗難車を塗り替えて販売しているみたいな感じじゃないのかな。
ちょっと言い過ぎかもしれないけどさ。

あとやっぱり土壌や地下水に流れ込んだジクロフェナクが土のなかにいる微生物などに効いちゃって、巨大な怪獣みたいなものに進化したりしたら怖いよね。ま、ないと思うけどさ。

いや、なんかありそうだよね。
逆に考えると、その微生物が植物の成長を促進して人類が破壊した原生林などを瞬く間に再生するような進化だったらちょっと嬉しいけどね。

で、ちょっと気になったんですけど、そもそもこのような薬をいっさい使用しないで、大量生産・大量消費前提の家畜生産ってできないものなのか、調べてみます。


項目内容要点
比喩「盗難車の塗り替え」アセクロフェナクは、投与した時点では別の薬に見えるが、牛の体内で代謝が進むとジクロフェナクへ変化することが確認されている。名前を変えても中身が戻る
体内で起きていること推奨用量で投与した牛の血中から、アセクロフェナクが短時間でジクロフェナクへ置き換わるように検出されている。代謝でジクロフェナク化する
なぜ問題になるかハゲワシにとって致死的なジクロフェナクが、結果として家畜の死体側に出てくる可能性があるため、保全上のリスクになる。ハゲワシ側の危険が復活する
規制の動き(インド)インドでは2023年に、獣医用途のケトプロフェンとアセクロフェナクの製造・販売・流通が禁止対象となった。「抜け穴」側も塞ぎに来た
「怪獣化」について微生物が巨大化して怪獣になることは考えにくい。一方で、医薬品成分が環境に入ることで、微生物群集や生態系の働きが変わる可能性は研究されている。怪獣ではなく、環境ストレスの話
土壌の微生物への影響ジクロフェナクは、環境中で分解に微生物が関与する一方、条件や濃度によっては微生物の増殖や群集構造に影響が出る報告がある。分解の担い手でもあり、影響対象でもある
「土が不妊になる」方向性医薬品汚染は、土の分解・循環の働きを弱める懸念として語られることがある。ただし影響の大きさは、濃度・土の性質・微生物相で変わる。土の元気が落ちる可能性はある
「見えない怪物(耐性菌)」薬剤耐性菌の主因は抗生物質であり、ジクロフェナクは抗生物質ではない。耐性菌の話は、鎮痛薬よりも抗菌薬の使い方の問題として整理される。耐性菌の中心は抗菌薬の側
大量生産と薬の関係(全体像)現代の畜産は、高効率・高密度・低価格を成立させるために、感染症対策や炎症・痛みの管理で薬剤に依存しやすい構造を持つ。安さと量を支える裏側に薬がある
理由A:過密飼育と感染拡大飼養密度が高いほど疾病が広がりやすく、予防・治療目的の抗菌薬使用が増えやすいことが指摘されている。満員状態は感染に弱い
抗生物質を混ぜる発想病気が出てからでは間に合わない環境では、群単位での予防的な抗菌薬使用に頼りやすくなる。先回りの抗菌薬が起こりやすい
理由B:体を酷使する痛み生産性を高めた乳牛は乳房炎などの炎症に直面しやすく、肉牛や肥育家畜は脚・関節の負担が増えやすい。そもそも痛みが出やすい構造
NSAIDs(鎮痛薬)が必要になる場面炎症や痛みが強いと採食量が落ち、体重増加や乳量に影響が出るため、鎮痛薬が使われやすい。痛み止めは生産効率と結びつく
「薬なし大量生産」は可能か薬剤を極力使わずに回すには、飼養密度を下げ、衛生とスペースを確保し、病気が広がりにくい仕組みに変える必要がある。仕組みごと変えないと難しい
すぐ全廃した場合の二択薬を急にゼロにすると、動物福祉(病気や痛みの管理)か、供給量と価格(コスト)のどちらかが大きく揺れる。苦しみか値上げか、の圧が出る
価格が上がる方向広い環境で健康に育て、疾病リスクを下げる方式は薬依存を減らしやすいが、同じ量を同じ値段で供給するのは難しい。のびのび育てるほど高くなる
結論危険が分かっている薬が消えないのは、抜け穴だけでなく、安さと量を維持する構造そのものが残っているから。問題は薬というより構造

出典

あ、やっぱり「ジクロフェナクは盗難車の塗り替え」ってバレたみたいで、規制入ってるみたいだね。
それで心配なのが、バクテリアとか菌類って樹木ともすごく深く関わってるじゃないですか。もしバクテリアや菌類が死んじゃったら、落ち葉や死骸を分解して栄養にするサイクルが止まって、土が痩せて、植物が育たなくなる可能性もある。そう考えると、動物だけの問題じゃなくなってるよね。

調べてみると、今の大量生産・大量消費を回していくには、鎮痛剤(NSAIDs)って必要不可欠なのかもしれないですね。
この先いろんな悪影響が出てくるとしても、この流れを止めるのはかなり難しい問題だと感じています。

「感じています」って書いたのには理由があって、昔ちょっとした畑と鶏さんで、自給自足みたいなことにチャレンジしたことがあるんですよ。
その時は、畑で育ちが悪かった作物とか、料理で出るクズ野菜を鶏たちに食べてもらってました。基本は庭に柵を作って、放し飼いみたいな感じ。春から秋は敷地を区切って、雑草を食べてもらったりしてましたね。

鶏って、草刈りなんていらないくらい……悪い言い方すると、根こそぎ草花を食べちゃうんですよ。
でも面白いことに、食べられない種とか花は分かってるみたいで、そこは食べないんですよね。

鶏は20羽くらい飼ってたんで、当然卵も産みます。
だからその子たちに「自給自足鶏」ってキャッチコピーをつけて、「鶏人」って屋号で卵の販売を始めたんですよ。

その時に強く感じたのが、今回のジクロフェナク問題にもつながる「家畜を薬で回して大量生産する仕組み」ってやつです。
卵って安いじゃないですか。でも細かく計算すると、安全に、薬を使わず、自然に任せて卵を売って「自給自足鶏」でやっていくには、大量生産の卵と同じ値段じゃ到底無理なんですよ。

じゃあ高くして売るじゃないですか。もちろん宣伝もいろいろやって、鶏たちの写真も出したりして、ちゃんと価値が伝わるようにしたんですけど……さすがに倍くらいが限界でした。
それでも飼料とかの経費を入れると、やっとギリギリ「自給自足鶏」って言えるくらいでしたね。

長くなりましたけど、こういう経験があると、急に大量生産・大量消費を止めるなんて、きっと難しいことだと感じます。
だって世界の大半は、作る側じゃなくて買う側、つまり消費者なんですから。

だから、私たち一人ひとりが商品を買うときに、その商品のちょっとだけ裏側を想像してみる。
ちょっとだけ疑ってみる。
できることなら販売元を調べてから買う。面倒だけど、それを続けていくと、きっとこの流れが別の流れになって、いつか綺麗な海に帰ると思うんですよね。

大きな川に、ほんの少し細い川を作ると、いつの間にか水の流れでその川って太く長くなるんですよ。
だから、最初の一本を流せるか、作れるか。そこにかかってるのかな、とも思っています。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

インドハゲワシに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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