※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。
Hi everyone, Keijin here.
Today, I want to talk about how the Burmese Red Serow (Capricornis rubidus) is bearing the brunt of our actions.
Back in a 2014 field guide, it was listed as “NT” (Near Threatened). Its numbers were already dropping back then due to overhunting and habitat loss.
Fast forward to the IUCN Red List we can check now in 2026. The pressures of population decline and habitat degradation are weighing even heavier. In the 2020 assessment, its status was bumped up to “VU” (Vulnerable), and the overall population trend is still decreasing.
To put it simply, the Red Serow is still trapped in a grim reality—losing its forest home and running out of places to hide.
This is a quick read, taking about 5 minutes or so. I’d really appreciate it if you could stick around until the end.
こんにちは、鶏人|Keijin です。
今回は、アカカモシカ(学名:Capricornis rubidus)に、「しわ寄せ」が返ってきている、そんな話です。
2014年の図鑑では、乱獲や生息地の減少によって数が減ってきたことから、「NT:準絶滅危惧」とされていました。
その後、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストでは、減少の圧力や生息地の悪化がより重く見られるようになり、2020年評価で「VU:危急」へ引き上げられています。個体数の傾向も、減少中とされています。
なので、アカカモシカは今も、「森を失い、逃げ場まで細る」ような状態にあるのだと思います。
この記事は短く、5分ほどで読めます。
よかったら、最後まで読んでください。
※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2020年評価(2021年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Capricornis rubidus)
アカカモシカの生態と現状|IUCN評価・脅威・保全状況まとめ
⬇︎アカカモシカの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 和名 | アカカモシカ(和名表記は資料により揺れがあり、「ビルマアカカモシカ」などの呼称もある) |
| 英名 | Red serow / Burmese red serow |
| 学名 | Capricornis rubidus |
| 分類 | 脊椎動物・哺乳類・偶蹄目(鯨偶蹄目)・ウシ科(ヤギ亜科の一群) |
| 分布 | ミャンマー北部を中心に記録される。周辺国での報告はあるが、同属近縁種との混同も指摘され、確実な分布の扱いは資料により差がある |
| 主な生育地 | 山地の森林域。急斜面・岩場を含む起伏の大きい環境と結びつけて説明されることが多い |
| 大きさ | 体長や体高は「中型のヤギ類(goat-antelope)」として扱われるが、種単独で統一された数値が一般向け資料にまとまりにくい |
| 体重 | 種単独の標準値は資料で一貫して示されにくい(同属や近縁種の値が混同されることがある) |
| 寿命 | 野生下の寿命目安は明確に示されにくい。飼育下でも種単独の寿命データはまとまりにくい |
特徴
- 名前の由来:英名のとおり、体色が赤褐色(赤みの強い褐色)として説明されることが多い
- 見た目:ずんぐりした体つき、短い脚、粗い体毛、後方へ伸びる短い角をもつ“ヤギに近い姿”の中型獣として扱われる
- 希少性:生息地が限られるうえ、目撃・標本記録が多くないとされ、「情報が少ない種」として語られがち
- 保全状況:IUCNではVU(危急)として扱われる情報が広く流通している。国際取引はCITESで規制対象に含まれる
生態など
- 生育環境:森林の急斜面や岩場など、起伏の大きい地形を利用するタイプとして紹介されることが多い
- ふえ方(繁殖):ウシ科の有蹄類として、胎生で子を産む(繁殖期や出産数など、種単独のまとまった一般向け記述は少ない)
- 行動:警戒心が強く、単独または小さなまとまりで行動するタイプとして説明されることが多い(ただし種単独の定量情報は少ない)
- 脅威:密猟・狩猟圧(肉・薬用・角や頭部などの取引)と、生息地の改変・劣化が主要因として挙げられる
- 脅威:家畜由来の病気リスク(感染症の伝播)や、人間活動の拡大による攪乱が重なる可能性も指摘されることがある
出典
- Wikipedia(概説)Red serow(分布の扱いの注意点・別名などの入口)
- Mammal Diversity Database(種ページ)Capricornis rubidus(分類・IUCN表記の入口)
- CITES(附属書PDF 2024-05-25版)Appendices I, II and III(Capricornis rubidus の掲載確認)
- De Gruyter(論文)Mammals of Myanmar: an annotated checklist(ミャンマーでの分布記述の入口)
- PMC(論文)Activity Rhythms of Coexisting Red Serow and Chinese Serow(中国側での記録・生態研究の入口)
最終評価2020年:アカカモシカ「VU:危急」
この種についてはまだ十分に知られておらず、乱獲と生息地消失によって減少したと考えられている。
出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014
| 項目 | 2014年の図鑑 | 現在(2026年確認) |
|---|---|---|
| 現在の保全状況 | 2008年評価をもとに、準絶滅危惧(NT)として扱われていた。 | IUCNレッドリストでは、最新評価は2020年の危急種(VU)、個体数トレンドは減少中(Decreasing)。2008年のNTより危機レベルが上がっている。 |
| 危機レベルの変化 | 当時は「絶滅寸前ではないが安心はできない」段階として見られていた。 | 現在は、実際の減少圧と生息地の悪化がより重く見積もられ、NTからVUへ引き上げられている。 |
| 個体数の傾向 | 当時の評価でも、十分なデータは少ない一方、減少の懸念は示されていた。 | 現在はIUCN検索結果上でも減少中とされている。野生個体数の総数推定は依然として乏しい。 |
| なぜ「十分に知られていない」ままなのか:調査困難な生息地 | ミャンマー北部の山地林にすむ、観察しにくい種として扱われていた。 | 北部ミャンマーの山地林は情報空白が大きく、北部ミャンマーでは大型哺乳類の多様性や分布情報そのものが不足しているとされる。政治的に敏感な状況のため、調査が特定地域に限られたという報告もある。 |
| なぜ「十分に知られていない」ままなのか:分類の混乱 | 2014年ごろまでの扱いでは、アカカモシカを独立種ではなく別のカモシカ類の亜種として見る見解も残っていた。 | 近年は Capricornis rubidus を独立種として扱う整理が進んでいる一方、カモシカ属全体では種数や系統整理に見解の揺れがあり、過去の記録の再解釈が必要な部分も残る。 |
| 分布の把握 | 分布は限られていると考えられていたが、記録の少なさも大きかった。 | 現在も確実な記録の中心はミャンマー側にありつつ、近年は中国やバングラデシュでの記録報告も出ている。ただし、分布情報には再検討を要する部分がある。 |
| 減少の主な原因(2014年からの継続):激しい狩猟圧 | 乱獲は当時から主要脅威だった。 | 現在も狩猟と違法取引が主要脅威のまま。ミャンマーでは肉用に加え、伝統薬用途や戦利品・護符用途でも取引されると報告されている。 |
| 減少の主な原因(2014年からの継続):生息地の分断 | 森林減少や開発による生息地悪化が問題視されていた。 | 現在も生息地の喪失・劣化・分断は継続脅威で、北部ミャンマーでは人為攪乱が哺乳類相全体に影響しているとされる。 |
| 保全上の難しさ | 情報不足のため、保全の優先順位づけが難しい種だった。 | いまも「減っているのに情報が薄い」状態が続いており、分布確認、分類整理、狩猟圧の把握を並行して進める必要がある。 |
出典
- IUCN Red List 検索結果(Capricornis rubidus)
- WildDocu: Burmese Red Serow(2008年NT評価の整理)
- WWF Greater Mekong / TRAFFIC「Top 10 Most Wanted」
- Ultimate Ungulate References(2008年IUCN評価の参照情報)
- Raffles Bulletin / camera trap survey(政治状況により調査制約)
- Mammal Diversity Database: Red Serow(Capricornis rubidus)
- Mammalia 2024「Mammals of Myanmar: an annotated checklist」
- Mammal Review 2019「Reclassification of the serows and gorals」
- Communications Biology 2019「Habitat degradation and indiscriminate hunting…」
- Genes 2023「Ancient Mitogenomes Reveal Stable Genetic Continuity of Serow Species」
- Mammalia 2024「Occurrence and temporal activity pattern of Burmese Red Serow in Bangladesh」
- Global Ecology and Conservation 2021「Diversity, distribution and conservation of large mammals in northern Myanmar」
- Global Ecology and Conservation 2023「Where do we manage? Uncovering the hidden impact of human disturbance…」
- European Journal of Wildlife Research 2022「Wildlife conservation in Myanmar: trade in wild sheep and goats for meat, medicine, and trophies」
2014年時点では、アカカモシカは2008年評価に基づき準絶滅危惧(NT)として扱われていたが、2020年のIUCN評価では危急種(VU)へと引き上げられ、個体数トレンドも減少中とされている。これは、絶滅リスクの再評価が進んだことを示す。加えて、本種はミャンマー北部の山地林という調査困難な地域に生息し、政治的不安定性も相まって、生態や分布に関する情報が依然として限定的である。さらに、分類学的整理が十分に収束していないことも、評価や保全計画の精緻化を難しくしている。脅威要因としては、狩猟圧および生息地の喪失・分断が2014年以降も継続しており、保全上は分布確認、分類再検討、脅威評価の更新を並行して進める必要がある。
⬇︎アカカモシカの保護活動の種類です。必要なら開いてください。
| 保護活動の種類 | 内容の概要 |
|---|---|
| 生息地の保護(山地林・岩場環境の維持) | 生息地となる山地の森林や急斜面・岩場を、伐採・焼失・道路建設などの改変から守り、隠れ場所と採食環境を長期的に残す |
| 密猟・狩猟圧の低減 | 肉・薬用・角などを目的とした捕獲圧が問題になりやすいため、巡回・取締り強化、違法猟具の撤去、流通ルートの監視で捕獲を減らす |
| 取引規制(国際枠組み) | CITES(ワシントン条約)の枠組みにより、国境を越える取引を規制し、違法取引の抑止と取締りの根拠にする |
| 保護区の設定・管理 | 生息地が含まれる国立公園などの保護区で、狩猟の抑止や生息環境の管理を進め、重要地点を守る(保護区の実効性を上げる運用が鍵) |
| 人と野生動物の関係調整(地域連携) | 地域の生活・資源利用と衝突しやすいので、地域住民・管理当局と連携し、違法捕獲を減らす合意形成や啓発、見回り協力などを組み合わせる |
| 調査とモニタリング(カメラトラップ等) | 分布や個体数が把握しづらい種として、カメラトラップなどで出現状況や攪乱(人の侵入・密猟圧)を継続把握し、重点保護エリアや対策の優先順位に反映する |
| 家畜由来の疾病リスクの把握 | 周辺の家畜との接触がある地域では、感染症リスクの把握や監視(家畜管理を含む)が、長期的な保全上の論点になり得る |
出典
最後に
Questioner: So, you mentioned earlier that with recent genetic research and camera trap surveys, there’s a debate going on. Like, people are wondering, “Is it really its own species, or just a red variation of the Sumatran Serow?” or “Could it actually be a hybrid?”
But here’s the thing—if they could just get a DNA sample, wouldn’t modern technology figure out if it’s a variant or a hybrid pretty quickly? The fact that the debate is still ongoing makes me wonder… is it just incredibly hard to even get their DNA in the first place?
Me: Yeah, you might be right. They probably live in some seriously extreme environments. Let me dig into that a bit more.
質問者:最近の遺伝子研究やカメラトラップ調査の流れで、「独立した種じゃなくて、スマトラカモシカの赤い変異個体なんじゃないか?」とか、「もしかして雑種なんじゃ?」みたいな議論があるって話だったよね。
でもさ、DNAが採取できたら、今の技術なら変異か雑種かって、わりとすぐ分かりそうな気もするんだよ。それなのに決着してないってことは……そもそもDNAを採るのが難しいのかな?って、ちょっと疑問に感じたんだけど……。
私:はい、ほんとに「すごいところ」に住んでるのかもしれないですね。詳しく調べてみます。
| 項目 | 内容 | 要点 |
|---|---|---|
| 【物理・政治の壁】新鮮なDNAが手に入らない | ミャンマー北部の山地林では、政治的不安定性、アクセス困難、体系的調査の不足が重なり、生体から高品質な血液・組織試料を継続的に得ることが難しい。 | 現地で新鮮な試料を安定して集めにくいことが、分類の確定を難しくしている。 |
| 紛争地帯であることの弊害 | 北部ミャンマーでは近年も政治危機の影響が続き、保全活動や野外調査の継続性が損なわれやすい。険しい地形に加え、調査地点への安全な到達自体が障害になる。 | 「行けない」「追跡できない」ことが、比較用DNAの蓄積を妨げている。 |
| 頼れるのは「干からびた標本」のみ | 利用可能な試料は、古い博物館標本や市場由来試料、非侵襲的に集めた糞試料などに偏りやすい。これらは分類研究に役立つ一方、DNAの断片化や由来情報の不確実性が大きい。 | 試料はあるが、決定打になる品質と情報量を備えたものが少ない。 |
| 博物館にある100年前の毛皮 | 歴史標本の皮や骨は研究資源として重要だが、古い標本ほどDNAが劣化しやすく、核DNAの詳細解析には不利である。 | 古標本は使えるが、核DNAの精密比較には限界がある。 |
| 市場で売られていた干し肉や角 | 市場試料から遺伝情報を得ることは可能だが、採集地点や個体情報が不明瞭な場合が多く、分布や系統の解析と正確に結び付けにくい。 | 由来不明の試料では、分類学的な解釈が弱くなる。 |
| 糞(フン) | 糞DNAは非侵襲的手法として有用だが、宿主以外のDNAや不純物が多く、保存条件によっても劣化しやすい。 | 希少種研究では重要だが、高品質核DNAの取得には不向きなことが多い。 |
| 「ミトコンドリアDNA」の限界 | 劣化試料からは mtDNA を比較的取得しやすいが、これは主として母系情報を反映する。雑種判定や種境界の厳密な検証には、核DNAの解析が不可欠である。 | mtDNA だけでは、独立種か地域変異かを最終的に決めにくい。 |
| 【比較対象の壁】そもそも「基準」がブレている | カモシカ属では、どの集団を独立種とみなすかについて再整理が続いてきた。比較対象側の分類そのものが揺れているため、アカカモシカの位置づけも固定しにくい。 | 比べる相手の定義が動いているため、こちらの輪郭も定めにくい。 |
| 比較相手も分類が怪しい | 「スマトラカモシカ」「チュウゴクカモシカ」など近縁群も、過去には種・亜種の扱いが一定していなかった。参照データの枠組み自体が時期によって異なる。 | 比較対象が不安定だと、差異の評価も不安定になる。 |
| 定規が歪んでいる状態 | 遺伝的差異が「別種レベル」なのか「地域差の範囲」なのかは、参照基準が一定して初めて判断しやすくなる。 | 不完全なDNAだけでなく、比較の物差しそのものも揺れている。 |
| 【進化の壁】「クライン(連続変異)」の可能性 | 近縁群が地理的に接している場合、形態や遺伝子が段階的に変化し、明瞭な種境界を引きにくいことがある。アカカモシカでも、その可能性を慎重に検討する必要がある。 | 問題は二択ではなく、連続変異の中でどこに線を引くかにある。 |
| グラデーションの問題 | 外見差が大きくても、遺伝的には隣接集団と近い場合がある。そのため、毛色や形態だけで独立種かどうかを断定することは難しい。 | 「赤い」という特徴だけでは、分類の決め手にならない。 |
| ただの「赤いベルト地帯」説 | 地域的な環境勾配に沿って赤色形質が広がっただけである可能性も、現時点では排除しきれない。 | 独立種説と地域変異説の双方に、なお検証余地が残る。 |
| まとめ:なぜ決着しないのか? | 現地アクセスの制約、利用可能試料の劣化、mtDNA偏重の限界、比較対象側の分類不安定、連続変異の可能性が重なっている。 | 「試料不足」と「分類基準の不安定さ」が同時にあるため、結論が固定しにくい。 |
出典
- Hystrix 2019「Reclassification of the serows and gorals」
- Trends in Ecology & Evolution 2021「Mining museums for historical DNA」
- Genes 2023「Ancient Mitogenomes Reveal Stable Genetic Continuity of the Holocene Serows」
- Molecular Ecology Notes 2006「Quantification of damage in DNA recovered from highly degraded samples」
- Global Ecology and Conservation 2021「Diversity, distribution and conservation of large mammals in northern Myanmar」
- Oryx「Conservation in response to a crisis: initiating community-led conservation for the white-bellied heron in northern Myanmar」
- European Journal of Wildlife Research 2022「Wildlife conservation in Myanmar: trade in wild sheep and goats for meat, medicine, and trophies」
Questioner: From the perspective of the people fighting in those conflict zones, researchers probably just look like “annoying outsiders poking around to study serows.” Plus, living here in peaceful Japan and having never actually seen or been to a conflict zone myself, it’s not like I’m in any position to just casually weigh in on it.
But maybe that’s exactly why I want to understand a bit more about the political situation in Myanmar—this place that’s known as a “long-standing conflict zone between armed groups and the national military.”
Me: Sure thing. It’s a bit of a detour from our main topic of endangered species, but let me look into it for you.
質問者:紛争地で争ってる人たちからしたら、「カモシカの研究に来た邪魔なやつ」みたいに見えちゃうだろうし、そもそも平和な日本で暮らしてる私が、その紛争地を見たことも行ったこともないから、簡単に何か言える立場じゃないんだよね。
だからこそなんだけど、「長年の武装勢力と国軍の紛争地域」って言われているミャンマーの政治のことを、少し知りたいなと思ったんだけど。
私:はい、絶滅危惧種の話からは少し離れるけど調べますね。
| 項目 | 内容 | 要点 |
|---|---|---|
| なぜ揉めているのか?(根本的な構造) | ミャンマーの武力紛争は、独立直前に構想された連邦的な枠組みと、その後の中央集権化とのずれを背景に長期化してきた。少数民族側では、自治・政治参加・土地支配をめぐる不満が積み重なり、国軍との対立が固定化した。 | 紛争の土台には、国家形成の段階で解消されなかった自治と権力配分の問題がある。 |
| 多民族国家の難しさ | ミャンマーでは、多数派のビルマ族に対し、周辺山地や国境地帯に多様な少数民族集団が分布している。こうした歴史的・地理的多様性の上に、軍主導の一元的統治が重なり、民族ごとの政治的要求との摩擦が続いてきた。 | 民族構成の多様性そのものより、それを包み込む統治構造の不均衡が対立を深めてきた。 |
| 「約束」が破られた | 1947年のパンロン協定は、カチン、シャン、チンなどの代表と英領ビルマ側代表の間で、将来の連邦形成に向けた合意を示した文書だった。しかし、その後の国家形成過程では、少数民族側が期待した自治や対等性が十分に制度化されず、不信が残った。 | 独立時の政治的合意が、その後の国家運営で十分に実現されなかったことが、長期紛争の記憶として残った。 |
| 武器を取った少数民族 | 少数民族側は、自衛と自治確保を目的として各地で武装組織を形成し、現在まで続く民族武装組織の基盤となった。カチン州ではカチン独立機構・カチン独立軍が主要勢力として長年活動している。 | 武装化は一時的現象ではなく、国家との関係が未解決のまま制度化された面を持つ。 |
| 2021年のクーデターで状況は最悪に | 2021年2月の軍事クーデター後、既存の民族紛争に加えて、全国的な反軍政抵抗が急速に拡大した。人権状況は著しく悪化し、空爆、任意拘束、民間人被害、避難の拡大が報告されている。 | 2021年以降の危機は、従来の周縁紛争を全国的内戦へと押し広げた。 |
| 全国民が敵に | クーデター以前は都市部市民と少数民族武装勢力の対立経験に差があったが、軍による民主化の否定と弾圧を受け、都市部住民や若者も武装抵抗や支援網へ流入した。 | 軍に対する反発が、民族周辺部だけでなく都市住民層にも広がった。 |
| 「市民+少数民族」vs「国軍」 | 現在の対立構図は、従来からの民族武装組織に加え、人民防衛隊など新たな反軍政武装勢力が重なった複合的なものとなっている。これにより、国軍が対峙する相手は局地的少数民族勢力にとどまらず、広域化・多層化している。 | 紛争の範囲も担い手も増え、研究者や保全関係者が現地に入る余地はさらに狭まった。 |
| アカカモシカを追い詰める「資源の呪い」 | カチン州では、翡翠、金、希土類、木材など高価値資源が武力支配と結び付きやすく、資源収奪が紛争の持続要因にもなっている。資源が豊かなこと自体が、地域社会と生態系にとって不安定化要因となっている。 | 資源の豊富さが保護の基盤になるのではなく、逆に戦争資金と破壊圧を生みやすい。 |
| 武器を買うための「翡翠(ヒスイ)」と「木材」 | グローバル・ウィットネスは、カチン州の翡翠産業が長年にわたり軍・武装勢力・企業利権と結び付き、紛争の悪循環を支えてきたと報告している。木材や野生動物取引も、地域における非公式経済や越境取引と結び付いている。 | 翡翠だけでなく、木材や野生動物も含む資源取引が武力経済を下支えしている。 |
| 山が削られ、森が消える | カチン州では2002年から2024年までに湿潤な一次林の大きな損失が記録されている。現在の政治危機は、統治の空白、保全資金の縮小、資源の持続不能な利用を通じて、生息地破壊をさらに進めている。 | 森林消失は景観変化にとどまらず、アカカモシカのような山地林依存種の生息地縮小に直結する。 |
| 野生動物取引との接続 | ミャンマーでは、野生のウシ科動物が肉、薬用、角などを目的に取引されており、国境地帯では越境需要が圧力を高めている。カモシカ類もその影響圏に含まれる。 | 紛争、資源収奪、違法取引は別問題ではなく、同じ国境経済の中でつながっている。 |
出典
- 国連 Peacemaker「Panglong Agreement(1947)」
- Konrad-Adenauer-Stiftung「A Country against the Military」
- Global Witness「Jade and Conflict: Myanmar’s Vicious Circle」
- OHCHR「Update on the Human Rights Situation in Myanmar in 2025」
- Global Forest Watch「Kachin, Myanmar Deforestation Rates & Statistics」
- Oryx「Conservation in response to a crisis: initiating community-led conservation for the white-bellied heron in northern Myanmar」
- European Journal of Wildlife Research 2022「Wildlife conservation in Myanmar: trade in wild sheep and goats for meat, medicine, and trophies」
Questioner: I can just picture it… Ethnic minorities trying to protect their land and right to self-rule, and the national military trying to dominate them by force—both sides basically selling off the Red Serow’s “home” piece by piece to fund their war. It really feels like this all comes down to a fundamental difference in how they see things—like two completely different measuring sticks. The ethnic minorities feel the promises of a “federal union and autonomy” from the 1947 Panglong Agreement were broken, while the military insists they kept them, or at least tried to. I know it’s nowhere near that simple, of course…
Me: Yeah. There’s probably no point in us debating the rights and wrongs of the conflict right here. But now that we have a bit of a grasp on the situation, let’s steer the conversation back to endangered species. Whether it’s a war or a local conflict, here in Japan or anywhere else in the world—whenever people fight, the weakest always end up paying the price. That much is a hard truth. And in any conflict, some people make a profit while others lose everything. But in the meantime, because “conservation is impossible” or “research is too dangerous,” the list of endangered species just keeps growing. At first glance, the topic of endangered species just looks like an “animal issue.” But I actually think they’re a measuring stick—a barometer for the crises facing our world and our planet. Because the one thing every endangered species has in common is that human actions are undeniably impacting them. And right behind that, human activity is also driving massive problems like climate change. That’s why I believe that by looking into endangered species, understanding them, and trying to find ways to save them, we’re ultimately paving the way to solving broader issues like climate change, too.
質問者:自分たちの土地と自治権を守りたい少数民族と、それを力で支配したい国軍が、戦争資金のためにアカカモシカの「家」を切り売りしている。……そんな絵が見えました。
きっとこれって、パンロン協定(1947年)の「連邦・自治」の約束を「守らなかった」と受け止めた少数民族と、「守った(もしくは守ってきたつもり)」と言い張る国軍との、物差しの違いだったようにも思えるんですよね。
もちろん、そんな簡単な話じゃないのは分かってるけど……。
私:はい、ここで紛争のことを論破し合っても、たぶんしょうがないので、いったん「少なからず理解できた」ところで、絶滅危惧種の話に戻ります。
戦争にしろ紛争にしろ、日本であろうとどこであろうと、争えば必ず弱いものにしわ寄せがいく。まず、それは間違いないですよね。
そして、戦争や紛争で儲けている人もいれば、損している人もいる。でも、その間に「保護できない」「研究できない」という理由で、絶滅危惧種は増えていく。
絶滅危惧種って、一見すると「生き物の話」に見えるけど、実は世界や地球の危機を測る物差しなんだと思うんです。
だって、どの絶滅危惧種にも共通して言えるのは、確実に人間の行動が影響しているってことです。しかもその陰で、また人間の活動によって気候変動みたいな大きな問題が起きている。
だから、絶滅危惧種のことを調べて、知って、解決の道を考えていくと、結局は気候変動を解決する道にも繋がっていくのではないか、と考えます。
ここまで読んで、あなたは、どのように感じましたか?
コメントで意見を聞かせてもらえると、とても嬉しいです。
貴重な5分間を、本当にありがとうございました。
アカカモシカに、その5分が届くことを祈ります。
鶏人|Keijin




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