※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、アルグンヤシ(学名:Medemia argun)が「衛星画像の解析で、CRからVUに」っていう、ちょっと「とほほ」な話です。
2014年の図鑑では、このヤシは1995年に“まとまった再発見”があるまで、絶滅した可能性すら疑われていたため、評価は「CR(深刻な危機)」でした。
でも最新のレッドリストでは、衛星画像(Google Earth等)の解析が進んだこともあって、生息地の見つかる場所も増えたことで、「EN(危機)」を飛ばして「VU(危急)」になっています。
だからアルグンヤシは今も、「助かったようで、踏まれていく」そんな状態なんじゃないかなと思います。
この記事は短くて、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2019評価(2020年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Medemia argun)
ランクが下がった理由は、回復じゃなく「発見」だった
⬇︎アルグンヤシの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | アルグンヤシ |
| 英名 | Nubian Desert Palm / Argun palm |
| 学名 | Medemia argun |
| 分類 | 被子植物・ヤシ科(Arecaceae)/メデミア属(Medemia)※1属1種 |
| 分布 | エジプト南部〜スーダン北部(ヌビア砂漠のオアシスやワジ周辺) |
| 主な生育地 | 超乾燥地帯のオアシス、ワジ(涸れ川)の流域、地下水が得られる砂漠の窪地 |
| 大きさ | 高さ 約6〜16m(報告により差あり)/幹の太さ 直径約30〜40cm程度 |
| 寿命 | ヤシ類として長寿タイプと考えられる(数十年以上の長期生存型) |
特徴
- 名前の由来:属名 Medemia はギリシャ語で「誰もいない」に近い語に由来するとされ、砂漠の環境を連想させる、という説がある。種小名 argun は現地で使われてきた呼び名(部族の呼称)に由来するとされる。
- 見た目:幹は基本1本で立ち上がり、青みがかった扇形(うちわ状)の葉をつける。葉柄が黄色っぽく目立つ個体も報告される。
- 希少性:世界的に珍しい「砂漠のオアシスに生き残ったヤシ」で、分布が点在している。いったん“絶滅したかも”と疑われたほど記録が少なかった。
- 保全状況:IUCNでは現在 VU(危急)評価(2019年評価/2020年公表)。過去にはCR(深刻な危機)扱いだった時期があり、評価が変化している。
生態など
- 生育環境:雨がほとんど降らない地域でも、地下水が得られるオアシスやワジ(涸れ川)に成立する。砂漠の中でも「水が残る場所」にだけ生き残るタイプ。
- ふえ方(繁殖):雌雄異株(オス株とメス株が別)のヤシで、花が咲いたあとに果実(種)をつけて更新する。
- 増えにくさの要因:個体数が少なく、分布がバラバラなので、受粉や結実が成立しにくい条件になりやすい(仲間が近くにいない問題)。
- 脅威:金の採掘などによる土地の掘削・荒廃、地下水のくみ上げ、化学物質による地下水汚染リスク、乾燥化や気候変動、葉の採取や破壊などが複合的に効いてくる。
出典
最終評価2019年:アルグンヤシ「VU:危急」
はじめはエジプトの古墳で見つかった果実をもとに記載されたが、1845年になって生きた植物に基づいて詳細に記載された。1995年に発見されるまで長い間、野生絶滅と見なされていた。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 2014年の図鑑(当時の理解・記述) | 2026年現在のIUCNレッドリスト(2019年評価/2020年公表) |
|---|---|---|
| 対象種 | アルグンヤシ(ヤシ科)/学名:Medemia argun | 同左 |
| レッドリスト区分 | 絶滅危惧IA類(CR:深刻な危機)として扱われている | 危急種(VU:Vulnerable)に変更されている(基準:B2ab(iii)) |
| 評価の「変化」 | CRとして「ほぼ絶滅に近い」と見なされていた | CR → VU へダウンリスト(ただし安全化ではなく、情報更新と評価計算の結果としての変更) |
| 評価年と公表年 | 図鑑の記述は2014年時点の理解(評価年と公開年が混在している可能性がある) | 2019年10月19日に評価(Date Assessed)され、2020年に公表(Year Published) |
| 「野生絶滅だと思われていた」背景 | 生きた個体がほとんど確認できず、実態がつかめなかったため「絶滅に近い」と考えられていた | 1980年代末までに目撃情報が減り、絶滅した可能性も疑われた、という整理になっている |
| 古代〜近代の発見史(概要) | 古代エジプト遺跡から果実が見つかるが、長い間「実物がどこにあるか不明」だった | 古代エジプト墓から果実が見つかったこと、1837年に生きたヤシとして確認されたことが整理されている |
| 1963年の再発見 | 図鑑の説明では細部が省略されがち(年が混乱している可能性もある) | 1963年にエジプトで生きた個体が確認されたことが、複数の資料で明記されている |
| 1995年の決定的な再発見 | 図鑑の「再発見」記述の中核に当たる出来事(“まとまった個体群”が見つかった転機) | 1995年10月にスーダン北部で再発見されたことが、保全報告書で明記されている |
| なぜCRからVUになったのか(最重要) | 「増えたから」ではなく「存在が確認できた範囲が広がったから」という説明が必要 | 分布や個体の把握が進み、これまで知られていなかった場所でも確認が進んだことが、VU評価の前提になっている(AOOが限定的でも、評価計算上CR条件を外れる) |
| “改善”の意味 | 図鑑のCR表記から、読者は「極限状態」を想像しやすい | VUに下がった=安心、ではない。分布確認が進んだ結果の見直しで、危機が消えたわけではない |
| 生息地の特徴 | 砂漠のオアシス的環境(枯れ川・ワジ周辺など)に点在 | ヌビア砂漠(エジプト南部〜スーダン北部)の散在地点。季節河川(ワジ)の氾濫原などに依存する整理 |
| 個体数が増えたのか? | 図鑑の印象だけだと「回復したのか?」と誤解されやすい | 劇的回復というより、衛星画像などで個体確認が進み、推定が更新された(スーダン側で可視個体を数えて推定) |
| 現在の個体群推定(目安) | 図鑑では「極少数」というニュアンスになりやすい | 2005/2006の衛星画像にもとづく観察を踏まえ、(エジプト+スーダン)で約7,400個体という推定が示されている |
| 最大の新しい脅威 | 図鑑時点では、主に「希少であること」自体が危機として語られやすい | スーダン北部での金採掘が強い脅威。生息地破壊・劣化、採掘をしやすくする目的の伐採(ヤシを切る行為)も懸念されている |
| 気候変動・乾燥化 | 砂漠環境なので、降雨の少なさが根本制約 | 乾燥化が進む地域であり、気候変動によるさらなる乾燥が脅威として重なる(生息地の維持や更新が難しくなる) |
| 「油断できない」根拠 | 図鑑のCR表記そのものが危機感を示している | IUCNの記述として、スーダン側の強い生息地破壊を理由に「将来的にENへ再引き上げ(up-list)される可能性」に触れている |
| まとめ(現状の捉え方) | 2014年の図鑑では「非常に危険(CR)」として読むのが自然 | ランクは改善(CR→VU)したが、「増えた」のではなく「見つかった・把握が進んだ」面が大きい。しかも現在は金採掘などで再び悪化しうる状況にある |
出典
アルグンヤシ(Medemia argun)は、IUCNレッドリストにおいて2019年に評価され、2020年に公表された結果、カテゴリーがCRからVUへ変更された。主要因は個体数の顕著な回復ではなく、調査の進展により分布域と生息地の実態が拡張的に把握された点にある。一方で、スーダン北部を中心とする金採掘による生息地改変や乾燥化の進行が新たなリスクとなっており、将来的な再評価で上方修正される可能性も指摘される。
⬇︎アルグンヤシの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護(ワジ・オアシスの保全) | ヌビア砂漠のワジ(涸れ川)や地下水に支えられたオアシス周辺など、限られた生育地を守り、伐採や土地改変で個体群が消えないように管理する。 |
| 採掘・開発の管理(特に金採掘) | 重要な脅威とされる金採掘による生息地破壊や、採掘をしやすくするための伐採を抑える(採掘地の規制、立入管理、影響評価など)。 |
| 伐採・利用圧の抑制(地域利用の調整) | 葉・繊維・木材など生活利用があるため、過剰利用にならないように利用方法を整理し、必要なら採取制限や代替資材の導入で圧力を下げる。 |
| 気候変動への備え(更新・幼木の確保) | 降雨の減少などで幼木が増えにくくなる可能性があるため、更新(発芽・定着)の状況を見ながら、守る場所の優先順位を調整する。 |
| 域外保全(植物園での栽培・繁殖) | 野生だけに頼らず、植物園などで栽培個体群を維持して“保険”にする(将来的な再導入や遺伝的多様性の確保にもつながる)。 |
| 種子の保全(採種・長期保存) | 種子を確保し、適切な条件で保管してリスク分散する(採種地点の記録、保存・発芽試験などを含む)。 |
| 研究とモニタリング(分布・個体数・遺伝) | 衛星画像などで重要個体群を把握しつつ、現地調査で個体数や再生産の状況を追う。遺伝的多様性の研究も行い、保全計画の精度を上げる。 |
| 地域参加(監視・合意形成) | 現地の人たちと一緒に、違法伐採や採掘による破壊を減らす仕組み(見回り、啓発、合意形成)を作り、保全が現場で回る形にする。 |
出典
最後に
読んでみて、どう感じましたか?
前に出てきたアラビアマクラサンゴと、流れがほとんど同じだね。
CR(深刻な危機)から、EN(危機)を飛ばしていきなりVU(危急)になった理由って、数が増えたからじゃなくて、「見つかった場所が広がった」ってことなんだよね。
アラビアマクラサンゴ(学名:Anomastraea irregularis)
ここを知らないまま、CRから一段飛びでVUになったって部分だけ見ちゃうと、「じゃあもう安心だし、金の採掘しても大丈夫だね」みたいな空気になりかねないんじゃないかなって。
そのへん、もう少し深掘りしてみるね。
| 観点 | 何が起きているか(背景) | それが生む危険(現実の問題) |
|---|---|---|
| 問題の核心 | 感じた「違和感」と「疑惑」は、保全の現場でも問題になりやすい「評価と実態の乖離(かいり)」そのもの。 | ランクだけが一人歩きして、現場の危機が見えにくくなる。 |
| 全体の構図 | アラビアマクラサンゴと同じで、アルグンヤシもCRから一段飛びでVUになった。 | ランクの見た目が軽くなったせいで、安心ムードが作られやすい。 |
| 1. 科学の罠 | CRからVUに下がった理由は、個体数が増えたからではなく、「見つかった範囲が広がった」ことが大きい。 | 本当は減っている・弱っている可能性があっても、データ上は安全側に見えてしまう。 |
| 1. 科学の罠(衛星技術) | 以前は現地を歩いて探すしかなかったが、衛星画像解析が進んで「行かなくても発見できる」状況になった。 | 発見が増えるほど、評価の数字が良く見えることがある。 |
| 1. 科学の罠(計算の仕組み) | IUCNの評価基準には分布面積(生息範囲)に関する指標があり、点が増えると評価上はリスクが下がりやすい。 | 実態が苦しくても、「分布が広い=絶滅しにくい」と解釈されやすい。 |
| 1. 科学の罠(実態) | 個体数が劇的に回復したわけではなく、むしろ減少傾向とされる。 | 「増えたわけじゃない」のに、「危険が去った」ように扱われてしまう。 |
| 2. 経済の闇 | 現在進行形で最大級の脅威になっている。 | ランクが下がったこと自体が、採掘を正当化しやすい空気を生む。 |
| 2. 経済の闇(地域事情) | 主要な生息地のスーダン北部では金採掘が活発で、外貨獲得の手段として採掘が強く動く。 | 生息地そのものが削られたり、環境条件が変えられたりする。 |
| 2. 経済の闇(ランクの意味) | CRのままだと「あと一歩で絶滅」という印象が強く、開発側にも強い抑制が働きやすい。 | VUまで下がると「条件付きなら開発可能」という空気になりやすい。 |
| 2. 経済の闇(現場で起きる破壊) | 露天掘りは地下水を大量に汲み上げたり、水脈を変えたりする。ヤシは地下水に依存するため、伐採されなくても干上がる形で弱る。 | 「切られていないのに死ぬ」という、気づかれにくい消え方が起こる。 |
| 2. 経済の闇(監視の緩み) | ランクダウンが進むと、国際的な注目や監視の目が弱まることがある。 | 壊しやすくなる速度が上がり、手遅れになるリスクが高まる。 |
| 3. 心理の隙 | 「まだ大丈夫」という空気が生まれること自体が一番怖い。 | 守る側も壊す側も、危機感を失いやすい。 |
| 3. 心理の隙(希少性のパラドックス) | CRの「幻のヤシ」なら宝として守ろうという機運が生まれるが、VUの「意外とあるヤシ」になると扱いが軽くなりやすい。 | 価値が落ちた瞬間に、開発の邪魔者扱いされる危険がある。 |
| 3. 心理の隙(保全疲れ) | 支援側もCRの緊急案件には注目するが、VUになると「成功したなら次へ」と資金が移りやすい。 | まだ危ないのに、支援の梯子を外されやすい。 |
| 結論(皮肉な構図) | 1) 衛星技術で奥地まで見つかる → 2) 分布が広いと判定されVUへ → 3) 心理的・制度的に開発のハードルが下がる → 4) 重機が奥地へ入りやすくなる | 「見つかったせいで、安心して壊せるようになった」という最悪の流れが起こりうる。 |
| 最終的な読み取り | ランクダウン(改善)=安全になった、と読むのは危険で、むしろ監視が緩む分だけリスクが上がる可能性がある。 | 直感的に抱く疑念は、現地の危機に沿った見方になっている可能性がある。 |
出典
衛星画像(Google Earthとか)の解析が進んだことで、「え、意外と広い範囲にいるじゃん」って扱いになって、CRからVUに変わった……ってことだよね。
でも、それって結局、開発のスピードを加速させちゃうよね。
なんだか、見つかってよかったのか、見つからなきゃよかったのか……。
ほんと「とほほ」って感じだね。
うん、ほんと「とほほ」なのは、衛星技術のおかげで、人間が行けない奥地の生息地まで見つかって、「分布が広い」って判断されて、ランクがVUに下がった。で、ランクが下がったことで、開発規制のハードルが(心理的にも制度的にも)下がってしまって、今まで人が入れなかった場所にまで重機が入って、金を掘ることが正当化されやすくなった……ってとこだよね。
つまり、「見つかったせいで、安心して壊せるようになった」っていう、本当に「とほほ」なランクダウンになりかねないんだよ。
でもね。
IUCNレッドリスト側も、ちゃんと数字を調べて統計を出して、その上で評価を公開してるんだと思うんだよね。こんなこと言うのも変だけど、「正義の不正」みたいな感じで、下げなきゃいいのにって思っちゃう時もある。
でもね……また「でもね」なんだけど、これをやり出すと、結局「どっちもどっち」になっちゃうんだよね。だって向こうにも向こうの正義があって、正論があって、家族があって、守るものがあって、それで採掘や開発をしてるわけだからさ。
これから先、AIとか科学技術って、びっくりするぐらい進化していくと思うんだよね。
それに合わせて、絶滅危惧種を守る方法とか対策も、AIを使った計算やシミュレーションみたいな形でどんどん出てくるって聞くしさ。
ただね、これって難しいんだけど……
どうしても物事を、善と悪とか、正義と悪とか、悪い人と良い人とか、守る人と壊す人みたいに、二つに分けて考えちゃいがちなんだよね。
でも、なんて言うのかな。
カラーパレットの上にいろんな色の絵の具を出して、筆でぐちゃぐちゃに混ぜた感じでいいんじゃないかなって思う時がある。
だってさ。
一つの色だけじゃ、地球って描けないと思うから。
ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。
貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
アルグンヤシに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




コメント