11年後のレッドリスト|クビカシゲガメ:乾く湿地に、まだ灯る小さな命【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|クビカシゲガメ:乾く湿地に、まだ灯る小さな命【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hi, I’m 鶏人|Keijin.

Back in a 2014 encyclopedia, the Western Swamp Tortoise (Pseudemydura umbrina) was listed as “CR: Critically Endangered.” Most of its natural habitat had already been wiped out by farming, housing developments, and mining. On top of that, climate change was drying out the seasonal wetlands, making it almost impossible to hold onto the water they desperately need to breed and grow.

Fast forward to 2026, and a check of the IUCN Red List shows the exact same grim reality: it’s still “Critically Endangered.”

Lately, things have seen some pushback. Thanks to captive breeding efforts led by Perth Zoo, over 1,300 of them have been bred, with more than 1,100 released back into the wild. We’re also seeing insurance populations being maintained, wetland management by the DBCA, predator control, radio tracking, and even assisted colonization trials in southern wetlands to brace for worsening climate change.

But here’s the catch—the wild population hasn’t naturally bounced back. They are only surviving right now because of relentless, ongoing human intervention.

To me, the Western Swamp Tortoise is still just “a tiny spark of life flickering in a drying wetland.”

This is a short article—it’ll only take about 5 minutes to read. I’d love it if you stuck with me to the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

クビカシゲガメ(学名:Pseudemydura umbrina)は、2014年の図鑑では、生息地の大部分が農地化・宅地化・採鉱によって失われ、さらに気候変動による乾燥化で、繁殖や幼体の成長に必要な季節湿地の水が保たれにくくなっていたことなどから「CR:深刻な危機」と評価されていました。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「CR:深刻な危機」のままでした。近年は、Perth Zooを中心とした飼育繁殖により、これまでに1300匹以上が繁殖され、1100匹以上が野外へ放流されています。さらに、保険個体群の維持、DBCAによる湿地管理、捕食者対策、無線追跡、そして気候変動に備えた南方湿地への補助的移殖試験も進められています。ただし、野生個体群が自力で安定回復したというより、現在も人間の継続的な介入によって支えられている状態です。

クビカシゲガメは今も、「乾く湿地に、まだ灯る小さな命」状態なのだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は1996年評価(1996年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Pseudemydura umbrina

クビカシゲガメとは?絶滅の淵に立つオーストラリア最小の淡水ガメ

⬇︎クビカシゲガメの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|クビカシゲガメ(英名:Western Swamp Turtle)

主にオーストラリア政府 DCCEEW、西オーストラリア州系資料、Perth Zoo、WA Museum、Friends of the Western Swamp Tortoise の情報を照合しました。Pseudemydura umbrina は、西オーストラリア州スワン海岸平野に固有の小型淡水ガメで、IUCN・オーストラリア国内評価ともに CR:深刻な危機 と扱われる、世界的にも非常に危機的な淡水ガメです。オーストラリア政府の評価では、野生の成熟個体は15〜25個体程度とされる一方、保全団体資料では「野生成体50個体未満」と説明されることもあります。(dcceew.gov.au)

項目内容
和名クビカシゲガメ
別名・表記ゆれニシヌマガメ、ウェスタン・スワンプ・トータス、ウェスタン・スワンプ・タートル
英名Western Swamp Tortoise
別英名Western Swamp Turtle、Short-necked Tortoise
先住民名Yarkiny、Yarkiny と表記されることがある
学名Pseudemydura umbrina
命名者・命名年Siebenrock, 1901
分類爬虫綱・カメ目・ヘビクビガメ科・Pseudemydura 属
分類上の特徴Pseudemydura 属の唯一の現生種。非常に独特な系統を持つ短頸性の淡水ガメ
IUCNレッドリストCR:深刻な危機
オーストラリア国内での保全状況EPBC Act で Critically Endangered
CITES附属書I。国際商業取引が原則禁止される最も厳しい区分
分布国オーストラリア固有種
分布地域西オーストラリア州、パース北東部のスワン海岸平野
現在の自然分布Ellen Brook Nature Reserve と Twin Swamps Nature Reserve 周辺の非常に小さな湿地に限られる
再導入・移殖地Mogumber Nature Reserve、Moore River Nature Reserve など、保全目的で移殖された地域がある
歴史的分布パース周辺のスワン海岸平野に点在する季節湿地に生息していたと考えられる
再発見の経緯100年以上絶滅したと思われていたが、1953年にスワンバレーの小湿地で再発見された
生息環境冬から春に水がたまり、夏に乾く季節性の淡水湿地
生息地の特徴粘土質または砂質の浅い湿地、季節的な水たまり、周辺の草地・低木地
重要な環境条件冬の降雨で湿地が十分に冠水し、幼体が成長できるだけの水域期間が続くこと
乾季の過ごし方夏の乾燥期には地中、落葉、倒木下、土壌の割れ目などで休眠する
活動時期主に湿地に水がある冬から春に活動する
夏眠夏季の乾燥期には休眠状態になり、代謝を落として過ごす
体の大きさオーストラリア最小級の淡水ガメ。甲長はおおむね10〜15cm程度
Perth Zoo記載の体長11〜13cm
体重約300〜450g
甲羅の特徴茶色から暗褐色のやや四角い甲羅を持つ
首の特徴短い首を持つ。オーストラリア南西部でよく知られる長い首のヘビクビガメ類と区別しやすい
頭部の特徴頭は比較的大きく、首をかしげるような姿勢をとることから和名の印象につながる
雌雄差雌雄で体格や尾の形に差がある。一般に雄の尾は太く長い
活動時間湿地に水がある時期に、水中で活発に活動する
食性肉食性が強い雑食性
主な餌水生昆虫、甲殻類、オタマジャクシ、小型無脊椎動物など
採食行動浅い湿地の水中で小動物を探して食べる
繁殖期湿地に水がある時期の後半に繁殖行動が進む
産卵水が引き始める時期に陸上の土中に産卵する
卵数1回に3〜5卵程度
孵化卵は長期間土中で発生し、翌年の湿地冠水に合わせて孵化・地表へ出る
孵化までの期間Perth Zooでは約6か月とされる
成長成熟まで時間がかかるため、個体群回復には長期の保全が必要
寿命長寿の淡水ガメで、野生・飼育下ともに長期生存する
個体数資料により表現差があるが、野生の成熟個体は非常に少ない。オーストラリア政府評価では15〜25成熟個体、保全団体資料では野生成体50個体未満とされる
1960年代の推定1960年代には約250個体いたとされるが、その後大きく減少した
主な脅威湿地の消失、排水、土地開発、地下水利用、降雨減少、気候変動、外来捕食者、火災、道路、個体群の小ささ
外来捕食者アカギツネ、ネズミ、野良猫などが卵・幼体・成体に脅威となる
在来捕食者ワタリガラス、ワライカワセミ、オオトカゲ類、猛禽類なども幼体を捕食する可能性がある
気候変動の影響冬の降雨が減ると湿地の冠水期間が短くなり、採食・成長・繁殖が難しくなる
水文学的な問題湿地が早く乾くと、幼体が十分に成長する前に水域が失われる
保全活動Perth Zooでの飼育下繁殖、野外放逐、湿地管理、捕食者対策フェンス、個体数モニタリング、移殖、気候変動適応型の保全
飼育下繁殖Perth Zooでは1980年代から繁殖プログラムが行われ、野生復帰個体を生み出している
再導入飼育下で育てた個体を既存湿地や新しい保全地へ放す取り組みが続く
気候変動適応策将来の乾燥化に備え、より南方または水条件のよい地域への移殖・補助的導入が検討・実施されている
重要な保全地域Ellen Brook Nature Reserve、Twin Swamps Nature Reserve、Mogumber Nature Reserve、Moore River Nature Reserve など
保全上の課題湿地の冠水期間、捕食者管理、遺伝的多様性、再導入個体の成熟、生息地の長期安定性
生態系での役割季節湿地の小型捕食者として、水生昆虫や小動物の個体群に関わる

クビカシゲガメの危機は「カメを捕る人がいるから」だけではありません。むしろ大きいのは、湿地そのものが変わってしまったことです。冬に水がたまり、春まで残り、夏には乾くという繊細なリズムが崩れると、餌を食べる時間も、成長する時間も、卵から次世代が出てくるタイミングも崩れます。Perth Zooの繁殖プログラムと放逐は重要ですが、湿地の水と捕食者管理が続かなければ、野外個体群の自立は難しい種です。(perthzoo.wa.gov.au)

出典

最終評価1996年:クビカシゲガメ「CR:深刻な危機」

クビカシゲガメのもともとの生息地は、ほとんどが農地や宅地への転用、採鉱のために失われている。さらにこの種は地球温暖化と季節性湿地帯をおびやかす乾燥化によっても危機にさらされている。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

出典:IUCNレッドリスト|クビカシゲガメ(学名:Pseudemydura umbrina)
出典:IUCNレッドリスト|クビカシゲガメ(学名:Pseudemydura umbrina

前提として、2026年時点で見えるIUCNページは「新しい2026年評価」ではなく、最終評価1996年、errata版2016年のCR表示が継続している状態です。現状確認では、危機ランクそのものは大きく改善しておらず、むしろ「飼育繁殖・放流・湿地管理がなければ維持できない、強い保全依存状態」と見るのが近いです。DCCEEWの掲載評価では成熟個体数は非常に少なく、主な脅威として生息地転用、湿地の乾燥化、捕食、低い繁殖力が挙げられています。(DCCEEW) Perth ZooとDBCAの近年資料では、1989年以降に1300匹以上が繁殖され、2024年時点で1100匹以上が野外へ放流されています。(PerthZooWebsite) 気候変動対策としては、自然分布域より300km以上南の湿地への試験的な補助的移殖も進められています。(Threatened Species Recovery Hub)

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
種名クビカシゲガメ。学名は Pseudemydura umbrina。英名は Western Swamp Turtle または Western Swamp Tortoise。学名・英名ともに大きな変更は確認できない。オーストラリアでは freshwater turtle であっても “tortoise” と呼ばれることがあり、資料によって Turtle / Tortoise が併用される。
IUCN評価絶滅危惧IA類、つまりCritically Endangered相当として掲載。IUCN上の表示は現在もCritically Endangered。ただし、最終評価は1996年で、2016年にerrata版が出た古い評価が現在も表示されている。
評価の変化すでに世界的に最も危険な段階にある種として扱われていた。ランク上は改善していない。放流数や繁殖技術は進んだが、野生下で安定した自立個体群が十分に成立したとは言いにくい。
分布西オーストラリア州パース周辺のごく狭い範囲。図鑑では、2つの小さな季節性湿地帯に限られるように説明されている。依然としてスワン海岸平野の限られた湿地に強く依存する。Ellen Brook、Twin Swamps、Mogumber、Moore Riverなどが保全・放流・管理の中心になっている。さらに気候変動対策として、南西部のより涼しく湿った地域への試験的移殖も行われている。
生息環境冬から春に水をたたえる浅い季節性湿地。乾燥した夏は休眠状態になる。必要条件はほぼ同じ。粘土または砂質粘土の浅い冬季湿地、水がある時期の採餌環境、夏眠できる避難場所が必要。環境条件がかなり特殊で、代替地を見つけにくい。
生息地喪失もともとの生息地の多くが、農地、宅地、採鉱などで失われたとされている。この問題は現在も根本的には解決していない。土地開発、排水改変、都市化、農業利用によって、過去の生息地は広範囲に失われたまま。残された湿地は小さく、分断され、管理に依存している。
個体数図鑑では、非常に少数の個体が限られた湿地に残る種として扱われている。本文では「100種程度の動物」と読める箇所があるが、文脈上は「100個体程度」の意味に近いと考えられる。公的評価では成熟個体数は数十個体規模とされ、非常に少ない。資料によって「15〜25成熟個体」「推定50成熟個体」など幅があるため、2026年時点では「成熟個体は依然として極めて少ない」と表現するのが安全。
野生個体群の質わずかな自然湿地に残る個体群と、保護下での増殖・導入に頼る状態。現在も「自然に十分回復した」というより、飼育繁殖、放流、捕食者管理、水管理、モニタリングによって維持されている。保全活動が止まれば再び急速に悪化する可能性が高い。
気候変動・乾燥化図鑑本文でも、地球温暖化と季節性湿地帯の乾燥化が脅威として明記されている。2014年時点の懸念が、現在ではさらに中心的な問題になっている。湿地が水を保つ期間が短くなると、採餌、成長、産卵、幼体の夏眠前の体力蓄積が難しくなる。
水管理図鑑では、湿地保護と繁殖プログラムが重要とされている。乾燥年には湿地の水位維持が重要。保全地では水の保持、地下水の利用、湿地改良など、人為的な支援が行われる。つまり、自然湿地そのものがすでに「管理された避難所」に近い。
繁殖特性小型の淡水ガメで、季節性湿地の水がある時期に活動・繁殖する。繁殖力は高くない。通常は年1回、3〜5卵程度。成熟にも長い時間がかかるため、放流しても「すぐに成体が増える」わけではなく、回復判定には長期の監視が必要。
捕食圧添付の図鑑抜粋では主題として強くは扱われていない。現在の保全上は重要な脅威。キツネなどの外来捕食者、カラス類、ネズミ類、クッカバラなどによる卵・幼体・成体への影響が問題になる。捕食者防除やフェンス管理が必要。
飼育繁殖図鑑時点でも、飼育下での繁殖プログラムと未成熟個体の導入によって絶滅を避けていると説明されている。Perth Zooの繁殖プログラムが中心的役割を継続。1989年以降、1300匹以上が繁殖され、2024年時点で1100匹以上が野外に放流されている。Perth Zooには150〜200匹規模の保険個体群があり、Adelaide Zooにも第二の保険個体群がある。
放流・再導入未成熟個体の導入により、絶滅を避けることができたとされる。放流は現在も継続。2024年にはMoore River周辺の保全地に20匹が放流され、無線発信機を付けて移動や成長を追跡している。放流個体は、既存個体群の補強だけでなく、新しい個体群形成にも使われている。
気候変動への新しい対策図鑑では、温暖化・乾燥化への危機感はあるが、主に既存湿地の保護と繁殖導入が中心。2016年以降、自然分布域から約300km以上南の涼しく湿った湿地へ移す「補助的移殖」の試験が行われている。これは気候変動で現在の湿地が不適化することを見越した、かなり踏み込んだ保全策。
補助的移殖の成果2014年図鑑には、そこまで具体的な南方移殖の成果は反映されていない。南部湿地での試験では、場所によっては北部放流地と同程度の成長が確認された。ただし、餌資源、湿地の水持ち、捕食者管理、周辺土地利用などの条件が揃わないと定着は難しい。
現在の保全上の評価すでに危機的だが、繁殖・導入により絶滅回避の可能性がある種として描かれている。「保全成功例」と言える部分はある。特に、飼育繁殖がなければ失われていた可能性が高い。一方で、野生で自力回復したわけではなく、気候変動と湿地消失により、現在も極めて危うい。
2014年から見た結論もとの生息地喪失、開発、採鉱、乾燥化により、絶滅寸前の小型淡水ガメ。2026年確認では、危機の原因はほぼそのまま残っている。ただし、保全技術は進み、飼育繁殖、放流、保険個体群、無線追跡、南方移殖試験まで進展している。状態は「改善した」というより、「人間の継続介入によって、かろうじて踏みとどまっている」。

出典

クビカシゲガメは、2014年時点でもすでに絶滅危惧IA類として扱われていたが、2026年に確認できる現在も危機段階は大きく改善していない。農地化、宅地化、採鉱、排水改変による生息地喪失は続く問題であり、さらに気候変動による湿地の乾燥化が繁殖や幼体の成長を難しくしている。一方で、Perth Zooを中心とした飼育繁殖と放流、保険個体群の維持、無線追跡、南方への補助的移殖試験など、保全技術は確実に進展している。つまり現在の状態は、回復したというより、人間の継続的な介入によって絶滅をかろうじて避けている段階といえる。

⬇︎クビカシゲガメの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

オーストラリア政府の回復計画では Critically Endangered とされ、浅く一時的に水がたまる冬季湿地、粘土または砂質粘土の土壌、夏眠場所が必要で、開墾・排水によって本来の生息地の大部分が失われたと整理されています。回復計画の目的は、少なくとも3つの自然繁殖する野生個体群を作り、野生成熟個体を50頭以上に増やし、第4の移殖地を設けることです。(dcceew.gov.au) Perth Zooでは1989年から繁殖事業が始まり、2024年6月時点で1,300頭以上を繁殖し、そのうち1,125頭が野外へ放され、150〜200頭規模の保険個体群も維持されています。(perthzoo.wa.gov.au)

保護活動の種類内容実施・提案の状況重要度補足
回復計画の実施Western Swamp Tortoise Recovery Plan に基づき、個体群管理、繁殖、移殖、保護区管理を進める実施中最重要種全体の保全方針を統合する基本計画
回復チームの運営Western Swamp Tortoise Recovery Team が関係機関の活動を調整する実施中最重要政府、動物園、研究者、市民団体の連携が必要
既存野生個体群の保護Ellen Brook Nature Reserve など、残存個体群のある場所を守る実施中最重要残存個体群は極めて少なく、現存地の保護が最優先
Twin Swamps Nature Reserve の管理再導入・補強個体群を維持し、繁殖を確認する実施中最重要Perth Zoo産個体の放逐先の一つ
Mogumber Nature Reserve の管理飼育下繁殖個体を使い、新たな個体群を維持する実施中最重要回復計画では複数個体群化の重要な場所
Moore River Nature Reserve の管理追加の移殖・再導入個体群を作る実施中・継続必要高い野生個体群を1か所に依存させないために重要
Ellen Brook保護区の拡張私有地内に残る生息地を保護区へ組み込む計画・必要高い回復計画の成功基準に含まれる
一時的湿地の保全冬に水がたまり、夏に乾く浅い湿地を守る実施中・継続必要最重要本種は恒常的な湖沼ではなく、冬季湿地に強く依存する
粘土質湿地の保全粘土または砂の下に粘土層がある湿地土壌を守る必要最重要水が季節的に保たれる土壌条件が重要
夏眠場所の保全夏から秋にかけて休眠するための周辺陸上避難場所を守る必要最重要水中だけでなく、乾季の陸上避難場所も生存に不可欠
生息地の排水防止湿地の排水路、農地排水、地下水位低下を防ぐ必要最重要過去の湿地消失の主要因の一つが排水・土地改変
湿地の水文管理水位、水深、冠水期間を本種の活動期間に合わせて維持する実施・必要最重要冠水期間が短くなると採食・成長・繁殖に影響する
乾燥化対策降雨減少による湿地乾燥に備え、水管理・湿地改善を行う実施・必要最重要気候変動で活動期間が短くなることが大きな課題
生息地の“干ばつ耐性”強化湿地が早く乾きすぎないよう、地形・水管理を改善する必要高いassisted colonisation と並ぶ気候適応策
湿地再生かつての湿地や劣化湿地を回復させる実施・必要高い野生個体群の収容力を高めるために重要
植生管理湿地植生、周辺草本、低木、夏眠場所の植生を管理する実施中高い日陰、餌生物、隠れ場所、湿地環境に関わる
外来植物管理湿地構造を変える外来植物を抑える必要中〜高水深・植生密度・餌生物に影響する可能性がある
火災管理山火事・草地火災から湿地と夏眠場所を守る実施中・必要高い夏眠中の個体や周辺植生に影響する
計画火入れの慎重管理火災リスクを下げつつ、夏眠個体を傷つけない時期・範囲で行う必要高い乾季に個体が陸上で休眠するため、時期設定が重要
外来捕食者対策キツネ、ネコ、犬、ブタなどの捕食・攪乱を減らす実施中最重要Adelaide Zooの情報では、外来動物が野生個体群を脅かす要因に含まれる
キツネ防除捕食圧を下げるため、キツネの管理を行う実施中最重要卵、幼体、若齢個体への影響が大きい
ネコ対策野良猫・ノネコによる捕食を減らす必要高い小型個体や若齢個体へのリスクがある
ブタ対策野生化ブタによる湿地攪乱、卵・幼体への影響を抑える必要中〜高湿地を掘り返す動物は生息地を直接劣化させる
フェンス管理外来捕食者や家畜の侵入を防ぐため、保護区フェンスを維持する実施中高い小さな保護区ではフェンスの維持が重要
飼育下繁殖Perth Zooを中心に、人工管理下で繁殖させて野外個体群を補強する実施中最重要本種保全の中核的手段
保険個体群の維持野生個体群が壊滅した場合に備え、動物園で繁殖個体群を維持する実施中最重要Perth ZooとAdelaide Zooの分散飼育が重要
Adelaide Zooでの分散飼育Perth Zoo以外にも繁殖・保険個体群を置く実施中高い“卵を一つのかごに入れない”リスク分散
人工孵化産卵後に卵を掘り上げ、人工的に孵化率を高める実施中高いAdelaide Zooでは卵を慎重に掘り上げ人工孵化すると説明される
飼育下の夏眠再現野生同様、夏・秋の休眠サイクルを飼育環境で再現する実施中高い繁殖成功には季節的な生理サイクルの再現が重要
飼料改善飼育個体の成長・繁殖に適した特製餌を開発・改善する実施中中〜高Perth Zooでは独自飼料が繁殖成功に重要とされる
幼体の識別管理孵化後の幼体に識別マークを付け、成長と履歴を追跡する実施中高い放逐後のモニタリングにもつながる
遺伝管理近親交配を避け、飼育・野外個体群の遺伝的多様性を保つ実施中・継続必要最重要個体数が少ないため、血統管理が不可欠
血統登録飼育個体の親子関係、産卵、孵化、放逐履歴を記録する実施中高い長期的な繁殖計画と遺伝管理に必要
飼育個体の健康管理体重、成長、疾病、栄養状態を管理する実施中高い放逐前の生存率を高めるために重要
放逐前育成幼体を一定サイズ・体重まで育ててから野外へ放す実施中最重要Perth Zooでは約100g、約3年齢で放されると説明される
再導入飼育下繁殖個体を過去または適地の湿地へ放す実施中最重要野生個体群を増やす中心的な活動
補強放逐既存個体群へ飼育下繁殖個体を追加する実施中最重要個体数と繁殖個体の増加を助ける
新規個体群の創出Mogumber、Moore Riverなどで新しい野生個体群を作る実施中最重要単一地点への依存を避けるために重要
自然繁殖の確認放逐個体が野外で産卵し、幼体が育つか確認する実施中・継続必要最重要本当の回復は、野外で世代交代すること
放逐後モニタリング放した個体の生存、成長、移動、繁殖を追跡する実施中最重要放逐の成否を判断するために不可欠
ラジオトラッキング発信機を装着し、移動、行動、定着状況を調べる実施中高いDBCAの2024年放逐では、行動変化を調べるために追跡が行われる
標識再捕獲個体を識別し、再捕獲データから個体数を推定する実施中高い回復計画の個体数評価に使われる
カメラトラップ湿地利用や捕食者の侵入を確認する必要・有効中〜高非侵襲的な監視方法として有効
環境モニタリング水位、冠水期間、水温、植生、餌生物を記録する実施中・必要最重要個体数変化と生息環境の関係を判断する
餌生物調査湿地の水生無脊椎動物など、餌資源を調べる必要高い活動期間が短い種では、餌資源の質が成長に影響する
候補湿地評価新しい移殖先について、水文、餌、植生、土壌、気候を調べる実施中最重要気候変動下では、歴史的分布域外の適地評価も重要
Assisted colonisation気候変動に対応するため、歴史的分布域外の涼しく湿った場所へ試験移殖する実施中・研究段階最重要2020年研究では、気候変動に対応した脊椎動物の先駆的な試験例とされる
南西部での試験放逐西オーストラリア南西部のより涼しく湿った候補地で放逐を試験する実施中高いPerth Zooは、温暖化対策として歴史的分布域外の放逐試験に触れている
気候適地モデル将来の降雨・気温を考慮し、長期的に適した湿地を選ぶ実施・必要高い乾燥化が進むと、現在地だけでは維持が難しくなる
胚発生モデル卵の発生に必要な温度条件を調べ、移殖地選定に使う実施・研究あり中〜高assisted migration 研究で重要な要素
水文モデル湿地が何か月水を保てるかを予測する必要高い活動期間が短すぎると、採食・成長・繁殖が不十分になる
気候変動適応計画乾燥化、降雨減少、暑熱化を前提に長期保全を組み直す必要最重要本種は気候変動の影響を強く受ける代表例
保護区の水管理必要に応じて水の保持、排水制御、地形管理を行う必要高いただし湿地生態系全体への影響評価が必要
生息地保護政策Western Swamp Tortoise Habitat Policy などの政策で生息地を保護する実施・見直しあり高い土地利用や開発審査に保全情報を反映するために重要
開発規制都市化、農地化、排水、道路整備が湿地に及ぼす影響を抑える必要高い本来の生息地は都市・農業開発を強く受けた
土地取得・保護区化重要湿地や周辺私有地を取得・保全協定化する必要高いEllen Brook拡張のように、周辺土地の確保が重要
保護区周辺の緩衝地帯湿地周辺に開発・農地・道路からの緩衝帯を設ける必要高い水質、外来捕食者、火災、排水の影響を和らげる
外来魚・外来水生生物対策湿地内の捕食者・競合生物の侵入を防ぐ必要小さな湿地では外来生物の影響が大きくなり得る
疾病監視飼育・野外個体の病気、寄生虫、感染症を監視する実施・必要高い飼育下繁殖と放逐を行うため、検疫と疾病管理が不可欠
放逐前検疫野外へ放す個体の健康状態を確認する実施中高い病原体を野外個体群へ持ち込まないために重要
個体群リスク分散複数の野外個体群と複数の飼育拠点に分散する実施中最重要火災、干ばつ、病気、施設事故による一斉消失を避ける
研究による飼育改善餌、成長、繁殖、孵化条件を研究し、繁殖成功率を上げる実施中高い2023年の研究では、飼育下の成長・繁殖要因が検討されている
繁殖成功率の向上産卵数、孵化率、幼体生存率を高める実施中高い放逐用個体の安定供給に直結する
個体群存続可能性評価個体数、繁殖率、死亡率、気候変動リスクを使って将来を予測する必要高い移殖先や管理強度を決める判断材料になる
野外成熟個体の増加野生で繁殖可能な個体を増やす実施中最重要回復計画では成熟個体数の増加が重要目標
幼体生存率の改善捕食者対策、放逐サイズ管理、適地選定で若齢個体の生存率を高める実施中高い野外個体群の増加には幼体の生存が不可欠
市民団体の支援Friends of the Western Swamp Tortoise などが普及啓発、植生回復、支援を行う実施中中〜高DBCAやPerth Zooの活動を市民側から支える
生息地の植栽・再植生市民団体や保全機関が湿地周辺の植生回復を行う実施中中〜高湿地環境と周辺陸上避難場所の質を高める
普及啓発学校、地域、動物園展示、ニュースで本種の危機を伝える実施中高い長期支援と資金確保に重要
動物園展示・教育Perth ZooやAdelaide Zooが保全教育の拠点となる実施中中〜高Adelaide Zooの個体は裏側飼育とされるが、教育・支援の役割がある
寄付・スポンサー支援繁殖施設、調査、放逐、湿地管理の資金を集める実施中高い長期保全には継続的な資金が必要
先住民・地域との連携土地、水、湿地管理に関わる地域社会と協力する必要中〜高長期的な土地管理と保全理解に重要
法的保護EPBC法、西オーストラリア州法、保護区制度に基づき保護する実施中最重要Critically Endangeredとして保全措置の根拠になる
監視方法の整理TERNなどの資料を使い、調査・モニタリング法を整理する実施中中〜高優先絶滅危惧種として調査方法の標準化が進められる
データ共有DBCA、Perth Zoo、Adelaide Zoo、研究者、回復チームが情報を共有する実施中高い飼育・放逐・野外個体群の統合管理に不可欠
長期順応的管理繁殖、放逐、湿地水位、気候変動、捕食者対策を結果に応じて見直す実施中最重要気候変動の影響が大きいため、固定的な管理では不十分
再導入成功基準の明確化野外で自然繁殖し、複数世代が維持されることを成功基準にする必要最重要個体を放すだけでなく、自立個体群になることが目標
長期的な保険個体群維持野外個体群が安定するまで、飼育個体群を維持する実施中最重要野生個体群がまだ小さいため、飼育下の保険は当面不可欠

出典

最後に

Questioner: It’s pretty amazing that they actually relocated the tortoises to a cooler, wetter spot to save them from climate change.

Me: Yeah, looks like they moved them over 300 kilometers south of their natural range.

Questioner: But if you think about it, the fact that they’d die out without us physically moving them means they’re basically on the brink of being extinct in the wild, right? It kind of reminds me of Elon Musk’s whole “moving to Mars” idea for humanity.

Me: You can definitely look at it that way. Because of that, I’m betting a project like this faced some serious pushback. Let me dig into that a bit more.

質問者:気候変動の対策としてクビカシゲガメさんたちを涼しくて湿った場所に移動させたのすごいね。

私:自然分布域から約300km以上南の場所に移動したみたいですね。

質問者:でもこれって人が移動させないと絶滅しちゃうってことはある意味野生絶滅に近いといえるよね。人でいったらイーロンさんとかが考えてる「火星移住」みたいな考えと似ているよね。

私:そう考えることもできますね。なのでこのプロジェクトはきっとかなりの反対もあったのではないかと考えます。そのあたりを詳しく調べてみます。


「野生絶滅」の定義を揺るがす境界線

このカメたちは自らの足で南へ移動したわけではなく、人間の手によって気候条件の合う全く別の場所へ「移植」されました。

IUCNレッドリストの定義上、彼らは南の地で自然繁殖できれば「野生絶滅(Extinct in the Wild)」には分類されません。しかし、人間の介入(移住先の選定、放流、モニタリング、外敵の駆除など)がなければ存続できない状態であるため、実質的には「保全依存種(Conservation-reliant species)」という、限りなく野生絶滅に近いグレーゾーンに位置しています。「自然の生態系の中で自立している」という従来の野生動物の定義からは大きく外れてしまっているのが現実です。

プロジェクトへの強い反対意見とリスク

「別の場所に移動させればいい」というシンプルな解決策に見えますが、このプロジェクトの実行には学術界からも大きな反対や懸念がありました。主な理由は以下の通りです。

  • 外来種化のリスク(生態系への破壊行為): 移動先の南部の湿地帯には、独自の生態系がすでに築かれています。そこに外部からカメを持ち込むことは、意図的であれ「新たな外来種を放つこと」と同義です。移動先の固有種を食べ尽くしてしまったり、未知の病原菌を持ち込んだりして、移動先の生態系を破壊してしまうリスクが常に伴います。
  • 「現状維持依存」と保全哲学の衝突: 従来の自然保護は「本来の生息地を回復し、そこで守る」ことが大原則でした。しかし、この移住計画は「本来の生息地(パース周辺)を諦める」という敗北宣言でもあります。「本来の自然の姿」を絶対視し、過去の環境にこだわる現状維持依存(Status Quo Dependency)的な価値観からは、「人間が神の真似事をして自然を操作するべきではない」という強い倫理的抵抗を受けます。

「火星移住」のジレンマ:根本的な解決からの逃避か?

イーロン・マスク氏らの「火星移住構想」との共通点は、まさにこの議論の核心です。

  • 環境破壊の免罪符になる危険性: 「環境が悪化したら、技術や人間の手で別の場所(火星や南部の湿地)に逃げればいい」という前例を作ってしまうと、そもそも気候変動を食い止めようとする社会的な動機を削ぐことになりかねません。「根本的な原因(温室効果ガスや開発)」の解決から目を背ける免罪符になるという批判です。
  • 残される命の選別(生態系のトリアージ): クビカシゲガメという「象徴的で、研究が進んでおり、資金が集まりやすい種」だからこそ、莫大なコストをかけて特別行きの「救命ボート(移住)」に乗ることができました。しかし、パースの湿地に生息している無数の昆虫、植物、微生物をすべて300km南へ引っ越しさせることは不可能です。つまり、カメだけを脱出させ、残りの生態系は見捨てるという残酷な「命の選別」が行われている側面があります。

絶望の中の「苦肉の策」

クビカシゲガメの人為的移住は、決して理想的な成功物語ではなく、「そうでもしなければ、数年後には地球上から完全に消滅してしまう」という絶望的な状況下で切られた、最後のカード(苦肉の策)です。

これは気候変動による急激な環境変化(乾燥化)のスピードに、生物の自然な適応や進化が全く追いついていないという恐ろしい現実を浮き彫りにしています。

出典

Questioner: If we keep relying on projects like this… sure, the Earth still feels pretty big right now. But if climate change keeps shrinking our habitable zones, it feels like eventually, we’re all going to end up huddled together up at the North and South Poles.

Me: I’m sure these projects do some good, but they really just feel like a temporary band-aid. What we seriously need to be focusing on right now is flattening the curve of climate change, don’t you think?

Questioner: Yeah, because even if we relocate different species to better environments, it just feels like climate change is moving way too fast for them to keep up.

Me: It really does feel that way. Climate change used to feel like this slow, creeping issue, but since we hit 2026, the shift has become glaringly obvious.

Questioner: Between the AMOC and El Niño, it kind of feels like the whole climate cycle is stuck on fast-forward.

Me: To me, the current state of climate change feels like someone wrapped a rope completely around the Earth, and they’re silently pulling it tight from both ends—like a slow, suffocating chokehold.

If we don’t take action now, that loop is just going to keep shrinking, slowly but surely, until there’s nothing left but a tiny dot at the very ends of the Earth’s axis.


Thank you for taking five minutes out of your day to read this.

I truly hope those five minutes somehow make a difference for the Western Swamp Tortoise.

鶏人|Keijin

質問者:このプロジェクトを今後も続けていったら、今はまだ地球は広いって感じられてるからいいけど、この先気候変動で生活する場が狭まってきたら、北極や南極でみんな小さくなって生活しなきゃならなくなりそうだよね。

私:このようなプロジェクトの効果もあると思いますが、一時的な救済処置に感じてしまいます。今、本気でやるべきことは、やはり気候変動を緩やかなカーブにすることなのではないのでしょうか。

質問者:いろいろな種を適地に移動させたとしても、気候変動のスピードのほうが速いような気がするからね。

私:そう感じますよね。今までゆっくりと進んできているような気候の変動が、2026年に入ってから明らかに変化してきています。

質問者:AMOCにしてもエル・ニーニョ現象にしても、気候のサイクルが速くなってきている気もする。

私:現在の気候変動は、地球をぐるりとロープで縛り、それを両方からゆっくりと真綿で首を絞めるように締め上げているような気がしています。

今なにも行動を起こさなければそのロープの円はゆっくりと確実に締め上がり小さな円になりやがて地球の軸の先端で点になってしまうのではないのでしょうか。


貴重な5分間を、ありがとうございました。

クビカシゲガメに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


【お知らせ】

この記事の要約版は「note」でも配信しています。
サクッと概要だけ振り返りたい方や、noteをご利用の方は、ぜひそちらもフォロー&チェックしてみてくださいね。
⬇︎お待ちしております。⬇︎

コメント