11年後のレッドリスト|キプンジ:崩れ落ちる運命に、抗う祈りの群れ【IUCNレッドリスト比較】

キプンジ(Rungwecebus kipunji) 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

キプンジ(Rungwecebus kipunji)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

2019年、IUCNレッドリストで【EN:危機】と評価されました。

つまり、2014年から2019年にかけて、

キプンジは「崩れ落ちる運命に、抗う祈りの群れ」状態になりました。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるキプンジの最新評価は2019年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでくれると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/136791/17961368

命の道がつなぐ未来|キプンジ保全の包括的戦略

⬇︎キプンジの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|キプンジ(Kipunji)
項目情報
和名キプンジ
英名Kipunji
学名Rungwecebus kipunji
分類哺乳類・霊長目・オナガザル科
分布タンザニア南部(ルングウェ山地とニンドゥーリュ山地)
主な生息地山地の湿潤林(標高1,300〜2,450m付近)
体長約90〜100cm(尾を含むと約135cm)
体重オス:約16kg、メス:約10kg
寿命推定20年以上(野生下)
IUCN評価EN(絶滅危惧)

特徴

  • 新属・新種:2005年に発表された新種のサルで、Rungwecebus という独自の属が設けられた。
  • 外見:灰褐色の体毛で、顔は黒く、冠羽のような毛が頭部にある。
  • 鳴き声:低く「ホンホン」と響く特徴的な鳴き声を発する。
  • 発見の意義:20世紀後半以降に確認された霊長類の中で、非常に注目された種。

生態と行動

  • 群れ生活:10〜35頭程度の群れを作り、樹上で生活する。
  • 食性:主に葉や果実、花、若芽を食べるが、時に樹皮も食べる。
  • 生息域:高度の高い森林に依存し、農地開発や伐採で分断されている。
  • 繁殖:詳細は不明だが、他のオナガザル類と同様に1子を出産する。
  • 脅威:森林伐採、農業開発、牧畜による生息地破壊、狩猟。

2014年絶滅危惧種:キプンジ【CR:深刻な危機】

効果的な保護や生息地の回復、また特に個体群の経時的観測と啓発活動に加えて、移動のための「緑の回廊」を整備することもこの独特なサルが存続するために不可である。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

観点分断化による問題緑の回廊がもたらす効果
遺伝的多様性近親交配が進み、病気や環境変化に弱くなる異なる集団の交流で遺伝子の多様性を維持
食料・繁殖エサや繁殖相手が不足し、移動も困難広範囲でエサやパートナーを安全に探せる
安全性無理な移動で交通事故などの危険増加安全に移動でき、災害時も別の場所へ避難可能
種の存続個体群が孤立し、絶滅リスクが高まる絶滅のリスクを分散・軽減できる

森や自然が道路や開発によって分断されると、そこにすむ動物たちは遺伝的に孤立し、絶滅のリスクが高まる。

そうした問題を防ぐために、分断された森と森をつなぎ、動物たちが安全に移動できる「緑の回廊」という考え方が重要になる。

身近な例では、信濃川の河川敷や里山も、小さな「命の道」として大切にされている。
出典:新潟市「生物多様性の保全」白書 第4章

⬇︎キプンジの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護タンザニア南部高地の森林を伐採や農業拡大から守り、重要な生息環境を維持
保護区の設定ルングウェ山やキトゥロ高原の森林を自然保護区・国立公園として指定
法的保護タンザニア国内で絶滅危惧種に指定され、狩猟や取引を禁止
森林回復断片化した生息地をつなぐ森林回廊の再生・植林事業を推進
国際的な支援国際自然保護団体(WCSやIUCN)による資金援助・保護活動を展開
市民・地域参加地域住民と協力した環境教育、持続可能な森林利用の促進
研究とモニタリング個体数調査、行動・生態研究、遺伝的多様性の解析を継続

主な取り組み

  • 生息地保全:タンザニア南部の森林を伐採や農業から守る
  • 保護区設定:ルングウェ山やキトゥロ高原を保護区に指定
  • 国内法保護:絶滅危惧種に指定し狩猟・取引を禁止
  • 森林回復:植林や森林回廊づくりで断片化を改善
  • 国際支援:IUCNやWCSが資金援助と保護活動を実施
  • 地域参加:住民と協力した環境教育や森林管理
  • 科学研究:個体数や生態を調査し保全戦略に活用

最後に

これを読んで、どのように感じましたか?

「動物と人を分けた方が安全だろ?」

と、人間中心主義?

「命の道って素敵…」

と、絶賛しますか?

感じ方は、千差万別あると思います。


絶滅の淵にいたこのサルを救った「科学的な調査」「政府による法的な保護」「地域住民の生活向上と協力」という3つの要素が、見事に連携して大きな成果を上げた。

取り組み内容効果
森の保護と違法行為の激減国立公園・保護区の設立(2005年キツロ国立公園、2009年ルングウェ山自然保護区)/レンジャーパトロール強化違法伐採を90%以上減少/密猟ワナを81%減少/住処の安全確保
地域コミュニティとの連携養蜂など代替収入源を支援/薪を植林で確保/学校や映像を用いた環境教育住民の生活改善と森の保護を両立/「森は水をもたらす」という認識普及
緑の回廊による連結分断された2つの森をつなぐ回廊を整備/科学的調査で計画群れの交流が可能に/遺伝的多様性を維持し長期存続を可能に

この「キプンジの奇跡」は、ただ一つの特効薬によってもたらされたわけではない。

科学的な知見に基づいて政府が法的な枠組みを作り、そして地域の人々が主役となって森を守る活動に参加する。

この3つの歯車が完璧に噛み合ったからこそ成し遂げられた、まさに「包括的な保全戦略の勝利」だった。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を本当にありがとうございました。

キプンジに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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