11年後のレッドリスト|キンミンスナガレトンボ:細い流れに、まだ影を残していた【IUCNレッドリスト比較】

11年後のレッドリスト|キンミンスナガレトンボ:細い流れに、まだ影を残していた【IUCNレッドリスト比較】 11年後のレッドリスト
※このページは、[IUCNレッドリスト]世界の絶滅危惧生物図鑑(2014年版)に基づいて制作した個人ブログです。

Hello, I’m 鶏人|Keijin.

According to a 2014 guidebook, Kimmins’s Sanddragon (Progomphus kimminsi) was classified as NT (Near Threatened). Its habitat was confined to the Yungas region, stretching from southern Bolivia to northwestern Argentina, with very few confirmed sightings. Experts worried that its riverside habitats would shrink and fracture due to selective logging, agricultural expansion, and oil exploration.

Fast forward to 2026, and its IUCN Red List status hasn’t changed. It’s still stuck at Near Threatened. We have made some slow but steady progress in our research recently, like documenting its larvae and logging new distribution records. Argentine biodiversity data also shows that the species lives inside protected areas.

But here’s the catch: the actual IUCN rating is still based on the 2009 assessment. This means we don’t actually have any proof that their population has recovered or that the threats have completely disappeared.

I feel like Kimmins’s Sanddragons are still just barely holding on—”leaving a faint shadow over the narrow streams,” so to speak.

This is a quick read, taking only about 5 minutes. I really hope you’ll stick with me to the end.

こんにちは、鶏人|Keijinです。

キンミンスナガレトンボ(学名:Progomphus kimminsi)は、2014年の図鑑では、分布域が南ボリビアからアルゼンチン北西部のユンガス地域に限られ、確認地点も多くなく、選択的伐採や農業・石油探査に伴う森林改変によって、河川沿いの生息地が縮小・細分化するおそれがあることなどから「NT:準絶滅危惧」と評価されていました。

そして、2026年時点で確認できるIUCNレッドリストの評価も、2014年と変わらず、「NT:準絶滅危惧」のままでした。近年は、 幼虫の記載や新しい分布記録が追加され、調査上の知見は少しずつ前進しています。また、アルゼンチンの生物多様性情報では、保護区域内での存在も示されています。ただし、IUCN評価そのものは2009年評価のままであり、個体数の回復や脅威の解消が確認されたわけではありません。

キンミンスナガレトンボは今も、「細い流れに、まだ影を残していた」状態なのだと思います。

この記事は短く、5分で読めます。
よかったら最後まで読んでください。

※2026年時点で、IUCNレッドリストにおける最新評価は2009年評価(2009年公開)です(以降の更新は、現時点では確認できていません)。
※本記事は専門家による学術的な評価ではなく、公開された資料に基づく個人の調査・見解を含みます。
※IUCN評価は「世界全体」と「地域・個体群」で分かれる場合があります。地域によって状況は異なります。
最新かつ正確な分類や保全状況については、IUCN公式サイトなどをご確認ください。
参考:IUCN Red List(学名:Progomphus kimminsi

2014年から2026年へ|キンミンスナガレトンボのIUCN評価は変わったのか

⬇︎キンミンスナガレトンボの生態(基本情報)です。必要なら開いてください。

基本情報|キンミンスナガレトンボ(英名:Kimmin’s Clubtail)

主に IUCN系情報を反映する iNaturalist・Observation.org、アルゼンチンの生物多様性情報サイト SIB、アルゼンチン産トンボ目チェックリスト、原記載論文情報を照合しました。Progomphus kimminsi は、アルゼンチン北西部のユンガス雲霧林地域に分布するサナガレトンボ類で、IUCN関連では NT:準絶滅危惧 と扱われます。アルゼンチンの更新チェックリストでは、フフイ、サルタ、トゥクマン各州のユンガス地域から記録されています。(iNaturalist)

項目内容
和名キンミンスナガレトンボ
別名・表記ゆれキミンスナガレトンボ、キンミンス・サンドドラゴン、Progomphus kimminsi などと表記される可能性がある
英名固定された一般英名は確認しにくい。属全体では Sanddragon と呼ばれるため、Kimmins’s Sanddragon と訳せる可能性がある
学名Progomphus kimminsi
命名者・命名年Belle, 1973
分類昆虫綱・トンボ目・不均翅亜目・サナエトンボ科・Progomphus 属
分類上の注意日本語名に「ナガレトンボ」とあるが、分類上はサナエトンボ科 Gomphidae のトンボ
属の英名Progomphus 属は一般に Sanddragons と呼ばれる
属の特徴中型のサナエトンボ類で、砂質の川岸、砂底の小川、川、池の縁などと関係する種が多い
種小名の由来kimminsi は、英国の昆虫学者 Douglas Eric Kimmins に献名されたものと考えられる
IUCNレッドリストNT:準絶滅危惧
分布国アルゼンチン
主な分布域アルゼンチン北西部のユンガス雲霧林地域
記録州フフイ州、サルタ州、トゥクマン州
生物地理区分アルゼンチンのユンガス、つまりアンデス東斜面の湿潤な山地・亜熱帯雲霧林地域
分布の特徴広域普通種ではなく、ユンガス地域に比較的限られた分布をもつ種
生息環境森林内または森林周辺の小川、渓流、河川
好む水環境砂質・砂礫質の底を持つ流れのある水域と関係が深いと考えられる
成虫の生活場所渓流沿い、河川周辺、砂地の川岸、森林内の水辺
幼虫の生活場所水中。Progomphus 属の一般的特徴から、砂質・細粒底質に潜る生活をする可能性が高い
幼虫の記載状況2020年のアルゼンチン産トンボ目チェックリストでは幼虫は未記載とされていたが、その後、アルゼンチン産 Progomphus 属幼虫の診断・検索表で本種幼虫が扱われている
活動時間昼行性
成虫の食性小型昆虫を捕食する肉食性
幼虫の食性水生昆虫などの小型水生動物を捕食する肉食性
生活史卵、水生幼虫、羽化、成虫というトンボ類の生活史を持つ
産卵詳細な種別情報は少ないが、サナエトンボ科の多くと同様、流れのある水域に関係して産卵すると考えられる
体の大きさ具体的な体長情報は確認しにくいが、Progomphus 属は中型のサナエトンボ類として扱われる
体型サナエトンボ科らしく、左右の複眼が離れた頭部、比較的がっしりした胸部、細長い腹部を持つ
頭部の特徴サナエトンボ科の特徴として、複眼が頭頂部で接しない
脚の特徴流水域周辺にとまり、獲物を捕らえるための発達した脚を持つ
翅の特徴Progomphus 属には翅に色彩を持つ種があり、本種も同属の形態的特徴の中で識別される
識別上の要点雄の腹部付属器、胸部・腹部の斑紋、翅の色彩、産地などが専門的な同定点になる
類似種アルゼンチンには Progomphus complicatus、Progomphus joergenseni、Progomphus phyllochromus など複数の同属種が分布する
混同しやすい点外見だけでは同属他種と混同しやすく、地域・形態・雄の付属器確認が重要
個体数正確な総個体数は不明
個体数傾向明確な長期データは限られるが、分布が狭く、生息地の劣化に注意が必要な種とされる
主な脅威ユンガス雲霧林の伐採、選択伐採、農地化、河川周辺植生の劣化、土砂流入、水質悪化
森林劣化の影響成虫の活動場所や河畔林が失われるだけでなく、水温・水質・底質が変化し、水中幼虫にも影響する
河川改変の影響流量変化、河岸改変、土砂堆積、水質汚濁は、幼虫の生息環境を悪化させる可能性がある
保全上の要点ユンガスの森林渓流、河畔林、水質、砂質河床を一体として保全すること
調査上の課題分布範囲、幼虫生態、繁殖場所、季節的出現、個体数推定の情報が不足している
生態系での役割成虫は陸上・水辺の小型昆虫を捕食し、幼虫は水生小動物を捕食する。渓流生態系の小型捕食者として機能する

Progomphus kimminsi は「トンボそのもの」よりも、「ユンガスの森林渓流がどれだけ残っているか」が問題のようです。成虫は水辺の上を飛びますが、命の大部分は水中幼虫として流れの底にあります。つまり、森を少し伐るだけでも、日陰、水温、土砂、水質が変わり、見えない場所で先に影響が出るタイプの生きものです。アルゼンチンの更新チェックリストでも本種は NT とされ、記録州はフフイ、サルタ、トゥクマンのユンガス地域に限られています。(Squarespace)

出典

最終評価2009年:キンミンスナガレトンボ「NT:準絶滅危惧」

この種に対する脅威は、選択的な樹木の伐採や(生息域の少なくとも一部で生じている)農業や石油探査のための森林皆伐による生息地の縮小と細分化などである。

出典:訳者 岩槻邦男、太田英利 / 発行者 池田和博 / タイトル『IUCNレッドリスト世界の絶滅危惧生物図鑑』/ 発行所 丸善出版株式会社 / 発行 2014/01/31 / © Kunio Iwatsuki, Hidetoshi Ota, 2014

確認した範囲では、キンミンスナガレトンボ(Progomphus kimminsi)は、2014年図鑑の準絶滅危惧(NT)から、2026年確認時点でもNTのままです。ただし、これは「安全になった」というより、IUCN評価が2009年評価のまま大きく更新されていない状態に近いです。一方で、2023年には幼虫の記載や新しい分布記録が出ており、知見は増えています。(SIB)

項目2014年の図鑑現在(2026年確認)
和名キンミンスナガレトンボキンミンスナガレトンボとして扱って問題ない。英名はKimmin’s Clubtail。
学名Progomphus kimminsi BelleProgomphus kimminsi Belle, 1973。分類上もサナエトンボ科・Progomphus属で変化は確認できない。
IUCNカテゴリー準絶滅危惧(NT)準絶滅危惧(NT)のまま。2026年確認時点で、IUCN連携データでもNTと表示されている。
評価年図鑑はIUCN Red Listの2009年評価を反映している。IUCNの最終評価は2009年のまま確認される。つまり、カテゴリーが維持されている一方で、最新の包括的再評価は確認できない。
分布南ボリビアからアルゼンチン北西部に限定されるとされる。アルゼンチンではJujuy、Salta、Tucumánなど北西部のYungas地域に記録。2023年にはSantiago del Esteroが新しい州記録として追加され、ボリビア側の記録も補強された。
生息環境湿って水のある森林性の環境、小川や川の流域にすみ、晴れた日には雄が川沿いを飛ぶとされる。森林と内陸湿地、特に河川・小川に結びつく種という見方は現在も変わらない。2023年研究では河川で得られた幼虫・羽化前個体も扱われている。
個体群動向個体数の明確な増減は不明。見つかりにくく、分布も狭く見積もられていた。現在も成熟個体数や長期的な増減を示す十分な定量データは確認できない。新記録は「知見が増えた」ことを示すが、「個体数が回復した」証拠ではない。
分布範囲の評価既知の出現範囲は狭く、2009年評価ではEOO約9,450km²、10地点未満とされていた。新記録により既知分布は少し補強されたが、最新のEOOやAOOが再計算され、IUCNカテゴリーが見直された形跡は確認できない。
幼虫・生活史2014年時点では幼虫情報が乏しく、未記載に近い状態だった。2023年にP. kimminsiの幼虫が記載され、アルゼンチン産Progomphus属幼虫の識別情報が整理された。これは調査・保全上かなり重要な進展。
主な脅威選択的伐採、農業や石油探査に伴う森林皆伐、生息地の縮小・細分化が懸念されていた。本種固有の脅威評価は大きく更新されていないが、河川・湿地依存のトンボ類では、湿地や自由に流れる河川の消失が現在も大きな世界的リスク。図鑑にある森林改変・河川環境改変の懸念は消えていない。
保護区との関係図鑑時点では、継続調査や保全体制の構築が必要とされていた。アルゼンチンのSIBでは、在来種として1つの保護区域に存在すると表示される。ただし、分布全体が保護されているわけではなく、保護区外の河川・森林環境の劣化は引き続き問題になり得る。
2014年との比較「狭い分布・少ない確認地点・生息地改変リスクを抱えるNT種」という位置づけ。カテゴリーはNTのまま。ただし、2023年以降の研究で分布・幼虫情報は前進した。状態としては「悪化確認なし」ではあるが、「安全化」ではなく、「未再評価のまま知見だけが少し進んだ種」と見るのが妥当。

出典

キンミンスナガレトンボは、2014年の図鑑で準絶滅危惧(NT)とされ、2026年確認時点でもIUCNカテゴリーはNTのままです。ただし、評価自体は2009年の内容が継続しているため、状態が安定していると断定するのは難しいです。一方で、2023年には幼虫の記載や新しい分布記録が追加され、調査上の知見は前進しました。森林伐採、農業拡大、石油探査、河川・湿地環境の改変といった脅威は現在も残っており、「悪化確認なし」ではあるものの、保全上の注意が必要な種です。

⬇︎キンミンスナガレトンボの保護活動の種類です。必要なら開いてください。

保護活動の種類内容実施・提案の状況重要度補足
河川・渓流の保全本種が生息するユンガス地域の河川、渓流、流水環境を守る必要・一部は保護区管理で実施最重要本種は河川・渓流性のトンボであり、水域そのものの保全が最重要
ユンガス雲霧林の保全アルゼンチン北西部からボリビアにかけてのユンガス森林を守る実施中・継続必要最重要河川の水質、水温、日陰、土砂流入は周囲の森林状態に強く左右される
河畔植生の保全川岸の草本、低木、張り出した植物、水生植物を残す必要最重要成虫の止まり場、交尾場所、産卵場所として重要
河畔大型水生植物の保全雌が産卵に利用する河畔の大型水生植物や湿性植物を保護する必要高い研究では、雌が河畔の大型水生植物の葉に産卵するとされる
水質保全農薬、肥料、生活排水、鉱山排水、土砂流入を抑える必要最重要幼虫は水中生活を行うため、水質悪化は直接的な脅威になる
土砂流入の抑制林道、農地、牧草地、斜面崩壊、伐採地から川へ土砂が流れ込むのを防ぐ必要高い河床が細かい土砂で埋まると、幼虫のすみ場所や餌生物が失われる可能性がある
河川の自然構造維持瀬、淵、砂礫、岸辺の植生、自然な流路を維持する必要高いサナエトンボ類は河床や流れの構造に依存する種が多く、河川改修はリスクになる
河川改修の回避護岸、直線化、浚渫、コンクリート化を避ける必要高い河川構造の単純化は、幼虫環境と成虫の岸辺利用を同時に損なう
浚渫の制限河床の砂礫、泥、落葉、植物を大きく取り除く浚渫を制限する必要中〜高幼虫が河床に潜む可能性があるため、河床攪乱は慎重に扱う必要がある
取水管理農業用水、生活用水、水力利用による過剰取水を避ける必要高い流量低下は水温上昇、産卵場所減少、幼虫環境の乾燥につながる
乾季流量の監視乾季に川が細りすぎないか、流速・水深・水温を記録する必要中〜高気候変動や取水の影響を早期に把握するために重要
河畔緩衝帯の設定農地、牧草地、道路と河川の間に自然植生帯を残す必要高い土砂・農薬流入を減らし、成虫の休息場所や産卵場所を残せる
森林伐採の抑制河川上流や河畔林の伐採を減らす必要高い森林伐採は水温上昇、土砂流入、河畔植生の劣化を引き起こす
選択伐採の管理完全伐採だけでなく、選択伐採でも河畔域や上流域を保護する必要中〜高一見軽い伐採でも、林内の乾燥化や土砂流出を通じて河川に影響する
農地拡大の抑制ユンガス地域の谷沿い・河川沿いで農地化を抑える必要高い河川沿いの土地利用変化は、河畔植生と水質を直接変える
牧畜圧の管理家畜の河岸踏み荒らし、水辺植生の食害、糞尿流入を減らす必要中〜高岸辺の植物が失われると、産卵場所や成虫の止まり場が減る
家畜の川岸侵入制限重要河川では柵や利用ルールにより、家畜の直接侵入を抑える必要中〜高河岸崩壊と水質悪化の防止に役立つ
鉱山・採石影響の管理上流域での採掘、土砂流出、重金属汚染を防ぐ必要中〜高ユンガス地域の河川生態系では、水質汚染と土砂流入が大きなリスクになり得る
道路建設の影響評価山地道路、橋梁、林道建設が河川に与える影響を評価する必要中〜高道路は土砂流入、人の侵入、河畔植生の断片化を進める可能性がある
保護区内河川の管理Baritú National Park、Calilegua National Park などユンガス保護区内の河川を保全する実施中・継続必要高いBaritú National Park はユンガスの代表的な保護区で、河川と多様な生物の保全を目的に含む
保護区外河川の保全保護区外の小河川、村落周辺、農地周辺の水辺も保全対象にする必要高い本種の分布は保護区だけで完結しない可能性がある
保護区ネットワークの活用国立公園、州保護区、ユンガス生物圏保護区を連携させる必要高い河川生物は上流から下流までつながるため、点ではなく流域単位の保全が必要
流域単位の管理河川の一部だけでなく、上流、支流、河畔林、周辺土地利用をまとめて管理する必要最重要水生昆虫の保全では、発見地点だけでなく流域全体を見る必要がある
分布再調査既知地点と周辺河川で、本種の現存確認を行う必要最重要古い記録や限られた地点情報だけでは、現在の生息状況を判断しにくい
追加生息地探索ボリビア南部、アルゼンチン北西部の未調査河川を調べる必要高い既知分布域外にも小さな個体群が残る可能性がある
成虫センサス晴天時に河川沿いを歩き、成虫の出現数、なわばり、交尾行動を記録する必要高い観察資料では、雄が日なたで川の区画をパトロールするとされる
幼虫調査河床や岸辺の堆積物から幼虫を調べ、繁殖地を確認する必要高い成虫確認だけでは、その河川で繁殖しているか判断しにくい
羽化殻調査川岸の植物、岩、草、倒木に残る羽化殻を調べる必要中〜高羽化殻は、その場所で幼虫が成長した証拠になる
幼虫記載・識別研究幼虫形態の識別精度を高め、調査で本種を確認しやすくする実施中・継続必要高い近年、アルゼンチン産 Progomphus の幼虫記載研究で本種の幼虫情報が扱われている
標準化モニタリング調査時期、天候、距離、時間、記録項目を統一する必要高い年ごとの増減や地点間比較には、標準化された調査が必要
長期モニタリング同じ河川で数年〜十数年単位の個体数と環境変化を追う必要最重要Near Threatened の種では、減少傾向を早期に把握することが重要
生息環境データの記録水温、流速、水深、河床、植生、日照、濁度、土地利用を同時に記録する必要高いどの条件が本種に重要かを明確にすることで、保全優先地を選びやすくなる
個体群の孤立度評価河川ごとの個体群がどの程度つながっているか評価する必要中〜高分布が山地河川に分かれる場合、局所絶滅リスクが高まる
遺伝的研究ボリビア・アルゼンチン各地の個体群の遺伝的差異を調べる必要中〜高分布域が広く見えても、山地河川ごとに孤立している可能性がある
ユンガス固有種群としての保全本種だけでなく、同じ河川にすむユンガス固有トンボ類と一緒に保全する必要高いユンガスの研究では、本種を含む複数の固有トンボ類が保全評価対象になっている
淡水生物指標としての活用本種を河川環境の健全性を示す指標の一つとして使う可能中〜高トンボ類は水質、河畔植生、流域改変に反応しやすい
生態研究産卵場所、幼虫環境、羽化時期、成虫の行動圏、季節性を調べる必要高い種単独の保全計画を作るには、生態情報の蓄積が必要
繁殖場所の保護交尾・産卵・羽化が確認された河岸区間を重点的に守る必要高い成虫の出現地点より、実際に繁殖している場所の保護が重要
河畔植物の刈り払い制限産卵場所・休息場所となる川岸の草や植物を過度に刈らない必要中〜高河川管理で岸辺をきれいにしすぎると、利用場所が減る可能性がある
観光・レクリエーション管理河川沿いの踏み荒らし、車両乗り入れ、キャンプ、ゴミを管理する必要小河川では局所的な攪乱でも影響が出やすい
外来植物管理河畔を覆う外来植物が在来水辺植生を置き換えないよう管理する必要産卵基質や岸辺構造が変わる可能性がある
気候変動への対応降雨パターン変化、渇水、洪水増加、水温上昇を監視する必要中〜高山地河川性の昆虫は、極端な渇水や洪水に影響されやすい
洪水後の再確認大規模洪水後に、幼虫環境や成虫出現が維持されているか確認する必要洪水は自然現象だが、流域劣化と組み合わさると河床攪乱が強くなる
水辺のゴミ・汚染除去プラスチック、廃棄物、油分、農業資材の流入を減らす必要直接的・間接的に水質と河畔環境を悪化させる
地域住民への普及啓発ユンガスの川と固有トンボの重要性を地域に伝える必要中〜高小型昆虫は見過ごされやすく、地域の理解が保全につながる
学校教育地元学校で川の生き物、トンボ、水質、生物多様性を学ぶ機会を作る必要長期的な水辺保全の意識づくりに役立つ
レンジャー・調査員育成現地の保護区職員や学生がトンボ類を識別・調査できるようにする必要高い希少種の発見・記録には分類知識が不可欠
市民科学の活用写真記録や観察情報を使い、分布確認を補助する可能ただし、誤同定や詳細位置公開には注意が必要
詳細位置情報の慎重管理希少な繁殖地点の正確な位置を不用意に公開しない必要観察圧や採集リスクを避けるため、保全上重要な地点情報は慎重に扱う
IUCN評価の更新新しい分布、個体数、脅威、保護区内外の状況を反映して評価を更新する必要高いアルゼンチンの資料では、同国の多くのトンボ類評価が古く、更新が必要とされている
研究成果の公開分布、幼虫、繁殖、脅威に関する情報を論文・報告書として共有する必要中〜高小型無脊椎動物は情報不足になりやすく、公開データが保全判断を支える
飼育下繁殖施設内で繁殖させる主要対策として確認できず低〜保留現時点で確認できる中心的対策は、野外河川の保全とモニタリング
再導入消失した河川へ個体を戻す主要対策として確認できず低〜保留まずは現存河川の保護、分布確認、繁殖地確認が優先される
順応的管理モニタリング結果に応じて、河畔林保全、取水管理、調査地点、保護区管理を見直す必要最重要Near Threatened の段階で悪化を防ぐには、早期発見と管理更新が重要

出典

最後に

Questioner: It mentions “clear-cutting forests for agriculture and oil exploration,” but what does “clear-cutting” actually look like here? Is it like, “There’s gotta be oil somewhere in this forest! Let’s just chop everything down first and dig later!”—like, totally wiping the place out?

Me: I’m not sure if they’re literally tearing up every last root, but since they specifically use the word “clear-cutting,” it definitely gives off that vibe. Let me look into it.

質問者:「選択的伐採、農業や石油探査に伴う森林皆伐」とあるけど、森林皆伐ってのは、「この森林のどこかにあるはずだ!とりあえず全部切っちゃってから掘ろうぜ!」って根こそぎなかんじなのかな。

私:根こそぎかどうかはわかりませんが、皆伐と書いてあるので、それっぽいですね。調べます。


探査フェーズ:「サイコロ状に切り刻まれる森」

石油の埋蔵場所を探る際、いきなり森を全裸にするような真似はしません。代わりに「サイズミック・ライン(地震探査測線)」と呼ばれる手法が使われます。 これは、森の中に幅数メートルから十数メートルの直線の道を、数十〜数百メートル間隔で「巨大な網の目状(グリッド状)」に何十キロにもわたって切り開く作業です。この直線状の空き地に爆薬を仕掛けたり、起震車を走らせたりして人工地震を起こし、地下の構造を立体的にスキャンして石油を特定します。

森全体を面で「皆伐」するわけではありませんが、この時点で生態系には致命的なダメージが入ります。動物たちからすれば、住処が無限の直線道路で細かく分断されるためです。図鑑にあった「生息地の細分化」とは、まさにこの探査グリッドによって生活圏がズタズタにされる状態を指しています。

開発フェーズ:インフラ整備による直接的な皆伐

スキャンによって実際に石油の場所が特定されると、今度はそこに「掘削プラットフォーム(油井)」を作るための面的な皆伐(クリアカット)が行われます。さらに、巨大なプラント設備や重機を入れるための「アクセス道路」、そして採掘した原油を運ぶ「パイプライン」を通すため、森が帯状に、そして面的に大きく切り開かれます。

最悪のフェーズ:「アクセス道路」が招く二次的な大皆伐

図鑑の記述で「農業や石油探査」とセットで語られているのには、明確な理由があります。ここが核心部分です。

かつては密林に阻まれて人が立ち入れなかった奥深いジャングルに、石油会社が立派な「道路」を通してしまうと、そこが導線となって木材業者や貧しい開拓農民が次々と押し寄せます。 彼らは価値のある木を切り倒した後、森に火を放ち(焼き畑)、牛の放牧地や輸出用の大豆畑などに作り変えていきます。ここで初めて、「根こそぎの皆伐」が、石油会社の開発面積をはるかに上回る規模で発生します。

つまり、石油探査は「森の防御壁に穴を開ける最初のドリル」として機能し、その後に続く無秩序な農業開発が「生息地の縮小(消滅)」の決定打となっているのです。

Questioner: The whole process of oil exploration is pretty messed up from the start, but the real issue seems to be what happens after the roads are built. People flock to them and clear out the surrounding land for farming, just like ants swarming a cube of sugar.

Me: Exactly. From the perspective of people living in poverty, it’s probably something like, “Hey, I hear they’re cutting a new road for the oil rigs! We gotta get out there and claim some land before anyone else does!”

Questioner: Man, if the local communities actually welcome these roads because they’re desperate, it really makes you feel like deforestation is just never going to stop, doesn’t it?

Me: That’s exactly why the SDGs emphasize concepts like “Reach the furthest behind first” and “Leave no one behind.” The idea is that if we can give marginalized people alternative ways to survive, we can finally break this vicious cycle that kicks off the moment an oil company shows up.

Questioner: But wait… when they say “no one,” they’re only talking about human beings, right?

Me: Spot on. And honestly, I think it’s exactly that human-centric mindset that allows people to casually set off explosives in the forest and trigger artificial earthquakes, completely ruining the lives of the animals that live there. Obviously, leaving people in poverty behind is a huge problem, and we shouldn’t do that. But before we even get to that, we really need to remember that humans aren’t the only ones living on this planet.

Questioner: I hear you. Moving forward, we really need to figure out a way to coexist with the Earth under a new motto: “Reach the most vulnerable creatures first, and leave no living thing behind.”


Thank you for taking five minutes out of your day to read this.

I truly hope those five minutes somehow reach the Kimmin’s Clubtail out there.

鶏人|Keijin

質問者:最初の一歩の石油探査のやり方もかなり問題あると思うけど、道ができたあと、砂糖にアリが集まるようにその道の周りを農地などに開拓していっちゃうことが問題だね。

私:そのようですね。貧困層の人たちからしたら、「石油探査で道ができるらしいぜ!誰よりも早く行って開拓しなきゃな!」ってところなのでしょうかね。

質問者:地域の貧困層の人たちにも喜ばれちゃっていたりすると、森林伐採もなくならない気もしてきちゃうね。

私:だからSDGsでも「最も遅れている人から先に(Reach the furthest behind first)」「誰一人取り残さない」(Leave no one behind)と掲げています。貧困層の人たちが、別の選択肢を見つけることができればこのような、石油探査の後に続く負の連鎖がなくなると考えているのでしょうね。

質問者:でもこれって、誰一人なんだよね。

私:そうなんです。この人間中心的な考え方だから石油探査で爆薬を使って地震を発生させ森林で暮らす生き物たちの生活を平気で脅かすことができるのだと、私は思っています。もちろん貧困層の人たちを取り残すのはダメだと思います。けれども、その前に地球で暮らす生き物は人間だけではないことを忘れてはいけないと思います。

質問者:だから、「もっとも弱い生物から先に、どの生物も取り残さない」といった考えでこれからの地球と共に生きる道を考えていきたいね。


貴重な5分間を、ありがとうございました。

キンミンスナガレトンボに、その5分が届くことを祈ります。

鶏人|Keijin


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