11年後のレッドリスト|オオナガレハナサンゴ:波間に揺れても、希望は沈まなかった【IUCNレッドリスト比較】

オオナガレハナサンゴ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

オオナガレハナサンゴ(Catalaphyllia jardinei)は、

2014年、図鑑に【VU:危急】として分類されていました。

2024年、IUCNレッドリストで【LC:低懸念】と評価されました。

つまり、2014年から2024年にかけて、

オオナガレハナサンゴは「波間に揺れても、希望は沈まなかった」状態になりました。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるオオナガレハナサンゴの最新評価は2024年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/132890/165616621

オオナガレハナサンゴ|「数が増えた=安心」ではない理由

⬇︎オオナガレハナサンゴの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|オオナガレハナサンゴ(Elegance Coral)
項目情報
和名オオナガレハナサンゴ
英名Elegance Coral / Wonder Coral / Ridge Coral
学名Catalaphyllia jardinei
分類刺胞動物門・花虫綱・サンゴ亜綱・硬サンゴ目(Scleractinia)・ウミエラ科(Euphylliidae)/ミツユビサンゴ科(Merulinidae より)(分類は見解により)
分布西太平洋〜中央太平洋、東インド洋にも散在。日本からオーストラリア北部、インド洋まで広く分布
主な生息地水深0〜40mの護岸された礁域、カレントがあるサンゴ砂底、ラグーン、マッドフラットなどに好適
体長/サイズ大型のポリプを持ち、個体によっては100cm近くになることもある
IUCN状況脆弱(Vulnerable)に分類されているが、Wikipedia上では軽度懸念(LC)との記述もあり(更新に注意)

特徴

  • 外見:大きな肉質の口盤(オーラルディスク)をもち、長い筒状の触手が伸びる。ベースは緑色、触手の先端はピンク〜蛍光色といった派手な色彩を呈する。
  • 繁殖:有性生殖(放卵・放精による受精)と無性生殖(分岐した枝が落ち、それが新たなコロニーになる)両方を行う。
  • 栄養摂取
    • 共生するゾウキノウ(褐虫藻/zooxanthellae)による光合成栄養が主要(およそ75〜95%)。
    • さらに触手でプランクトンの捕食も可能。
  • 遊離性:アネモネのように動き、砂などから遊泳・遊動することも観察される。

生態と行動

  • 生息環境:流れがある、やや濁った水域を好み、岩よりも砂や泥底にしっかり根を張って生活する傾向がある。
  • 付近生物との相互関係:大きな肉質触手は近隣の他のサンゴに影響を及ぼすことがあり、飼育下ではスペースに注意が必要。
  • 分布の広がり:インド洋・太平洋に広く分布し、オーストラリア北部から日本まで見られる。

保全状況

  • ステータスの違い
    • IUCNでは Vulnerable(脆弱) に指定されており、生息地の破壊や乱獲が影響している。
    • 一方で Wikipedia は LC(軽度懸念)と表記しており、情報の更新状況に注意が必要。
  • 脅威要因:気候変動による白化、大規模な採取(特にアクアリウム用途)、サンゴ礁破壊などが主要な影響要因。

2014年絶滅危惧種:オオナガレハナサンゴ【VU:危急】

オオナガレハナサンゴ属はサンゴ類にはめずらしくこの1種のみから成る。乱獲され鑑賞魚市場に出されることが最大の脅威であり、他のサンゴと同様に、気候変動により引き起こされるサンゴの白化と酸性化にもおびやかされている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

かつて、オオナガレハナサンゴは、その美しさから観賞用として乱獲され、

野生の個体群を減らすことが最大の脅威でした。

しかし、養殖技術が確立され、育てられた養殖個体が増え採集圧が大幅に減ったことにより、

「30%以上の急激な個体数減少」という基準には当てはまらず、再評価された。
出典:Elegance coral bred for the first time in captivity

⬇︎オオナガレハナサンゴの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生育地の保護サンゴ礁やラグーンの生育地を守るため、沿岸開発や埋立を制限
採取・取引の防止観賞用サンゴの過剰採取を規制し、違法採集や流通を取り締まる
水質改善対策生活排水・農薬・堆積物による水質悪化を防止し、清浄な海水環境を維持
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅱにより、国際取引を規制
保護区の設定サンゴ礁を含む海洋保護区を整備し、漁業・観光の影響を制限
市民・地域参加ダイバーや住民によるリーフクリーン、環境教育、エコツーリズムの推進
研究とモニタリング白化や病気の発生状況をモニタリングし、サンゴ移植や人工増殖の研究を実施

主な取り組み

  • 生育地保護:沿岸開発を制限し、ラグーンやサンゴ礁を守る
  • 採取規制:観賞用サンゴの違法採集を防止
  • 水質改善:排水や農薬流入を減らし、水質を保全
  • 国際保護条約:CITES附属書Ⅱにより国際取引を規制
  • 保護区整備:海洋保護区を指定し、漁業や観光の影響を軽減
  • 地域参加:ダイバーや住民がリーフクリーンや環境教育に参加
  • 調査研究:白化や病気をモニタリングし、移植や人工増殖を実施

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「人間の技術は、すごいね」

と、技術を称賛しますか?

「自然の中で鑑賞すればいいのに…」

と、採取圧を非難しますか?

感じ方は、それぞれにあると思います。

しかし、「養殖で数が増えたから問題解決」と単純に捉えることには、

いくつかの大きな落とし穴があるように思える。

観点批判の核心問題点
遺伝的多様性の喪失養殖個体は限られた親からのクローンや兄弟で増やされている遺伝的に均一で、病気や環境変化で全滅するリスクが高い
野生個体群・生態系の未回復レッドリスト評価の改善は「絶滅リスク低下」であり、生態系回復を意味しないサンゴが消えた海域では他の生物も失われ、養殖増加では現地生態系は元に戻らない
根本原因の未解決乱獲は回避されたが、温暖化・酸性化・汚染など大きな脅威は残る養殖成功が「安心感」を生み、深刻な環境問題への対応が遅れる危険性
養殖そのもののリスク養殖施設から病気が拡散する可能性大規模化すれば新たな環境負荷を生む恐れ

結論として、「養殖で増えたから良かった」という見方は、

個体数だけを種の保存の指標とした、とても偏った捉え方だと思う。

批判的な視点を持つ人々は、「養殖は乱獲というプレッシャーを減らすための有効な『ツール』の一つではあるが、それ自体がゴールではない。最終的な目標は、遺伝的多様性を持った野生の個体群が、健全な生態系の中で自立して存続できるようになることだ」と主張している。
出典:Culturing for conservation: the need for timely investments in reef aquaculture

養殖の成功は嬉しいニュースだけど、それをもって「全ての問題が解決した」と考えるのは「そうじゃないでしょ?」と感じる。

そして、養殖が増えると、「ワイルド種」の需要も上がり、それによりワイルド種の価格が跳ね上がることも懸念される。

ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

オオナガレハナサンゴに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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