11年後のレッドリスト|アフリカマナティー:正しさの外で、溺れる【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アフリカマナティー:正しさの外で、溺れる【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、アフリカマナティー(学名:Trichechus senegalensis)が「名前だけの保護」で困っている、そんな話です。

このマナティーは、昔はワシントン条約(CITES)の附属書IIに載っていたこともあって、2014年の図鑑では「VU:危急」として紹介されていました。
その後、附属書Iに移って、国際的な保護のルールはもっと厳しくなったはずなんです。

でも、それでも最新のレッドリストを見ても、評価は変わらず「VU:危急」のままでした。

だから、アフリカマナティーは今も、「正しさの外で、溺れる」状態なんだと思います。

この記事は短くて、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2015評価(2015年公開)です(以降の更新は確認されていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Trichechus senegalensis

名前だけ強化された保護、それでもVUのまま|アフリカマナティーの現実

⬇︎アフリカマナティーの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

アフリカマナティー(Trichechus senegalensis)

🐢 基本情報|アフリカマナティー(Trichechus senegalensis)

項目情報
和名アフリカマナティー
英名African manatee / West African manatee
学名Trichechus senegalensis
分類哺乳類・海牛目(ジュゴン目)・マナティー科(Trichechidae)
分布西〜中部アフリカ。セネガル〜アンゴラまでの沿岸域と、そこにつながる河川・湖沼・湿地(流域全体に点在)
主な生育地浅い沿岸・河口域、ラグーン、マングローブ帯、川、湖、湿地など(淡水〜汽水〜海水を行き来)
大きさ体長:成獣で約3〜4m(記録上は4m級まで)
体重成獣で500kg未満が一般的(文献ベース)。最大記録としては700kg級の報告もある
寿命推定で約30年程度(世代長の目安として30年が用いられることもある)

特徴

  • 見た目:ずんぐりした体と、丸いパドル状の尾びれ。水草を食べる「水辺の草食獣」らしい体つき。
  • くらし方:海だけでなく、川・湖・湿地にも入る。淡水と汽水の境目(河口・ラグーン)をよく使う。
  • 希少性:分布は広いのに、見つけにくく調査が難しい(地域ごとに情報が薄い)とされる。
  • 保全状況:IUCNではVulnerable(VU:危急)として扱われる。

生態と行動

  • 食性:主に水草などの植物を食べる(場所によっては河岸の植物や、マングローブの葉を多く利用するとされる)。
  • 行動:基本はゆっくりで、浅瀬や植生の多い場所を好む。目視調査が難しく、音(パッシブ音響)で探す研究も進んでいる。
  • ふえ方(繁殖):雌は若い年齢で成熟する例もあり、出産間隔は3〜5年ほどとされる(単子が基本)。
  • 脅威:刺し網などでの混獲(意図しない捕獲)や、食用・油などを目的とした捕獲、さらにダム建設・マングローブ伐採・沿岸開発・湿地の改変といった生息地劣化が重なる。
  • 国際取引規制:CITESではTrichechus senegalensisは附属書Iに掲載され、国際商取引は原則として厳しく制限される。

出典

最終評価2015年:アフリカマナティー「VU:危急」

アフリカマナティーはワシントン条約の附属書IIに記載されており、生息するすべての国で法的に保護されている。しかしこの地域における人間社会の貧困が、効果的な保護をきわめて難しくしている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

観点2014年当時(図鑑の記載・当時の理解)現在(2014→現在の変化点/直面課題/技術的進展)
1. 国際的な取引規制(ワシントン条約 / CITES)図鑑では「附属書II」と記載。国際取引は規制対象だが、附属書Iほど強い枠組みではない。2013年のCITES締約国会議(CoP16)で、アフリカマナティー(Trichechus senegalensis)は附属書IIから附属書Iへ移行(格上げ)が採択され、商業目的の国際取引は原則禁止の扱いになった。
2. IUCNレッドリスト上の評価と“数字の見えにくさ”図鑑時点では、評価年や推定個体数は「情報としてあるが、現地の調査が難しい」前提。地域差・国境越えの把握が難しい状況。IUCNの評価はVulnerable(VU)のままで、評価日が2015年7月18日。生息域が広く(西アフリカ〜中部アフリカにかけて複数国)国境を越えるため、統一手法での個体数推定や長期トレンド把握が難しく、地域によりデータの濃淡が出やすい。
3. 脅威の中心(当時から継続するもの)図鑑では「貧困」が保護の壁として強調され、密猟・生息地改変などが背景にある、という整理。密猟(肉・油など)や偶発捕獲(漁網など)は現在も主要リスクとして広く指摘され続けている。加えて、マングローブ伐採、沿岸開発、湿地改変など生息地劣化も継続的な圧力として挙げられる。
4. 脅威の“複雑化”と構造(インフラ・気候の影響)生息地破壊は重要だが、当時は「全域での実態把握が難しい」ため、脅威の定量化や国別の優先順位づけが難しい構図。ダム建設など河川改変は、移動経路の遮断・局所個体群の孤立化・水位変動リスクなどを通じて問題化しやすい(分断が保全難度を上げる)。さらに気候変動が、水文(渇水・水位変化)や沿岸生態系への圧力として“既存の脅威を増幅”させ得る、という見立ても強まっている。
5. 新しい保護アプローチ(生活と両立する仕組み)「守りたいが、暮らしが先」という現実が前提。取締りだけでは限界がある、という問題意識。代替生計(例:養蜂・小規模ビジネス・コミュニティ監視など)を組み込み、「守ることが生活の安定につながる」形に寄せる取り組みが進む。現場での監視・教育・保護区づくりを地域ネットワークで支える設計が重視されやすい。
6. 技術的進展(調査・モニタリングの進化)濁水・広域・低密度で“見つけにくい”ため、目視・聞き取り中心になりがち。結果としてデータ不足が起きやすい。eDNA(水中の微量DNA)で在不在検出を補強できるようになり、現地での迅速検出・分布把握の精度向上が狙える。また、受動音響モニタリング(パッシブアコースティック)で鳴音から存在・行動を推定する研究が進み、目視困難な環境での検出力を上げる方向に進展している。
7. まとめルールはあっても、現場の実装が難しい。守る側の人員・資金・社会状況がボトルネックになりやすい。法的枠組み(国際取引規制)は強化された一方で、現場の主要脅威(偶発捕獲・密猟・生息地劣化)は完全には解消されていない。だからこそ、取締り一本ではなく、地域の生活設計+新技術で「見える化」「合意形成」同時に進める方向が鍵になりやすい。

出典

アフリカマナティーはCITESで2013年に附属書Iへ移行し国際商取引規制が強化されたが、IUCNでは2015年評価でVUに留まる。密猟・混獲・生息地改変(ダム等)に気候要因が重なり、個体群把握も困難である。eDNAや受動音響などの技術と、代替生計を含む地域協働型保全の統合が不可欠と考えられる。

⬇︎アフリカマナティーの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護・復元河口域・湿地・河川・マングローブ林など、利用する水辺環境を守る。沿岸開発や湿地の農地転用、マングローブ伐採などで生息地が減らないようにし、必要に応じて復元も行う。
河川改変・ダムの影響を減らすダム建設や河川改変で、生息地の分断・水位変動・移動阻害が起きないようにする(開口部での事故、回遊の遮断、渇水期の影響などを減らす)。
狩猟・密猟の抑止肉や油などを目的とした捕獲を減らすため、取締り・監視・違法流通の抑止を進める。地域の慣習的な捕獲がある場所では、代替策づくりとセットで進める。
混獲・漁具被害の軽減刺し網などでの偶発的な捕獲(混獲)を減らす。危険エリアの把握、漁具・操業方法の見直し、誤ってかかった個体の安全な放流手順の普及など。
水質悪化・汚染の対策水辺の汚染や濁り、堆積(シルト化)などで環境の質が落ちないように、汚染源対策や流域管理を進める。
侵略的外来種対策水草などの外来種が水面を覆って生息環境が悪化するケースでは、除去・管理で水域環境を回復させる(例:湖での外来水草対策)。
法制度・国際枠組みの活用国内法による保護(狩猟規制など)を整備・運用し、国境をまたぐ取引や圧力に対しては国際枠組みも活用する(CITES附属書掲載など)。
市民・地域参加と啓発地域住民が参加できる見守り(目撃情報ネットワーク)や教育プログラムを進め、保全の担い手を増やす。生活の事情が大きい地域では、代替生計づくりも合わせて支援する。
研究とモニタリング・人材育成重要な利用場所(採餌域・休息域・移動ルート)を特定し、継続的に個体・生息地の状況を調べる。あわせて現地研究者の育成や調査体制づくりを進める。

出典

最後に

読んでみて、どんなふうに感じましたか?

「生息域の国々の政治不安とか経済的な問題が、いまだに“効果的な保護”の壁になってる」って話なんだろうけど、結局さ、弱い国に対して強い国が命令してるわけじゃないにしても、強い国が得するような法律や仕組みを作って、搾取する構図ってずっと変わってない気がするんだよね。
だから、具体的にどの国で何が起きてて、それがどう影響してるのか、そこを知りたいです。

たしかに、書き方によってはかなりデリケートな話になりそうですね。
でも大事な視点だと思うので、調べてみますね。


論点(構造)具体的に起きること(例・国/地域)マナティーへの影響(保護上の帰結)
強い国の需要が、開発圧として生息地に乗る資源・エネルギー需要に支えられた沿岸開発や汚染が、静かな入り江・河口・湿地を変えていく。ナイジェリアでは石油関連の汚染や流出が生態系に長期影響を与えてきたと報告されている。濁りや汚染、騒音、船舶往来の増加で採餌・休息の場所が減り、事故やストレスが増える。生息地が「使えない水域」に変わると、個体数推定も難しくなり、保護の優先順位が下がりやすい。
鉱物輸出と港湾・インフラが、マングローブを削るギニアではボーキサイト採掘と輸出インフラ(港、道路・鉄道)が拡大し、沿岸の土地利用が急速に変化している。現地では、採掘・港湾開発が水質や沿岸生態系、住民生活に影響していると人権面からも指摘がある。マングローブや河口域は避難・採餌・移動の要所になりやすいが、伐採や埋め立てで連続性が切れる。沿岸の「緑の縁」が失われると、幼獣が育つ場所や餌場が減り、回復力が落ちる。
ダムが川を分断し、個体群を孤立させる追跡研究や現場報告では、河川の水利・水力ダムが移動経路を遮断し、個体群を隔離し得ること、閉じ込め(ダム上流側に取り残される等)が起き得ることが課題として挙げられている。孤立した小集団は、近交や局所絶滅のリスクが上がる。水位変動で座礁・取り残しが起きると死亡が増える。結果として、保護は「法律」より「水管理の設計」に左右される。
現場の貧困と食料事情が、密猟・混獲を止めにくくする主要な脅威として、漁網での混獲(溺死)と、肉・油・皮などを目的とした狩猟が広範囲で指摘されている。法規制があっても、生活の切迫があると実効性が落ちやすい。取り締まり強化だけだと「暮らしを奪われる」と受け取られ、反発や地下化が起きる。代替生計や地域合意がない限り、捕獲圧は残り続ける。
政治不安・紛争が、監視と保全プロジェクトを止めるカメルーンの英語圏危機では、治安悪化で行政サービスや現場活動が機能しにくくなる状況が続き、保護区管理や監視体制にも波及し得る。調査ができない=実態が把握できない=対策が打てない、という空白が生まれる。監視が薄い場所ほど違法捕獲や違法取引が入り込みやすい
武装勢力と違法経済が、保護を危険な仕事にする中央サヘルでは武装勢力の活動が拡大し、保護区や資源管理の現場が脅かされている。レンジャーや保全関係者が危険にさらされる事例も報告されている。巡回・救護・啓発が止まり、違法漁業や狩猟が増えやすい。汚職や非公式経済が強いと、法律は「紙」になりやすい。
国際ルールは強化されても、運用コストが現地に残るアフリカマナティー(Trichechus senegalensis)はCITES附属書Iに掲載され、商業目的の国際取引は原則禁止という強い枠組みになっている。国際取引は締められても、地域の混獲・狩猟・生息地喪失は国内課題として残る。理想(国際協力)と現実(執行能力・補償・代替生計)のギャップが、「名前だけの保護」を生みやすい。
「資源の安さ」→「貧困固定」→「捕獲」→「規制強化」→「摩擦」のループ外部需要で資源が流れ、地域が十分に豊かにならないまま、生活のために捕獲や違法利用が続き、規制だけが先に強くなる。代替生計や合意形成を伴う保全(地域プログラム、救護、脅威低減)が重要だとする現場団体もある。 ループが続く限り、マナティーは国際的には「保護の象徴」でも、現場では「貧困と不安定の犠牲」として消耗していく、という構図になりやすい。

出典

これって、「やった感」を出すために、弱い国に法律を押し付けてる…って見えちゃうんだよね。
でも、その前に、その国を貧しくさせてる構造をどうにかしない限り、結局なんともならない気がする。

「解決できる側」が、ちゃんとやってるアピールとしていろんな法律を作る。
でもその法律って、結果的に“やった感を出してる強い国”の都合がよくなる方向に働いてるだけなんじゃないか、って。

そんなふうに見えてしまうの、わかる。
私もこのへんは今勉強中で、正直まだ全体の絵がふわっとしか見えてないんだけど、こういう仕組みって、ずっと昔から続いてる気がするんです。

少しずつ形は変わってるけど、下手したらローマ時代の仕組みと、そんなに変わってないんじゃないか…みたいな。

最近よく言われる「親ガチャ」ってあるじゃないですか。
あれの“国ガチャ版”なのかな、って思うこともある。生まれた瞬間に、その人の運命というか立ち位置が、ある程度決まっちゃう感じ。

日本の言葉で「蛙の子は蛙」って言うように、どれだけ頑張っても、カエルはカエル以上にも以下にもなれないのかな……って、感じるときもあります。

でも、その中でも必死に努力して、運も味方して、「とんびが鷹を産む」みたいな結果になることもあるよね。
ただ、見てると、そういう人も最初は“とんび”だったのに、鷹の世界に入った瞬間から、いつの間にか鷹の言葉で話すようになっちゃうんですよ。

もし“とんびのまま”鷹たちと話し合ってくれたら、それこそが「とんびが鷹を産んだ」価値というか理由になる気がするんだけどね。
結局「郷に入れば郷に従え」なのか、「長いものには巻かれろ」なのか。

でも、こんなこと言ってても、ただの愚痴にしかならないんだよね。
だからここでちゃんと考えようとは思うんだけど……やっぱりこの問題、根が深いんですよ。

だからこそ、こういう法律みたいなルールを作るのと同時に、現場でちゃんと回る仕組みも一緒に作らないとダメなんだと思うんだよね。

現地の人たちが、「保護活動って、私たちの暮らしにもちゃんと返ってくるんだね」

って思えるような仕組み。

そういうのを、強い国の“鷹の側”として生まれた人たちが、ちゃんと考えて、ちゃんと動いてくれるのが、一番いい形なんじゃないかなって思うんですよ。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

アフリカマナティーに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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