11年後のレッドリスト|クロアイサ:川の声は続けれど、命の数は減りゆく【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|クロアイサ:川の声は続けど、命の数は減りゆく【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
※画像はすべてAI生成(
DALL·E)によるイメージであり、実際の生物写真ではありません。

こんにちは、鶏人|Keijin です。

クロアイサ(Mergus octosetaceus)は、

2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。

2019年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。

つまり、2014年から2019年にかけて、クロアイサは、

「川の声は続けれど、命の数は減りゆく」状態なのです。

※2025年時点で、IUCNレッドリストにおけるクロアイサの最新評価は2019年版です。それ以降の更新は行われていません。

この記事は、とても短く5分で読めるので、どうぞ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含んでいます。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:https://www.iucnredlist.org/species/22680482/143756439

絶滅危惧種と文明の崩壊をつなぐ二つの要因|森林伐採と農業開発

⬇︎クロアイサの生態です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

基本情報|クロアイサ(Brazilian Merganser)
項目情報
和名クロアイサ
英名Brazilian Merganser
学名Mergus octosetaceus
分類鳥類・カモ科
分布南アメリカ(ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの一部)
生息環境山地の清流や滝周辺の淡水域
体長約50〜60cm
体重約800〜1,000g
寿命野生で10〜15年程度(推定)
IUCN評価CR(深刻な危機:Critically Endangered)

特徴

  • 外見:全体的に黒っぽく、虹色に輝く羽毛を持つ。頭部には冠羽があり、嘴は細長く鋸歯状で魚を捕らえるのに適している。
  • 希少性:世界でも数百羽しか生息していないとされる極めて希少なカモ。
  • 飛翔力:長距離移動よりも、清流に沿った短距離の飛行が得意。
  • 警戒心が強い:人の気配に敏感で、すぐに水中へ潜る習性を持つ。

生態と行動

  • 食性:主に小魚を捕食するが、昆虫や水生無脊椎動物も食べる。
  • 繁殖:渓流沿いの岩陰や木の根元などに巣を作り、通常4〜6個の卵を産む。
  • 雛の行動:孵化後すぐに親と一緒に水に入り、泳ぎながら採餌を始める。
  • 生息地依存性:澄んだ山地の河川に強く依存しており、環境破壊や水質悪化が致命的な影響を与える。
  • 脅威:ダム建設、河川汚染、森林伐採による生息地の喪失が最大の脅威。

2014年絶滅危惧種:クロアイサ【CR:深刻な危機】

森林伐採と農業活動によって急速に土壌の浸食が進み、水路に大量の堆積物が蓄積した結果、この種は生存ができなくなる。

出典:訳者 岩槻邦男,太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル「IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑」/発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 ©️Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

脅威の要因具体的な影響クロアイサへの結果
餌の激減– 水の濁りで視界が悪化し、魚が見えなくなる
– 川底の石や砂利の隙間が泥や砂で埋まり、水生昆虫が消失
– 魚の産卵場所が失われる
捕食対象(魚・水生昆虫)が激減し、餌を確保できなくなる
生息環境の変化– 川底に堆積物が溜まり、流れが緩やかになる
– 水深が均一化し、岩が点在する複雑な地形が消失
クロアイサが好む浅瀬や岩場が失われ、適した生息場所がなくなる

クロアイサは、流れの速い浅瀬や、岩が点在するような環境を好むが、堆積物が川底に溜まると、川の流れが緩やかになり、水深も均一化してしまう。

これにより、クロアイサが好む複雑な川の地形が失われ、生息場所として適さなくなる。

このように、森林伐採や農業活動に起因する「大量の堆積物」は、クロアイサの食料供給を断ち、住処を奪うことで、彼らの生存を直接的に脅かしている。

⬇︎クロアイサの主な保護活動の種類です。必要に応じてご覧ください。⬇︎

保護活動の種類内容の概要
生息地の保護主にブラジル内陸部の清浄な河川に依存するため、森林河川や渓流の保全が重要
水質保全農業開発やダム建設による水質悪化・流量変化を防ぎ、安定した生息環境を維持
国際的な取引規制ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰにより、国際的な取引を原則禁止
保護区の設定既知の生息地を自然保護区・国立公園に含め、河川環境を包括的に保全
市民・地域参加地元住民の協力を得て河川環境保護・違法開発防止を推進
研究とモニタリング個体数・分布の調査、繁殖状況の確認、ダム建設など人為的影響の追跡
教育と啓発絶滅危惧水鳥としての知識を広め、地域社会や観光客の意識向上を図る

主な取り組み

  • 生息地保護:森林に囲まれた清流・河川の環境を保全
  • 水質管理:農業・ダムによる水質悪化や流量変化を防止
  • 国際規制:CITES附属書Ⅰにより取引を禁止
  • 保護区整備:主要生息地を国立公園や保護区に指定
  • 地域協力:住民参加による河川保護・違法活動の抑制
  • 科学調査:個体数・繁殖状況・分布を継続モニタリング
  • 教育活動:水鳥保全をテーマとした環境教育や啓発を実施

最後に

これを読んでみて、どのように感じましたか?

「引っ越せばいいのに」

と、短絡的に考えますか?

「木々が地球を守ってるのに…」

と、森林破壊に反対ですね?

感じ方は、あると思います。


ここまで113種の絶滅危惧種を見てきたが、その原因の根底に「森林伐採」と「農業開発(特に産業化された大規模農業)」が共通して存在することに気づく。

要因メカニズム具体的な影響生態系への結果
森林伐採生息地の破壊・分断– 森林という「家」が消失
– 森林が道路や農地で分断され「島化」
– 動物が移動できず交配機会を失う
– 遺伝的多様性の喪失
– 種の存続が困難に
生態系バランスの崩壊– 気候変動、土壌の保水力低下
– 土壌流出 → 河川の環境悪化
– 水生昆虫や魚が死滅
– 餌を失った鳥(例:クロアイサ)が生存困難に
農業開発(産業化)生息地の転換(モノカルチャー化)– 多様な森林・草原を単一作物の大規模農地へ転換
– アブラヤシ、トウモロコシ、大豆など
– 「緑の砂漠」と化し、生物多様性が壊滅
– オランウータンなど熱帯林生物が危機に
農薬・化学肥料の使用– 農薬 → 送粉者や無害昆虫を殺す
– 化学肥料 → 川や湖で富栄養化
– 鳥や両生類が餌や環境を失う
– 藻類異常繁殖で魚が窒息死
水資源の枯渇– 灌漑農業による大量の取水– 湿地や河川が干上がり、水辺生態系が崩壊

そして、過去の歴史を見ると、森林破壊を過度に行った文明が、その環境収容力を超えてしまい、結果として衰退や崩壊に向かった事例は少なくない。

文明・地域森林破壊の目的主な結果社会への影響
🌍 イースター島(ラパ・ヌイ)– モアイ像を運ぶためのソリ
– 農地開拓
– カヌー建造
– 燃料
– 土壌流出により農業崩壊
– 木材枯渇で外洋漁業不能
– 鳥類営巣地消失
– 食料不足
– 部族間争いの激化
– 人口激減・文明崩壊
マヤ文明(中央アメリカ)– 漆喰生産のための石灰岩加熱に木材を使用
– 都市・ピラミッド建設
– 森林伐採で局地的な気候変動
– 干ばつ深刻化
– 土壌流出による農地劣化
– トウモロコシ生産激減
– 食料危機と社会不安
– 文明衰退

出典:The deforestation of Easter Island
出典:Mayan Deforestation and Drought

森林破壊が文明を崩壊させるメカニズム

問題の領域森林破壊がもたらす影響文明への打撃
食料生産保水力低下 → 洪水・干ばつ増加
表土流出 → 農地劣化
農業崩壊、飢餓
資源の枯渇木材(建築資材・燃料・道具材料)の不足社会基盤の維持困難
水資源森林という「緑のダム」が消失 → 安定した水供給が途絶安定した生活・農業が不可能に
社会不安食料・資源不足 → 内部抗争・戦争社会秩序の崩壊

もちろん、文明の崩壊は森林破壊だけが原因ではなく、気候変動、戦争、内紛、疫病など複数の要因が複雑に絡み合って起こる。

しかし、森林破壊は文明の「レジリエンス(回復力)」を著しく低下させ、他の危機に対応できなくする「最後の引き金」となることが多い。

このように過去の歴史が教えてくれているのだから、取り返しがつかなくなる前に、森林に入って保護するのではなく、「そっと見守る」という、手や足を入れない対策も必要ではないでしょうか。


ここまで読んで、『あなた』は、どのように感じましたか?

コメントで意見を聞かせてくれると、とても嬉しいです。

あなたの貴重な命である5分間を、本当にありがとうございました。

クロアイサに、あなたの5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin

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