11年後のレッドリスト|アオサンゴ:燃える海の底で、青は折れない【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アオサンゴ:崩れかけた海に、命の色が戻りつつある【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、アオサンゴ(学名:Heliopora coerulea)の話です。
気候変動がどんどん厳しくなる中でも、このサンゴは、もしかすると意外と“耐える側”なのかもしれない。って思ったんですよね。

というのも、2014年の図鑑では「VU:危急」だったのに、
最新のレッドリストでは「LC:低懸念」へと評価が下がっていたからです。

だから今のアオサンゴは、「燃える海の底で、青は折れない」――そんな状態なんじゃないかなと思っています。

この記事は短くて、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2023年版です(以降の更新は確認されていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Heliopora coerulea

LCでもモヤる理由|勝ち負けを“回転”させて見る

⬇︎アオサンゴの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|アオサンゴ(Blue Coral)
項目情報
和名アオサンゴ(青珊瑚)
英名Blue Coral
学名Heliopora coerulea
分類刺胞動物門・花虫綱・八放サンゴ亜綱・アオサンゴ目・アオサンゴ科
分布インド太平洋(沖縄、パラオ、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなど)
主な生息環境サンゴ礁の浅瀬(潮間帯〜水深15m程度)、特に強い水流のある場所
体長群体として1m以上に広がることも(個体ではなく「群体」)
体重固着性のため測定困難(骨格が重く密度が高い)
寿命数十年〜数百年(群体として成長し続ける)

特徴

  • 名前の由来:内部の骨格が鮮やかな青色をしていることから「アオサンゴ」と名付けられました。
  • 骨格の色:サンゴの中でも珍しく、骨格が天然の青色(青灰色〜群青色)をしている唯一の種類。
  • 見た目:生きているときは表面が褐色〜緑色で、触手を出している。死んだ後に骨格が青く見える。
  • サンゴの分類:他の造礁サンゴとは異なり、八放サンゴ類で、ソフトコーラルに近い性質も持つ。

生態と行動

  • 造礁サンゴ:石灰質の骨格を持ち、サンゴ礁形成に貢献するハードコーラルの一種。
  • 共生藻:体内に褐虫藻を共生させ、光合成によって栄養を得る(他のサンゴと同様)。
  • 分布拡大:地球温暖化や白化現象で他のサンゴが減る中、アオサンゴは比較的強く、分布を広げている地域もある。

2014年絶滅危惧種:アオサンゴ【VU:危急】

乱獲という脅威に加え、アオサンゴは地球規模の気候変動にともなう海水温の上昇にとくに敏感である。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / ページ 1 / ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

論点事実(評価・指標)読み解き・気候変動との関係
最新の絶滅リスク評価アオサンゴ(Heliopora coerulea)の最新評価は、低懸念(Least Concern / LC)である。評価実施日は2023年10月27日である。LCは「問題なし」を意味しない。現時点で、種全体として直ちに高い絶滅リスクにあるとは判定されていない、という位置づけである。
2014年からの評価変化2014年時点では絶滅危惧II類(Vulnerable / VU)であったが、現在はLCへ引き下げられている。評価が下がったことは、脅威が消えたことの証明ではない。評価は分布、推定個体数、減少率、脅威の広がりなど複数要素で決まるため、見え方が変わることがある。
個体数動向個体数のトレンドは減少(Decreasing)である。評価がLCであっても、減少が続く限り安心はできない。気候変動や人為圧が積み重なれば、将来的に再び高リスク側へ再評価される余地が残る。
なぜ評価が相対的に良いのか種全体として、分布が比較的広く、他の造礁サンゴと比べて個体群が維持されていると判断され得る。分布が広い種は、特定地域の被害が即座に「種の絶滅」に直結しにくい。ただし、広域に同時多発で熱ストレスが起これば、その利点は小さくなる。
「強さ」の要因(耐熱性)高水温条件でも、白化しにくい、または回復が早いとされる特性が報告されている。耐熱性は短期的な生存に寄与し得るが、無敵ではない。海洋熱波が長期化・常態化すれば、耐性の上限を超える局面が増える。
種単体とサンゴ礁全体の違いアオサンゴが相対的に持ちこたえても、他のサンゴ群集が失われる可能性は別問題である。たとえ1種が残っても、礁の構造や多様性が崩れれば、生息地としての価値が低下する。生態系サービスの損失は、種のLC評価とは独立して進行し得る。
現在の危機感の置き方結論は「LCである」ことと「減少している」ことが同時に成り立つ点にある。「いま直ちに絶滅ではない」が、「確実に削られている」。気候変動の加速が続く限り、警戒を緩める根拠にはならない。
まとめ現時点でLCだが、個体数は減少している。LCは通過点に過ぎない。海水温上昇が続けば、将来の再評価でリスクが上がる可能性は残る。警戒は必要である。
アオサンゴ(Heliopora coerulea)は、2014年時点ではVUとされたが、2023年の再評価でLCへ引き下げられた。しかし個体数動向は減少であり、気候変動や人為圧の累積により将来的なリスク増大が懸念される。耐熱性などの特性は短期的な緩衝要因となり得る一方、海洋熱ストレスの常態化は限界を超え得る。さらに、単一種の存続とサンゴ礁生態系機能の維持は同一ではなく、礁全体の劣化は別途進行し得る。

⬇︎アオサンゴの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
サンゴ礁の保全生息域となるサンゴ礁の健全性を保つため、開発規制や漁業制限を実施
海水温の監視温暖化による白化現象を防ぐため、モニタリング体制を強化
海洋保護区の設定アオサンゴの分布域を含む海域を保護区に指定し、人為的影響を制限
サンゴ移植損傷したサンゴ群集の回復を促すため、健康な個体を移植する活動を実施
水質改善流入する農薬や生活排水による水質悪化を防止するための対策
観光による影響の抑制ダイビングや船舶の接近に制限を設けることで、物理的ダメージを軽減
教育と普及活動地元住民や観光客に対して、サンゴ保全の重要性を伝える啓発活動を展開

最後に

これを読んでみて、どう感じましたか?

広い範囲に住んでいたってことで、2023年に評価が「低懸念」に下げられた。でも、内容を読み解くと、なんか「もやる」んだよね。
広い範囲にいたってことだけで、「危急」や「準絶滅危惧」を飛ばして一気に「低懸念」って、裏で経済的な圧力とか動いてるんじゃないの?って疑っちゃう。…こういう疑い方って、良くないかな。

いや、なんでも疑ってみるってことは大切です。

そのへんの「経済活動の圧力」とかも含めて、もう少し深掘りして調べてみますね。


観点要点内容(詳細)
問題提起(もやりの核)VU → LC への急な引き下げが直感的に矛盾して見える2023年の評価でアオサンゴ(Heliopora coerulea)が「危急(VU)」から「低懸念(LC)」へ一気に下がった。しかも同時に「個体数は減少(Decreasing)」という警告が示されているため、「本当に安心していいのか」という違和感(もやり)が生まれる。
①科学的な「建前」LCへ下がった理由は、まず評価基準上の整合として説明できるIUCNの評価は「種として地球上から消える確率(全滅リスク)」を基準に、複数の閾値(減少率、分布域、個体数規模、断片化、継続的減少など)で判定される。見た目の印象に反して、数値・条件がしきい値に届かない場合、減少傾向でもLCに分類され得る。
①科学的な「建前」具体①分布域の再評価(新しい知見)2008年評価時より調査や知見が進み、インド洋〜西太平洋にかけて「生息確認範囲」が大きく広がった、と解釈される。分布域が広いほど、局所的な被害があっても「種全体としての全滅リスク」は低めに算定されやすい。
①科学的な「建前」具体②高水温への相対的な耐性が注目される多くの造礁サンゴが熱ストレスに弱い中で、アオサンゴは「高水温に比較的強い(白化しにくい/回復が早い等)」とされる側面がある。極端な状況下で他種が減ると、相対的に優位になり「空いたスペースを占める」ような振る舞いも起こり得るため、“気候変動の勝者”的に見られることがある。
②「裏」を疑う視点(検証)経済的圧力が働いている可能性を、あえて点検する「急なランクダウンは、科学以外の要因(経済・政策・利害)が動いたのでは」という疑念は、直感としては自然である。そこで、実際に利害が生じ得る場面を列挙し、どこに“圧力の発生源”があり得るかを検討する。
②「裏」を疑う具体①CITES(ワシントン条約)と取引アオサンゴがワシントン条約の附属書IIにある場合、「商業取引は可能だが許可が必要」という位置づけになる。もし国際的な保護・規制が強まる方向へ進めば、アクアリウムや宝飾などの関連市場に影響が出る。レッドリスト上のステータス変動が、間接的に“規制強化の議論”へ連動し得るため、利害の温床になり得る、という見立てである。
②「裏」を疑う具体②沿岸開発と「免罪符」化のリスクレッドリストのランクが下がると、開発側が「優先保護の対象ではない」と解釈し、社会的説明に利用する危険がある。たとえ法的拘束力が直接なくとも、世論形成や調整の場で“材料”として使われやすい。
②「裏」を疑う具体③「平均化」の罠(ローカル危機の不可視化)種が広域に分布している場合、ある地域で絶滅寸前でも、他地域に多く残っていれば「地球規模」ではLCになり得る。つまり「地域的な危機」が「広域データ」に吸収され、危機感が薄まって見える。この現象が、現場感覚の“もやり”の正体である可能性がある。
③モヤモヤの正体(評価の限界)IUCNは環境の健康診断書ではなく、全滅リスクの物差しであるレッドリストは「その種が地球上から消えるか」を測る尺度であり、「その海域が守られているか」「その場所が健全か」を直接示す指標ではない。よって、LCでも現場の劣化は進み得るし、局所的損失は評価に反映されにくい場合がある。
③まとめ(読み解きの結論)LCになっても、Decreasing が示す現実は重い評価がLCへ下がった説明は制度上は可能だが、それは「丈夫で広く分布しているから」という消極的な理由に近い場合がある。一方で「減少」の矢印は、乱獲・沿岸開発・海水温上昇といった圧力が現在進行形で作用していることを示す。したがって、「LC=安心」とは結論できず、警戒すべき状況が残る、という整理になる。

アオサンゴって、「高水温に強い種」とか、「気候変動の勝者」みたいに言われてるらしいけどさ。
でも、勝者がいるってことは、その裏に敗者もいるってことじゃないですか。きっとその陰で、高水温に弱い種が追いやられてるんじゃないかなって思うんだよね。
だからサンゴの世界でも、たとえば「アオサンゴは勝ち組」「◯◯サンゴは負け組」みたいな現象が起きてても不思議じゃない気がする。……実際どうなんだろう。

あ、それはありそうですね。

調べます。


観点要点内容(詳細)
もやりの正体(全体像)「広い範囲にいるから安心」という見え方の裏で、特定の“強い種”が優位になり、生態系が単純化していくある種が残っている(あるいは増える)ことと、サンゴ礁が健全であることは同義ではない。耐性のある種が優位になるほど、群集構造が偏り、地域の多様性が失われるリスクが高まる。
1. 「負け組」の悲劇熱ストレスの“敗者”になりやすいのは、枝状で成長が速いサンゴ(例:ミドリイシ属 Acropora枝状サンゴは、複雑な立体構造(“森”)を作り、多様な魚類・無脊椎動物の隠れ家になる一方、急性の熱ストレスに対して感受性が高く、白化・死亡が先行しやすいとされる。
1. 場所(ハビタット)の喪失枝状サンゴが減ると、隠れ場所・産卵場・餌場が同時に減る立体構造が失われると、そこに依存していた魚類の稚魚や小型生物が生き残りにくくなる。見た目は「サンゴがある」ように見えても、機能(住処の提供)が薄くなる。
2. 「勝ち組」アオサンゴの強さ強さは「耐熱」だけでなく、空間を取る能力にあるアオサンゴ(Heliopora coerulea)は、温度上昇条件で周辺基質を占有し、隣接基質へ広がることで優位になり得る、と報告されている。
2. 後出しジャンケン型の勝利他種が弱って空いた場所に入り込み、基質を覆って“居場所”を確保する熱ストレスで他のサンゴが死滅・弱体化すると、空いた基質が増える。そこを先に押さえた種が、回復期の群集再編で優位になり、景色が置き換わっていく
2. 他種を戻しにくくする仕組み周囲の造礁サンゴ幼生の定着を妨げる可能性が示唆されているアオサンゴ群集の近傍で、イシサンゴ類の幼生の定着が抑制され得る、という研究報告がある(作用機序は複合的に議論されている)。
2. 「主流派」と別系統多くの造礁サンゴ(イシサンゴ目)とは別系統の八放サンゴ(Octocorallia)であるアオサンゴは「イシサンゴ目(Scleractinia)」ではなく、アオサンゴ目(Helioporacea)の(現生では)代表的存在として整理される。主流の造礁サンゴ群集が弱る局面で、別系統が礁形成に目立ってくる、という“群集の組み替え”が起こり得る。
3. 「勝ち組だけの世界」の危うさ多様性の低下=均質化(ホモジナイゼーション)は、環境変動に弱い強い種ばかりが並ぶ群集は、いまのストレスに適応しているように見えても、別の攪乱(病気、別タイプの熱波、汚染、台風頻度など)に対して脆くなる。勝者に特化したリスクが顕在化すると、崩れるときは一気に崩れる
3. 「低懸念」評価の落とし穴地球規模の評価は、地域の劣化や置き換えを見落としやすい世界全体で見た「分布の広さ」や「全滅リスク」が低いと評価が下がり得る一方で、特定海域で「多種多様なサンゴが一種に置き換わる」ような質的劣化は、評価の外側に残りやすい。
4. 2025年の最新動向(希望の芽)“敗者側”とされがちな種が、予想外に耐性を示す報告も出ているフランス領ポリネシアのタタコト環礁では、一般に脆弱とされやすいサンゴが、予想に反して良好な耐性を示す可能性が示され、「熱に強い個体群(いわゆる“スーパーコーラル”)」の議論が進んでいる(ただし長期検証が重要である)。
裏から見た結論「数」が残っても「質(多様性)」が失われる、という闇アオサンゴが相対的に残りやすい(あるいは優位になり得る)こと自体は理解できても、その裏で群集が単純化し、礁の機能が痩せていくなら、それは“安心”ではない。評価が下がるほど、地域の危機が見えにくくなる、という逆説が起こり得る。
参考(背景データ)造礁サンゴ全体でも危機が進むIUCNは2024年の再評価で、温暖浅海の造礁サンゴの44%が絶滅リスクにあると述べている。個別種の「勝ち/負け」を超えて、サンゴ礁全体が強い圧力下にあることを示す材料である。

出典:Over 40% of coral species face extinction – IUCN Red List

やっぱり、そういう構図ってあるんだね。
勝ち組みたいに見えるアオサンゴと、負け組みたいに見えるミドリイシ属――その輪郭が、だいぶはっきり見えてきた気がする。
でも、負け組のほうも耐性をつけようとしてるっぽいし、これから先のサンゴ礁の“生息争い”は、ほんと目が離せないね。

でもね。最近、なんでも「陰と陽」「光と影」「善と悪」みたいに、きれいに二つに分けてしまうのは危険だと感じているんです。どちらかが勝って、どちらかが負ける。どちらかが光の側で、片方が影になるじゃないですか。
だけど、陰と陽を表すあの絵って、半分ずつに分かれていながら、どこかでゆっくり混じり合って白と黒が、回転しているようにも思えるんですよ。

ちょっと、あの白と黒の絵が、くるくる回っているところを想像してみて欲しいんだけど、白と黒なら、回転すれば灰色に見えそうだよね。
でも実は、灰色だけじゃなくて、赤や黄、青や紫みたいな薄い色――いわゆる主観色が見えることがあるんですよ。
参考:Benham’s Disk|A rotating black-and-white disk produces the illusion of color.

そう考えると、勝ち組・負け組って分けたつもりでも、結局はもっといろんな色になるんだと思うし、勝った側を支えた人もいれば、負けた側を見守った人もいる。勝った人と一緒に戦った人もいれば、負けた人と一緒に泣いた人もいる。

だから、二つに分けるよりも、たとえ分けたとしても、それを少しだけ回転させて、両方をくるくる回しながら観察してみる。そういう視点が大切なんじゃないかと思ってるよ。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

アオサンゴに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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