11年後のレッドリスト|カフェマロン:風が運ぶ、消えかけた緑の祈り【IUCNレッドリスト比較】

カフェマロン 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

カフェマロン(Ramosmania rodriguesii)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

1998年、IUCNレッドリストで【CR:深刻な危機】と評価されました。

つまり、1998年から、

カフェマロンは「風が運ぶ、消えかけた緑の祈り」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるカフェマロンの最新評価は1998年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/33659/9801264

健康を支える薬用植物、その影に潜む絶滅の危機

⬇︎カフェマロンの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|カフェマロン(Café marron)
項目情報
和名カフェマロン
英名Café marron
学名Ramosmania rodriguesii
分類被子植物・アカネ科
分布インド洋・ロドリゲス島(モーリシャス領)の固有種
生育環境低地の乾燥林
樹高約3〜4メートル(低木〜小高木)
IUCN評価CR(深刻な危機/Critically Endangered)※1998年評価から更新されていない

特徴

  • 名前の由来:「カフェマロン(Café marron)」は、かつてこの木がコーヒーに似て見えることから現地で呼ばれた俗称に由来。
  • 葉と花:葉は光沢があり、白い花をつける。花はアカネ科らしく小さく星型で可憐。
  • 幻の木:一時は絶滅したと考えられたが、ロドリゲス島で1本のみが発見されたことで“奇跡の再発見”と呼ばれる。
  • 再生の努力:挿し木や組織培養によって人工的に増やされ、現在は植物園などで栽培されている。

生態と行動

  • 自生の危機:野生下ではほとんど絶滅状態。発見された原木も長年ただ1本だけであった。
  • 繁殖の難しさ:自然下での結実がほとんどなく、種子繁殖が難しい。主に挿し木や培養技術に依存。
  • 保全活動:モーリシャス政府やキュー王立植物園(Kew Gardens)が協力して保存・増殖に取り組む。
  • 人間との関わり:観賞用植物としても注目されているが、希少性が高く取引は禁止されている。

2014年絶滅危惧種:カフェマロン【CR:深刻な危機】

人工増殖に成功したことで、この種がすぐに絶滅してしまう心配はなくなったが、残っている1本の野生株は、薬用植物として利用しようと思っている人たちから保護する必要がある。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

  • 世界の薬用植物は 5万〜8万種 と推定される。
  • 地域の伝統医療や科学的分析が進んでいない種も含まれるため、正確な総数は不明。
  • WHOは「世界人口の多くが伝統的な植物療法に依存している」と報告。
  • 薬用植物は、現代医薬品開発においても重要な資源。

代表的な薬用植物一覧

学名和名・別名主な用途・効能
Aloe veraアロエベラ火傷・切り傷・炎症の治癒、胃腸調整
Glycyrrhiza spp.カンゾウ(甘草)抗炎症、鎮咳、抗アレルギー、胃炎治療
Panax ginsengオタネニンジン(高麗人参)滋養強壮、疲労回復、ストレス耐性向上
Hypericum perforatumセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)軽度〜中等度のうつ、不安感の緩和
Ginkgo bilobaイチョウ脳血流改善、記憶力・認知機能サポート
Zingiber officinaleショウガ(生姜)吐き気抑制、体を温め血行促進、抗炎症
Echinacea spp.エキナセア免疫力強化、風邪・インフル予防や初期症状緩和
Matricaria chamomillaカモミールリラックス、不眠改善、抗炎症、皮膚トラブル緩和

薬用植物の需要は増え続けているが、野生資源の乱獲や生息地破壊により枯渇が進み、栽培技術の未確立や連作障害も課題となっている。

品質も安定せず、誤認や偽物の混入、残留農薬や重金属による安全性リスクが懸念される。

さらに生産現場では高齢化や低収益性、機械化の遅れから労働負担が重く、市場価格も輸入品との競争や豊凶で不安定である。

種苗の入手や農薬規制、流通の複雑さも障害となっており、持続可能な供給には栽培研究や品種改良、経済支援、品質管理、国際協力が欠かせない。

⬇︎カフェマロンの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護モーリシャス・ロドリゲス島の固有林を保全し、開発や農業拡大から守る
種苗の増殖現地保護施設や植物園で苗を育て、個体数を増やす取り組みを実施
遺伝資源保存植物園・種子バンクで遺伝資源を保存し、絶滅リスクを軽減
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱに掲載され、国際的な商取引を規制
保護区の設定自生する限られた森林を保護区に含め、管理体制を強化
市民・地域参加地元住民の協力を得て植林や苗木保護活動を行い、認知度を高める
研究とモニタリング個体数のモニタリング、繁殖成功率や遺伝的多様性の研究を継続

主な取り組み

  • 生息地保全:ロドリゲス島の森林を保護し開発から守る
  • 苗木増殖:植物園や現地施設で育苗し個体群を回復
  • 遺伝資源保存:種子や遺伝子を保存して将来に備える
  • 国際規制:CITES附属書Ⅱで国際取引を規制
  • 植林活動:住民参加による苗木保護や植林を実施
  • 科学研究:個体数や繁殖率の調査を続ける

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「違う草からとれないの?」

と、根本的解決は先延ばし?

「知れば知るほど人類って怖い…」

と、人類の貪欲さを呪いますか?

感じ方は、いろいろあると思います。


およそ2008年頃から、約15,000種もの薬用植物が絶滅の危機にあると報告されており、その脅威は年々増大の一途をたどっている。

原因詳細具体例・影響
乱獲(過剰採集)需要増大による野生依存、価格高騰で採集加速根こそぎ採集 → 個体群回復不能、成長が遅い種(例:高麗人参)が壊滅的被害
生息地の破壊森林伐採・土地開発、インフラ整備、汚染森林や草原が減少、生態系崩壊、土壌・水質汚染で生育困難
気候変動気温上昇・降雨変化で適地喪失、生態系のズレ高地への移動困難、受粉時期の不一致、繁殖失敗

脅威が拡大する背景

要因説明
需要の拡大新興国を中心に伝統医療・自然由来製品への需要が増加し、野生採集圧力が強まる
気候変動の加速干ばつや洪水などの異常気象が個体群を一度に壊滅させるリスクを増大
保全活動の限界栽培技術が未確立な種も多く、保護区や栽培化の取り組みが追いついていない

このように、薬用植物の危機は、私たちの健康を支えてきた貴重な自然資本が、静かに、しかし確実に失われつつあるという「静かなる災害」である。

このままでは、未来の医薬品開発の可能性や、伝統医療文化そのものが失われてしまう危険性もある。

「わたし」は、人類は人工知能を開発し遺伝子の設計図の編集ができるようになり、神の領域に到達したように思えるが、自然の力には到底及ばないと考える。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

カフェマロンに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、カフェマロンたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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