※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、ハウロコミナミウミヘビ(学名:Aipysurus foliosquama)の話です。
テーマは、「サンゴ礁」から「海草藻場」へ?
というのもこのウミヘビ、2014年の図鑑では 「CR:深刻な危機」 と書かれていたのに、最新のレッドリストでは、評価が 「DD:情報不足」 になっていたんです。
だからハウロコミナミウミヘビは今も、快適に生きられる居場所を探しながら、
「地図の外で、息をしている」状態なのだと思います。
この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。
※2025年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2021年版です(以降の更新は確認されていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Aipysurus foliosquama)
CR相当の絶望から、DDの迷宮へ:再発見が揺らした“生き残りの地図”
⬇︎ハウロコミナミウミヘビの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | ハウロコミナミウミヘビ |
| 英名 | Leaf-scaled Sea Snake / Leaf-scaled Seasnake |
| 学名 | Aipysurus foliosquama |
| 分類 | 爬虫類・コブラ科(ウミヘビ類) |
| 分布 | オーストラリア北西沖(ティモール海のアシュモア礁・ヒバーニア礁など)/西オーストラリア州シャーク湾でも個体群が報告 |
| 主な確認海域 | サンゴ礁の縁辺(浅い海)・海草藻場(シャーク湾) |
| 体長 | 約60〜90cm(記録) |
| 体重 | 〜約500g(報告例) |
| 繁殖 | 胎生(卵ではなく子どもを産む) |
| IUCN評価(最新) | DD:情報不足(最終評価:2018-05-30/公開:2021) |
| 2014年図鑑での評価 | CR:絶滅危惧IA類 |
特徴
- 名前の由来:「葉(folio)+うろこ(squama)」の名の通り、葉っぱみたいな鱗(うろこ)が特徴とされます。
- 海で暮らす毒ヘビ:ウミヘビの仲間で、毒を持ちます(ただし人に会う機会自体がとても少ないタイプ)。
- 浅い海の“すき間”で生活:サンゴ礁の縁の浅場など、身を隠せる場所を使って暮らすとされます。
- 空気呼吸:ヘビなのでエラはなく、定期的に水面へ上がって呼吸します。
生態と行動
- 生息環境:サンゴ礁の浅い場所(浅場中心とされてきたが、シャーク湾では10〜19mの記録もある)/シャーク湾では海草藻場での記録。
- 分布の“ズレ”が重要:かつて主に知られていた海域から離れた場所(シャーク湾)で個体群が見つかったことで、「どこに、どれくらいいるのか」が一気に難しくなりました。
- いったん“消えた”ように見えた:アシュモア礁・ヒバーニア礁では、調査で確認されにくくなった(=激減・消失が疑われた)経緯が議論されています。
- IUCNがDD(情報不足)になっている理由:脅威は深刻そうなのに、最新状況を判断するだけのデータが足りないため、結論を“危機”に固定できずDDになっています(IUCNの記載)。
- 疑われる脅威(代表例):生息地の変化(サンゴ礁・海草藻場の悪化)や、海の環境変動などが論文・報告で取り上げられています。
2014年絶滅危惧種:ハウロコミナミウミヘビ「CR:深刻な危機」
ハウロコミナミウミヘビには過去15年のうちに深刻な個体数の減少が見られる。なぜそうなったのかはよくわからないが、海洋面の水温上昇が関係している可能性があり、水温上昇はハウロコミナミウミヘビを死にいたらしめていると考えられる。
出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 論点 | 2014年時点(図鑑:CR相当) | 最新(IUCN+研究:DD) |
|---|---|---|
| 表示されている評価 | 図鑑上は CR(絶滅危惧IA類)。ただし本文の趣旨は「IUCNに未掲載(または十分な評価が整っていない)が、基準を当てはめるとCR相当」という“図鑑側の判断(相当)”として読める。 | IUCN公式のカテゴリは DD(情報不足)。評価日(Last assessed)は 2018-05-30、個票の掲載(Year published/Version)は 2021(2021-2)という表示になっている。 |
| 「CR→DD」の意味合い | 図鑑のCRは「当時の絶望的状況」を強く伝える表示(=狭い分布・局地消失の印象が強い)。 | IUCNのDDは「安全」という意味ではなく、分布域・個体数・傾向を、科学的に確定できるだけのデータが足りないという意味。 |
| 当時の前提(分布の理解) | 「アシュモア礁/ハイベルニア礁など、ごく限られたサンゴ礁にしかいない」タイプとして語られがちで、局所的に消えれば“種全体が消える”前提になりやすい。 | 2015年ごろから、既知の礁から大きく離れた場所(シャーク湾)で個体群が確認され、分布像が揺れた。これで「実は他にもいるのでは?」と同時に「全体像が分からない」が強まった。 |
| 「ドラマ」の核(再発見) | 図鑑の世界観では、狭いサンゴ礁で姿を消した=“ほぼ終わった”空気になりやすい。 | シャーク湾の海草藻場での確認(再発見)が大きい。しかも「サンゴ礁の種」だと思われていたものが、別タイプの環境でも生き残っていた点が衝撃。 |
| 距離感(どれくらい別の場所か) | “その礁にいない=世界にいない”になりやすい。 | 解説では、既知産地から 約1,700km (南)の場所で見つかった、とされる。 |
| 「CRだった/CRとみなされた」根拠の筋 | 限定分布・局地消失・個体数減少の印象が強く、「CR相当」と置きやすい状況。 | 研究側でも、かつて IUCN(2010)基準でCR扱いとされていた文脈がある(=“狭い分布だからCRになりやすい”構造自体は現実にあった)。 |
| なのに、なぜDDなのか? | 図鑑のCR(相当)は「危機の強さ」を示すには分かりやすいが、前提(分布が極端に狭い)が崩れると、評価の土台が揺れる。 | シャーク湾で見つかったことで、分布域/個体数/複数個体群の有無/過去産地の現状など、評価に必要な変数が一気に増えた。結果として「危ないのは確かだが、どれくらい危ないかを断言できるだけのデータが不足」→DD、という筋になる。 |
| 生息地の“ズレ”(サンゴ礁→海草藻場) | 図鑑では「サンゴ礁のヘビ」として理解しやすい。 | シャーク湾では海草藻場(seagrass)に結びつく記録が強調される。生態の柔軟性なのか、追い込まれた結果の“避難”なのかは、まだ検証が必要になる。 |
| 脅威(2014の語り) | 気候・環境悪化(サンゴ礁の劣化など)に引っ張られやすい。「場所が消えれば種が消える」という危機。 | IUCN個票の文脈では、シャーク湾でトロール漁船が混獲することが触れられる一方、それが個体群レベルの脅威かは不明、という書き方になっている(=ここもDDに近い“未確定領域”)。 |
| 「アシュモア礁での消失」の扱い | “なぜ消えたか”が、CR相当の説得力(絶望の根拠)になりやすい。 | 重要な謎として残る。原因が確定しないと、いま守るべき要因(温度・病気・捕食・漁業圧など)の優先順位が立てにくい。研究側でも「新記録が保全を難しくする(=従来想定の外で見つかる)」という問題意識が示される。 |
| まとめ | 「当時のCRは、絶望的な状況を正しく伝えている」:狭い世界で、消えかけた命としてのリアリティがある。 | 「DDは、希望と不安の両方」:絶滅していなかった希望/どこにどれだけいるか分からない不安。だからこそ“守るための調査をやり直す”という科学的な誠実さが出る。 |
出典:Habitat and behavioural associations of Aipysurus group sea snakes in Western Australia
ハウロコミナミウミヘビ(Aipysurus foliosquama)は、2014年図鑑では局所的消失を根拠にCR相当と扱われたが、IUCNでは再発見情報を踏まえDD(最終評価2018年)とされる。従来想定域外(西豪州シャーク湾)で繁殖個体群が報告され、分布・個体数の全体像が未解明となったためである。生息は海草藻場にも及び、混獲等の新規脅威が懸念される一方、旧生息地での消失要因は未確定で、追加調査が不可欠である。
⬇︎ハウロコミナミウミヘビの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 分布・個体群の再把握(調査) | かつてはアシュモア礁・ハイバーニア礁のみに知られていたが、近年は西オーストラリア沿岸でも個体群が確認されているため、分布の再評価と継続調査が保全の前提となる。 |
| 漁業(特にトロール)との相互作用低減 | 沿岸個体群の適地がトロール漁業と重なる可能性が高いとされ、混獲の発生状況、操業条件、放流後の生残などを含めて影響を小さくする対策が重要。 |
| 保護区・海域管理(MPA等)の強化 | 生息適地の一部は既存の海洋保護区ネットワークに含まれるが、保護のカバー率や管理強度を点検し、重要海域の保全を進める。 |
| 長期モニタリング(個体群動向の把握) | 局所絶滅が疑われた経緯もあるため、沿岸個体群についても長期の個体数・出現頻度データを蓄積し、リスク評価(DD→再評価)に資する情報を集める。 |
| 要因究明(なぜ減ったのか) | アシュモア礁周辺での海ヘビ群集の急減など、減少ドライバーが不確実な点が残るため、環境変化・人為影響を切り分ける研究が必要。 |
| 法的枠組みの下での優先保全 | 豪州では海ヘビ類が保全上重要視され、当該種を含む希少種の情報整備・優先度付けが進められている。 |
最後に
これを読んでみて、どのように感じましたか?
もともとCR(絶滅寸前)だったけど、シャーク湾で個体群が見つかったことで「本当はどこまで分布してるの?」って話になって、まだ全体像がつかめないからDD(情報不足)=要調査になった、ってことだよね。
で、これってサンゴの環境変化も関係してる気がするんだけど……もしかして、気候変動で海水温が上がってきたから、みんな“ちょうどいい水温の場所”を探して移動してる、ってことなのかな。
そういう可能性もありますね。近年、海水温が上昇していると言われていますし。
そのあたりは、もう少し資料をあたって詳しく調べてみます。
| 観点(テーマ) | 要点(何が起きている/何が重要か) | キーワード・補足(掘り下げポイント) |
|---|---|---|
| 1. 「みんなで引っ越し」は起きているのか? | 結論として、海の生きものの多くが「住みやすい温度の海」を求めて、南半球ではより南(極方向)へ移動している、という流れは実際に起きている。 | Poleward Range Shift(生息域の極方向への移動):温暖化で“適温帯”が動く。海は障壁が少ないので移動が速いとされる。 |
| 1-補足:移動のスピード感 | 陸上生物よりも海洋生物の方が移動が速い、という指摘がある。 | 「10年で約70km」など、研究によって示される移動速度の目安が語られることがある(文献で裏取りして引用すると強い)。 |
| 1-補足:「サンゴと一緒に移動」は簡単じゃない | ヘビのように動ける生き物は比較的短期間で移動できるが、サンゴは親が動けない。サンゴの分布拡大は幼生(プランクトン期)が海流に乗って到達し、定着して成長する必要がある。 | 移動能力の差:ヘビは逃げられるが、サンゴは“森”が広がるのに時間がかかる。結果として「サンゴを置き去りにして、ヘビだけ先に南へ行く」状況もあり得る。 |
| 2. 「サンゴ礁」→「海草藻場」への適応(プランB) | “引っ越し先”がポイント。アシュモア礁ではサンゴ礁と結びつけて語られていたのに、シャーク湾では海草藻場(海草の茂る砂地)で見つかった。 | 生息地のスイッチ:サンゴ礁だけが唯一の住処ではない可能性が見えてくる。 |
| 2-補足:なぜ海草なのか? | サンゴは水温上昇に弱く白化しやすい一方、海草はある程度の温度変化に耐えて生き残る場合がある。 | Tropicalization(熱帯化)の文脈:海域が暖まり、種の顔ぶれや生態系が“熱帯っぽく”変わる。サンゴの崩れ方・海草の残り方が、行き先の条件を変える。 |
| 2-考察:適応力の可能性 | このヘビは「サンゴが好き」というより、「隠れ家とエサが確保できるなら海草藻場でも暮らせる」という柔軟性を持つのかもしれない。 | 適応力/ニッチの広さ:これは絶滅リスクを下げる“強み”になり得る(ただし、実際にどこまで適応できるかは追加データが必要)。 |
| 3. DD(情報不足)に隠れたミステリー:「元々いた」説 | もう一つの筋書きとして、「最近移動してきた」だけでなく「昔からそこにいた(見落としていた)」可能性がある。 | レフュジア(Refugia:避難所/隠れ里):長期的に安定して残る場所に、少数がひっそり生き残っていた、という考え方。 |
| 3-補足:なぜそれがDDにつながる? | もし「最近引っ越してきた」のなら個体群は不安定かもしれない。逆に「昔からいた」のなら、そこは安定した聖域かもしれない。この“新参者か先住民か”が分からない。 | DD(情報不足):危険度が下がったというより、「全体像がわからないから評価を確定できない」状態。分布・個体数・連結性が鍵。 |
| 4. 引っ越しを阻む「壁」 | たとえ適温の海へ移動できても、そこが“生きられる場所”とは限らない。移動の先に複数の壁がある。 | 移動=解決ではない:適温だけでは生存条件は満たせない。 |
| 4-壁①:エサの壁 | ヘビが移動しても、餌となる小魚や生態系が追いつかない/残っていない/減っていると飢えてしまう。 | 食物網の同期:生息地の移動は「餌・隠れ家・繁殖場」がセットで成立する必要がある。 |
| 4-壁②:地形の壁 | 深海を越えられない種類、沿岸に依存する種類は移動可能な範囲に限界がある。 | 地理的制約:オーストラリア沿岸のどこまで連続的に移動できるか、ギャップ(深海・砂地・海流)で分断されるか。 |
| 4-壁③:人間の壁 | 引っ越し先で漁業など人間活動が活発だと、辿り着いた場所が“安住の地”ではなく“罠”になることがある。 | 混獲(bycatch)など:海草藻場周辺での漁法・利用状況がリスク要因になる。 |
サンゴも一緒に移動できると思ってたけど、サンゴの移動って、木々みたいにすごくゆっくりなんだよね。
それで今は、サンゴでできたマンションを出て、海草に囲まれたペンションみたいな場所で避暑しながら、みんなで「これからどうする?ここは危険じゃないかな」って相談してたりするのかな。
そうだと、ちょっと楽しいですよね。
きっと彼らのほうが、私たち人間よりも自然環境の変化に敏感だろうし、気づくのも早いのかもしれません。移動そのものは簡単じゃなくても、なんとか間に合ってほしいって思います。
でも一方で、私たち人間は技術が発達したおかげで、暑ければ機械で快適にして、寒ければ化石燃料を燃やして暖まってきました。
その積み重ねが気候変動や温暖化につながっているのに、また「誰かが新しい技術でなんとかするだろ」って、どこかで甘く考えてしまってないかな……とも思うんです。
そして、ウミヘビたちがやっと避難した場所ですら、人間が「自分たちに必要だ」と思えば、たぶん容赦なく奪ってしまう。これまでだって、「共存って何ですか?」「強いほうが正しいんだから従ってね?」みたいな振る舞いを、ずっとしてきたわけで。
だから私は今、人類が“地球という自然体”からどんどん離れて、科学技術の奴隷みたいになって進んでいくことに、少し危機感を感じています。
ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。
あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
ハウロコミナミウミヘビに、あなたの5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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