11年後のレッドリスト|クルーギハリオトンボ:時の流れに置き去りにされた羽音【IUCNレッドリスト比較】

クルーギハリオトンボ(Protoneurai klugi) 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

クルーギハリオトンボ(Protoneura klugi)は、

2014年、図鑑に【DD:情報不足】として分類されていました。

2009年、IUCNレッドリストで、【DD:情報不足】と評価されました。

つまり、2009年以降、クルーギハリオトンボは、

「時の流れに置き去りにされた羽音」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるクルーギハリオトンボの最新評価は2009年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.mapress.com/zt/article/view/zootaxa.4361.1.1

情報不足と未知の命|クルーギハリオトンボから見る現実

⬇︎クルーギハリオトンボの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|クルーギハリオトンボ(Protoneura klugi)
項目情報
和名クルーギハリオトンボ
英名Klug’s Threadtail
学名Protoneura klugi
分類昆虫綱・トンボ目・ハリオトンボ科
分布中南米(特にジャマイカ・キューバ周辺)
生息環境流れの穏やかな川や湿地の植生に依存
体長約3〜4cm
翅の特徴透明で細長い、糸のように華奢な翅
IUCN評価DD(情報不足)

特徴

  • 細長い体:糸のように細長い腹部と翅をもつことから「ハリオトンボ」と呼ばれる。
  • 名前の由来:ドイツの昆虫学者ヨハン・クリューグ(Klug)にちなんで命名。
  • 色彩:オスは鮮やかな赤や橙色を帯びることが多く、メスはより地味な色合い。
  • 生態指標:水質に敏感で、清浄な淡水域の環境を示す指標種でもある。

生態と行動

  • 生息地依存性:渓流や森林の湿地に限られ、分布域が狭いため環境変化に弱い。
  • 繁殖:水草や水辺の植物に産卵し、幼虫は水中で生活する。
  • 捕食関係:幼虫は小型の水生生物を捕食し、成虫は小さな昆虫を空中で捕らえる。
  • 脅威:農地開発や森林伐採、河川改修による生息地破壊が大きなリスク。

2014年絶滅危惧種:クルーギハリオトンボ【DD:情報不足】

クルーギハリオトンボは IUCNレッドリストの情報不足にあげられている。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

情報不足評価の背景

観点内容
分布に関する情報生息範囲が不明確で、広域か限定か判断できない
個体数と動向個体数や増減傾向のデータが存在しない
生息環境と生態好む環境や生態が研究不足で依存度も不明
潜在的な脅威森林伐採・水質汚染・農地開発などの影響が不明確

今後の課題

課題具体的な取り組み
分布調査記録地や可能地域で集中的な調査を行い、分布域を特定する
個体数モニタリング定期的な調査で個体数を推定し、増減傾向を把握する
生息環境の解明生息地の特性や生態系での役割を明らかにする
脅威の特定と評価人間活動や環境変化の影響度を明確に評価する

情報が収集されて初めて、より正確なレッドリストのカテゴリー(例えば「低懸念」や「絶滅危惧」など)への再評価が可能となり、具体的な保全計画を立てることができるようになる。

現状では、絶滅の危機に瀕している可能性も否定できない一方で、それを裏付けるデータがないため、「情報不足」というカテゴリーに溜められている。

⬇︎クルーギハリオトンボの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護ジャマイカの限られた渓流や森林湿地に依存するため、河川・森林生態系の保護が最優先
水質保全農業開発や汚染による水質悪化を防ぎ、清浄な流水環境を維持
保護区の設定分布地を含む森林や渓流を自然保護区・国立公園に組み込み管理
法的規制絶滅危惧昆虫として保護し、採集や生息地破壊を防止
市民・地域参加地元住民や学校を巻き込んだ環境教育・河川保全活動を推進
研究とモニタリング個体数や分布調査を継続し、気候変動や土地利用変化の影響を追跡

主な取り組み

  • 生息地保全:ジャマイカの渓流・森林湿地を保護
  • 水質管理:農業や開発による水質汚染を防止
  • 保護区整備:分布域を国立公園や自然保護区に組み込み管理
  • 法的保護:採集や開発による生息地破壊を規制
  • 地域協力:住民・学校による河川保全や環境教育を実施
  • 科学調査:分布・個体数・環境変化をモニタリング

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「たかがイトトンボだろ?」

と、単純にとらえますか?

「知ることからだよね…」

と、無知は罪ととらえますか?

感じ方は、十人十色あると思います。


IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおいて、「情報不足(Data Deficient, DD)」に分類されている種の数は、絶えず変動していますが、最新の統計によると約2万種である。

項目数値・割合
評価された総種数16万9420種以上
絶滅危惧種(CR+EN+VU)4万7000種以上
情報不足(DD)約2万2000種(全体の約13%)

「情報不足(DD)」が意味すること

観点内容
隠れた絶滅リスク実際には絶滅危惧種が含まれている可能性
保全の優先順位データ不足で保全対象の選定が困難になる
研究の必要性分布・個体数・生態・脅威に関する基礎研究が急務

クルーギハリオトンボのように、一つの種が「情報不足」とされている背景には、このような約2万種にもおよぶ膨大な「未知」の存在がある。

しかし、毎年、驚くほど多くの新種も発見されているのだ。

平均すると、年間でおよそ1万8000種もの新種の生物が正式に名前を付けられ、科学の世界に報告されている。

グループ特徴
昆虫類新種発見の大部分を占める。未知の昆虫は膨大に存在し「新種の宝庫」。
植物類毎年約2,000種の新種が報告される。
海洋生物深海など未踏の領域が多く、毎年約2,300種が発見される。
菌類まだ解明されていない巨大なグループ。研究の余地が非常に大きい。

2024年の新種発見事例

場所・機関発見数・内容
ロンドン自然史博物館190種を報告。ディカプリオにちなむヘビ、A.A.ミルン由来のフン化石などユニークな命名。
カリフォルニア科学アカデミー138種を記載。南アフリカの小さなタツノオトシゴ、メキシコの絶滅危惧ダリアなど。
インド国内データベースに459種を追加。動物の新種記録として突出した数。

今日の新種の発見は恐竜の化石のような大発見だけではない。

DNA解析技術の進歩により、見た目がそっくりでも遺伝的には全く異なる種だと判明するケースも増えている。

嬉しいことに、「わたしたち」の足元や深い海の中には、まだ名前のない無数の生物が発見されるのを待っているかもしれないのだ。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を、本当にありがとうございました。

クルーギハリオトンボに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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