※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、イナグアハンニチバナ(学名:Helianthemum inaguae)が、「30-30-30」に巻き込まれた…そんな話です。
2014年の図鑑には、2007年7月の大火で森が広い範囲で消えて、そこにいた植物もほとんど焼けてしまったことなどから、「CR:深刻な危機」って書かれていました。
で、最新のIUCNレッドリストを探してみたんだけど、なぜか登録が見当たらなかったんですよね。
でも調べ直したら、スペイン維管束植物レッドリストにはちゃんと載っていて、評価は今も変わらず「CR:深刻な危機」のままでした。
どうやらこれ、国内や地域の評価がそのまま世界版IUCNに反映される仕組みじゃないから…みたいなんです。
だからイナグアハンニチバナは今も、「焼け跡のままで、逃げ場がない」そんな状態なんだと思います。
この記事は短くて、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリスト(世界版)には本種の評価掲載が確認できません(検索0件)。一方で、スペイン維管束植物レッドリストでは CR(2008年評価)として扱われています。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:Conservación Vegetal|SEBiCoP(学名:Helianthemum inaguae)
焼け跡に残ったCR|火事のあとも危機は続く
⬇︎イナグアハンニチバナの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | イナグアハンニチバナ |
| 英名 | Inagua Rockrose |
| 学名 | Helianthemum inaguae |
| 分類 | 被子植物・マルバ目(Malvales)・ハンニチバナ科(Cistaceae) |
| 分布 | スペイン領カナリア諸島(グラン・カナリア島)固有。島の西部「イナグア(Inagua)」地域のごく狭い範囲で確認されている。 |
| 主な生育地 | 山の急斜面の岩場・小さな段(棚)・割れ目など、わずかな土がのる場所。マツ林に結びつきつつ、周辺に乾燥に強い森林(温帯林要素)の植物群が混じる環境。 |
| 大きさ | 小低木で高さ40〜80cmほど。 |
| 体重 | (植物のため該当なし) |
| 寿命 | 明確な年数は示されにくいが、小低木として複数年にわたって生きるタイプ。 |
特徴
- 名前の由来:種小名「inagua」は、グラン・カナリア島西部の地名「Inagua」に由来する(生育地に結びついた命名)。
- 見た目:背丈の低い小低木で、枝は立ち上がるように伸びる。葉は細長い線形で、緑色でややつやがあり、毛が少ない(ほぼ無毛)とされる。花は黄色が強く、雄しべが多い。
- 希少性:確認されている生育地が極端に狭く、個体数も非常に少ない。2007年の調査では成株11個体という記録がある。
- 保全状況:スペイン維管束植物レッドリストではCR(深刻な危機)として扱われる。また、スペインの国家カタログ/カナリア諸島の保護カタログでは「絶滅のおそれ(En peligro de extinción)」に位置づけられている。
生態など
- 生育環境:山地の岩場の急斜面で、土が薄い“小さな足場”みたいな場所に成立する。地形に守られている反面、広がる余地がほとんどない。
- ふえ方(繁殖):被子植物として開花し、受粉後に種子で増えるタイプ。野外では更新(新しい個体が増えること)が弱いと指摘される。
- 受粉の問題:個体群が小さすぎると、受粉相手や訪花昆虫の機会が減りやすく、結果として結実・更新がさらに落ちる流れになりやすい。
- 脅威:森林火災(2007年の大規模火災の影響が大きい)、放牧家畜などの草食圧(食害)、生育地の分断、干ばつの増加による更新低下が複合的に効いている。保護計画(回復計画)の整備や、家畜のコントロール、個体群の補強や移植などが必要とされる。
出典
最終評価2008年:イナグアハンニチバナ「CR:深刻な危機」(スペイン維管束植物レッドリスト)
2007年7月の大火で森が広範囲に消失し、そこの植物の大部分が焼けてしまった。森林火災だけでなく、植物をえさとする動物もこの種にとっての脅威となっている。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| IUCNレッドリスト(世界版)での掲載 | 図鑑内ではCRとして掲載 | IUCNレッドリスト(世界版)の検索では該当なし(掲載なし) |
| 保全状況(カテゴリ) | 絶滅危惧IA類(CR) | スペイン維管束植物レッドリストでCR(Critically Endangered) |
| 評価の根拠(どのリストか) | IUCNカテゴリ表記でCR(図鑑記載) | Red List of Spanish Vascular Flora(スペイン維管束植物レッドリスト)でCR |
| 評価年(スペイン側) | (図鑑内の表記はCR) | 2008年版のスペイン維管束植物レッドリストに掲載 |
| 分布 | カナリア諸島(グラン・カナリア島)に固有 | カナリア諸島(グラン・カナリア島)固有。西部セクターの狭い範囲(イナグア周辺) |
| 2007年の大規模火災 | 2007年の火災で森林が広範囲に消失し、植物の大部分が焼失 | 2007年7月の大規模火災で多数の個体が影響を受けた(大部分が焼失) |
| 主な脅威 | 森林火災、乾燥化、採取圧などが示唆されている | 森林火災に加えて、草食動物(植食動物)の影響が主要な脅威として示されている |
| 生育環境 | (図鑑の範囲で)島の一部の限られた環境 | 断崖・岩の割れ目・小さな段状地など、土がわずかにたまる場所に生育 |
| 法的保護(地域・国内) | 国レベルでも保護されている旨が記載 | カナリア諸島の保護種カタログ、スペイン国内の保護枠組みで「絶滅の危機(en peligro de extinción)」として扱われる |
| 保全計画 | 再発見・保護の努力が期待される旨 | カナリア諸島政府により回復計画が進行(回復計画の枠組みが明示されている) |
| 保全活動(実施例) | 無制限な採取の抑制、植生回復、移植の検討など | LIFE+ INAGUA などの取り組みとして、火災後の保全・回復を目的とした対応が示されている |
| IUCNの扱い(説明資料) | 図鑑ではIUCNカテゴリで紹介 | IUCNの紹介資料では「スペイン維管束植物レッドリストでCR」として説明されている |
出典
- LIFE+ INAGUA(火災後の保全対応の発表資料PDF)
- BOC(カナリア諸島官報):回復計画の承認(2012)
- Lista Roja 2008 de la Flora Vascular Española(PDF)
- ACBCanaria:Helianthemum inaguae(保護・法的扱いの資料PDF)
- IUCN Species of the Day: Inagua Rockrose(Helianthemum inaguae)
- Biodiversidad Canarias(CENTINELA):Helianthemum inaguae Informe(PDF)
- Conservación de especies(カナリア諸島政府):回復計画(Helianthemum inaguae を含む)
イナグアハンニチバナ(Helianthemum inaguae)は、2014年の図鑑でCR(絶滅危惧IA類)として扱われたが、2026年時点でIUCN世界版レッドリストには掲載が確認できない。一方、スペイン維管束植物レッドリストでは2008年評価でCRに分類され、カナリア諸島固有種として極めて限定的な分布を示す。2007年の大規模火災に加え、植食動物による摂食圧が主要な脅威とされ、回復計画や域外保全を含む保全措置が継続している。
⬇︎イナグアハンニチバナの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地(イナグア周辺の松林・山地)の保護 | 生育地がグラン・カナリア島のごく狭い範囲に限られるため、自然保護区などの枠組みで土地利用や攪乱を抑え、「残っている場所を削らない」管理を優先する |
| 森林火災対策 | 2007年の大規模火災のように、一度の火災で個体群が壊滅しかねないため、防火・監視・延焼を抑える管理などで“燃えない仕組み”を強める |
| 食害対策(草食動物の影響軽減) | ヤギなどの草食動物による食害が大きな脅威になり得るため、防護柵・個体数管理・重点区域の保護などで新芽や開花個体を守る |
| 生息地の回復(劣化地の再生) | 火災後や乾燥化で更新が進みにくい場所では、土壌・植生の回復、侵食の抑制などを進め、自然更新(芽生えが増える状態)に戻す |
| 増殖(組織培養・苗づくり) | 野外個体が少なく回復が遅いので、植物園などで組織培養・苗生産の技術を整え、野外補強に使える数を確保する |
| 個体群の補強(再導入・補植) | 残存個体群が小さく消失リスクが高いため、育成した苗を生育地へ補植して個体数を増やし、絶滅しにくい規模に近づける |
| モニタリング(個体数・開花・更新の追跡) | 個体数の変化、芽生え(更新)の有無、火災や乾燥の影響を定期的に記録し、保護策が効いているかを見ながら手を打ち続ける |
| 種子・遺伝資源の保全(域外保全) | 野外が一撃で失われる可能性があるため、種子保存や植物園での系統維持など“バックアップ”を確保しておく |
出典
- Kew POWO(分布の確認)Plants of the World Online: Helianthemum inaguae
- IUCN(PDF)Species of the Day: Inagua Rockrose(火災・食害などの脅威背景)
- 研究(PDF)Micropropagation of Helianthemum inaguae(増殖=域外保全・補強の基盤)
- IUCN(PDF)Top 50 Mediterranean Island Plants(極小個体群・乾燥・モニタリングの難しさ)
- 植物保全データベース(補強の記録)BDTCPE Resultados: Helianthemum inaguae(reinforcement)
最後に
読んでみて、どのように感じましたか?
2007年7月の大規模火災で、この植物もかなり影響を受けて、ほとんど消えてしまったって書いてあったんだけどさ。あの頃って、もう気候変動の影響で乾燥が進んでたのかな。ここ、そこまでカラカラに乾く場所って感じもしないんだけどね。
それと、そもそも火災の原因って何だったんだろう。木が擦れて火がついたのか、雷が落ちて火種になったのか…そのへんも気になるよね。
気候変動とこの火災に関係があったのか、ちょっと調べてみます。
| 項目 | 内容 | 要点 |
|---|---|---|
| 火災の直接的な原因 | 2007年のグラン・カナリア島の大規模火災は、自然発火ではなく人為的に起こされたものとして扱われている | 雷や摩擦ではなく、放火が核心 |
| 犯人 | 当時の森林火災監視員(公判で認定)が関与した件として報道されている | 火元が「人」だった |
| 犯人の立場 | 当時、森林火災の監視員(vigilante forestal / agente forestal)として働いていた人物 | 森を見張る側の人間だった |
| 動機(背景) | 監視体制や装備の不足を訴えたい意図、契約期間を延ばしたい思惑が語られている | 「必要な仕事だ」と示したかった側面 |
| 手口 | 1本のマッチ(cerilla)で火をつけたと報じられている | 小さな火種のつもりが制御不能へ |
| どれほど広がったか | 2007年の火災は島の広い範囲に延焼し、大規模災害になった | 被害が拡大し、森林が長期間傷んだ |
| 燃え広がった気象条件 | 熱波の中で、高温・乾燥・強風が重なった状況が記録されている | 火が止まりにくい条件がそろっていた |
| 具体的な数値例(気温・湿度・風) | 気温が35℃前後、湿度10%、風の影響などが火災解析資料に示されている | 乾燥と熱で燃えやすかった |
| 「30-30-30」型の悪条件 | 気温30℃超・湿度30%未満・風速30km/h超が同時にそろうと危険度が極端に上がる、と説明されている | 条件がそろうと消火が一気に難しくなる |
| 乾燥イベントとサハラ由来の風(カリマ) | 2007年当時、サハラ由来の熱く乾いた空気の影響も含め、島が極端に乾燥しやすい状態だったことが語られている | 森が「燃えやすい日」になっていた |
| イナグアハンニチバナへの影響 | 2007年7月の大規模火災が分布域を直撃し、多数の個体が失われたとされる | 生息地が狭いので一発で致命傷になる |
| この種の追加脅威 | 火災に加えて、植食動物(herbivores)の影響が主要な脅威として挙げられている | 「燃える」以外でも削られていく |
| 乾燥による影響 | 乾燥期が増え、定着(加入)が低下していることが観察されたとされる | 乾燥が続くと増えにくくなる |
| 位置づけ(保全の扱い) | スペイン側のレッドリストでCRとして扱われ、地域・国レベルで保護対象とされる | 世界版IUCN未掲載でも、保護対象として動いている |
| 取るべき対策(例) | 放牧家畜の管理、個体群の補強、移植(別の適地への移送)などが必要とされる | 守るだけでなく「増やす手」も必要 |
- CH Guadiana:Regla del 30(30℃超・湿度30%未満・風速30km/h超)
- El País(2007):Detenido un guarda forestal por el incendio de Gran Canaria
- IUCN Species of the Day(Inagua Rockrose):火災の直撃、植食動物、乾燥による加入低下
- AtlánticoHoy(2023):Con solo una cerilla… Juan Antonio Navarro Armas(マッチ1本)
- elDiario.es(2017):El autor confeso del incendio de 2007 en Gran Canaria(動機:資源不足の訴え/契約延長)
- Jornadas Forestales de Gran Canaria(PDF):Descripción del Incendio del Sur Oeste de Gran Canaria(気象データ例)
たぶんあの監視員も、あんな大火事になるなんて思ってなかったんだろうね。
「もっと俺たちの重要性を知ってほしい」っていう、自分なりの正義で、最初の一本のマッチを擦っちゃった…そんな感じだったのかな。
きっと「火をつけて、俺が消して、それがニュースになれば…」みたいな、わりと安易な考えだったんだろうけど……。
でもそこに、「にやり」と笑ったみたいな熱波が待ち構えててさ。
“気候変動”って名前の親分が、一気に大災害へ変えてしまったってわけだよね。
もし彼の“マッチポンプ”作戦がうまくいってたら、消火活動とか装備の不足に、市民の目が向いた可能性はあったんでしょうけどね。
ただ現実は、彼の消せる範囲なんて軽く飛び越えるレベルで、気候変動が作り出した「30-30-30」みたいな悪条件が重なって、大規模火災になってしまった…ってことなんでしょう。
それにしても「マッチ一本火事の元」って、昔から消防団の人たちが夜回りで言ってましたよね。
私の暮らしてる雪国でも、今でも秋口の乾燥する季節になると、消防団の車が放送で注意を呼びかけてくれてます。昔みたいに拍子木を「カンカン」鳴らすことはないけどね。
でもこれから先は、それに加えて、
「気候変動火事の元」
「気候変動で空気が乾燥しています。くれぐれも火の元には注意してください」
…みたいな放送が流れる時代になるのかもしれませんね。
ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。
貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
イナグアハンニチバナに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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