11年後のレッドリスト|キタオブトイワバネズミ:時の砂に埋もれ、変わらぬ危機の影【IUCNレッドリスト比較】

キタオブトイワバネズミ 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

キタオブトイワバネズミ(Zyzomys pedunculatus)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

2016年、IUCNレッドリストで【CR:深刻な危機】と評価されました。

つまり、2014年から2016年にかけて、

キタオブトイワバネズミは「時の砂に埋もれ、変わらぬ危機の影」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるキタオブトイワバネズミの最新評価は2016年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/23324/22456932

火と干ばつがつくった「絶滅の引き金」

⬇︎キタオブトイワバネズミの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

項目情報
和名キタオブトイワバネズミ
英名Central Rock Rat
学名Zyzomys pedunculatus
分類哺乳類・齧歯目・ネズミ科
分布オーストラリア・ノーザンテリトリー(特にアリススプリングス周辺の山岳地帯)
主な生息地マクドネル山脈の岩場や乾燥地帯
体長体長 約12〜15cm/尾 約12〜14cm
体重約60〜120g
寿命野生で2〜3年程度
IUCN評価CR(深刻な危機/Critically Endangered)

特徴

  • 名前の由来:「イワバネズミ」は岩場に生息することから、種小名 pedunculatus は「柄のある尾」を意味する。
  • 尾の特徴:太く丸みを帯び、脂肪を蓄える役割を持つ。乾燥環境への適応形質。
  • 外見:茶褐色の体毛で岩場に溶け込みやすく、大きな黒い目を持つ。
  • 珍しさ:長年「絶滅した」と考えられていたが、1996年に再発見された。

生態と行動

  • 食性:主に草の種子、果実、葉などを食べる草食・雑食性。
  • 活動:夜行性で、昼間は岩の隙間や地面の穴で休む。
  • 繁殖:繁殖期は雨季にあたり、1回に2〜4匹の子を産む。
  • 生息環境:乾燥した山岳地帯や岩場に依存。火災や外来種捕食者(ネコやキツネ)の影響を受けやすい。
  • 個体数:非常に少なく、局所的にしか確認されていない。

2014年絶滅危惧種:キタオブトイワバネズミ【CR:深刻な危機】

この謎の多いネズミはオーストラリアのノーザンテリトリーにあるウエストマクドネル国立公園内の14か所に生息することがよく知られていたが、2002年の干ばつと山火事以降は野外で観察されておらず、「野生絶滅」の可能性も考えられる。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

影響要因詳細な内容キタオブトイワバネズミへの影響
記録的な少雨と高温2002年の年間降水量は平年比で大幅に減少。気温も高止まりし、土壌水分が極端に不足。中央オーストラリアでは水場の多くが完全に枯渇。水分を得られる環境が消失。乾燥に弱い小型哺乳類にとって致命的な打撃。
食料資源の枯渇植物の発芽や結実がほとんど行われず、ネズミの主食である種子・果実が激減。特に乾燥地の一年草は全滅状態。個体群の栄養不足 → 繁殖率低下、成体・幼体の死亡率増加。
隠れ家の喪失と捕食圧植生が枯れたことで、身を隠す草むらや茂みがなくなった。外来ネコやディンゴの狩猟効率が向上。捕食されやすくなり、数を減らす大きな要因に。
山火事の頻発と拡大極度に乾燥した環境で火災が発生すると制御不能に。2002〜2003年には広範囲で山火事が拡大。生き残っていた小規模な生息地までもが焼失。回復の余地をさらに狭めた。

出典:オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics – ABS)

このように、2002年の深刻な干ばつは、食料不足、捕食リスクの増大、そして生息地の破壊という複合的な要因を通じてキタオブトイワバネズミを絶滅の危機に追い込んだ。

この厳しい環境が、2002年を最後に野生下での確実な目撃情報が途絶える直接的な原因となったと考えられている。

⬇︎キタオブトイワバネズミの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護オーストラリア中央部の岩場や砂漠縁辺の環境を保全し、鉱山開発や放牧から守る
保護区の設定ノーザンテリトリーの自然保護区・国立公園で生息地を管理
外来捕食者対策キツネ・ネコなど外来捕食者の駆除や侵入防止策を導入
火災管理野火や人為的火災を調整し、生息地の植生を維持
飼育下繁殖動物園や研究機関で繁殖プログラムを行い、将来的な再導入を検討
市民・地域参加アボリジニの伝統知識を活かした土地管理や地域住民参加型の保護活動
研究とモニタリング個体数のモニタリング、分布調査、遺伝的多様性の研究を継続

主な取り組み

  • 生息地保全:岩場や砂漠縁辺の環境を開発や放牧から守る
  • 保護区設定:国立公園や保護区で生息地を管理
  • 外来種対策:ネコ・キツネの駆除で捕食圧を軽減
  • 火災管理:野火を調整し適切な植生を維持
  • 飼育下繁殖:動物園で繁殖し再導入を検討
  • 地域参加:先住民の知恵を活かし保全活動を実施
  • 科学研究:個体数や遺伝的多様性をモニタリング

最後に

これを読んで、どのように感じましたか?

「焼畑農業みたいに肥料にはならないか?」

と、超楽観的にとらえますか?

「思い出すといまでも怖い…」

と、気候変動の恐ろしさを心に刻みましたか?

感じ方は、十人十色あると思います。


「焼畑農業のようにならないのか?」といった意見があったので調べてみた。

観点焼畑農業大規模自然山火事(干ばつ時)
コントロール人間が管理して実施制御不能、突発的に発生
火の強さ比較的低温・短時間極度に高温・長時間
規模小規模・限定的広範囲・大規模
土壌への影響・雑草や菌を焼却
・灰が肥料となり栄養補給
・微生物死滅
・高温で土が固まり撥水性を持つ
・雨が浸透せず土壌侵食が発生
生態系への影響作物を育てるための準備・動植物の大量死
・生息地の破壊
・土壌中の種子も焼失
再生人間が作物を植え、休閑期を経て森林再生・回復に数十〜数百年
・外来種が侵入しやすい
共通点灰によるカリウム・リンなど栄養補給灰による一時的な栄養補給

焼畑農業は、人間がコントロールした「低温の火」で土地を「手入れ」し、持続的に利用するための知恵だ。

一方、2002年に起きたような大規模な山火事は、制御不能な「高温の火」が生態系そのものを根本から破壊する「災害」である。

したがって、山火事の跡地は、焼畑農業のように「豊かになる」というよりも、むしろ「生態系が一度リセットされ、非常に脆弱な状態から再生を始める」と捉える方が正確だと感じる。

このことから、特定の環境に依存する生物にとっては、その「リセット」が絶滅の引き金となってしまう。

そして、この火災を起こした原因である気候変動が年々進行しているということは、単なる体感だけでなく、科学的な事実としてほぼ全ての専門家の間で一致した見解となっている。
出典:NASA(アメリカ航空宇宙局)


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を、本当にありがとうございました。

キタオブトイワバネズミに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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