11年後のレッドリスト|アルゼンチンスカンク:威嚇のクセが、命取り【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|アルゼンチンスカンク:威嚇のクセが、命取り【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

今回は、アルゼンチンスカンク(学名:Conepatus chinga)が、まさかの「トラック相手に威嚇しちゃう」って話です。

2014年の図鑑では、毛皮を取るためにものすごい数が捕獲されたこともあって、この種は「LC:低懸念」でした。
そして最新のIUCNレッドリストを見ても、交通事故(ロードキル)みたいな人間側のリスクが増えてきてるのに、評価は変わらず「LC:低懸念」のままなんです。

アルゼンチンスカンクは今も、まさに「威嚇のクセが、命取り」って状態なんだと思います。

この記事は短めで、5分くらいで読めます。
よかったら最後まで読んでいってください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2015評価(2016年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Conepatus chinga

毛皮の時代からロードキルへ|脅威の変化

⬇︎アルゼンチンスカンクの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|アルゼンチンスカンク(英名:Molina's Hog-nosed Skunk)
項目情報
和名アルゼンチンスカンク
英名Molina’s hog-nosed skunk(モリナス・ホッグノーズド・スカンク)/Andes skunk など
学名Conepatus chinga
分類哺乳類・食肉目・スカンク科(Mephitidae)・コネパトゥス属
分布南アメリカ(アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ペルー、(南部)ブラジルなど)
主な生育地草原、低木地、乾燥地、森林の縁、農地周辺など。地面を掘れる場所を好み、穴や岩陰を利用する
大きさ体長(頭胴長)約30〜49cm、尾長 約16〜41cm
体重約2.3〜4.5kg
寿命寿命データは多くないが、最大既知の寿命が約3年とされる報告もある(個体差・環境差が大きい)
保全状況IUCN:LC(低懸念)だが、個体数は減少傾向(Decreasing)

特徴

  • 名前の由来:英名の「hog-nosed(ブタ鼻)」の通り、鼻先が長くて土を掘るのに向いた形をしている。
  • 見た目:黒い体に白いライン(または白い毛の部分)が入り、尾も白っぽく見えることが多い。
  • 防御:スカンクらしく、臭い分泌物を噴射して身を守る。
  • 食性:雑食寄りで、昆虫や幼虫などを掘り当てて食べるのが得意。

生態など

  • 活動:主に夜行性〜薄明薄暮性。単独で動くことが多い。
  • くらし:地面を掘って採食し、昼間は穴や物陰に隠れて休む。
  • ふえ方(繁殖):出産数は2〜5頭程度とされることが多く、子育て期間は親に強く依存する。
  • 脅威:生息地の改変(農地化・開発)、交通事故(ロードキル)、人間との衝突(駆除・犬による攻撃)などが地域的な圧力になりうる。
  • 現状:分布が広いので「LC」扱いだが、地域によっては減少要因が重なりやすいタイプ。

出典

最終評価2015年:アルゼンチンスカンク「LC:低懸念」

1970年代から1980年代初頭にかけて、アルゼンチンのスカンクは毛皮を取るために非常に多くの個体が捕獲された。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

項目2014年図鑑の内容(当時の見立て)2026年現在の状況(最新の公開情報ベース)
対象種アルゼンチンスカンク(Conepatus chinga Molina)Molina’s Hog-nosed Skunk(Conepatus chinga)
レッドリスト区分低懸念(LC)低懸念(LC)のまま維持
評価年と公開年の扱い図鑑では「2014年版」の見開きとして掲載IUCNでは「2015年に評価(Last assessed: 01 March 2015)」され、その評価が「2016年版のIUCNレッドリスト(Red List 2016)」として公開されている
絶滅リスクの位置づけすぐに絶滅へ向かう段階ではないが、乱獲などの圧力が気にされていた現時点でも「絶滅危惧カテゴリ(VU/EN/CR)」ではなく、絶滅リスクは低い側に分類されている
分布と生息環境南米の広い範囲(草原・低木地・乾燥林など)に生息する、という前提広域に分布する種として扱われている一方で、地域の土地利用変化の影響は受けうる(農地拡大など)
個体数トレンド図鑑では「急激に減少しているとは考えられていない」という趣旨で、広域分布・一般的存在として説明されているIUCN上では個体数トレンドが「減少傾向(Decreasing)」とされている。ただし、近年の研究では、人間の改変した景観でも利用が確認され、環境変化への耐性(しぶとさ)が示唆されている
図鑑で強調されていた脅威1970年代〜1980年代初頭にかけて、毛皮目的の捕獲が非常に多かった(乱獲の歴史)現在の主要テーマは「毛皮乱獲の再燃」よりも、「農地拡大などによる生息地変化」「狩猟圧の残存」「人間活動由来の死亡要因」へ移っている、と整理されることが多い
「毛皮目的の捕獲」のその後当時の大規模捕獲が問題視され、保護や規制の必要性が語られている大規模な毛皮目的の捕獲は、少なくとも“主因”として語られる場面は減っている(脅威の中心が別の要因へ移った扱いになりやすい)
CITES(ワシントン条約)との関係図鑑では「取引をより正確に把握し規制するため、附属書Ⅱに含める提案も」といった文脈で触れられているConepatus chinga 自体は、少なくともCITES附属書I・IIの掲載対象としては扱われていない。一方で、近縁の Conepatus humboldtii(パタゴニアスカンク/フンボルトブタバナスカンク)が附属書IIに掲載されている
現代的に目立つリスク生息地の破壊や改変(外来種・家畜の影響などを含む)農地・牧草地など人間利用地に近い場所で生きるぶん、交通事故(ロードキル)などの人為的リスクが相対的に目立ちやすい、という報告がある
まとめ(2014→2026の変化)「乱獲の時代は大きな傷だったが、広域分布で今すぐ危ない種ではない」「LCのままではあるが、個体数トレンドは減少扱い。毛皮乱獲の時代を越えて、土地利用変化や人間社会由来のリスクと隣り合わせで生きている」

出典

アルゼンチンスカンク(Conepatus chinga)は、IUCNレッドリストにおいて2015年に評価され、2016年版として公表された。保全区分は軽度懸念(LC)で維持され、絶滅危惧カテゴリには該当しない一方、個体数トレンドは減少傾向とされる。1970〜80年代に問題視された毛皮目的の大規模捕獲は主要脅威としての比重が低下し、近年は土地利用変化や交通事故など人為的要因が相対的に重要なリスクとなっている。また本種はCITES附属書の対象外である。

⬇︎アルゼンチンスカンクの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容の概要
生息地の保全草原・低木林・農地まわりなど、アルゼンチンスカンクが利用する「開けた環境」を残すため、無秩序な土地改変を避け、草地や半自然環境の維持を進める
狩猟・捕殺の管理過去には毛皮目的で狩猟圧が高かった地域があるため、地域の規制(狩猟禁止・捕獲制限)を整備し、報復的な捕殺(害獣扱い)も抑える
交通事故(ロードキル)対策夜行性で道路を横切りやすく、ロードキルが起きやすいので、注意喚起・速度抑制・動物横断ポイントの把握(必要ならロードキル対策設備)を進める
保護区の設定・管理国立公園や保護区などで生息環境を守りつつ、周辺の土地利用も含めて「分断を減らす」管理を行う
外来・飼い犬の影響対策野犬・放し飼い犬による捕食や追い回しが問題になり得るため、犬の管理(放し飼い抑制、保護区周辺の対策)を強める
研究とモニタリング分布や個体数の精密な把握がまだ十分ではないため、カメラ調査・生息確認・行動圏の研究などで、減少傾向の実態を追跡する
地域の理解と共存害獣扱いを減らすため、農地での役割(昆虫や小動物を食べる)も含めて情報発信し、無用な駆除を減らす

出典

最後に

読んでみて、どのように感じましたか?

「人間が作り変えた環境でも生きていけて、環境の変化にも強い(しぶとい)」って話、なんか海外映画で見るスカンクのイメージそのままですね。

ところで、「最近は土地利用の変化とか交通事故みたいな人間側の原因が、相対的に大きなリスクになってきてる」って書いてあったけど、この中の交通事故って、実際どれくらい多いんですか?けっこうな数なのかな。

都会みたいな場所でも暮らせる体制ができてきたからなんでしょうかね。

ちょっと調べてみますね。


話のポイント調べてわかったことどうしてそうなるのか(背景)
交通事故って、結構な数なの?結論、かなり多いです。ブラジル全国の推計では、スカンク類(Molina’s hog-nosed skunk=Conepatus chinga)が道路で死ぬ数が、平均で年11万2,000頭規模に達する可能性がある、とされています。ブラジル全体で見ると、中〜大型の哺乳類だけでも道路死が大きな規模になっていて、その中でもスカンク類は特に多い側に入っています。
なんでそんなに事故が多いの?森の奥よりも、人の手が入った環境(農地、牧草地、郊外みたいな場所)を利用できるぶん、道路の近くで暮らす機会が増えてしまうみたいです。「人間が作った景色でも生きられる強さ」があるぶん、道路網がある場所と生活圏が重なりやすい、ってことですね。
道路が「餌場」みたいになる?夜になると、道路の周辺に虫が集まりやすい、という話が出てきます。舗装路の“あったかさ”や、光(街灯や車のライト)が影響する可能性があるようです。アスファルトは日中の熱をためて、夜もゆっくり放熱します。さらに道路の光は虫を引き寄せやすいので、虫食い動物にとって道路が魅力的に見えてしまうことがあります。
スカンクの習性が事故を増やしてる?スカンク類は、危険を感じたときにすぐ逃げるより、まず威嚇の動作(しっぽを上げる、足踏み、警告してから噴射)をすることが多いです。これ、肉食獣相手には効く防御なんだけど、車には通用しません。結果として「逃げるタイミングが遅れる」形になって、事故に繋がりやすくなる可能性があります。
映画みたいにタフだけど、リスクも増える人間の生活圏の近くまで出ていけるのは強みだけど、そのぶん車という新しい危険が近くにある、という状態になります。「餌に困りにくい」「天敵が少ない」みたいなメリットがある反面、道路が近いのがデカいデメリットになってきます。
まとめ(状況の見え方)毛皮目的の大規模な捕獲よりも、今は道路死みたいな“インフラ由来の死に方”が目立つ形になってきている、という感じです。人間社会に適応できるほど、人間が作った危険(道路・車)から逃げにくくなる、っていう皮肉が見えてきます。

出典

都会の街灯に昆虫が集まるから、スカンクが食べに来る。で、食べに来る途中とか帰る時に車が来ると、車に対して「おらおら!おらスカンク」みたいに一旦止まって威嚇しちゃうから、ひかれちゃうってことみたいだね。

ごめん、なんかほんと映画の中のスカンクそのものの絵が浮かんだ。

ほんと、笑っちゃいけないぐらいの数が被害に遭ってるなら、ちゃんとリアルに考えないといけないんでしょうけどね。

これ、私が暮らしてる雪国の田舎でもあるんですよ。秋口だったか春先だったか、ちょっと覚えてないんだけど、やたらとタヌキが道路に出てきて危ないんです。それも夜だとスカンク同様、一旦停止して、さらにこっちを見てじっとしてるんですよね。走り去ればいいのに、止まっちゃうから、こっちも急ブレーキとかになって危ないって感じで。

これの対策って何なんだろうって、ちょっと考えてみてるんですけど、いい案は浮かばないな。やっぱり棲み分けってのがいいんだろうけど、タヌキもスカンクも、街灯に集まる昆虫目当てで危険を冒してまで道路に出るんだろうしね。

あ、でも今ちょっと案が浮かんだ。森の中に街灯を一個だけ点けて、そこに昆虫を集める。そうしたら、タヌキやスカンクが道路に出てこなくてもご飯にありつける、って作戦。……いや、これだと昆虫が「いい迷惑なんですけど」ってなるかな。難しいね。


ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。

貴重な5分間を、本当にありがとうございました。

アルゼンチンスカンクに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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