11年後のレッドリスト|サハラアファニウス:消えゆく川の底に、青い願いが沈んでいた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|サハラアファニウス:消えゆく川の底に、青い願いが沈んでいた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。
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こんにちは、fukumomo3_photo です。

サハラアファニウス(Apricaphanius saourensis)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

2022年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。

つまり、2014年から2022年にかけて、サハラアファニウスは

「消えゆく川の底に、青い願いが沈んでいた」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるサハラアファニウスの最新評価は2022年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/182964/137217343

放した一匹が、未来の自然を変えてしまうかもしれない

⬇︎サハラアファニウスの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|サハラアファニウス(Sahara Killifish)
項目情報
和名サハラアファニウス(サハラカワカマスモドキ)
英名Sahara Aphanius / Sahara Killifish
学名Aphanius saourensis(※近年は Apricaphanius saourensis に再分類)
分類硬骨魚類・カダヤシ目・カワカマスモドキ科
分布アルジェリア南西部、サハラ砂漠内のウエド・サウーラ(Oued Saoura)流域
主な生息地乾燥地帯のオアシスや塩分を含む浅い淡水池、湧水地
体長約4〜5cm
体重約2〜3g
寿命約2〜3年(短命種)
IUCN評価(2012年)【CR:深刻な危機(Critically Endangered)】

特徴

  • 極限環境に生きる魚:サハラ砂漠の厳しい高温・高塩分環境に適応した、世界でも数少ない魚類のひとつ。
  • 小型でカラフル:オスは体側に青と銀色の縞模様を持ち、繁殖期には尾びれが鮮やかに発色する。メスは地味な茶褐色。
  • 塩分耐性:塩湖から淡水まで幅広い塩分濃度に耐えられる能力を持つ。
  • 再分類:以前は Aphanius 属に含まれていたが、2020年代に Apricaphanius 属として独立。

生態と行動

  • 生息環境:砂漠のオアシスや小さな湧水に限定される。水位変動や乾燥により、環境が数年で消滅することもある。
  • 繁殖:春から夏にかけて繁殖期を迎え、岩や植物の表面に卵を産みつける。孵化は数日で、稚魚は急速に成長する。
  • 食性:主にプランクトン、小型昆虫、水生藻類を食べる雑食性。
  • 脅威:地下水の過剰利用による水位低下、外来種のティラピアなどによる捕食・競合が深刻。
  • 保全活動:アルジェリア国内で保護区域が設けられ、人工繁殖や再導入プロジェクトが試みられている。

2014年絶滅危惧種:サハラアファニウス【CR:深刻な危機】

北米の魚であるトウブアメリカメダカが蚊の駆除の手段として導入されたが、今ではサハラアファニウスの100倍以上の数になっており、この種にとって深刻な脅威となっている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目内容
学名Apricaphanius saourensis
和名(通称)サハラアファニウス
IUCN評価(2014年)【CR:深刻な危機】
IUCN評価(2022年)【CR:深刻な危機】(※野生絶滅の可能性あり)
個体数の傾向(2025年)増加なし・減少傾向が続く
主な脅威外来魚トウブアメリカメダカ(Gambusia holbrooki
被害の内容– 繁殖力が圧倒的に高く、在来種の生息地を奪う
– 餌の競合により食料が枯渇
– 攻撃的行動により直接的な被害
– 水質悪化など環境全体への影響
IUCNの見解(2021–2022)「深刻な危機(CR)」および「野生絶滅の可能性(Possibly Extinct in the Wild)」の指摘
最新データ具体的な個体数・増減率のデータは公表されていない

サハラアファニウス(Apricaphanius saourensis)の個体数は、2025年現在、増加しておらず、依然として極めて深刻な減少傾向にある、あるいはすでに野生では絶滅している可能性が高いと考えられる。

⬇︎サハラアファニウスの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全サハラ砂漠の湧水地帯(アルジェリア南西部、サウーラ渓谷)のオアシスを保護し、水資源の乱用や干上がりを防止
水資源管理井戸掘削・農業灌漑による地下水位低下を監視し、持続的な水利用を地域と協働で実施
外来種対策ティラピアなどの外来魚による捕食や競合を防ぐため、駆除・生息環境の隔離を実施
保護区の設定サウーラ地域の湧水池を小規模保護区として登録し、立ち入り制限や監視を導入
繁殖と再導入環境変動に備えて人工繁殖プログラムを開始し、飼育下での繁殖個体を再導入
地域社会との連携砂漠地帯の住民に対し、水資源と在来魚保全の重要性を伝える教育活動を展開
研究とモニタリング水質・温度・塩分濃度・個体数などの環境データを継続的に記録し、生息状況を評価

主な取り組み

  • 生息地保護:湧水地帯を保護し、オアシスの水量減少を防止
  • 水資源管理:過剰な井戸利用を抑え、持続的な地下水利用を推進
  • 外来種対策:ティラピアなど外来魚の侵入防止・駆除を実施
  • 保護区指定:サウーラ地域の湧水池を保護区化し、立ち入りを制限
  • 人工繁殖:環境変化に備えた飼育下繁殖・再導入プロジェクトを実施
  • 地域教育:地元住民への水資源と在来魚保護に関する啓発活動
  • 長期調査:水質や個体数の変化を継続的にモニタリング

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「メダカって蚊の駆除をしてくれるらしいけどホントなの?」

我が家もメダカを飼育しているので気になるところです。

メダカを繁殖させることのメリットとデメリットを調べてみますね。


区分内容
駆除効果メダカは蚊の幼虫(ボウフラ)を捕食し、自然な害虫対策として効果的。特に庭やビオトープでの飼育に有効。
主な食性ボウフラ、小型の水生昆虫、微生物、藻類など。
メリット①🦟 自然な害虫(蚊)対策:殺虫剤を使わずに蚊の発生を抑制できる。
メリット②💧 水質浄化の助けになる:微生物や藻類を食べることで水をきれいに保つ。
メリット③👨‍👩‍👧‍👦 教育的価値がある:生命の循環や自然の仕組みを学ぶきっかけになる。
メリット④💖 癒やし・観賞の楽しみ:穏やかに泳ぐ姿が心を癒し、繁殖の過程も楽しめる。
メリット⑤🌿 飼育が容易:丈夫で日本の気候に適応しやすく、初心者にも向いている。
デメリット①⚠️ 増えすぎのリスク:繁殖力が非常に高く、放置すると過密や水質悪化を招く。
デメリット②💦 手間・コストの増加:個体数増加により水換え・容器拡張など管理負担が増す。
デメリット③(最重要)🚫 絶対に放流してはいけない:改良種や異系統メダカを放流すると、遺伝子汚染や病原拡散により生態系を破壊する。
飼育の心得「最後まで責任を持って飼育する」こと。自然へは戻さない。
まとめ(ポイント)メダカの繁殖は環境に優しく学びも多い一方で、管理と責任が不可欠。
放流せず、適切な環境で大切に育てることが自然保護につながる。

メダカは蚊の幼虫であるボウフラを食べてくれるため、蚊の駆除に効果がある。

しかし、『絶対に放流してはいけない』などのデメリットも理解した上で、適切に管理していくことが大切である。

分類交雑の組み合わせ経緯深刻な問題・影響
哺乳類ニホンザル × タイワンザル外来種のタイワンザルがペットや観光施設から逃げ出し野生化。在来種のニホンザルと交配。交雑個体は繁殖能力があり、世代を重ねるごとに純粋なニホンザルの遺伝子が失われる。文化的象徴としての価値も損なわれる。和歌山・愛知などで駆除が行われるが根絶は困難。
昆虫類日本のカブトムシ・クワガタ × 外国産(例:ヘラクレスオオカブト、ヒラタクワガタ等)ペットとして輸入された外国産種が放流・逃亡し、野生化。在来種との交雑による遺伝的かく乱。大型で力の強い外来種が餌場を独占し、在来種の生存を脅かす。
爬虫類ニホンイシガメ × クサガメ外来種とされるクサガメが、ペット放流などにより全国に定着。雑種「ウンキュウ」が誕生し繁殖。純粋なニホンイシガメの遺伝子が失われ、絶滅の危機をさらに深刻化。
魚類など他の分類群各地の在来魚 × 改良メダカ・外来魚観賞用メダカや外来魚の放流による交雑。在来種の遺伝的特徴が失われ、地域固有の生態系が崩壊する。水系ごとの多様性が減少。

このように、飼育されていた生物が野外に放たれたことで在来の野生種と交雑し、深刻な問題となっている事例は日本国内で数多く報告されている。

メダカのように、たとえ同じ種類の生き物に見えても、地域が違えば持つ遺伝子は異なる。

軽い気持ちでペットを野外に放つ行為が、その地域の自然や長い年月をかけて築かれてきた生態系のバランスを、静かに、そして確実に取り返しのつかない形で破壊してしまう危険性がある。

「飼育している生き物は、最後まで責任を持って飼う」

この原則が、わたしたちの身近な自然を守るために非常に重要である。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

サハラアファニウスに、あなたの5分が届くことを祈ります。

fukumomo3_photo


インスタでは、サハラアファニウスたちの姿を“図鑑みたいに”並べて見られます。
ビジュアルで伝える命の物語、よかったらのぞいてみてください。

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